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日本戦車の特徴を史実からゲーム内まで聞いた『World of Tanks』メディア先行体験会レポート

都内のウォーゲーミングジャパンオフィスで、先日、日本戦車が追加されるバージョン8.10の配信日が12月24日に決まった『World of Tanks』の先行プレイが出来る、メディア向け体験会が行われました。

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都内のウォーゲーミングジャパンオフィスで、先日、日本戦車が追加されるバージョン8.10の配信日が12月24日に決まった『World of Tanks』の先行プレイが出来る、メディア向け体験会が行われました。このアップデートによる、本格的な日本戦車登場に関して、ウォーゲーミングジャパンのミリタリーアドバイザーを担当している、宮永忠将氏が解説を行いました。




日本の戦車を説明する前に、まず「なぜ戦車が生まれたのか?」というスライドから出発。1914年7月28日にイギリス・フランスを中心とした連合国側と、ドイツを中心とした中央同盟国側による、第一次世界大戦が勃発。予想もしない塹壕戦が中心となった長期戦に発展します。

塹壕戦では、大量の歩兵が突撃しても、各防御線に設置された「機関銃」によって阻止され、仮に突破しても、自動車や鉄道による兵員輸送で簡単にその穴が簡単に塞がってしまう、という状況が繰り返されました。これでは、いつまでも突破できず歩兵の犠牲者は増える一方なので、それを解決する策が模索されます。そして、アイデア自体は以前から存在した、「戦車」の開発が本格化しはじめました。

各国共に塹壕を突破するための車両を研究し始めますが、イギリスでは陸上軍艦委員会が発足し、後の首相となる海軍大臣ウェストン・チャーチルが委員長を務めます。この時、開発した箱型トラクターを「特殊水槽(Water Tank)」の秘匿名称で呼び、この名称が転じてTankと言われるようになります。こうして戦車は、鉄条網を破壊し、機関銃陣地を制圧し、時に歩兵の盾となり、防御線を突破する兵器として誕生しました。



続いて「日本はなぜ戦車を必要としたのか?」という話に移り、日本は第一次世界大戦に連合国側で参戦したものの(青島要塞攻略戦や、地中海へ艦隊の派遣など)、ヨーロッパの総力戦を経験したことがなく、血みどろの戦争は日本にとってショックなものでした。欧米と比較した際、モータリゼーションが遅れた国でもあり、戦車も開発したことがない自分たちは「果たしてこれから互角に戦えるのだろうか?」という不安がありました。

日本の戦車導入には、第一次大戦後の予算縮小傾向の中、大量に余った兵器を輸入し安く大量にそろえる海外調達派と、自分たちで設計・開発する独自開発派に別れました。最終的に独自開発が認められ、1925年に独自戦車開発が始動、その二年後に試製一号戦車が完成します。1931年には八九式中戦車の量産も成功し、満州事変などで活躍しました。

九五式軽戦車(1935年)や、九七式中戦車(1937年)といった日本戦車は、ディーゼルエンジンを搭載していることで、一回の補給で長い距離を走れることや、攻撃されても炎上しにくく、燃費も良いといった特徴があります。




そして「日本の戦車はなぜ弱いのか?」というスライド三枚目に突入。戦車は、第一次大戦後の戦間期(1920年代から1930年代の間)になると、世界的な迷走に入ります。具体的に、歩兵を支援する兵器か、独立して運用される兵器か。歩兵を助けられる存在の個別運用か、集団運用の二つに分かれ議論されていました。それは、第一次世界大戦で、戦車の真価が発揮されなかったことに原因があります。

議論の一つの答えとして、ドイツ軍の「電撃戦」があります。少ない軍隊で戦う以上、全てを戦車中心に考え、敵に対し機動し一撃を加える事を、ハインツ・グデーリアン将軍が考え出します。戦線全体で戦うのではなく、戦車で敵の弱い所を突破し、後方を強襲する戦術は、ポーランドやフランスで勝利を手に入れます。

日本の戦車は、電撃戦の時代(1939~41年)に開発が停滞してしまいます。その間に各国の戦車は進化続け、取り残されてしまう形となりました。ノモンハン事件で多大な損害を被ったこともあり、砲を強化した九七式中戦車(新砲塔)が登場しました。戦車の歴史を説明した後、日本の軽戦車と中戦車ツリーで使用できる車両の紹介へ続きました。

■ルノーNC 乙型(Tier 1)
フランスから導入したルノーFTは性能に不満があったので、新たにシュナイダー社から提示されたルノーNCを購入。先にルノーFTがあったので、区別するために“乙”型と呼んだ。この車両の特徴として、足回りのスプリングは整地だと良いものの、不整地ではガタガタなのが、ゲーム中にどのような形で再現されるか気になるところ。





■九五式軽戦車 ハ号(Tier 2)
機動性重視の戦車を目指し、開発された軽戦車で、ディーゼルエンジンを搭載している。対戦車戦闘を想定していない戦車なので、ゲーム内では榴弾か鉄鋼榴弾しか発射出来ないため、榴弾中心となる厳しいものになるとのこと。





■九八式軽戦車 ケニ(Tier 3)
車体溶接で組み立てられた、ハ号の後継車。





■五式軽戦車ケホ(Tier 4)
対M3軽戦車用として開発された、軽戦車。チヘ車と同じ砲を搭載し、現時点で軽戦車の最終ラインとなる。二式軽戦車がないのは、Tierを増やすほど大きな差があるのか?という疑問の為。二式軽戦車に関することは、その性能がケニ車に含まれているので、そちらを使って欲しいようだ。





■九七式中戦車 チニ: (Tier 2)
ハ号選定後、八九式中戦車の後継を決める際、「安く軽く大量に」揃える戦車として試作された中戦車。




■九七式中戦車チハ(Tier 3)
前途と同じ、八九式中戦車の後継車両を決める際、「高価だが強靭な戦車」として選定された中戦車。開発に関して、高速性を保持するため、重量に関わる装甲厚問題が終始議論の中心となった。中国ツリーの鹵獲された九七式中戦車と性能は、ほぼ同じとのこと。





■一式中戦車チヘ(Tier 4)
チハ車がほぼリベットで組み立てられているのに対し、チヘ車は車体をほぼ溶接で制作され、装甲がより厚くなり新エンジンなどを採用した中戦車。ゲーム内ではチハ車より車体が強くなってるそうだ。一式中戦車には、二式砲戦車の四一式山砲が装備としてある。





■三式中戦車チヌ(Tier 5)
野砲を基にした75mm戦車砲を最初から装備し、敵戦車と渡り合える戦車であるが、車体は一式中戦車そのままなのに注意。





■三式中戦車チヌ改(プレミアム戦車 Tier 5)
チヌ車に四式中戦車と同じ砲塔と戦車砲を装備した戦車、プレミアム戦車としてv8.9から実装されている。





■四式中戦車チト(Tier 6)
四式中戦車になると、高射砲を基にした75mm戦車砲を装備しているので、戦える戦車となっている。





■五式中戦車チリ(Tier 7)
半自動装填装置を搭載した中戦車。ゲーム内で、砲を研究することによって半自動装填装置が搭載出来るようになると、三発連射が可能になるので、瞬間火力がかなり上昇する。





■STA-1(Tier 8)
61式戦車の試作型の一つである戦車。





■61式戦車(Tier 9)
戦後初めて開発された国産戦車である61式戦車。この“61”という数字は、西暦の下2桁を付けたもの。本車の砲を研究することによって、ペーパープランで存在した105mm戦車砲が搭載できる。





■STB-1(Tier 10)
74式戦車の試作車となるSTB-1。74式戦車ではなく、試作車が登場するのは他の戦車とバランスを取る為。この車両は、油圧による車体の前後左右に傾ける姿勢制御が特徴で、ゲーム内では再現出来ないものの、深い俯角をとれることが、その特色として現れている。





各戦車紹介後、実際に『World of Tanks』バージョン8.10テストサーバーで、日本中戦車最終Tier であるSTB-1を披露。俯角射撃や、レティクルの収束性能などを実演し、またテスト用に日本をモチーフとした新マップ「隠れ里」で、日本風の建造物などを紹介しました。

最後に、宮永忠将氏に『World of Tanks』日本戦車実装の話しを聞いたところ、しっかりした資料が少ないため制作にかなり苦労したことと、またこれから多くの車両が予定されていることも述べました。『World of WarPlanes』の日本機は、資料が海外に豊富にあるので余り関わってはいないが、これから出る予定の『World of WarShips』は、日本艦艇が中心となり一隻一隻作り直す勢いで、制作に当たっているとのことなので、どのような艦艇が登場するか期待です。



《G.Suzuki》

ミリタリーゲームファンです G.Suzuki

ミリタリー系ゲームが好きなフリーランスのライター。『エースコンバット』を中心にFPS/シムなどミリタリーを主軸に据えた作品が好みだが、『R-TYPE』シリーズや『トリガーハート エグゼリカ』などのSTGも好き。近年ではこれまで遊べてなかった話題作(クラシックタイトルを含む)に取り組んでいる。ゲーム以外では模型作り(ガンプラやスケモ等を問わない)を趣味の一つとしている。

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