協力型ホラーゲームにまたしても良作が登場しました。その名も『YAPYAP』。最大5人で協力し、魔導師となって色々なタスクをこなしましょう。
ファンタジックな雰囲気は保ちつつも、ドタバタなゲーム性とローブロウなノリが良い感じに合わさったタイトルでした。
※執筆に際し、パブリッシャーからSteamキーの提供を受けています。

呪文はその口で唱えろ!マイク必須の協力ゲーム
『YAPYAP』では、プレイヤーは魔導師となり、宵闇に包まれた尖塔を探索します。最初は拠点に「風のワンド」というアイテムが置いてあるだけで、それだけを握りしめて出撃することになります。何のチュートリアルもなく放り出されますが、一、二回出撃すればだいたいのルールは把握できるでしょう。
ライバルの魔導師の塔を荒らすという設定ではありますが、ジャンルとしてはPvPではなくPvE。ゲーム性としては『Lethal Company』に近いものです。ミッションをこなす、その辺にある調度品を破壊するなどでポイントが入り、3回目の帰還までに既定の値まで稼ぎましょう。

本作の肝は、魔導師らしく口で呪文を唱えるという点。よって、マイクは必須です。
呪文はワンドに紐づいており、拠点でいくらでも手に入る風のワンドでは「風呼び」「強風」「旋風」の三つしか唱えられません。風呼びで物を吹き飛ばし、強風で上空に飛び上がり、旋風で目の前に竜巻を引き起こせます。
日本語の音声認識にはしっかり対応しており、多少荒く唱えてもちゃんと発動してくれます。その点のストレスがまったくないのは素晴らしいところでした(ただし、全体的にローカライズは怪しいですが……)。

魔導師の塔にはさまざまなアイテムが落ちており、それらを拾って持ち帰るのも重要です。
さらに強い呪文が唱えられるワンドや、体力やスタミナを回復してくれるポーション、換金用や調合用のアイテムなど、大体のものに使い道があります。インベントリが3つ+1しかないのでかなり取捨選択は厳しいですが。
また、脱出に失敗したり、敵に倒されたりしまうとアイテムを落としてしまうので、なるべく全員揃って帰るのを目指しましょう。

もちろん、塔を守るモンスターにも出会います。直接攻撃する方法は皆無であり、しばらく魚に変えたり、位置を入れ替えたりして場当たり的に対処していきましょう。
ミニゲームが遊べる部屋もあり、発する声の高低で解くパズルがあったり、部屋中に散らばった7つの宝石を見つけるものもあったりして、遊びにバリエーションを設けています。クリアすると、ワンドや拠点で使えるお金が手に入ります。

ホラーゲームを自称していますが、えげつないジャンプスケアや恐怖表現はなく、同ジャンルの作品ができれば問題なくプレイできるでしょう。
むしろ、随所にあえて低いギャグを挟んでおり、そこが味になっています。

たとえば、道中で手に入る「キモいワンド」。これによって「ピーピー」という呪文を唱えられるのですが、これは杖の先から黄色いおしっこを放出できます。それもかなり長~く。
これを壺に溜めたり、モンスターに当てたりするとポイントがもりもり溜まっていきますし、スライムを爆発させることもできます。箱に当てるだけでもポイントが入るので、キモイワンドを手に入れ次第「ピーピー!」「ピーピー!」と喚きながら、そこかしこにおしっこをシューとぶちまけるのが安定行動になるんです。

他にも、チビという呪文で小さくなるとヘリウムガスを吸ったみたいに声が高くなるなど、ギミックひとつひとつを丁寧に作っている感じがあり、とても嬉しくなります。
稼がなければいけないポイントのボーダーや、敵の攻撃で削れる体力値なども理不尽でなく、もうちょっと工夫してみたら次は行けるかも? と思えるくらいの調整になっており、ただの一発ネタでない点も素敵でした。

ベースは『Lethal Company』ですが、魔導師のフレーバーが上手い具合に効いており、なかなか面白い体験に仕上がっていました。なにより常に誰かが「ピーピー……グラブ……」とぶつぶつ呪文を唱え続けているのがシュールで、ボイスチャット全盛の時代にマッチした作品と言えます。協力ゲーが苦手な人でも、なんとなく物をぶっ壊したり、喚きながらおしっこをぶちまけたりするだけで愉しいので、全人類にオススメです!














