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【PS4発売特集】PlayStation 4いよいよ日本発売へ、国民機の時代再来なるか ― SCEJA 河野弘プレジデントに聞く

PlayStation発売から20年、「まだ20年、丸く収まらずに子供みたいなところがあってもいいのかなと感じます」と笑みを含ませ語るのはソニー・
コンピュータエンタテインメントジャパンアジア(SCEJA)の河野弘プレジデント。

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PlayStation発売から20年、「まだ20年、丸く収まらずに子供みたいなところがあってもいいのかなと感じます」と笑みを含ませ語るのはソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア(SCEJA)の河野弘プレジデント。北米では24時間で100万台実売の快進撃。次世代のゲームマシンPlayStation 4がいよいよ2月22日(土)、日本にやってくる。発売直前のいま、河野氏は何を語るのか


■PlayStation発売から20年、次も「みんなで」PlayStationを

―――PlayStationの誕生から20周年です。おめでとうございます。

河野弘(以下、河野): ありがとうございます。もうそんなに経ったのか、という気もしますが、思い返してみれば色々なことがありましたね。いまとなってはPlayStationがあるのが当たり前ですが、当時は多くのメーカーからゲーム機が発売されている状況で、大きな賭けでしたが、創業当時のメンバーが持っていた「新しいエンターテインメントを創造する」という強烈なパッションがあったからこその今があると思います。支えてくれた全ての皆様に感謝したいです。

―――20年間続けてこれた理由をどう考えますか?

河野: ソニー・コンピューターエンタテインメント(以下、SCE)はソニーと、ソニー・ミュージックエンターテイメントから多くのスタッフが集まって出来た会社でした。技術と、エンターテイメントという、 異なるベクトルですが、それぞれ確かなものを持っていた両者が上手く融合できたというのがスタートではないかと思います。それからもちろん社外の、数多くのクリエイティブな人たちと一緒に仕事をすることができたというのも幸運でした。そうした事が積み重なって、沢山のユーザーの皆さんに楽しんで頂き、20年間続けてこられたのだと思います。

―――20年間、変わらないものは何でしょうか?

河野: ハードは時代と共に変化していきますが、我々SCEとして20年間変わらない部分というのは、イノベーターとしての役割とエンターテインメントの追求ですね。

―――2月22日(土)に発売するPlayStation 4においては、その2つの部分がどこになってきますでしょうか

河野: 映画であればショートムービーから超大作まであって、その幅を持てるかをいまのゲーム業界は問われています。それを実現するにはグラフィックを追求する方向と、シェア機能やPlayStation Vitaとのリモートプレイのような「遊び方発明」のような提案が必要で、その両方を実現できるマシンがPlayStation 4だと私は思います。グラフィックについては、開発を行っているグラフィック担当のクリエイターから、「これだけメモリを確保してくれていると、ゲームデザインをするうえですごく作りやすい」「作りやすいけど、追求する度合いによっては試されてしまう」というコメントをもらって います。ゲーム クリエイターや開発者に大歓迎されるのが、スペックや機能面といったクリエイティビティ的領域。PlayStation 4のシェア機能を活かすためにどういう仕込みをゲームにするのか、「トライする領域があって楽しい」と言ってくれています。

―――PlayStation 4発売後はどんな状況になっていくと思いますか。

河野: 据え置き型のPlayStationが出るのは約7年ぶりとなりますし、オリンピックよりも長い周期で迎える大イベントがPlayStation 4の発売と言ってもいいでしょう。イベントに参加するつもりで、開発サイドもユーザーサイドもいろんなクリエイティビティを発揮してもらって、我々もそれを受けてグレードアップしていく。全員参加で遊び方を工夫できるようなサイクルがPlayStation 4ではきっとできると思っています。


■質の高いタイトルを揃えて迎える日本発売

―――いろんなところでお話されてるとは思いますが、改めて日本での発売が2月22日になった理由をお話いただければ。

河野: 世界中で同じ発売日で販売するというのは理論上では可能ですが全世界一斉に販売できるほどの数を用意するのは、なかなか出来ることではありません。

―――そこには販売戦略の思索も入ってくると。

河野: 私は、PlayStation 3の発売当時アメリカに居て、あれだけ高額な商品だったにも関わらず、在庫がどこにも無く、不足に嘆くお店のかたとお客様のフラストレーションを目の当たりにしました。これを踏まえてPlayStation 4を成功させるために必要なことを考えたときに挙がってきたのが、ちゃんとした「ウェーブを作ること」。まず北米で販売を成功させ波を作り、ふたつ目の波を欧州で、そしてこれから3つ目の波として控えているのが日本です。ひとつ目の波である北米では、24時間で100万台の実売が出ています。PlayStation 3の時には全世界累計生産出荷100万台に2ヶ月ほどかかっているので、成果としては一目瞭然。SCEが北米に必要だと予想する数をしっかりと集中させたことで、SCEがこういう判断したのならと販売店のほうも「売るぞ」という気になって、ユーザーが安心して購入できる状況を作ってくれたんですね。

―――日本がトリとも言える時期になったことについてはどうでしょう。

河野: これは難しい判断で、正しかったかどうか今はまだ分かりません。順番を考える上で重要なのは、「その国のマーケットのお客様が支持するPlayStationを代表するようなタイトルが揃っているか」という点です。その意味で、北米や欧州の立ち上がりが早かったんです。それから、ウェーブを作る上で、タイトルの揃った欧米の年末商戦で盛り上げるというのはどうしても必要でした。この決定はSCE社内でも「残念」という声が聞かれましたし、日本のゲームユーザーから私が悪者と言われるのも仕方ないことだと思っています。ただ、大変お待たせしてしまいましたが、『龍が如く 維新!』や『真・三國無双7 with 猛将伝』といった国産の目玉タイトルがあって、『メタルギア ソリッド V グラウンド・ゼロズ』も間近に見えてきて『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』もすぐ控えています。最初から質の高いタイトルが揃っている、PlayStation 4というハードにとって良いタイミングで発売を迎えられるのではないでしょうか。


■PlayStation 4は国民機となり得るか

―――実際に遊ばせてもらった時に、メニューを触っただけでも手触りがよくて。体験会などでのユーザーの反応はいかがでしたか。

河野: よかったです。いまは我々で体験会を用意するなどPlayStation 4の良さをさまざまな形で知ってもらう取り組みをしている最中ですが、発売後にはガラッと状況が変化すると思っています。いち早くシェア機能を使って情報発信する人がワッと出るはずです。ある意味我々の手を離れてしまうところもあるとは思いますが、どうプレイ動画を配信してくれるか 、機能を使いこなしてくれるか、今から楽しみです。いままではワード・オブ・マウス、いわゆる「口コミ」という伝達手段がありましたが、それを実際にユーザーさんが実演して見せてくれるようになります。信じられないくらい手軽さ手軽にシェアできる、革命的な機能だと思います。

―――PlayStation 3を手にとらなかったユーザーには、どのようにアプローチされるんでしょうか。

河野: みなさんご存知の通り、PlayStation 2の販売台数がずば抜けてよく、残念ながらPlayStation 3の販売台数はそれに届いていません。そう考えると「据え置き機」が難しくなっていくのではという見方は当然あると思いますし、一概に外れてるとも言えないと思うんですね。しかし、据え置き機ならではの高い描写力、処理性能および様々なネットワークサービスとの融合を駆使して豊かなゲーム体験を提供することでPS4を普及拡大させていけると考えています。

―――どういったものが据え置き機に可能性を与えるでしょうか?

河野: 今回のPlayStation 4は「シェア機能」に代表されるように、ゲーム機でありながらコミュニケーションが絡んできます。それも自分の限られたネットワークだけのコミュニケーションではなくて、いわゆるパブリックに開けていくコミュニケーション。これまでゲームの世界は好きな人たちだけが心地よい空間で盛り上がっている状態になりがちですけども、ここがゲームに深く触れないような人たちにとってもひとつのチャネルのようになってくる。「A Day With PlayStation」というビデオも作りましたが、これもプレイヤーだけではなく見る人が楽しめる広がり感を伝えています。そういった試みをすることで、ゲームの市民権やゲームをやっていることのステイタスが上がっていく。海外ではすでにゲームがひとつのエンターテインメントとして定着している雰囲気があって、子供から大人までがすごく楽しんでいるので日本でもPlayStation 4によって後押しされていくのではと予感させてくれます。

―――PlayStationやPlayStation 2のように、据え置き機であるPlayStation 4の存在が国民機と呼ばれるポジションにもう1度なる機会はあり得るのでしょうか。

河野: 数字的にPlayStation 2の販売台数まで行けるかというと、まだまだこれからの頑張り次第かなと。PlayStation 4はゲーム機であると同時に、ネットワークコミュニケーションのハブとしても使えますし、「nasne(ナスネ)」や動画サイト系プログラム との連動も充実させていく予定です。ゲーム軸でいうとPlayStation Vitaとのリモートプレイは、携帯機が人気な日本では特に響いてくるところなので大変期待しています。こうした機能を「知らなかった」という声もまだまだありありますので我々としてもPRをやり続けるつもりです。


■日欧米マーケットにアジアが加わる日がやって来る

―――アジアへの戦略についてはどうお考えですか

河野: アジアのマーケットは日本の市場の影響を受けているケースが非常に多いので、ゲーム会社とは我々日本とアジア込みでの話をします。SCEは現在、台湾、香港、韓国、シンガポールに正式な販売会社があって、シンガポールがその先のタイやマレーシアをこれからやっていくところです。どの国も非常に盛り上がっていますし、ポテンシャルが大きい。まず、若い人が多いこと。それに加えて欧米的なゲームに対する嗜好と、日本的なカルチャーの両方が受け入れられるのでマーケットとしても面白いと感じています。現在はディストリビューター(卸し)に任せていたようなビジネスを直接SCEがやることに切り替えて、マーケットの土台を形成している時期ですね。おかげで、PlayStationとしてもやるべき活動がやれるようになって、そうするとゲーム会社もすごく信頼してくれるようになりますし、このマーケットは大事にしていきたいところです。人的なリソースも含めて投入するようにしていますし、いつも日米欧と言ってきましたがアジアも間違いなく並ぶようになってくると思います。各地 から出てくる新たなデベロッパーにも期待します。

―――発売に向けて最後にメッセージをお願いします

河野: 発売を目前に控え、予約数が本当に急激に伸びてきているので、大きな手ごたえを感じています。これがどこまでいけるかというところについては、本当にこれから次第。最初の需要と はある程度刈り取れると思いますので、それをどうやって2段目、3段目と繋げていくかが非常に需要になってきます。もちろん、そのプランを持った上で発売に臨んでいます。PlayStation 4は一人で遊ぶだけではなく、楽しさや驚きを皆と共有しながら、全員参加で楽しめるゲーム機。ぜひその全貌を体験して欲しいですね。
《きゃんこ》
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