7月2日にいよいよ正式リリースを迎えた、ハイスピードメカアクション『Mecha BREAK』。オープンベータテストに引き続き、数多くのパイロットが戦場に参加するなど大きな賑わいを見せています。
そんな本作のリリースにあわせ、Game*Sparkでは本作を手掛けるAmazing Seasun GamesのCEO・Kris Kwok氏にインタビューを実施。
『Mecha BREAK』のコンセプトや日本のメカに対する想い、これまでの道のりなどを熱く語って頂いたので、本稿ではその様子をお届けします!なお、本インタビューは本作の正式リリース以前に行われたものとなっています。

「操縦して戦う」コンセプトや著名なクリエイターとのコラボ―『Mecha BREAK』にかける想いと情熱
――まずは自己紹介をお願いします。Krisさんがゲーム業界に入った経緯や、これまではどういった作品に携わってきましたか。
Kris Kwok氏(以下、Kris):Kris Kwokと申します。ゲーム業界に入ったのは21年くらい前で、KINGSOFTグループのゲーム部門にずっと所属しています。
高校時代からゲーム開発をしたいと思っており、大学ではアメリカでコンピューターサイエンスを学んでいました。帰国後はすぐに取り掛かったほど、ゲームの開発をやりたいという気持ちが強かったです。
自分はこれまで『JX』シリーズ作品の開発に参加し、主導的に関わったのが『JX3(剣網3)』の開発です。『JX3』は2009年にサービスを開始して以来16年の歴史があり、当初は開発のコアメンバーの1人でしたが、現在ではプロデューサーを務めています。
また、当時の自分の上司がKINGSOFTグループのCEOになってからは、SeasunのCEOという立場を自分に譲ってくれました。ただ、CEOはあくまでも“副業”のような立ち位置で、自分はゲームの開発をやりたいと考えています。ここ最近は、『Mecha BREAK』の開発に時間を使っていました。
――続いて、『Mecha BREAK』についてお聞かせください。本作の開発は、どういったコンセプトからスタートしたのでしょうか。
Kris:自分は小さい頃からメカやゲームが大好きで、そんなゲームを作るのが自分の夢でした。ただ成長するにつれて、それはパイロットやレーシングドライバーのように、実現させることが難しい夢だとも感じていました。
ですが幸運なことにゲーム業界に入ることができ、さらに自分の夢が実現するというのは、とても嬉しいことだと思っています。
コンセプトに関しては、「ガンダム」作品のような格好良いシーンをゲームで再現したいという想いがありました。単なる銃の撃ち合いではなく、「プレイヤーが巨大なメカを操縦している」という操作感を体験してほしいのです。

――日本には数多くのロボットアニメや作品が存在し、大きなコミュニティを持っています。これらが開発に影響を与えた部分はありますか。
Kris:それは絶対にあります! 私は小さい頃から「ガンダム」や「マクロス」といった作品に触れてきたので、本作の開発にも少なからず、そういった作品の影響を受けています。
――Krisさん、そしてAmazing Seasun Gamesは、本作のどういった部分に“こだわり”を持っていますか。
Kris:メカを操縦して戦う対戦ゲームというのは世界的に見ても数が少なく、そんな中でトップを狙えるような作品を作り上げたいと思っていました。メカが好きなユーザーにとっても、求めていたようなものになっていると思います。
――『Mecha BREAK』ではいくつかのゲームモードが登場し、さまざまな遊びを楽しむことができますが、他のロボットゲームと差別化できるような要素はありますか。
Kris:『Mecha BREAK』には互いに競争するPvP(「境界戦場」「エース序列戦」)そしてPvPvE(「マシュマーク」)と、大きく分けて2つの遊び方があります。メカゲームの中でも、PvPvEのコンテンツは他にあまりないような要素だと考えています。


――本作では柳瀬敬之氏がデザインしたメカや、澤野弘之氏が手掛けた楽曲が登場します。この素晴らしいクリエイターたちとのコラボレーションは、どういった経緯で実現することになったのでしょうか。
Kris:柳瀬さんとは昔からの知り合いで、プロジェクトにも長い年月関わってくれています。私たちのプロジェクトは3回ぐらいやり直しをしてきましたが、2回目のやり直しのタイミングから柳瀬さんが参加してくれました。
そして澤野さんには「ガンダム」好きをはじめとする多くのファンがついており、アニメ界ではまさしく“神”のような存在です。
2年前にオファーをした時にはゲームの知名度や体制が整っていないこともあり、澤野さんに本作の世界観をうまく伝えることができませんでした。しかし、2024年8月のテストを経てから改めてお声がけをした際、本作のデザインや世界観を気に入っていただけて、新しい曲を書き下ろしてくださいました。
曲の中には本作の世界観が盛り込まれていて、澤野さんには本当に感謝しています。
――以前に開催されたオープンベータテストでは、ユーザーからどのようなリアクションやフィードバックを受けましたか。また、そこから見えた課題などはありましたか。
Kris:毎回、多くのプレイヤーからフィードバックをいただいていて、チーム内でひとつひとつ話し合いながら改善してきました。特に、2025年2月に開催されたオープンベータテストでは多くの意見をいただいていて、最新バージョンではそういった点を反映しています。プレイヤーから寄せられる意見には感謝しています。
――本作がリリースに至るまでには長い年月がかかり、苦しい時もあったと思います。これまでを振り返って、今のお気持ちをお聞かせください。
Kris:まるで病院で我が子の誕生をずっと待っている、父親のような気持ちです(笑)。
――『Mecha BREAK』製品版リリースに向ける期待や、今後はどういったことを実現していきたいか、などの計画はありますか。
Kris:本作はライブサービス型のゲームで、今回のリリースはスタートラインに過ぎません。先程もお話ししたように、子供の誕生はあくまでもスタートなので。今後はユーザーサービスの充実やアップデートを行っていきたいところです。
『Mecha BREAK』はひとつのゲームにとどまらず、今後はIPとして多角的な展開をしていきたいと思っています。これまで公開したトレイラーのように、アニメや小説など色々と作りたいですね。それと、フィギュアも制作中です。

――最後に、日本のコミュニティやユーザーに向けたメッセージをお願いします。
Kris:まずは、『Mecha BREAK』のことを好きになっていただけたらと思います。これまで開催されたテストの中でのサポートにも感謝していますし、一緒にこのゲームをよりよいものにしていけたらと思っています。
――ありがとうございました。謝謝!
おまけ:日本未発売の「ファルコン」合金フィギュア

また、インタビューの後にはお土産として、日本でこれから発売されるメカ「ファルコン」の合金フィギュアをいただきました。ファルコンは機動力を活かしたハイスピードな銃撃や、ソナーによる索敵を得意とするメカです。



ファルコンのスタイリッシュな造形はもちろん、幅広い可動部や翼の展開ギミック、そして各所のディテールなどかなりのクオリティに仕上がっています!



『Mecha BREAK』は、PC(Steam)/Xbox Series X|S向けに現在配信中です。