今やPC/コンソール/モバイルそれぞれのプラットフォームでサバイバルジャンルの作品は定着していて、多くのプレイヤーがさまざまな世界を舞台にサバイバルを楽しんでいます。
Game*Sparkでは【クラフトサバイバル名鑑】として、同ジャンルが好きな筆者が、定番作品を中心にクラフトサバイバルジャンルの作品の魅力を紹介・解説しています。今回紹介するのは、2025年5月24日にSteam早期アクセスをスタートしたサバイバルアドベンチャー『Tinkerlands』です。

漂着した謎の島でサバイバル
デベロッパーHypeTrain Digitalが配信中の『Tinkerlands』は、スペインのゲーム開発したジオCodeManuとEndless Coffeeが手がける作品。CodeManuは『Guts And Goals』などのゲームだけでなく、開発ツール『SpriteMancer』『Juice FX』などでも知られています。
本作が発表されたのは2023年10月で、当社は『Shipwrecked』というタイトルでした。その理由としては、Steamに「Shipwrecked」ゲームが多いことからの混乱を避けるだけでなく、ゲームの特徴を踏まえたタイトルにしたいという思いがあったようです。その後無料プロローグ版リリースなどを経て、2025年5月にSteam早期アクセスで配信されました。


+ゲームの舞台となるのは、さまざまなバイオームの島々で構成されている「ティンカーアイランド」。プレイヤーはこの島に漂着した船の生き残りとして、探検や採取、クラフト、建築などを行いながらNPCを集め、自分だけの集落を作り出していきます。ソロプレイだけでなく、最大4人までのマルチプレイにも対応しています。
各バイオームにはボスキャラクターも存在しています。早期アクセス段階でもメインの島や冒険の舞台となる3つの大きな島などに、10体以上の強力なボスが待ち受けています。武器や装備、アクセサリー、ポーションなどをしっかり揃えて挑まなければ、敵だけでなく環境にも負けてしまいかねません。



2025年6月にはバージョン1.0までのロードマップを公開。今後はModサポートやコンテンツアップデートなどにくわえ、ローグライク要素のあるダンジョンなども実装予定。また、パーツから組み上げる本格的な造船システムが登場し、海戦や航海などもできるようになる計画を発表しています。


装備を整えて行動範囲を広げよう
本作はキャラクターとマップデータが分かれている『テラリア』などに近い方式が採用されています。キャラクターは見た目以外に違いはないので、まずは長く冒険の旅に出る自らの分身を好きなように作り上げていきましょう。ゲームはプレイヤーたちが乗っていた船が難破し、とある島に漂着するシーンから始まります。
『Tinkerlands』のクラフトサバイバル要素はかなりオーソドックスです。最初は木の斧などのツールから始まり、石や銅、鉄へとアップグレードしていくことで、少しずつ新しい素材を入手できるようになります。素材を入手すると新たなレシピを閃くので、ゲームの進行で新しいアイテムや施設も増えていきます。




島には森や砂漠、沼、キノコの森といったバイオームがあり、多くの敵モンスターやボスが待ち受けています。一部のボスはゲームを進行させるために倒す必要があり、それぞれ特殊な素材やレア装備などもドロップします。また、各種バイオームには拠点に住んでくれるNPCも存在しています。
NPCは家を用意すれば主人公の拠点に移り住み、さまざまなアイテムやレシピなどの販売や、装備品の強化を行ってくれます。序盤で住民になってくれる吟遊詩人は、砂漠バイオームで発生するデバフを除去してくれる効果を持つなど、こちらもゲームの進行を大きくサポートしてくれます。



装備アップグレードの導線はかなりわかりやすく、必要なグレードのツールを集めるために適切な冒険や戦闘なども楽しめます。島内にはワープ地点も数ヶ所用意されているので、厳しい気候のバイオームなども準備を整えて挑みやすくなっています。




料理や釣り、農業も楽しもう!
『Tinkerlands』では水や地形の埋め立ても簡単で、プレイヤーは好きな場所に拠点を作ることができます。床パーツが切り替え方式なのが嬉しいシステムで、草原で拠点用に木の床を置いたら草の床が入手できるといった形式。さらに、クワを作って農地を開拓すれば、元の床ブロックがそのまま手に入る便利な仕様です。
本作では各バイオームの樹木は別カテゴリーで、ツール作成などにも使用します。幸いどこのバイオームの樹木でも拠点で簡単に栽培できるので、農地や植林場を作ることでクラフトや建築に大きく役立ちます。また、NPCの農家が加入すれば種を購入できるようになり、野菜や果物も栽培できるようになります。




食べ物は基礎ステータスを向上させる、リジェネ効果を発動させるといった効果があります。体力回復などのポーションは使用クールダウンがあるので、料理で基礎能力を上げることで戦闘をある程度安定させることもできます。食材は栽培や釣り、NPCからの購入などで入手可能です。
ただし現時点のビルドではあまり多くの料理を作ることはできません。魚などの種類は多いものの、これはクエストやコレクティブ要素として使うことが多い印象です(多少の金策にはなりますが……)。NPCの役目が少ないこともあり、これは今後のアップデートを望みたい部分です。




海を越えて新たな冒険が始まる
ゲーム内では最初の島に棲む、とあるボスを倒すことで難破した船が修理されます。ここからが『Tinkerlands』の本番とも言えるもので、船に乗って近辺の島へと新たな冒険の舞台が広がっていくのです。
海図はランダム生成され、マップ内には「砂漠の島」「沼の島」など、それぞれのバイオームに特化した島があります。また、特定のボスを倒すなどの条件を満たした際に入手できる地図を使用することで、船でしか到達できない「ジャングル」などの島もアンロックされます。



新しい島に行けば新しい敵や素材、NPCなどもいますし、謎解きの先には未知の強敵との戦いも待ち受けています。本作はボスと戦うために条件があり、一部のボスは島で入手する召喚アイテムなども必要です。海図はアイテムでリロール可能で、いつでも島の状態をリセット(再生成)できるので、何度でもボスと戦って報酬も獲得できます。
本作はバイオームごとに非常に多くの資材があり、色々な建材として使用できます。NPC用の拠点自体はとてもシンプルな構成で成立するのですが、キャラに合わせて資材を変えたり、家具を置くのも面白いかもしれませんね。筆者は釣り師を海に近い場所に、農民は畑に近い場所に独立して配置しています。



現時点のビルドでは船は海図を使用する転送装置に近いものですが、正式版に向けて自身が操縦する乗り物になっていく予定です。今のランダム生成システムもなかなか面白いものなので、一度は体験して欲しいと思います。



『Tinkerlands』は、比較的オーソドックスなスタイルの冒険&クラフトサバイバル作品です。『Core Keeper』や『テラリア』のように多彩なバイオームを巡りながらツールをグレードアップしたり、強力なボスに戦うための準備をしたり、アクション要素を含めた楽しみ方が用意されています。
一方で現時点のビルド(2025年7月初旬)では、有効なNPCが少ない、料理などの種類が少ないなど拠点でできること、やるべきことの選択肢が多くありません。また、敵モンスターを拠点に出さなくなる方法もあまりなく(ポーションなどは存在)、作業中に少し気になることもあります。



今後は敵の襲撃やNPCの防衛、仕事による自動化などの要素も実装予定。設置することで特定の敵がエリアに出現しなくなるバナーなどのアイテムも登場します。早期アクセス段階でも冒険やクラフト、ボスとの戦闘などは面白いので、拠点づくりやクラフト要素が発展していくことを期待したいですね!
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