『ハイウェイスター(海外名:Rad Racer)』は1987年にスクウェア(現スクウェア・エニックス)からファミコン向けに発売された縦スクロールのレースゲーム。パワーグローブは1990年にパックスコーポレーション(アメリカではマテル社)から発売されたファミコン専用装着型コントローラー。6人のティーンたちにとってはどちらも生まれる前のオーパーツです。
以前、別のゲームでパワーグローブを体験していた6人は、操作に苦戦した苦い思い出から「またかよ」というウンザリな表情。「クソグローブじゃねーか。オーノー!」「ゴミ箱に捨てなよ。動かないんだから」「こいつを装備するたびにパワーを感じるんだ。もしかしたら動くんじゃないかって淡い希望を抱かせてくれる」と、前回の経験からそれぞれの想いを語っています。
まずは操作方法やゲームルールの説明が一切ないままいきなりスタート。若者たちはパワーグローブを装備した右腕を思いのままに動かしてなんとなくプレイを楽しんでいます。はじめは「もう帰りたい」と嘆いていたモーガンもハイウェイドライブに上機嫌。しかし、タイムアウトで終了すると一同揃って唖然。チェックポイントごとに制限時間が追加されるシステムは、今どきティーンズにとっては見慣れない存在のようです。
第2ラウンドはパワーグローブの取扱説明書を読んでからの再チャレンジ。操作方法を熱心に確認したらみんな自信満々です。「こんなの読めないよ。ちんぷんかんぷん!」とはじめは困惑していたジェネーバも、「できると思う。今度は45秒以内にチェックポイントまでいってみせる」と意気込みを見せています。特にコツを掴んだのはサム。他のプレイヤーが苦戦する中、見事にパワーグローブを使いこなして最初のチェックポイントを突破しています。
3回目のプレイはグローブの腕部に取り付けられたコントローラーを使って再再チャレンジです。「さっきより10倍上手くやれるぜ。簡単すぎんだろ」と息巻くセスをはじめ、みんな水を得た魚のように意気揚々です。しかし、「違う方法でプレイしたらずっと簡単なゲームに感じるかな」と直前に漏らしていたレイチェルは、グローブから取り外せないことに気がつくと「言ったことを後悔しちゃうかも。こんなのじゃ上手くできない」としょんぼり。ところが彼女の秘めたる力が発揮され、念願の第1チェックポイントを通過しています。
一見素っ頓狂な今回の企画ですが、元ネタとなったのは1989年に製作されたアメリカ映画「The Wizard(邦題:スウィート・ロード)」。心を閉ざした少年ジミーと腹違いの兄コリー、そして家出娘ヘイリーの3人がゲーム賭博で稼いだ交通費で旅をするロードムービーですが、劇中に登場するライバル、ゲームマスターのルーカスがパワーグローブを装着して華麗に『ハイウェイスター』をプレイするシーンがあります。”I love the Power Glove. It's so bad... ”は当時のイカしたキッズを象徴する決め台詞です。
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