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【GDC 2015】超大作ゲームを7ヶ国語にローカライズ、Bungie『Destiny』の挑戦

昨年発売されたBungieの新作『Destiny』。7ヶ国語でリリースされた巨大作のローカライズについて同社ローカライゼーションマネージャーTom Slattery氏が成功の理由、問題点とその解決策についてサンフランシスコで行われたGDC2015で講演を行いました。

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昨年発売されたBungieの新作『Destiny』。7ヶ国語でリリースされた巨大作のローカライズについて同社ローカライゼーションマネージャーTom Slattery氏が成功の理由、問題点とその解決策についてサンフランシスコで行われたGDC2015で講演を行いました。

■ローカライゼーションとは?

ローカライゼーションとは単純な言語の翻訳ではなく、どの言語、文化、地域の人でも同じようなプレイヤー体験ができるよう、変更を加えるプロセスです。これにはもちろん言語も含まれますが、アート、UIデザイン、キャラクターデザインなどの変更も包含されます。

『Destiny』を開発していた当時のBungieにはローカライズチームは存在せず、人手を集めるところからのスタートでした。

■グローバルを考慮した世界観作り

ローカライゼーションにあたって、まずは下記の2点を考慮する必要がありました。

1. 舞台は近未来ではあるが、現実世界の地球
2. サーバーが共通。米国のプレイヤーも日本のプレイヤーも同じ世界でプレイ

文化が異なれば、世界の受け取り方も異なるので、一つの文化に特化した世界作りは避ける必要がありました。

最初の難問はゲーム内グラフィックをどうするか、という問題でした。本来であれば、英語が母国語のスタッフが、英語圏向けのユーザーにゲーム内のテキストをすべて英語にします。しかし、『Destiny』は世界中のユーザーが同時接続で遊べる仕様となっています。つまり、英語で遊んでいるアメリカに住んでいるユーザーが、日本に住んでいる日本人のユーザーと協力プレイが可能なゲームです。

「その同じ空間に存在しているにも関わらず、見ている風景が異なるとどうしても違和感が生まれ、当初の目的が台無しとなる」とSlattery氏は説明しました。

ローカライズ不要な世界観にするには、「メイン言語」を使用しないことが重要です。たとえば、『Destiny』の「タワー」はプレイヤーにとっての基地や家となります。『Destiny』の初期ビルドでは、マップを使用せずに、風景から読み取るヒントを元に場所移動する仕様だったのですが、その案内は全て英語で書かれていました。

「想像してみてください。あなたはイタリア人、イタリア語でゲームをプレイしていて、周りもすべてイタリア語で話している。ミッションから疲れてやっと自分の居場所に戻ってきたと思いきや、周りのサインがすべて英語になっている。一気にゲームの世界から引き抜かれた気分になることでしょう。そして、このゲームはイタリア人の僕のために作られたのではなく、後から足されただけだ、という気持ちになるでしょう。」

この体験を極力避けるため、タワーでは言語を一切使用しなかったと同氏は述べました。実際に『Destiny』の画面を見てみると、頭文字も使っておらず、アイコン等の普遍的なものが代わりに使用されています。



「ただし、すべての文字を削除すると、逆に"無人"という印象を与えがち」とSlattery氏が続けました。「また、アーティストの方からはテキストを使いたいという依頼を何度も受け、クオリティーに害を及ぼさない程度に妥協はしました。」

妥協点の例としては、武器のメーカーの名前をすべてそのままにしたところ。他に生産番号など、意味のないどこにでもありそうなテキストを使用し(Industrial text)、人間感を出しつつ、ローカライズの質を保つことができました。



■ユーザーエクスペリエンスのローカライゼーション

Bungieが出会ったもう一つの問題点はユーザーエクスペリエンスのローカライゼーションです。

ユーザーエクスペリエンスの最大の目的は、プレイするユーザーはどこの人であろうが、このゲームは彼らの為に作られたかのように思わせることです。ただし、これはゲーム性や空間というより、UIやUXの面での話となります。

『Destiny』では、主人公の性別を選ぶことができます。英語や日本語では、この選択肢は大きな影響をゲームには及ぼしませんが、ロマンス言語では性別によって使う言葉が異なります。イタリアで作られたゲームなら、ちゃんとこの違いを理解し、ゲーム内に考慮するはずですので、『Destiny』でも同じ体験をさせる必要がありました。


男女によって言葉が異なる言語もある

一方、UIの面では単語の長さが言語によってかなり異なりますので、英語ベースにUIを作成することは不可能と同氏は説明しました。色々試し、言葉の長さによってサイズを変更するダイナミックUIを作り上げることで解決できたそうです。


単語の長さも異なってくる

ローカライゼーションは、Bungieも含めて少しずつ業界のトレンドが変わってきています。本来であればゲームが完成してからローカライズが行われていたのが、開発の時からローカライズがスタートするようになってきました。ゲームを世界中でリリースのは今や当たり前の時代ですが、それによりローカライズも変化を遂げています。

記事提供元: インサイド
《インサイド》

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