【e-Sportsの裏側】e-Sportsの本場「韓国」での盛り上がりに迫るーNEXON ARENA担当者独占インタビュー | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

【e-Sportsの裏側】e-Sportsの本場「韓国」での盛り上がりに迫るーNEXON ARENA担当者独占インタビュー

第3回目の【e-Sportsの裏側】は、国全体でe-Sportsが盛り上がりを見せている韓国・江南(カンナム)にて、オンラインゲーム企業ネクソンが運営する「NEXON ARENA(NEXON E-SPORTS STADIUM)」に訪問。担当者にインタビューを行いました。

連載・特集 特集
【e-Sportsの裏側】e-Sportsの本場「韓国」での盛り上がりに迫るーNEXON ARENA担当者独占インタビュー
  • 【e-Sportsの裏側】e-Sportsの本場「韓国」での盛り上がりに迫るーNEXON ARENA担当者独占インタビュー
  • 【e-Sportsの裏側】e-Sportsの本場「韓国」での盛り上がりに迫るーNEXON ARENA担当者独占インタビュー
  • 【e-Sportsの裏側】e-Sportsの本場「韓国」での盛り上がりに迫るーNEXON ARENA担当者独占インタビュー
  • 【e-Sportsの裏側】e-Sportsの本場「韓国」での盛り上がりに迫るーNEXON ARENA担当者独占インタビュー
  • 【e-Sportsの裏側】e-Sportsの本場「韓国」での盛り上がりに迫るーNEXON ARENA担当者独占インタビュー
  • 【e-Sportsの裏側】e-Sportsの本場「韓国」での盛り上がりに迫るーNEXON ARENA担当者独占インタビュー
  • 【e-Sportsの裏側】e-Sportsの本場「韓国」での盛り上がりに迫るーNEXON ARENA担当者独占インタビュー
  • 【e-Sportsの裏側】e-Sportsの本場「韓国」での盛り上がりに迫るーNEXON ARENA担当者独占インタビュー

e-Sportsに携わる「人」にフォーカスを当てて、これからの日本のe-Sportsシーンを担うキーパーソンをインタビュー形式で紹介していく【e-Sportsの裏側】(前回はインタビューはコチラ)。

第3回目の今回は、国全体でe-Sportsが盛り上がりを見せている韓国・江南(カンナム)にて、日本でも有名なオンラインゲーム企業ネクソンが運営する「NEXON ARENA(NEXON E-SPORTS STADIUM)」に訪問。NEXON ARENAの運営に携わっているChoi Jinyoung氏、Shim Hyum氏にNEXON ARENAおよび韓国でのe-Sportsの盛り上がりについて独占インタビューを行いましたので、その様子をお届けします。


―――本日はお時間を頂きありがとうございます。まずはJinyoung氏の自己紹介をお願いします。

Jinyoung氏:2010年にNEXON KOREAに入社して、現在ゲームPRという部署に所属しています。『FIFA ONLINE 3(FIFAオンライン3)』、『Tree of Savior』のプロモーションを担当しつつ、NEXON KOREAのe-Sports事業の担当をしています。e-Sportsに携わり始めたのは2年ほど前からになります。

―――さっそくなのですが「NEXON ARENA(NEXON E-SPORTS STADIUM)」では何ができるのでしょうか?

Jinyoung氏:NEXON ARENAでは多くのユーザーがプレイしている『LoL(League of Legends)』の試合やゲームプレイももちろん行われるのですが、まだまだ成長中のタイトル、例えば『FIFA ONLINE 3(FIFAオンライン3)』などは『FIFA』自体の認知はかなりあるものの、e-Sports向けゲームタイトルとしてはまだまだ駆け出しの状況です。そういったタイトルがNEXON ARENAを通じて、もっと広がっていけるようなイベントや大会を行っています。

―――NEXONがパブリッシングしているゲームタイトル以外も、競技タイトルとして取り扱っているのですか?

Jinyoung氏:NEXON ARENAを設立した当時に、抱負として掲げていたのが「開放的な施設」という部分があります。NEXONのタイトルに関わらず、他社のタイトルでも人気があるものをe-Sportsの競技タイトルとして取り扱うことで、ゲーム全体の人気に繋がればいいなと。

また我々として「1ヶ月に最低1回以上は大きなイベントを実施する」と目標に掲げています。やはり大きなイベントが定期的に行われないとユーザーのみなさまが楽しむことができないと思うので、その辺りはいろいろと工夫をしています。

―――ユーザーのNEXON ARENAの入場は有料でしょうか?それとも無料でしょうか。ビジネスモデルはどのような構造になっていますか?

Jinyoung氏:昨年までは試合を閲覧するお客様は無料で観覧できる仕組みでしたが、無料で行うことで試合全体のクオリティが低くなっていたという事実があります。また空間的な制限もあり、席が足りないなどの問題が出てきました。そこで今年から有料の指定席なども用意をし始め、徐々にユーザーさんからお金を頂くモデルにシフトしてきています。しかし、それはメインのビジネスモデルではありません。


メインのビジネスモデルは、NEXON以外の他企業様がNEXON ARENAを活用したPRやプロモーション活動を行う際に発生するイベント費やプロモーション費となっています。カンナムで1,000人収容できるイベントを実施するとなると、かなりの費用が発生してしまいます。ですが我々は相場に比べ、ややコストを抑えてイベントの場をご提供することができますので、多くの企業様にNEXON ARENAを活用して頂いていますね。

―――無料から有料、という部分に対してユーザーさんの反応はいかがでしょう?

Jinyoung氏:通常、無料から有料にシフトする際にはそれを不満に思われるユーザーさんがほとんどかと思います。実際、元々韓国のユーザーの間では「ゲームやe-Sportsは無料で楽しめる」という考えが浸透していたのは事実です。しかしながら「ユーザーさんからお金を貰うビジネスモデルへの転換」ではなく、あくまで「イベント全体のクオリティを上げるため」といった意図がありましたので、有料化に踏み切る前に事前にユーザーさんとコミュニケーションを取り合い、了承を得た、というフローを踏みましたので全体的に大きな不満は出ていない状況です。またユーザーさんからお金を頂くのですが、そのお金は年末年始に何らかの形で社会貢献という形で、社会に還元していく予定です。

―――ユーザーからお金を貰うけれど、最終的にはユーザー自身がより楽しめることになる、ということですかね。

Jinyoung氏:ユーザーさんがe-Sportsを楽しむ環境に、今よりも「快適さ」や「便利さ」を提供していきたいという気持ちが強くありました。また韓国社会全体から見ると「ゲーム」に対してあまりポジティブなイメージを持っていないのが現状です。法律などでも規制されている部分もあり、ゲームを実際に製作している側から見ると、ゲーム開発がしにくいのが正直なところです。ただ、我々のようなゲーム会社が率先して社会貢献活動を積極的に行うことで、ユーザーとのコミュニケーションにも繋がりますし、ゲーム産業自体にも貢献できるではないかと考えています。

―――韓国のe-Sports事情について。盛り上がりのきっかけおよび競技タイトルとして人気があるのは?

Jinyoung氏:2000年代初頭にe-Sportsが盛り上がりを見せてきました。背景としては『StarCraft』が非常に人気があった時代で"PC房(ビーシーバン)"(日本でいうネットカフェ)で学生や社会人が皆『StarCraft』をプレイする光景がよく見られました。その人気とともにe-Sportsの人気が伸びたのですが、大会での八百長事件やその他の問題により『StarCraft』の人気が落ち着くと同時にe-Sportsの人気も落ち着きました。

しかし、ここ最近『LoL』がヒットし始めたのを皮切りに『LoL』以外のタイトルも人気を博し始めており、韓国e-Sportsの成長期に入っているのが今の現状です。

―――これからe-Sportsで盛り上がるタイトルはどのあたりでしょう?

Jinyoung氏:『LoL』が独走している状況で、それに伴いe-Sportsの人気が上がっている傾向にあります。弊社が運営している『FIFA ONLINE 3(FIFAオンライン3)』もユーザーからの支持を得られ始めていますし、FPSタイトルも今よりもっと関心を持ってもらえる状況になると考えています。

RTS(リアルタイムストラテジー)に対して韓国のゲームユーザーはシステム面含め非常に慣れているということもあり、e-Sportsタイトルとしても支持をされやすくなっています。それに比べ、スポーツゲームやFPSは「ユーザーがどの部分に面白さを見出せば良いのかが分かりにくい」といった状況があります。そこに対して、タイトルの開発陣がゲーム内の演出や企画などの技術面で非常に悩みながらも、いろいろな取り組みを実行しようとしているフェーズですので、今後はRTS以外のタイトルも盛り上がってくると考えています。

※次ページ: Jinyoung氏が見る、日本と韓国のe-Sportsの違い
《森元行》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top