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【特集】オンラインRPG『ディビジョン』レビュー―最大レベル30までプレイしてわかったこと

最大レベル30に達し、現在エンドコンテンツをプレイしている筆者が、『ディビジョン』のゲーム内容の詳細と共にレビューをお届けします。

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【特集】オンラインRPG『ディビジョン』レビュー―最大レベル30までプレイしてわかったこと
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ユービーアイソフトのトム・クランシーシリーズ最新作『ディビジョン(The Division)』。本作は、人工ウィルスの生物兵器テロによって崩壊したニューヨークを舞台に、プレイヤーが国家の秘密組織「ディビジョン」のエージェントになって、街を取り戻すために危険な任務を遂行していくオンラインRPGです。前回の初心者ガイドに続いて、最大レベル30に達し、現在エンドコンテンツをプレイしている筆者が、ゲーム内容の詳細と共にレビューをお届けします。

■『ディビジョン』の世界背景


本作の舞台は、人工ウィルス「ドルインフル」が生物兵器テロによってばら撒かれ、数多くの死者を出し、都市機能が麻痺・治安が崩壊した経済都市ニューヨークです。政府は、当初事態の収拾のために、ディビジョンのエージェントで編成された「第一波」を派遣しますが、ほとんどが行方不明になってしまいます。ディビジョンエージェントであるプレイヤーは、その「第二波」としてニューヨークの地に足を踏み入れる事に。

プレイヤーは、ライカーズやクリーナーズ、LMB(ラスト・マン・バタリオン)をはじめとした、ニューヨークの各地区を支配している武装勢力を鎮圧し、生物兵器テロを計画した首謀者の逮捕・都市機能の回復を行っていきます。

■オープンワールドのNY


ドルインフルの猛威によって崩壊したニューヨークには、爆発感染が起きた当時の混乱を物語るような痕跡が所々に見られます。道端に無残な死体が横たわり、検問所や医療テントが放置され、ブラックフライデー以降そのままになっているクリスマスイルミネーションが虚しくも街中を照らしています。そのような悲壮感漂うニューヨークの街並みには、アメリカ合衆国郵便公社をはじめとする有名な観光スポットも存在し、この事態によって、どのように変貌を遂げたのかを覗えるのも本作の魅力のひとつです。

加えて、広大なフィールドには、市民の通話記録が聴ける携帯電話や、事件を解決に導くために、監視データを解析するEcho、エイプリル・ケーラーが書き記したサバイバルガイドといった数多くの収拾要素が各所に存在し、それらをコンプリートするにはかなりの時間を要します。しかし、これをやりこみ満載の探索要素と受け止めるか、それとも作業のように感じるかはプレイヤーによって意見が分れるかもしれません。

■カバー主体の戦闘システム


本作の戦闘は、カバーアクションを行いながら敵との距離を詰めていくのが基本です。その基本を破って、無闇に敵に突っ込んでしまうと、集中砲火を浴びて倒されてしまいます。また、強い敵に遭遇した時は、徐々に退きながら戦う事も覚えなければなりません。他にも、相手を追尾して爆発ダメージを与える「追尾マイン」や、体力を回復させる「ファーストエイド」などの数々の効果を備えたアビリティ、炸裂弾・焼夷弾をはじめとした消費アイテムも、状況によって使い分ける必要があります。このように、『ディビジョン』の戦闘システムはRPGのような戦略性に富んでおり、シュータージャンルに初挑戦したいゲームユーザーにもオススメできます。

■プレイヤーが挑む「任務」


ディビジョンエージェントが遂行する任務には、本編のストーリーを追う事ができるメインミッションのほかに、NY市民の悩みに応えるサイドミッションや、エージェントの拠点である作戦基地を発展させるための「エンカウント」が用意されており、これらを他のプレイヤーと協力しながらクリアする事も可能です。特に、難易度の高いミッションをオンラインCo-opでプレイすると、他のプレイヤーと連携を取りながら戦えて、ソロ(1人)とはまた違った面白さがあります。プレイヤー同士でコミュニケーションを取る場合は、文字チャット(PC版のみ)やボイスチャットのほかに、エモートによるボディランゲージがあります。エモートだけでも簡単な意志の疎通を図れるので、オンライン上のコミュニケーションをわずらわしく思うプレイヤーにとっては気軽に感じるのではないでしょうか。

ただ、肝心のミッションのストーリーは、通信音声から聞こえてくる登場人物の台詞だけで進行するため、内容が中々理解できない事がありました。ミッション前に、簡単なムービーなどを挿入して欲しいと感じました。

■危険地帯ダークゾーン(DZ)


危険地帯として封鎖されているダークゾーン(通称:DZ)は、多くのプレイヤーと協力しつつ敵を倒していくPvE(Player vs Enemy)要素、倒した敵から装備を入手してキャラクターを強化していくハック&スラッシュ要素、他のプレイヤーと敵対できるPvP(Player vs Player)要素を兼ね備えたエリア。ここでは、通常エリアより強化された敵NPCが各地区の拠点を占拠しており、その中には強力なアイテムを落とす「名前付き」の敵が待ち構えています。プレイヤーは1人で、あるいは他のプレイヤーと協力して、それらを倒してアイテムを入手・DZレベルを上げていく事になります。

また、ダークゾーンでは、味方エージェントを倒して所持アイテムを奪うPK行為(プレイヤーキラー)が可能に。しかし、味方エージェントを倒し「ローグエージェント」として認定されると、他のプレイヤーに自分の位置がリアルタイムで伝えられ、圧倒的に不利な状況でPKK(プレイヤーキラーキラー)と戦う必要があります。現在はデメリットがメリットを上回っているので、ローグエージェントと滅多に遭遇しません。

■レベルカンスト後は……


筆者は、サイドミッションなどの寄り道要素やダークゾーンを楽しんでいたので、最大レベル30に達するまで約50時間かかりました。アビリティ取得に必要な「エンカウント」と、メインミッションのみをクリアするプレイスタイルなら15~20時間くらいで最大レベルに達するはずです。

レベルカンスト後は、最上級装備を購入できる通貨フェニックスクレジットが入手可能になり、メインミッションに、1日1回限定の「デイリー」と、高難易度「チャレンジ」が追加されます。レベル30のプレイヤーは最上級装備を揃えるために、これらのエンドコンテンツに挑戦していく事になります。もちろん、ダークゾーンの敵NPCも大幅に強化され、こちらでもフェニックスクレジットが入手可能です。ただ、ここまで到達すると、パーティ戦を軸にしたゲームバランスになるので、ソロプレイを好むプレイヤーにとって、少し厳しいかもしれません。

■個人的に評価したい点


ここでは、筆者が本作をプレイしていて個人的に評価したい点をいくつか紹介します。

1.変わっていく「作戦基地」の雰囲気
ディビジョンエージェントの重要拠点である作戦基地は、当初閑散としている味気ない場所でしたが、プレイヤーがミッションをクリアしていくにつれて発展を遂げ、多くのNY市民が身を寄せる憩いの場になります。自分の起こした行動が目に見える結果としてわかるので、非常に達成感がありました。

2.激ムズだけど面白い!「チャレンジ」難易度
前述したとおり、プレイヤーキャラクターが最大レベル30に達すると、メインミッションに高難易度「チャレンジ」が追加されます。これは、パーティ戦必須のゲームバランスになっており、プレイヤーは仲間と連携を取りつつ、あらゆるものを利用して戦略的に戦う必要があります。何度も全滅してしまうほど難しいので、ついつい時間を忘れて白熱してしまうのです。

3.「外観」のコーディネートの幅広さ
本作には、プレイヤーキャラクターの服装を変更できる「外観」機能があります。外観は装備品とは異なるので、能力を気にせずに、自分の気に入った服を自由自在にコーディネート可能です。今後のアップデートで服の種類がさらに増えて欲しいです。

■今後改善してほしい点


ここでは、筆者が本作をプレイしていて気になった点をいくつか紹介します。

1.キャラメイク機能
本作には、プレイヤーキャラクターのビジュアルを設定するキャラメイク機能がありますが、顔のタイプや髪型、アクセサリーをはじめとした、キャラの外見を作るためのパーツが数種類しかありません。外観機能と同じように、カスタマイズの幅をもう少し広げて欲しいと感じました。

2.登場人物の大阪弁
登場人物の中には、標準語のほかに大阪弁を話す人達が存在します。「この大阪弁は、どこかの州の訛りを表現しているのかな?」と、ローカライズのひとつの手法として面白いと思いましたが、その用量が少し多い印象を受けました。

3.DZ内の当たり屋行為
ダークゾーン内では、プレイヤーを不本意にローグエージェントにさせてから倒して、大量のDZ経験値を得る「当たり屋行為」が度々発生しています。こうしたゲームシステムの隙を利用した行為は、巨大なMMO系ジャンルでは仕方ない事でもあるので、今後のアップデートに期待したいところです。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

オープンワールド・MMORPG・ハック&スラッシュ・TPSといった各ゲームジャンルのエッセンスを上手く取り込み、ひとつの作品として完成させた『ディビジョン』。本作は、巨大なMMO系ジャンルに付き纏うシステム面での問題が少しばかり見当たるものの、アップデートによる修正でユーザーの不満は解消されつつあり、今後、エンドゲームアクティビティの追加をはじめとした、NYを取り戻すために戦うディビジョンエージェントをより一層熱くさせる新展開も予定しています。2016年を代表するAAAタイトルとして、これからも多くのゲームユーザーを虜にしていく事は間違いないでしょう。

本作は、PlayStation 4/Xbox One/Windows PCを対象に発売中。価格はパッケージ版が8,400円(税別)。ダウンロード版が8,100円(税込)です。
《真ゲマ》

『ドラゴンフォース』が一番好き 真ゲマ

吉田輝和の絵日記やトイレオブザイヤー、ギャグ漫画「ヴァンパイアハンター・トド丸」、洋ゲー漫画「メガロポリス・ノックダウン・リローデッド」など、これまでゲームメディア業界に影響を与える様々な企画を立ち上げてきました。他社メディアでも活動中なので、気軽にお仕事の依頼をお願いします。 ちなみに、ユウキレイ先生が手掛ける4コマ漫画「まほろば小町ハルヒノさん」(まんがタイムで連載中)で教師役として出演中です。

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