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『ウィッチャー』シリーズ成功の秘訣は、ゲーマーに耳を傾けて偉ぶらずに切実でいること

3月14日から18日まで米サンフランシスコで開催されたGDCにて、大ヒットRPGシリーズ『ウィッチヤー』のフランチャイズがいかにして成功したかが語られたセッションが開催されました。

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3月14日から18日まで米サンフランシスコで開催されたGDCにて、大ヒットRPGシリーズ『The Witcher(ウィッチャー)』のフランチャイズがいかにして成功したかが語られたセッション「'The Witcher 3:Wild Hunt' Theory and Practice of Gamer-Centric Brand Development」が開催されました。

このセッションには、『ウィッチャー』シリーズを開発したCD Projektの共同設立者Marcin Iwinski氏が登壇。ポーランド出身の同氏がビデオゲームに興味を持つきっかけとなったのは、1982年に英国のシンクレア・リサーチが発売した家庭用コンピュータ「ZX Spectrum」や、カナダのコモドールが1985年に発売したPC「Amiga」に触れたことでした。Iwinski氏は高校を卒業すると、ゲーム会社CD ProjektをMichal Kicinski氏とともに設立。ゲーム開発者の道を歩みだした彼らはやがて、世界的な大ヒットシリーズとなる『ウィッチャー』を製作することになります。

■ゲームとゲーマーの関係

Iwinski氏は、『ウィッチャー』シリーズの成功と、ゲーマーとの関係は切っては切れないものであると語りました。同氏が定義するゲーマーとは、ゲームを最も情熱的かつ献身的に楽しんでいるグループの一員であるとのこと。IGNによる『ウィッチャー3 ワイルドハント』のレビュー記事では、12,000人がSNSにシェア、52,000人がコメントを寄せていますが、そのようなゲーマーによるフィードバックはゲームシリーズの開発において重要な要素となっています。

ゲーマーは多くの人に自分の作品をPRしてくれる良い広報役になってくれますが、その逆にもなります。ゲーマーが良いと思ってくれるシリーズにするには、一貫してよいゲームを作り続ける必要があり、限られた時間の中では1つのプラットフォームに集中し、可能な限り高いクオリティに仕上げることも時には必要となるのだとIwinski氏は述べています。

■物語をプレイさせるというコンセプト


他とは異なったアプローチも重要となるため、『ウィッチャー』シリーズではオープンワールドのゲームプレイを通し物語を語っていくという手法をとっています。一見シンプルなこのコンセプトですが、プレイヤーの興味をキープさせることへは多くの開発の苦労があったとのこと。パッケージを手に取った消費者の印象を大きく左右する作品のキーフレーズ作りも難しい挑戦の一つだったのだそう。

■完成度を高めるためのサポート

製品リリース後のサポートについては、消費者のフィードバックを受けてさらに良いものへ仕上げていくことができるのだとIwinski氏は説明しています。未完成のままリリースされたわけではないのに、消費者のフィードバックを受けて『ウィッチャー』にはいくつもの修正パッチが用意されました。フォーラムやソーシャルメディアを使ったゲーマーのフィードバックは、リプレイ性の拡張やさらに深いゲームプレイを突き詰めるプロセスの一つになっているのだそうで、実際にCD Projektでは250人のスタッフが過去作のサポートに携わっています。

■ゲーマーと向き合ったDLC展開


『ウィッチャー3 ワイルドハント』では、16ものDLCが無料で提供されていますが、これはシリーズを支持し続けてくれたゲーマーへの感謝の気持ちだったのだそうです。ゲーマーの中にはDLCを懐疑的に見ている人もいることから、小さいものも含めて意味のある追加コンテンツを無料DLCとして提供し、世界を拡張するといったAAAレベルのコンテンツを有料DLCとして提供する形をとっています。

DLCはタイトルの知名度を活かした継続的な市場となりますが、内容によっては受け入れられないゲーマーもおり、それがゲームの購入自体に影響することもあるのだとか。そのような事態を回避するために開発者に必要なことは、ゲーマーに切実であること、なのだそうです。

■開発者とゲーマーの関係

シリーズ作をゲーマーに長く愛してもらうためには、開発者が偉ぶらないというシンプルなコミュニケーションが大事だとIwinski氏は語ります。ゲーマーからのフィードバックにに耳を傾け、偉ぶらずに切実でいることが、信頼を得ていく方法であるとしています。

自分のアイディアに反対するゲーマーしかいない場所で難しい決定を下すことになっても、常に切実であれ、そうIwinski氏は述べてセッションを締めくくりました。
《Daisuke Sato》
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