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スラヴ民話メトロヴァニア『Catmaze』「このゲームをきっかけに、ロシア文化について新しいことを知っていただけたら」【注目インディーミニ問答】

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スラヴ民話メトロヴァニア『Catmaze』「このゲームをきっかけに、ロシア文化について新しいことを知っていただけたら」【注目インディーミニ問答】
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気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Redblack Spade開発、PC/Mac向けに5月24日リリースされたスラヴ民話メトロヴァニア『Catmaze』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、スラヴ民話をベースとしたメトロヴァニア。主人公であるAlestaを操り、クリーチャーを召喚して戦いながら、巨大な迷宮を冒険します。多くのサイドクエストが用意されており、登場キャラクターたちの運命が左右されるだけでなく、エンディングの分岐にも関係するのが特徴です。

『Catmaze』は1,010円で配信中





――まずは自己紹介をお願いします。

Slava Gris氏(以下Gris氏):こんにちは!Slava Grisと言います。28歳で、ロシアで一番素晴らしい都市、サンクトペテルブルクに住んでいます。

――本作はいつどのようにして開発が始まったのでしょうか?

Gris氏:ずいぶん昔になりますが、私が学生だった頃、心理学を勉強していました。心理学者というのはロシアで全く人気がありません。誰も言葉でだれかの問題を解決できると思っておらず、(変に聞こえるかもしれませんが)多くの人は鬱病のような病気が存在するということも信じていません。一般的な意見では「あなたが落ち込んでいるのは、あなたが怠惰だから。泣くのはやめて仕事に戻れ」というものです。私はとても無力に感じ、なんとかして人々の助けになれないかと思ったのです。私は孤児院で働きはじめ、そこでは最も難しい悩みが2つありました。1つはロシアでソーシャルワーカーの給料が最低レベルであるということ。もう1つは若者への対応です。ドラッグ、アルコール、暴力以外で彼らの興味を引くことがとても難しいのです。そんな中、彼らと一緒にゲーム開発を行ったところ、驚くことにうまくいきました!私は彼らのため、ゲームエンジンや絵の描き方を勉強しはじめ、彼らは私がゲームを作る姿に驚いていました。私は彼らに同じことをするように働きかけ、これが上手くいきました。私は最初のゲームをリリースすると、この仕事(3年間務めていました)をやめ、『Catmaze』の開発をはじめました。私は今でも彼らのうち数人とは連絡を取り合っており、彼らは上手くやっています。それが2017年2月のことでした。それから14ヶ月後、本作をリリースすることができました。

――本作の特徴を教えてください。影響を受けた作品はありますか?

Gris氏:他のゲーム開発者たちと同様、私も自分の好きなゲームから影響を受けていますが、少しその意味が異なります。私は様々なゲームから悪い箇所を見つけ、それを改善し、自分のゲームに採用しています。例えば、私は『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』の大ファンで、この作品でメトロヴァニアというジャンルに興味を持ったのですが、このゲームでは(私にとって)非常に大味な面があります。プレイキャラクターは敵を倒すことにより経験値を得て、ゲーム後半ではとても強くなり、大きな敵でも一撃で倒せてしまいます。『Catmaze』でも経験値を得てレベルアップしますが、レベル上限があり、ダメージを受けるとレベルが下がってしまいます。これによりゲームバランスを調節するのが楽になりました。

メトロヴァニアの欠点で他に感じたものは、ストーリー性が低いことです。私が今までプレイしたゲームの中で一番好きなものの一つが『Momodora: 月下のレクイエム』なのですが、もっとキャラクターたちのことを知りたいと思いましたし、ストーリーもより複雑なものが良いと思いました。そのため、『Catmaze』ではすべてのキャラクターに独特な性格と悩みが用意されています。一人一人の心理的な面を描いているのです。本作最後のセリフ、2,007行目のテキストを書き終えた時、私はとても不満でした。すでにゲームが長くなりすぎ、グッドエンディングまで12時間以上のプレイ時間が必要担っていたので、これ以上ストーリーを長くするわけにはいかなかったのです。ゲーム内で出会えるすべての人とクリーチャーが好きになってしまったので、もう会えないと思うと寂しいです。

また、多くの皆さんと同じように『ダークソウル』が好きです。しかし攻撃時のモーションのスピードがこのゲームを難しくしています。すべての攻撃モーションにおいて、キャラクターが操作を受け付けない時間があります。私はこれが好きではなかったので、本作ではAlesta(メインキャラクター)は召喚したクリーチャーたちの助けを借りることになります。このクリーチャーたちが攻撃をするので、その間Alestaは走るのを止める必要もなく、ジャンプもすることができます。

他に、本作の独特な面として、スラヴ神話を参考にしていることがあります。クリーチャーたちのストーリーはスラヴ民話をベースにしています。私が小さかった頃に読んでいたものの、大人になってみんなが知っているロシアのキャラクターがバーバ・ヤーガ(注:スラヴ民話に登場する妖婆)だけだと知り、不愉快になりました。『Catmaze』では昔話に登場するたくさんのクリーチャーたちに出会います。このゲームをきっかけに、私の文化について何か新しいことを知っていただけたら嬉しいですね。

――本作の日本語対応予定はありますか?

Gris氏:開発者としては、すべての言語に対応させたいですね(笑)。リリースから一週間は大変なことになると思っていましたが、実際数えきれないぐらいのメッセージをロシア語と英語のコミュニティからもらいました。コミュニティ内には50以上のスレッドが立ち、バグ報告スレッドでは60以上のメッセージをもらいました。メールボックスはメールで溢れかえってしまいましたが、無視することはできず、すべての方に返信させていただきました。リリースから28時間は寝ることもできませんでした…2つの言語でこれなんです!日本語でもこれだけのメッセージをいただくことになったら、おかしくなるかもしれません(笑)。でもリリースから2、3日経った時点で、他の言語に対応しようと考え始めていました。翻訳のオファーをいただければ、採用したいと思っています。

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

Gris氏:皆さんは素晴らしいです!日本のゲーム業界が素晴らしいのは、皆さんがサポートしているからです。日本文化は欧米のものと違ってとても良いです。私は、日本のゲームキャラクターに親しみを感じますし、特に『キャッスルヴァニア』、『グランディア』、『エターナルアルカディア』、『英雄伝説 空の軌跡』といったタイトルからは愛を感じます。どうか開発者たちをサポートし続け、世界にみなさんの文化がどれだけ素晴らしいか、見せてあげてください!

――ありがとうございました。


《SEKI》

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