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『World of Warships』ライブプロデューサーインタビュー「このクラスが楽しいから、好きだから選んで欲しいのです」

『World of Warships』のライブプロデューサーであるフィリップ・モロッドコベッツ氏にグループインタビューを実施しました。

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『World of Warships』ライブプロデューサーインタビュー「このクラスが楽しいから、好きだから選んで欲しいのです」
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現地時間9月13日、ロシアにあるWargamingサンクトペテルブルクでは世界のメディアを対象とした発表会が行われ、『World of Warships』において空母のリデザインと潜水艦の導入が明らかに。編集部ではこれを機に、本作のライブプロデューサーであるフィリップ・モロッドコベッツ氏にグループインタビューを実施しました。



――コミュニティマネージャーの上に立つライブプロデューサーということですが、本作においてコミュニティマネージャーとは具体的にどう言ったことをしているのでしょうか?

フィリップ・モロッドコベッツ氏(以下モロッドコベッツ氏):2種類のコミュニティマネージャーがいます。まず1つ目は、地域のパブリッシングチームに所属しており、フォーラムやSNSを通じてファンの方とコミュニケーションを取ります。質問があれば答えますし、フィードバックを得て開発に伝えます。プレイヤーと開発の架け橋をしており、大きなイベントがあればそれをコミュニティに伝える役割も担っています。

2つ目のタイプは私が所属しているものなのですが、グローバルプレイヤーインタラクションというチームで、これは本社にあるので開発チームと一番近い位置づけにあり、開発チームと直接会って話ができ、一番重要な情報をやり取りしています。大きなアップデートがある場合、その詳しい情報を整理し、各地域のコミュニティマネージャーに正しく伝えることになります。各地域のコミュニティマネージャーはそれを膨らませ、ウェブサイトなどに反映させて行きます。一次ソースを作るのが仕事になりますので、コミュニティマネージャーの本社機能のような感じですね。

実際にそうは言っても直接プレイヤーと関わることもあります。ただ関わり方がより大きなものとなり、Q&Aセッションやイベントで招かれて講演をしたり、スーパーテストをしたりするハードコアな人と直接やりとりすることもあります。

他社ではコミュニティマネージャーがITサポートをしたりプロデュースしたりしますが、Wargamingではあらゆる情報をプレイヤーに提供するのと、重要なフィードバックを開発にあげて行く、そしてコミュニティ自体をマネジメントして行くことになります。いいコミュニティマネージャーとは開発者とプレイヤーの間に立ち、両方に対してコミュニケーションできる人ということです。

――『World of Warships』のユーザーコミュニティで他と大きく異なる点はありますか?

モロッドコベッツ氏:一番の違いは戦争・戦略ゲームなので、年齢層が高めだということです。35歳以上の方がかなり多いですね。

また、海戦ゲームと言うことですファンは歴史に詳しい人が多いです。歴史に忠実なゲームであることが好まれており、ファンタジーゲームのような自由にできるものとは異なります。

3つ目は、PvEもありますがPvPがメインのゲームなので、バランスが注目されやすいコミュニティの一つです。高Tierの船を入手するという目的もあるので、競争好きの人が多いです。

これら3つの特徴を持っているのは本当にコアな人たちで、多くいるのですが、やはりカジュアルなプレイヤーも多く、そう言う人たちは気軽にゲームを楽しみたいと言う人たちです。そう言う人たちにも合ったゲームにしなくてはいけないため、ゲームバランスを保たなくてはいけません。コアな人たちはゲームが複雑であればあるほど、スキル差が出やすくなるので良いと言うことになりますが、カジュアルな人たちはスキル差があり過ぎると楽しくありませんからね。


――今回、空母のリデザインと潜水艦の導入が発表されましたが、これらもコミュニティからの要望なのでしょうか?

モロッドコベッツ氏:そういう部分も大きいですが、潜水艦というのは開発当初から話がありました。歴史上潜水艦の存在は大きかったですし、みなさんご存知ですし、入れる入れないという話はずっとあったのです。今回の潜水艦の発表には驚かれるファンも多いのではないでしょうか。

今回はコミュニティの声に応えるというだけでなく、ゲームに深みを与える方法として潜水艦を投入します。様々なゲームでアサシン、忍者的なポジションのキャラはいますからね。結果として、既存のプレイヤーを満足させ、奥深さを与え、新しいプレイヤーも入ってくるかもしれません。

空母に関しては1~2年前からバランス調整の必要性に気づいていました。コミュニティからも声が大きく、完全なリデザインの前にシンプルなバランス調整を試したものの上手くいかず、今回の完全なリデザインへと至りました。

今までは空母だけ完全に違う船になってしまっていたので、それが好きな人も嫌いな人がいました。今回はコンセプトを変えますので、それに合う人もそうでない人もいると思います。新しい空母が気に入ってくれる人の方が多いと思いますが、そういうのを見極めるテストも行います。

内部のテストではすでに「これならば空母でプレイしたい」という声が出ているので、コミュニティのテストでも同じような声が聞こえるといいですね。

――今までの空母が気に入っていた人たちへのサポートはあるのでしょうか?

モロッドコベッツ氏:基本的に新しいものの魅力を発信して行きます。しかし理解されない場合、違う船への転向といったサポートはして行きます。新しい空母がより人気になるという目標を達するのであれば、合わない人が出てくるのはしょうがないことです。

今までは空母が戦況を大きく変えていたので、全体の96~97%の人が不満を持っていました。空母をプレイする3~4%の人たちにゲームを左右されるのは本望ではありません。空母だけをプレイする人はさらに少なかったですしね。また、対空母戦というものがありましたが、バランスが悪く、存在意義も無くなってしまうのでリバランスは必要なのです。

基本的に本作では「このクラスの船が強いから選ぶ」ということはして欲しくありません。このクラスが楽しいから、好きだから選んで欲しいのです。そういう方向性でゲームバランスを調整しています。

――今回実際に新しくなった空母を触ってみてとても楽しかったのですが、攻撃を当てるのがとても簡単のように感じました。ダメージ部分は今後調整されていくのでしょうか?

モロッドコベッツ氏:今回の試遊台はコンセプトの正しさを証明するためのもので、ダメージやスピード調整は今後行っていきます。以前の空母と比べれば、これでもダメージは低くなっているのです。


――「プレイヤーはゲームの悪い部分を指摘するのは上手いが、どう直せばいいのかわかっていない」という言葉がありますが、これについてはどう思いますか?

モロッドコベッツ氏:その見解には概ね賛成です。多くのスーパーテスターやコミュニティと接してきて、いろいろな提案を受けてきましたが、あまり良いものはありませんでした。実装するのが難しいものばかりだったからです。なぜかというと、彼らはゲームの全体像が見れていないからです。各部分だけを見てしまっているので、戦艦なら戦艦がどうなればいいということだけを見てしまいがちです。しかしゲームを良くするにはゲーム全体を見る必要がありますので、やはりゲーム全体を見られる熟練したプレイヤーや開発者でないと、改善案は出せないでしょう。

結局コミュニティから上がってきた案でも、開発者が失敗すれば開発者の責任ですので、その辺は注意してやっています。

――最後に、「潜水艦は絶対に実装されない」と強く言われてきましたが、今回実装するに至ったきっかけみたいなのはあるのでしょうか?

モロッドコベッツ氏:ハロウィーンとエイプリルフールのネタであればバカらしいことや奇抜なことができるので、その一環として、この大規模な実験をしてみようということになりました。なぜ今年かというと、過去三年間の開発でコンテンツも増えてきましたので、人的リソースに余裕が出てきたからです。会社の成長と合致したということもあります。

――ありがとうございました。


《SEKI》
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