
2026年2月5日、KRAFTONはPUBG STUDIOSのARCチームが開発した新作タクティカルシューター『PUBG: BLINDSPOT』をリリースしました。
単純なエイム勝負だけではなく、共有のチームビジョンや多彩なガジェットを駆使してエリアをコントロールし、短く決定的な交戦でラウンドをもぎ取っていく快感。一般的なFPS/TPSとは操作体系が大きく異なるものの、その競技性の高さにはシューター好きならきっと惹かれるはずです。
本記事ではそんな『PUBG: BLINDSPOT』の概要と開発チーム紹介、そしてプレイレポートを2名のGame*Sparkライターからお届けしていきます。まずは本作がどのようなゲームであるか、全体像を見ていきましょう。
『PUBG: BLINDSPOT』Steamストアページ屋内特化に変貌した『PUBG』流の戦術シューター

本作では、トップダウン視点で戦況全体を把握しながら「どこにポジションを取るか」「どの角度を押さえるか」「いつ仕掛けるか」といった、情報と位置取りの駆け引きを重視したデザインが特徴になっています。
基本となるのは、近距離~中距離の室内戦を舞台にした5対5のチームベース対戦です。トップダウン視点ならではの見通しの良さに対して、各キャラクターにはあえて「限られた方向性のある視野」が設定されており、マップ上には常に“死角(ブラインドスポット)”が生まれるようになっています。
射撃・視界・ガジェットが作る“読み合い”

『PUBG: BLINDSPOT』のゲームデザインは「戦術的な射撃」「視界共有と角度管理」「多様なキャラクターとガジェット」の3つの要素を軸に構成されています。
まず「戦術的な射撃」にかかわるメカニクスでは、交戦距離を近~中距離のCQB(近接戦闘)に寄せることで“フルオートの撃ちっぱなし”よりも、カバーを使ったポジショニングやピークのタイミングが重要になるよう調整されています。
ラウンドは短く、リスポーンも存在しないため、一度のミスや不用意な顔出しがそのままラウンド全体の敗北に直結しかねない緊張感を生み出しています。

次に、視界共有と角度管理を担うビジョンシステムでは、各キャラクターの視野が“チーム共有のリソース”として扱われます。チーム全体で、各メンバーが戦場のどこに目を向けるか。見えているものを共有しながら「視界のコントロール」と「立ち回り」が勝敗に直結するスリルは、まさにタクティカルシューターの魅力です。

そして3つ目の柱となるのが、キャラクターとガジェットです。プレイアブルキャラクターはそれぞれ、固有のメイン武器・サブ武器・ユニークガジェットを持ち、そこに汎用的な攻撃/防衛ガジェットが組み合わさる構成。多様な戦術が生まれるようになっており、長期的な研究やメタゲームも期待できるシステムです。
『PUBG: BLINDSPOT』Steamストアページ開発を手掛けた「ARC Team」とは
『PUBG: BLINDSPOT』を手掛けるのは、PUBG STUDIOS内の少数精鋭チーム「ARC Team」です。チーム名の「ARC」は、キャラクターの成長や変化の軌跡を意味する“キャラクターアーク”に由来しており、時間とともにゲームもプレイヤー体験も進化していくことをコンセプトに掲げています。
また、ゲームのお披露目は遡ること2024年11月で、当時は『Project ARC』という名称で韓国のゲームショウ「G-STAR」でプレイアブル出展されていました。本項筆者も現地でのプレイ経験があり、その時点でも「トップダウン視点の競技的シューター」としてのスリルは抜群。見知らぬ韓国ゲーマーと協力しながら、戦略的なマッチを楽しめました。
『PUBG: BLINDSPOT』Steamストアページ「ARC Team」のメンバー構成は多彩で、ソロ開発者や海外スタジオ出身者、スタートアップ経験者、元プロゲーマーなど、異なるバックグラウンドを持った開発者たちが集結しています。
彼らを結びつけているのは「根っからのゲーマーである」という共通のアイデンティティであり、とりわけシューティングゲームと競技プレイへの情熱がチームの中心にあります。

また、開発陣は自分たちを単なるクリエイターではなく“プレイヤーでもある”と位置づけています。「シューターにとっての緊張感や満足感、記憶に残る瞬間とは何か」を常に問い直し、その答えをシステムやゲームテンポ、メカニクスの細部に落とし込んでいるといいます。
25名未満というコンパクトなチーム体制も、素早い試行錯誤と分野横断的な協働を可能にしており、インディースタジオ的な機動力を保ちながら『PUBG』という大きなIPの“DNA”を活かす形になっています。
“分かりやすく、奥深い”。競技シューターを目指す開発哲学

ARCチームが掲げる開発哲学は「強固なコアゲームプレイの上に、本当に楽しいゲームを築くこと」です。奇抜なギミックよりも、明快で扱いやすいデザイン判断を優先しつつ、プレイを重ねるほどテクニックやチームワークの伸びしろが見えてくるような設計が徹底されています。
ラウンド構造も「情報収集→角度と位置のコントロール→短く激しい交戦→ラウンドの解決とリセット」というシンプルなリズムに整理されており、ルール自体は新規プレイヤーにも理解しやすいものになっています。

一方で、ビジョンシステムやガジェット、ポジショニング、チーム連携を突き詰めていくことで、“習得は容易だが、極めるのは難しい”タイプの奥深さがしっかり用意されているのも、本作ならではのポイントです。
さらにARCチームは、開発過程でプレイヤーとの双方向コミュニケーションを重視しており、早期アクセスを通じて積極的にフィードバックを集めながらアップデートを重ねていく方針を掲げています。
『PUBG: BLINDSPOT』Steamストアページ遊べば遊ぶほどジワジワやってくる面白さ。『PUBG: BLINDSPOT』プレイレポート
さて、ここからはソロと友人とのチームプレイを計10時間ほど遊んできたライター・文章書く彦による、『PUBG: BLINDSPOT』のプレイレポートをお届けします。本作は非常に奥が深く、10時間程度ではその妙味を味わい尽くすことは到底できません。操作自体はシンプルなため、まさに「習得は容易、習熟は困難」を体現したようなゲームだと感じました。

まずはチュートリアルからプレイを開始しました。本作は一般的なトップダウンシューターと異なり、「エイムの難しさ」が大きな特徴となっています。その理由は、トップダウン視点でありながら「高低差(射線の高さ)」の概念があるためです。
例えば、立っている状態でしゃがんでいる相手を狙う場合、自分もしゃがむか、CTRLキーを押し込んで照準を下に下げる必要があります。「それなら、しゃがみ状態が最強なのでは?」と思うかもしれませんが、しゃがんだまま撃とうとすると、今度は遮蔽物に隠れている(カバーしている)相手に対して弾が通らなくなるといったジレンマがあります。
この仕組みは一般的なシューターをプレイされている方には馴染みがないため、やりながら慣れていく必要があります。慣れないうちは大変ですが、何度か遊ぶうちに、このエイムシステムが「実によくできている」と感じるようになりました。


高低差に関しては軽いエイムアシストが働くため、あまり気にしなくても楽しめるようにはなっていますが、それでも奥を狙いすぎると手前のターゲットに当たらなくなります。
一般的なトップダウンシューターでは、“左右の軸”さえ合っていればエイムできるものですが、この「奥方向へのエイムをいい感じに相手に近づける」という感覚は斬新な体験です。咄嗟にやろうとするとなかなかおぼつかなくなる、面白い要素だと感じました。

チュートリアルで教わらない操作の中でも重要な点が、Vキーでの近接攻撃と、Zキーでの「ピン」です。特に後者は「ここに敵がいた!」と味方に知らせるときに非常によく使うため、押しやすい位置にアサインすることをおすすめします。
筆者としてはピンはZキーのままでも大丈夫だと感じましたが、ボタンが余っているならマウスのサイドボタンなどに入れてもいいかもしれません。近接攻撃は壁や相手のガジェット(後述します)を破壊するのに使えます。

また、「カメラアライメントモード」の設定も非常に重要です。ホイールを押下しながらマウスを左右に振るというデフォルトの操作方式は、筆者にはやや難しく感じられたため、現在は「常にカーソルを上に調整する」オプションを使っています。
TPSなどに慣れている人にはこちらのほうが自然に感じられるかと思いますが、一方でマップ内で「あれ、今どっち向いてるんだっけ?」と非常に迷いやすくなるという欠点もあります(ミニマップを細かく確認することで対処可能です)。

さて、チュートリアルを十分に遊び、キーコンフィグを見直したらいよいよ実戦です。射撃場で心ゆくまで操作を調整し、キャラクターの性能を確かめるのも手ですが、実戦の中で慣れていくのも良いでしょう。
『PUBG: BLINDSPOT』では現在、一般的なカジュアルマッチに相当する「ランク外」と、「チームデスマッチ」の2つのモードがプレイ可能です。まずはチームデスマッチでエイムやカメラ操作、キャラクターの性能に慣れてから、ランク外へと挑むのが筆者のオススメコースです。
『PUBG: BLINDSPOT』Steamストアページ
ということで、まずは「チームデスマッチ」を遊んでみましょう。チームデスマッチはその名の通りチーム同士でキルを取り合い、先に「30キル」を達成チームが勝利するという非常にシンプルなルールです。
人数が足りない場合はBotが入るため、マッチングはとにかく爆速。ゲームスピードも速いため1試合約5分程度と、勝っても負けても楽しくカジュアルに遊べるモードです。正直これはこれでかなり面白いと感じましたし、最初の数時間はこのモードばかり遊んでいました。

先ほどから何度か触れていますが、本作では「エージェント」と呼ばれるキャラクターを選択して遊ぶ仕組みとなっています。各エージェントはそれぞれ「メイン武器」「サブ武器」「固有ガジェット」を所持しています。
また、ガジェットにはもうひとつの枠があり、メインモードである「ランク外」では自由に選択可能な枠となっていますが、チームデスマッチでは固定式。こちらはおそらく、固有ガジェットやメイン武器が戦闘向きかどうかといったバランスを考慮して、あらかじめ指定されているものと思われます。

本作は、一般的なトップダウンシューターやTPSの感覚で遊ぶと、最初はなかなか上手くいかないかもしれません。筆者の場合は前述したエイムの高低差に加えて、「射線さえ通っていれば遠くまで見える(逆に自分の付近は見えづらくなる)」という視界の仕様に意識を払うことで、徐々にキルを取れるようになってきました。
やはり、しゃがみ状態は咄嗟の撃ち合いに強いため、角を覗く(ピークする)際はしゃがんでおくのが基本になりそうです。また、足音の方向がかなり正確に聞こえるため、耳を澄まして敵の位置を特定することも非常に重要です。


チームデスマッチでは、個人的にエージェント「エイペックス」がとても使いやすいと感じました。彼のメイン武器であるM4A1は挙動が素直で扱いやすく、また固有ガジェットの「ブルーゾーングレネード」も効果がシンプルで分かりやすいです。マップ上に青く広がるダメージゾーンを作り出すことができるので、敵をそこから追い出せますし、逆に追い込んだ敵を安全に仕留める際にも重宝します。
チームデスマッチではチーム内でのエージェントの重複が制限されないため、自分が使いたいエージェントを自由に選べる点もメリットです。そういった仕様もあり、操作の練習としてはもちろん、ちょっとした息抜きとしても優秀なモードだと感じました。

続いて、現在のメインモードである「ランク外」について。こちらは攻撃側と防衛側に分かれ、先に4ラウンド先取したほうが勝利となる、やや複雑なルールとなっています。
攻撃と防衛の役割は3ラウンドごとに入れ替わります。そのため、たとえ防衛側が有利な状況であっても、4連続で防衛を成功させてそのまま勝利……といった展開にはならない仕組みです。
攻撃側は、敵を全滅させるか、マップ内の「A地点」もしくは「B地点」に「デクリプタ」を設置し、一定時間経過させれば勝利です。対する防衛側は、敵を全滅させるか、設置されたデクリプタを解除すれば勝利となります。
マップはやや広めですが、プレイ中は常にミニマップが表示されているため、そこに意識を払えば迷うことはないでしょう。

まずは「攻撃側」の立ち回りについて説明します。攻撃側は、まずスタート地点を決定する際にマップ上へウェイポイント(ALT+右クリック)を書き込んだり、ピンを打ったりして、自分の作戦を味方に伝えることができます。
大抵の場合、目標に向かって突入しやすい最短ルートと、大きく迂回するルートが用意されています。突入しやすいルートは当然ながら警戒も厳しいため「あえて裏をかくか、強行突破するか」といった読み合いが発生しやすくなっています。

筆者の主観としては、攻撃側はかなり難度が高いと感じました。まだセオリーが確立されていないこともあってか、敵がどこで待ち構えているかの予測が立てづらく、どうしても「出たとこ勝負」になりがちです。
また本作はデフォルトでフレンドリーファイア(FF)がオンとなっているため、狭い室内だと味方を誤射するリスクが常についてまわります。「味方の暴発により、FFでキルされてしまう」というような体験もありましたが、このシステムでFFがないと緊張感に欠けるので納得できます。なお、ARC Teamは「チームキル」に関するユーザーフィードバックを反映し、2月10日に配信されたパッチで「チームメンバーへの誤射」のダメージ軽減を適用しています。
プレイを重ねるうちに、敵陣に近い「破壊可能な壁」は遠距離から射撃してあらかじめ壊しておくことで、より安全に立ち回れることが分かってきました。壁を破壊して射線を通しつつ別のルートへ迂回する戦術も有効ですが、その際は音を立てすぎて位置を悟られないよう、細心の注意を払う必要があります。
グレネードや各エージェントの固有ガジェットなどで遠くからちまちま情報をとってゆっくり進んだほうが、ラッシュするよりも勝ちやすくなるかもしれません。

本作では、デスカメラ(観戦画面)上でもピンを打つことが可能です。そのため、自分が倒された後でも、味方に情報を共有することでチームに貢献できます。タイトルに“BLINDSPOT”とある通り、本作は死角をどう利用し、どう警戒するかが極めて重要です。
「敵がどのあたりにいたか」という情報は勝敗に直結するため、デス後も役割が残されているのは嬉しいポイント。といっても、生存している味方のカメラに映っている範囲しか見ることはできませんが、実際にプレイしていると、操作に必死で自分では気づかなかったものが、観戦者の目には不思議と入ったりするんですよね。
『PUBG: BLINDSPOT』Steamストアページ
続いては防衛側の立ち回りです。こちらは攻撃側とは逆に、A・B両地点への侵入を許さないよう、広く警戒することが求められます。敵が来る位置を予測してエイムを置いておく(待ち構える)こともできますが、予想外の方向から急襲されると対処が難しくなります。
そうした事態を防ぐために、通過時に音が鳴る有刺鉄線を設置したり、バリケードで壁を補強したりといった様々な戦術を選べます。現状、筆者のプレイしているレベル帯では、まだシステムを完全に理解しているプレイヤーが少ないこともあってか、防衛側のほうがやや有利に感じられました。

どこから敵が現れるか分からない本作の緊張感は、かなりのもの。それだけに、キルを取れた時の快感はひとしおです。
「ランク外」モードも1試合15分程度とそれほど長くはないため、空いた時間にカジュアルに遊ぶことができます。その短い時間に濃密な体験が凝縮されているので、ゲームの仕組みが分かってくるほどに面白さが増していきます。

新規でゲームを始めると、最初から3000ポイントを所持しており、これを使ってロックされているエージェントを一人アンロックすることが可能です。
エージェントごとに「攻撃側/防衛側限定」といった役割設定があるため(画面右上、名前の下にあるマークで判別可能)、そこだけは注意が必要ですが、見た目や性能など、気になったキャラを自由に選んで実戦に投入してみましょう!

筆者はソロと友人3人とのチームプレイ、その両方を体験しましたが、情報伝達のスムーズさや作戦の立てやすさから、圧倒的にプリメイドの方が楽しいプレイ体験となりました。
とはいえ、ソロであってもボイスチャットや前述のピン、ウェイポイントといった伝達手段は用意されています。操作に慣れて周囲を見る余裕ができれば、ソロでも友人とのプレイに引けを取らない、質の高い体験が味わえるようになるはずです。
とにかくプレイを重ね、ゲームへの理解が進むほどに「このゲーム、面白いかも!?」という実感が強まっていく本作。筆者自身、すっかり気に入ってしまいました。数戦遊んで「自分には向いてないな」と離れてしまうのは、本当にもったいないですよ!
『PUBG: BLINDSPOT』はPC(Steam)にて早期アクセス版が配信中で、2月12日より”競技シーズン1”がスタート。早期アクセス版は無料でプレイでき、正式版では様々な価格帯のバンドルやゲーム内アイテムの販売を予定しています。
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