空母のリデザインと潜水艦の導入が明らかになった『World of Warships』。編集部では、本作のライブプロデューサーインタビューやメディア向け発表会をお伝えしてきましたが、今回は、さらに本作の開発部門長であるダニール・ヴォールコブ氏にもグループインタビューを実施しました。現状のゲームバランスを変えることになる空母のリデザインは、どのようにして決まったのでしょうか。
――本作においての役割を教えてください。
ダニール・ヴォールコブ氏(以下ヴォールコブ氏):クリエイティブディレクターとして、ゲームのビジョン・方向性を決めていくという仕事を担当しています。
――空母のリデザインですが、いろいろな方向性があったと思います。どのようにして今回のものに決まったのでしょうか?
ヴォールコブ氏:他にも非常に多くの選択肢がありましたが、RTS要素とアクション要素を調整していき、次第にRTSの要素が低くなっていき、アクションの重要性が増して今回の案となりました。
――空母を操っているのに、実際は艦載機をコントロールする…というのにアイデアのぶれのみたいなものはなかったのでしょうか?
ヴォールコブ氏:今はテスト段階で、バランスを取っている最中です。空母自体をもっと操りたいというフィードバックも多く、そのバランスを今後取っていく予定です。
現在の空母には、非常に多くの問題がありました。アクション要素とRTS要素を同時に持つことで、すごく面白いゲームになるだろうと思ったのですが、バランスを取るのがとにかく難しく、空母の役割が戦いの勝敗を大きく左右することとなってしまったのです。結果、空母のプレイヤーにスキル差がある場合、あまりにも早く勝敗を決まるという事態になっていました。
――艦載機を一隊だけ操作できるということで、スキル差を小さくすることができるとお考えですか?
ヴォールコブ氏:以前は三箇所同時にいられたので、広範囲を偵察でき、攻撃もでき、あまりにも大きな存在過ぎました。今回のデザインだと、物理的に一箇所にしかいられないので、スキル差という部分では限定されます。この制限を課せられているため、駆逐艦のような戦い方になっています。
――潜水艦が今まで導入されなかった理由の一つに、強すぎてしまうということがあると思うのですが、その辺はどうやってバランスを取っていく予定なのでしょうか?
ヴォールコブ氏:バランスについては来年以降徐々に詰めていかなければいけません。まずは潜水艦と潜水艦が狙っている敵との間で、どう互いを察知するかがポイントだと思います。お互いに狙われているということがわかり、それからどうするかという恐怖感と、あと2、3秒撃つのが遅れたら自分がやられてしまうという緊張感が上手くマッチするポイントが重要でしょう。簡単ではないでしょうが、潜水艦が最強のハンターになってしまっては面白くないので、そういうバランスを探していきます。
――現在、対戦は向かい合って始まりますが、これだと潜水艦の場所がある程度わかってしまうのでは?
ヴォールコブ氏:プロトタイプでは、潜水艦だけまったく違う位置から登場するという案もありました。これから試行錯誤していく予定です。
――今後潜水艦対策としてソナーを付けられる船が増えたりするのでしょうか?
ヴォールコブ氏:潜水艦の投入でゲーム全体のバランスを調節することになります。歴史的に潜水艦を見つけるのが得意だったイギリス海軍の駆逐艦にソナーを付けたり、多くの船に爆雷を積むことができるようにするなど、バランスを取っていきます。
――現在、コンソール版の『World of Warships Legends』をPS4とXbox One向けに開発中ということですが、スイッチ版の予定はありますか?
ヴォールコブ氏:非常に興味はありますが、今はPS4とXbox Oneに注力しており、スイッチ版の開発はまったくしていません。
――『Legends』ではマップを狭くしてプレイヤー数も少なくなりますが、そうすると各プレイヤーの責任が大きくなり、カジュアルプレイヤーは嫌がったりしないでしょうか?
ヴォールコブ氏:一番大きな違いはPC画面とテレビ画面の差で、PCの方が多くの情報が読み取れます。テレビだと難しいので、なるべく『Legends』ではマップを小さくしたり、ゲームを簡単にしたりして、情報が少なくても楽しめるようにしています。プレイヤー数が多いとカオスな状況になってしまい、みんながお互いに突っ込んでいくだけのゲームとなり、戦略性も何もなくなってしまうでしょう。
――『World of Tanks』は、グランドバトルのように多くの人が参加するモードで敷居を下げているように思うのですが、同じような多人数対戦モードの実装は考えていますか?
ヴォールコブ氏:ゲームモードに関してはいろんなものを作っていて、専門チームもあります。現在は12対12とマップの大きさに制限があり、それは偵察できる範囲であったり射撃可能な距離であったり、あとは船の大きさが戦車と比べてもかなり大きいので、現実味を考えてもただ数多くするというのは難しいです。
――最後に、今後も日本のコンテンツとのコラボは続けていくのでしょうか?
ヴォールコブ氏:もちろんです。日本のコンテンツは世界中でも人気がありますので。
――ありがとうございました。
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