気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Jason Rohrer氏開発、PC向けに11月9日リリースされたマルチプレイヤーサバイバル『One Hour One Life』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、育児と文明構築のマルチプレイヤーサバイバルゲーム。新しいプレイヤーは他のプレイヤーの子供として赤子状態でスポーンし、世話をしてもらいながら成長。成長後は文明を構築したり他の赤子プレイヤーの世話をしながら次世代への遺産を残します。ただし、寿命は1時間しかなく、現実の1分でゲーム内の時間が1年経過してしまいます。日本語には未対応。
『One Hour One Life』は2,050円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。
Jason Rohrer氏(以下Rohrer氏):Jason Rohrerです。2004年からソロデベロッパーとしてゲーム開発を行なっており、これまでに19本のゲームをリリースしてきました。『One Hour One Life』は私の最新作になります。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Rohrer氏:本作の開発は2015年の5月に始まりましたので、もう3年半かかっていることになります。プログラミングはCとC++で行なっており、ゲームエンジン、エディタ、サーバーをすべて一から自分で作っています。本作のアートは私がペンとマーカーを使って紙に手描きし、これをスキャンしています。効果音は自分の声や口を使い、マイクで録音しています。曲も自分で作り、ピアノで演奏していますよ。
――本作の特徴を教えてください。
Rohrer氏:いろんな意味で、本作は史上初のゲームです。プレイヤーは他のプレイヤーの赤ちゃんとして誕生し、お世話してもらうことになります。ちゃんと世話をしてもらえないと死んでしまいますし、うまく生き抜くことができれば、将来的には自分の子供を持つこともでき、その子供たちは他のプレイヤーになるのです。そして60分後、あなたは死にます。あなたはこの巨大な物語の一部分でしかないのです。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Rohrer氏:『Rust』のようなサバイバルゲームから影響を受けています。私はどうして多くのマルチプレイヤーサバイバルゲームにおいて、社会システムが発展していないのか、解明したいと思いました。これは本当の死が存在しないからだと思うのです。プレイヤーが作ったルールを他のプレイヤーに押し付けることはできません(相手を殺せない場合、相手の行動を強制的に変えることはできません)。プレイヤーの持っている時間も無限大ですので、経済的価値はありません。交易を活性化させるには、時間が大切なものでなくてはならないのです。
――本作の日本語対応予定はありますか?
Rohrer氏:本作は私が一人で作っている、とても個人的なゲームです。英語は私の母国語ですし、言葉選びも私がしています。私は日本語が話せませんので、翻訳するとなると他の人を雇わなくてはいけません。彼らは彼ら自身の言葉を使いますので、それはすでにもう私の言葉ではなくなってしまいます。そうなると、それはもう個人的な作品ではなくなってしまうのです。また、私は他の言語でプレイヤーたちと関係を築くことはできません。本作を購入していただくということは、私と個人的な関係性を作るということでもあるのです。
多くのゲームはたくさんの言語に翻訳されます。これはより多くのお金を稼ぐためで、上記のような問題点は無視されています。多くのゲームは個人的なものではないので、言葉選びは大切ではないのでしょう。それに、プレイヤーたちとの関係性もないので、他の言語で遊ぶ独立したグループがいても問題ありません。もう金はもらったから、独立させておけばいい、という感じでしょう。
このような点から、本作の公式版は英語のみとしています。
しかしながら、本作はパブリックドメイン(著作権なし)ですので、他の言語に翻訳していただいても全く問題ありません。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Rohrer氏:日本は大好きな国です!いつか必ず行ってみたいと思っています。
――ありがとうございました。
関連リンク
編集部おすすめの記事
特集
連載・特集 アクセスランキング
-
美少女が戦闘スタイルを切り替えて戦う!メトロイドヴァニア無料体験版でピクセルアートの幻想的な世界を大冒険―採れたて!本日のSteam注目ゲーム7選【2024年4月22日】
-
海外レビューハイスコア『百英雄伝』―90年代JRPGの要素のほとんどすべてが味わえる【UPDATE】
-
『ゼンレスゾーンゼロ』リリース前に「推しキャラ」を探せ!刺さるキャラがきっといる、癖が強めな『ZZZ』人物・陣営をご紹介【増幅テスト】
-
撃つのはBB弾のエアガンサバゲ―シム『Airsoft Online』ストアページ公開/ドラマ「フォールアウト」登場キャラのS.P.E.C.I.A.L.値が公開/『ゆうなま』ライクSLG『勇者のものは魔王のもの』1か月足らずで販売終了【週刊スパラン4/12~】
-
「デッキ構築×SRPG」で新たな面白さを生み出した!アクワイアの『霧の戦場のヴェルディーナ: C.A.R.D.S. RPG』は人気ジャンルに一石を投じる意欲作【インタビュー】
-
海外レビューハイスコア『FF16』DLC第二弾「The Rising Tide《海の慟哭》」―クライヴとその仲間にふさわしい立派な送別会だ
-
【特集】『Incursion Red River』はなぜヒットした?完全PvEの『タルコフ』ライク、リアルだけど少しカジュアルに
-
重厚・無骨なメックゲー『MechWarrior 5: Mercenaries』の魅力―長い歴史に培われた世界観!戦いを求める人にぜひ遊んでほしい一作【特集】
-
【クラフトサバイバル名鑑】『7 Days to Die』10年続く早期アクセスだからこそできる“変化”を楽しもう
-
今週発売の新作ゲーム『Stellar Blade』『SAND LAND』『百英雄伝』『サガ エメラルド ビヨンド』『メガトン級ムサシW』『El Shaddai ASCENSION OF THE METATRON HD Remaster』他