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中華ゲーム見聞録:たった一人の開発者が生み出したFPS『Bright Memory - Episode 1』早期アクセスながらもAAA的な風格!

「中華ゲーム見聞録」第18回目は、剣による攻撃やコンボもあるハイクオリティアクションFPS『Bright Memory - Episode 1(光明記憶:第一章)』をお届けします。

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中華ゲーム見聞録:たった一人の開発者が生み出したFPS『Bright Memory - Episode 1』早期アクセスながらもAAA的な風格!
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「中華ゲーム見聞録」第18回目は、剣による攻撃やコンボもあるハイクオリティーアクションFPS『Bright Memory - Episode 1(光明記憶:第一章)』をお届けします。

本作はFYQD Personal Studio(中国名は「飛燕群島個人工作室」、もしくは「飛燕群島工作室」)によって、1月12日にSteamで早期アクセス版が配信されました。開発者のFYQD(飛燕群島。FYQDはそれぞれの漢字の発音の頭文字)氏は、15歳のころから学業の合間にFPSを開発し、2014年の卒業時には『WarStrom』という作品を完成させました。本作は第2作目で、デモの開発に取りかかったのが2015年8月。同年にUnreal Engine 4(以下「UE4」)の無料化があったのでそれを学び始め、たった一人で開発を進めてきました。そしてこのたびSteamでの早期アクセスに至り、現在売り上げが2万本を突破したとのことです。

『Bright Memory - Episode 1』のトレイラー

それにしても、このようなハイクオリティーなゲームを個人が作れる時代になったというのは驚きです。昔は企業がそれぞれ独自に開発ツールやアセットを作り、開発費や利用料に何百万円やそれ以上も費やしていました。今ではUnityやUEなどを始めとした無料のゲーム開発環境を簡単に手に入れられるため、個人プログラマーにとって良い時代になったのではないかと思います。

しかし、それと「ゲーム1本を最後まで完成させられるかどうか」はまた別問題。本作レベルのものを開発しようと思えば、才能だけでなく、相当な努力と忍耐力も必要になってきます。仕事の合間にコツコツと開発を続け、形にすることができたFYQD氏の努力は並ならぬものがあると言えるでしょう。

また、Game*SparkではそんなFYQD氏へのインタビューも行っているので、開発体制やこれまでのエピソード、言語サポートにまつわる情報を後日お届けする予定です。


本作のジャンルは、一人称視点のシューティングです。普通のFPSとは違い、銃だけでなく、敵を空中に浮かせるスキルや剣による攻撃、これらを組み合わせたコンボ技を使うことができます。例えばスキルを使って空中に敵を持ち上げ、そこへ銃による射撃や剣撃のコンボを叩きこむ、といったアクションも。さっそくプレイしていきましょう。

開幕からハイクオリティー!



タイトル画面から進むと、AAAゲームを思わせるメニューが表れます。オプションではグラフィックやウィンドウ化などかゆいところまで手が届くよう細かく設定でき、個人開発とは思えないクオリティーです。FYQD氏は「AAAゲームの表現方法を追求することが目的」と話していましたが、すでにこの時点でその風格を感じさせます。


ゲームを開始すると、中国語音声入りのムービーシーンが流れた後にゲームプレイが始まります。説明するまでもないとは思いますが、音声は外注です。日本は声優が多く、同人ゲーム開発時に音声を外注することは珍しくありませんが、中国も近年はこの分野が盛んになってきているようです。

ストーリーの舞台は2020年の未来都市。超自然科学研究組織「SRO」が事件調査中に、古の宝剣の中に死んだ生物を蘇らせる物質があることを発見します。軍の第3組織「SAI」はこれを奪うべくSROの研究施設に侵入。主人公であるSROのシェリアはこれを止めるため、SAIと戦うことになります。

序盤~タイトル表示まで

基本的な操作方法は一般のFPSと同じで、WASDキーで移動、シフトキーを押しながらだとダッシュ、Cがしゃがみ、Rがリロードです。これ以外にスキルがありますが、後述します。次にどこへ行くか、目的地がしっかり表示されるのも大規模なゲームのようですね。

格闘ゲームのようなアクション性


ワープ後の森~浮かせコンボやワイヤーアクション

研究施設での戦いの後、シェリアはどこかの森へワープさせられます。ここから本格的な戦闘が始まります。シェリアのスキルですが、Eキーで剣による攻撃が可能。連打する必要はなく、押しっぱなしにすれば連続で剣撃を繰り出します。マウスホイールを上に回すと剣の衝撃波を遠距離に飛ばす「光刃斬」、下に回すと地面にいる敵を浮かせる「裂地斬」。スキルにはクールダウン時間があるので、連続使用はできません。

Fキーは、前方にいる敵を浮かせるスキル。これをコンボの起点にして、空中にいる敵に銃撃や剣撃を叩きこむ!というのがこのゲームの特徴です。また、Qキーでワイヤーを前方の木の枝に射出し、振り子の原理で遠くへジャンプすることができます。シフトキー+左か右でサイドステップもでき、緊急回避に使えます。


ゲーム中、右上にリアルタイムでコンボ評価が表示されます。画像は筆者の2周目プレイ時のもの。1周目と比べて自身のプレイヤースキルがだいぶ上がっていることがわかります。評価が高いとちょっと嬉しいです。


敵を倒すことで経験値が得られ、基礎能力やスキルなどをアンロックできます。これによってシェリアを強化し、さらに多彩なアクションが可能に。FPSが苦手な人は防御力アップを早めに取ったほうがいいでしょう。画面右側で映像によるスキル説明があるのもAAAゲームっぽいですね。

コレクション要素やパズル要素も



マップの所々に、古代の遺物が落ちていることがあります。現在のところゲーム本編とは直接関係ありませんが、このようなコレクション要素があるのはいいですね。ゲーム中には他にも様々な遊び要素や某有名ゲームのパロディーも。実績にある「The first game:Find WarStorm game DVD」の『WarStorm』は、前述したようにFYQD氏の開発したFPS第1作目のタイトルです(本作は氏の2作目)。


パズル要素も用意されています。こちらは円形の地面を回して文字を合わせるパズル。単調になりがちなFPSゲームに一息入れる役割を果たしています。


本作最初の難関ともいうべきボス敵。攻撃力が高く、ザコ敵も周囲に出現するため、適当に戦っているとすぐに殺されてしまいます。サイドステップや浮かせスキルなどを活用して倒しましょう。

今後を期待させる高品質アクションFPS


本作はまだ早期アクセスで、現在は合計1時間ほどのボリュームとなっています。ちなみに筆者は2回クリアしましたが、スキルやコンボの使い方を理解したところで楽しくなってきました。今年中に、さらに2時間分のプレイ内容や武器・スキルの追加がされるとのこと。

ゲームの展開は緩急を上手く使い分けていて、プレイヤーを飽きさせないよう敵やイベントが配置されています。冗長な部分がなく、短い時間に次々といろいろな出来事が起こるので、ある意味贅沢なプレイ体験のできるゲームと言えるでしょう。

現在のところ本作は中国語(簡体字)と英語だけですが(インストール時に選択)、基本的にはFPSですので、ひと通りプレイするだけなら現時点でも言語的な壁は少ないかと思います。将来的には多言語版や日本語音声も予定されているとのことですので、今後も本作の動向に注目していきたいと思います。

製品情報



※本記事で用いているゲームタイトルや固有名詞の一部は、技術的な制限により、簡体字を日本の漢字に置き換えています。
《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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