Steamギャルゲーの愛すべき名作とヒロインはコイツだ!―「多様性」が楽しめる海外産も魅力的なんです【特集】 2ページ目 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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Steamギャルゲーの愛すべき名作とヒロインはコイツだ!―「多様性」が楽しめる海外産も魅力的なんです【特集】

いまやSteamストアでも当たり前に販売されるようになったギャルゲー。国内だけでなく、海外のタイトルも増えており、多様な作品がリリースされています。各ライターが愛するヒロインはどんな女の子でしょうか?

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Steamギャルゲー中興の祖『ネコぱら』


葛西祝次にArkbladeさんはいかがでしょうか?

Arkblade文章書く彦さんが海外デベロッパーのいい意味でユニークな作品を挙げてきたので、やはりここは国産のストロング剛速球なやつを!ということでネコぱら vol.1 ソレイユ開店しました!(以下、『ネコぱら』)かなと。

自分は、ギャルゲーはヒット作を追う程度に留めていたので、久方ぶりの新作プレイとなった『ネコぱら』のインパクトはかなり強かったです。


E-moteシステムで動き回る可愛い女の子達!これでつかみは十分でしたね。今でこそ、VTuberの隆盛で2D絵が動く表現は非常に一般化していますが、当時は未だそこまでではなかったですので。

そして話も「世界よ、これが“萌え”だ」と言わんばかりの剛速球。当時のSteam事情を考えたら本当にこれが「初萌え」だった方も世界中にいるんじゃないでしょうか。

SHINJI-coo-Kストアページに現れたときの存在感、すごかったですねー!

葛西祝僕も当時、Steamストアがバグったのかと一瞬思ってしまいましたよ。

文章書く彦パラダイムシフト。いまや「話題の新作」タブをみるとかならず1つ2つ萌え絵の作品がありますからね、思えば遠くへきたものだという感じです。

Arkblade本当に凄い影響でした。今ではこちらもすでに一種のミームとしても定着した感じはありますし。


Arkblade好きなキャラはやはりショコラとバニラかなと。「いやいや2人じゃん!(笑)」と言われそうですが、2人でセットなので……。一生懸命頑張ろうとしている時の猫っぽさが本当に良いですね。

ちなみに知り合いに『ネコぱら』の影響で猫を飼い始めた方がいます……

文章書く彦中国で大人気なんですね。

Arkbladeですね。メインの原画や大本の企画担当のさよりさんが中国の方というのはありますが、それ以上に当時きちんと「多国語対応でゲームを出した」ということは凄く偉大だったのかなと。

文章書く彦国内では一時期にくらべてかなり下火になってしまった美少女ビジュアルノベルがこうやって海外に再評価されて盛り上がるのはファンとして嬉しいですね。


Arkbladeノベル以外でも「ギャルゲーを作ろう」という良い流れがありますよね。例えば、Steamで同様に話題になったパズルゲーム要素が特徴の『HuniePop』。ゲーム開始早々、最低限のプロローグが終わったら「ちょっと美女たちナンパしてこい」みたいに言われて、あとは恋愛シミュレーションパートとパズルゲームパートを進めていくだけという。進行状況に応じて美少女のセクシーなイラストが見られるようになるという作りが、いい意味で「これPC-98のギャルゲーだ!(笑)」と思いましたね。

葛西祝昔の『TOKYOナンパストリート』みたいなノリなんですね(笑)。

Arkbladeでも、フルボイスに対応しているし、キャラクター群も国際色溢れながらもきちんとギャルゲーしています。さらに立ち絵・一枚絵のクオリティも高く、非常に良い作品です。

どうしても低価格低品質のタイトルと比較されがちなミニゲーム搭載のギャルゲーでも、キチンと作れば、良いものになるという具体例だと思います。

SHINJI-coo-K『ネコぱら』は人気を裏付けるようにコンシューマに移植されましたし、すごいデカいタイトルになったなぁと感慨深いです。

Arkblade『ネコぱら』の方は、ついにTVアニメ化企画まで来ましたからね。その出来次第では今まで以上の注目作になるかもです。

多様な人種や性を選べる『Monster Prom』


Arkbladeただし、「萌え系」は美少女をとにかく魅力的に(人間的だけでなく、時には性的にも)描く文化です。ともすれば、いわゆるポリティカルコレクトネス的な兆候とは相反してしまう危険もあるので、どちらが良い悪いではなく、なんとか棲み分けて共存してほしいなとも思います。

SHINJI-coo-Kそこで、ポリティカルコレクトネス的と言うこともでき、かつ、ゲームとしてめちゃくちゃおもしろい、ギャルゲーであり乙女ゲーでもある、多様性を持った作品があるんですよ。それを今日は皆さんに紹介したいと思います。

葛西祝萌えも多様化して、女の子との恋愛とかハーレムとかに括られないものもでていますけどSHINJI-coo-Kさん、それはどんな作品なんですか?


SHINJI-coo-Kその作品がこちらMonster Promです。キャラクター全員が個性的なモンスターで、学生生活最後のプロム(卒業パーティ)で気になるあの子とデートするのを目標に頑張っていくデートシミュです!

プレイアブルキャラクターの見た目が4種類あり、かつそれぞれの名前も自由に決められる上に、呼ばれ方(He,She,Theyなど)も自由に設定できるんです。モンスターを題材にしているから多様性の塊みたいな感じです(笑)

プレイヤーは、最短30分か、最短1時間でクリアできる2種類のモードから選びます。そしてステータスを上げたり、会話パートでの選択肢で好感度を高めたりした後、最後に想い人に告白をする……いわば短時間でプレイできる『ときめきメモリアル』なんですよ。

文章書く彦ストアページには「マルチプレイヤー」という記述もあって衝撃を受けます。

SHINJI-coo-Kそう!オンラインセッションで最大4人までプレイできて「誰がプロムを成功できるか!?」みたいな遊び方もできるんですよ!

葛西祝マルチプレイヤーのギャルゲーって珍しいですよね。

ArkbladePS時代には『リトルラバーズ シーソーゲーム』や『ネクストキング 恋の千年王国』などのすごろく形式を中心とした作品で「マルチプレイヤーの恋愛シミュレーションゲーム」が試行されていた時期もありますが、海外からも違った形で出てくるのは面白いですね。

SHINJI-coo-Kまたキャラクターも濃くて楽しいんですよ!人魚のお姫様だったり悪魔だったりメデューサだったりヴァンパイアだったり……彼ら彼女らとの会話や、キャラクター同士の絡みをみてるだけでもおもしろいんですよ!


『Monster Prom』でもっとも惚れ込んだヒロインが、人魚のお姫様の「Miranda」さんです!お姫様お姫様していて可愛らしいんですよ……仕えたい……!みたいな……!!彼女に3連続でフラれた時にはしばらくゲームをプレイしたくなくなりました……ニックネームが「Miri」ってのも響きがよくてすごく好きですね~!

葛西祝結構キャラクターデザインがスクールカースト感あってアメリカ的な印象を受けますね。

SHINJI-coo-Kそうなんです!「プロムでの成功者になりたい!」みたいな願望をモンスターに投影するのがユニーク!

Arkbladeゲームではないですが『モンスター・ハイ』とかもちょっと思い出してしまいます。低年齢層向け女玩ドールを中心としたメディアミックス作品で、名前の通り、モンスターの少女たちの高校生活を描くという作品です。人種をマイルドに描く、一種のカリカチュアとしてもモンスター設定は結構有効に働いているのかなと。

SHINJI-coo-K海外のオタク文脈が入ったギャルゲー、と最初に発言しましたが『Monster Prom』もその文脈かもしれませんね。モンスター設定にすることで間口が本当に広くなるんですよ、キャラクターに持てる愛情の幅が変わったりしました。

葛西祝モンスターに例えることで、多様な人種や性自認をもつ人たちの恋愛ゲームになっているという事でしょうか。

SHINJI-coo-Kそうですね。そもそも自キャラの性別というか呼ばれ方も選べるくらいですし、ギャルゲーとして遊ぶことも乙女ゲーとして遊ぶこともできちゃうという。

Arkbladeキャラクターの性別選択機能自体は、海外産の、ロマンスありなゲームだと時々見受けられます。『Monster Prom』に搭載された同機能は、登場人物がモンスターという設定のおかげで、より有効的に働いている印象があります。

文章書く彦PS時代には『elan』とかありましたね、性別選択できて乙女でもギャルゲーでもBLでもやれるっていう。

今後のSteamギャルゲーに望むことは?


葛西祝さて最後になりますが、皆さんに今後のSteamのギャルゲーに求める事を訊いていいですか?

SHINJI-coo-Kこれまで以上に既存ギャルゲーの移植が盛んに行われると同時に、Steamから登場する新規作品がより増えてほしいですね!

文章書く彦ちょっと『リトバス』の話をしましたが、ときどきプレイしたくなる古典的な名作を日本語搭載でSteamでリリースしてくれると個人的には助かります。

Arkblade正直な所、Steamのギャルゲーは明るい話題だけではないのですが、それでも、苦難をなんとか乗り越えて、海外・国内問わず各デベロッパーにはぜひ、今後も作品を作り、発表し続けると共に、日本語を含む多言語対応を含めて頑張ってほしいなと。


今回は海外デベロッパー中心の話題でしたが、国内でも、個人的におすすめなSF短編アドベンチャー『Glare1more』は、当初日本語・英語のみだったもののファン翻訳者に恵まれて中国語版もリリースされました。せっかくの「ワールドワイドな」プラットフォームであり市場なのですし、そういったチャレンジをしていく人々が増えることを期待しています
《葛西 祝》

ジャンル複合ライティング 葛西 祝

ビデオゲームを中核に、映画やアニメーション、現代美術や格闘技などなどを横断したテキストをさまざまなメディアで企画・執筆。Game*SparkやInsideでは、シリアスなインタビューからIQを捨てたようなバカ企画まで横断した記事を制作している。

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