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中華ゲーム見聞録:可愛い紙キャラが戦うSRPG『紙境英雄』カードゲームやローグライク要素もあるターン制ストラテジー

「中華ゲーム見聞録」第22回目は、紙でできた可愛いキャラクターたちが戦う、カードゲームやローグライク要素も入ったターン制シミュレーションRPG『紙境英雄(Papercraft)』をお届けします。

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「中華ゲーム見聞録」第22回目は、紙でできた可愛いキャラクターたちが戦う、カードゲームやローグライク要素も入ったターン制シミュレーションRPG『紙境英雄(Papercraft)』をお届けします。

本作の開発元はOverture(序曲工作室)。1月22日にShenzhen Tanyu Interactive Entertainment Co., Ltd(深セン市探娯互動科学文化有限公司)によってSteamで早期アクセス版が配信されました。Overtureは30歳前後の開発者たちによるインディーゲームスタジオで、以前トレーディングカードゲーム(以下「TCG」)『開拓』を開発したのですが、残念ながら配信に漕ぎつけることができませんでした。そのときの経験を生かし、本作の開発を始めたとのことです。


本作はシミュレーションRPGですが、TCGを開発したときの経験からカードゲーム要素や、ランダムマップ・ランダムシナリオ、死んだら終わりのローグライク要素も導入されています。ストーリーは、主人公であるあなたが、女王を相手にボードゲーム対戦をするというもの。ボードゲームの内と外、現実世界と虚構世界の謎を解き明かしていくという内容だとか。さっそくプレイしていきましょう。

女王とボードゲーム対戦


オープニング~初めての戦闘


ゲームを開始すると、あなたはテーブルの席に着いています。向こうにぼんやりと見えるのはどこかの王国の女王。城の外で倒れていたあなたを衛兵が発見し、連れてきたとのこと。王国には長らく人が来ていなかったので、女王はあなたの来訪を喜んでいます。

これからプレイさせられるのは「紙境魔盤」というボードゲーム。あなたが来たことによって、紙境魔盤が数百年ぶりに活性化しました。どうやらあなたは紙境魔盤に選ばれた人物で、このゲームの結果があなたの運命を左右することになるようです。ちなみにゲームプレイの拒否は許されません。


女王との会話の後、チュートリアルステージのフィールドマップが表示されました。あなたは黒いフードを被った人物で、マップ上を自由に動くことができます。敵とぶつかると戦術マップに移動。とりあえず目の前にいるレベル1の剣術大師と戦ってみます。


戦術マップでは、ターン制バトルになります。画面下に並ぶのはあなたの手札。毎ターン5枚配られ、そこから味方ユニットを呼び出したり、スキルやアイテムを使ったりできます。手札が悪ければ取り換えることも可能(回数制限あり)。また画面上にある黄色いバー(40/100と書いてあるもの)は軍の士気で、味方ユニットが倒されると減少します。士気が0になるか、主人公が倒されれば敗北です。

カードを使うためにはコスト(カード左にある数字)がかかります。各ターンに使えるコストは画面の上に表示されていて(紫色の菱形。この戦闘ではコスト10まで使える)、強力なカードほど使用コストも多くなります。画面右下の大きな菱形は主人公固有のスキルで、これも同様に使用コストが必要です。


戦闘勝利後にレベルアップ。3つ(ランダム)のうちのどれかをアップグレードできます。リーダーが倒されては元も子もないので、生命力アップを選択。ちなみにレベルやアップグレードなどはマップ終了時、もしくはゲームオーバー時にリセットされます。このあたりはローグライクですね。

オンラインTCGのようなメニュー


最初のボス戦~タイトル表示


剣術大師を撃破後、さらに進んでこのステージのボスとぶつかりました。今度は敵ユニットが3体います。敵リーダーは攻撃力4、生命力20(ユニットの右にある剣マークとハートマーク)と、そこそこに強い。撃破後はゲームのタイトル画面が現れ、ここから本格的にゲームが始まります。


ゲームのメインメニュー。左から「開啓魔盤(ゲームスタート)」「魔盤全書」「任務」「設置(オプション)」。「任務」では毎日更新されるタスクが3つあり、これをこなすことで紙片(この世界の通貨)がもらえます。また「魔盤全書」ではカードの閲覧や、貯めた紙片を使って新しいカードのアンロックができます。このあたりはオンラインTCGっぽいですね。


カード一覧。主人公は3人いて、それぞれ使えるカードの種類は異なります。また全主人公共通で使えるカードも。「?」マークのカードはゲーム中でゲットする必要があります。赤い「-」マークのカードは、紙片を支払うことでアンロック可能。紙片は先ほどのデイリータスク以外にも、実績を解除することでも入手できます。課金要素がないので気楽です。

3人の主人公のいる本編


パズルモード~初心者チュートリアル

ゲームを始めると、本編、チャレンジ(開発中)、教学(初心者チュートリアル)、パズルの4つのモードから選べます。パズルモードでは様々な条件で戦闘を行い(例えばリーダーがその場から動けないなど)、クリアすると紙片が得られます。

教学モードでは、フィールドマップ上での行動を学べます。フィールドではショップで物を買ったり、カード強化をしたり、宝箱や資源をゲットしたりできます。初プレイ時は教学モードから始めるのがいいでしょう。


女王と紙境魔盤対戦をする本編を始めると、主人公の違う3つのシナリオ「鋼拳覇王伝」「エリカの冒険」「ガラミアの野望(開発中)」が選べます。先程のチュートリアルバトルで使っていたのはエリカのカードデッキなので、エリカを選択。


紙境魔盤内では、「お金」「栄誉」「鉱石」の3つの資源があります。スタート時にもらえる分以外、フィールドマップ上に落ちているものを拾ったり、敵を倒すことで得られます。これらを使ってカード購入や強化が可能。あくまで「紙境魔盤内」のみで、外には持ち出せません。


……で、エリカでプレイしようと思ったら、遊ばせてくれません。「エリカの冒険」は難易度が少し高いため、先に「鋼拳覇王伝」をクリアしてからでないとアンロックされないようです。

舞台は世紀末……?




仕方がないので「鋼拳覇王伝」を選ぶと、先ほどの可愛らしいイラストから一変、ゴブリンどもの跋扈する汗臭い絵面が。画像のでっかいゴブリンが主人公のようです。しかも舞台は乱世の世紀末的状況。タイトルからしてそれっぽい感じがしていたのですが……。なんか想像していたのと世界観が違いますが、とにかく始めましょう。


世紀末救世主伝説となるべく旅に出た主人公ゴブリンのストーリーが語られ、いくつかの質問に答えた後にゲームスタートしました。マップも思った以上に世紀末チックで、敵は盗賊団の模様。とりあえずマップ上にある資源を回収していきます。


マップ上に配置されている敵もごっついやつら。先程までの可愛らしい世界観はどこに。とりあえずケンカを売っていきましょう。


戦闘が始まりました。召喚できるゴブリンはコスト1とかなり安い。ただ攻撃力2、生命力1なので、一撃で殺されてしまいます。攻撃用の消費アイテムぐらいで考えたほうがいいかもしれません。戦闘後には資源をいくらかゲットできました。

思った以上にカードゲームでローグライク



鍛冶屋を見つけたので、鉱石を使ってデッキ内のカードを強化します。味方ユニットは最大レベル3まで強化可能。それと主人公の生命力は戦闘後も回復しません。敵を殴ると反撃を受けるため(相手が死ぬ場合でも)、なるべく味方ユニットに殴らせ、生命力を節約したほうがいいでしょう。


マップ上にはゴブリン以外に人間のユニットがいました。レベルの低い敵から狩っていき、資源を稼ぎます。またショップで新カードを買ったりなどしつつ、デッキを強化。マップ上に宝箱やショップがあるなど、ローグライクRPG『For The King』を思い出します。本作のほうが手軽に遊べて取っつきやすいですね。


戦闘も思ったよりカードゲームしています。例えばゴブリンですが、「味方がカードによって強化されたとき、自身も攻撃力が1上がる」というパッシブ能力があります。これを上手く使い、仲間を強化した後、攻撃力を上げた状態で殴るという戦術が取れます。また「死亡時に竜を2体呼び出す」のようなカードもあり、コンボを作るため攻撃手順を考えたりなど、TCGをやっている感じがします。


マップ上の敵をすべて倒し、レベルを3まで上げてボスに挑んでみました。しかしボスは毎ターンゴブリンを召喚するため、物量に押されてあえなくゲームオーバー。思ったよりも難しい。ローグライクなのでカードレベルや資源はリセットされます。ただ頑張ったぶん紙片をゲットできますので、何度も遊んでいくのがいいでしょう。またシナリオやステージがプレイするたびに変わりますので、毎回新鮮な気持ちで挑むことができます。

ライトな外見ながらも手ごわい戦略ゲーム


本作はルールもわかりやすく、とっつきやすいローグライク&カードゲーム&SRPGですが、難易度自体はそこそこ高い感じです。主人公の生命力回復手段が限られているため、ステージの最後まで戦っていくためには、いかにダメージを受けないかが重要になります。それと敵を攻撃するときは、相手の能力を見てからにしたほうがいいかと。「死ぬと仲間を強化する」なんて要素もあるので、攻撃順序は重要です。

再スタートするとマップも敵もボスも一変。目的も魔剣を探すというものに。

本作はまだ早期アクセス版のため、今後も様々なアップデートが予定されています。また言語は今のところ中国語と英語だけですが、日本語も準備中とのこと。現時点でもカード効果が分かればプレイ自体に支障はないと思いますので、カードゲームやローグライク、SRPGが好きな方は、ぜひとも本作をプレイしてみてください。

製品情報


    『紙境英雄(Papercraft)』


    開発・販売:Overture、Shenzhen Tanyu Interactive Entertainment Co., Ltd
    対象OS:Windows
    通常価格:1,420円
    サポート言語:中国語(簡体字、繁体字)、英語
    Steamストアページ:https://store.steampowered.com/app/905660/_Papercraft/

※本記事で用いているゲームタイトルや固有名詞の一部は、技術的な制限により、簡体字を日本の漢字に置き換えています。
《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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