中華ゲーム見聞録:探索アクションRPG『Dungeon Munchies』ダンジョン内の敵を倒して料理を作ろう―開発者インタビューも | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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中華ゲーム見聞録:探索アクションRPG『Dungeon Munchies』ダンジョン内の敵を倒して料理を作ろう―開発者インタビューも

「中華ゲーム見聞録」第45回目は、ダンジョンに蠢く敵を素材にして料理や武器を作り、主人公をパワーアップさせていく探索アクションRPG『Dungeon Munchies』をお届けします。記事の最後には開発者インタビューもあります。

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中華ゲーム見聞録」第45回目は、ダンジョンに蠢く敵を素材にして料理や武器を作り、主人公をパワーアップさせていく探索アクションRPG『Dungeon Munchies』をお届けします。

本作はmaJAJaによって6月6日にSteamで早期アクセス版が配信されました。maJAJaは3人で活動している台湾のインディーデベロッパー。早期アクセス版ということでまだストーリーは完成していませんが、それにも関わらずSteamストアページのユーザーレビューでは500人以上から好評を得ており、全体の評価は「圧倒的に好評」となっています。今回はmaJAJaの開発チームからコメントをいただけましたので、記事の最後でインタビューもお届けします

『Dungeon Munchies』早期アクセス版トレイラー

本作は、メトロイドヴァニア的な横スクロール型探索アクションRPG。このゲームの最大の特徴は、倒した敵を素材にして料理を作り、それを食べることで主人公を強化できるということです。また、食べることのできない部位で武器や盾を作ることも可能。さっそくプレイしていきましょう。

主人公はキョンシー



ゲームは葬式のような場面から始まります。上から降ってきた光が棺桶に当たり、棺桶の中から顔色の悪い主人公が登場。そして呪符が跳んできて、額に貼り付きました。主人公はすでに死んでいて、キョンシーとして復活させられたようです。とりあえずゲムスパと名付けておきましょう。


少し右へ進むとガイコツが飾られていました。調べてみると、「西米先生の言うことを聞かなかったのでこの姿になってしまった」とのこと。ゲムスパを復活させたのも、西米という人物のようです。


ガイコツを調べ終えたのち、画面左上の電球マークが増えました。これは料理をしたり武器を作ったりするときに消費するポイントで、物を調べたときや敵を倒したときに得ることができます。さらに進むと、買い物袋のようなものが落ちていました。


四次元ポケット的な技術で作られた買い物袋で、食材をいくらでも入れられるそうです。また食材の鮮度も保たれるとのこと。これで素材やアイテムを持ち運べるようになりました。


トゲトゲが通路をふさいでいます。触れるとダメージを受けてしまうので、緊急回避中の無敵時間を使って通り抜けていきます(Xboxパッドの場合はBボタン)。敵と戦うときの必須テクニックになるので、ここで操作を身に着けておきましょう。


木の棒を入手。これで攻撃ができるようになりました。地面に敷き詰められたトゲトゲは回避して通り抜けられないので、棒で叩き壊して進んでいきます。壊したトゲトゲの破片は武器の素材にもなりますのでもらっておきましょう。

敵を倒して食材にしよう



このゲームで初めての敵「大蚊」です。先ほど木の実を入手したので、サブウェポンの投擲武器として使用することができます。蚊に投げつけて撃退してやりましょう。蚊の死体は食材として回収します。


キャンプ地を発見しました。大きな鍋があります。ここで料理ができそうですね。さっそく調べてみましょう。


すると鍋の中からコック姿の少女が登場。先ほどのガイコツが言っていた西米です。死霊法師(ネクロマンサー)のようですね。鍋の中に封印されていたようで、その封印を解いた者には魔物料理の全課程を学費なしで伝授するとのこと。


……というのは演出だったようで、部下のガイコツに「ボス、一日中鍋の中に隠れていたんですか」と突っ込みを入れられます。西米は自分の料理技術を優秀な人物に伝えようと考えていましたが、ここには生きた人間がいないのでゲムスパを蘇らせたとのことです。


西米は自分の著書である「西米魔物料理入門」をゲムスパに授けてくれました。ここに魔物料理のレシピが書かれているようです。ちなみに「西米」はタピオカの一種で(タピオカミルクティーに入っているものより小粒)、台湾では「西米露」というココナッツミルクに西米を入れたスイーツがあります。

魔物料理でパワーアップ!



さっそく鍋のところで料理を作ってみましょう。先ほどの大蚊の死体3つで「大蚊のフライ」を作ることができます。料理にはゲムスパをパワーアップさせる効果があり、「大蚊のフライ」は空中でジャンプができるようになるそうです。


フライパンに食材を放り込んでいきます。拳銃らしきものなど、明らかに関係のない物も含まれているようですが……。


「大蚊のフライ」が出来上がりました。完成と同時に食べたことになります。これで空中ジャンプできるように。


さっそく試してみると、2段ジャンプによって高い崖の上にも届くようになりました。ついでに背中から蚊の翅が生えていますね。本作では食べた料理によって主人公の外見も変化します。パワーアップというかミューテーションですね。以前プレイレポートをしたSRPG『Mutant Year Zero: Road to Eden』を思い出しました。


しばらく進むと、武器作製のできる作業台にたどり着きました。食べられない素材を使って武器や盾を作ることができます。本作ではレベルアップによって主人公が強くなったりはしないので、強い武器を作ることは重要です。


ゲーム序盤に叩き壊したトゲトゲの破片を使って「草葉剣」を作ることができます。本作では剣や斧、弓など武器のタイプがあり、専用のスキルも用意されています。装備の入れ替えは作業台でしか行えないので注意。とりあえずメインウェポンを草葉剣に入れ替えましょう。サブウェポンには、武器の代わりに盾を装備することもできます。


剣の形が変わりましたね。木の棒よりは攻撃力が高くなりました。ちなみに画像にある大きなゴミ箱は復活地点です。ゲムスパが死んだとき、一番近くのゴミ箱から復活することになります。

ボス敵登場!



水中を進んでいくゲムスパに、「厄魚」が襲ってきました。倒してあとで焼き魚にでもしましょう。水中では動きが遅くなりますが、厄魚の料理を食べれば水中の移動速度を50%上げることができます。


拠点に到着。西米のすぐ左にある廟のような施設はワープ地点で、すでに行ったことのある他の廟へワープすることができます。本作では行ったり来たりすることも多いので、上手く活用していきましょう。


作れる料理も増えてきて、現在7種類の料理を胃袋に入れているゲムスパ。10秒ごとに生命力3回復、4秒ごとに近接攻撃で15ポイントの追加ダメージ、攻撃を受けたときに2秒間12ポイントの電撃ダメージを与えるなど、様々な能力が付加されています。

ただし胃袋の中が7種類以上になると、料理が作れなくなります。新しい料理を作る場合は、必要のない料理を胃袋から排除しなければなりません。どういう組み合わせにするか、頭を悩ませることになるでしょう。


先へ進むと敵もだんだんと強くなっていき、耐久力も高くなっていきます。主人公の武器は単に攻撃力の高いものだけでなく、出血や毒など持続的にダメージを与えるものもあるので、状況に応じて切り替えていきましょう。


そして最初のボス敵登場。ボスだけあってかなり生命力があり、石を投げてきたりなど攻撃も多彩です。ゲムスパは長期戦に備え、出血ダメージのある「カタツムリの殻のナイフ」と、サブウェポンには毒ダメージを与える「ガマガエルの毒袋」で対抗。しかし敵の生命力が高いせいか、効いている様子があまりありません。


長い戦いの末、あとちょっとのところでやられてしまいました。最寄りのゴミ箱から復活です。敵が石を投げてくるので、サブウェポンは武器よりも盾を装備したほうがいいかもしれません。料理の組み合わせも考えたほうがよさそうですね。ゲムスパの戦いはまだまだこれからです。

開発者インタビュー


本作は倒した敵を料理して自分の力にするというユニークなシステムのアクションRPGです。主人公の胃袋に収まる料理の数に上限があるため、どういう組み合わせにしたらよいのか、武器との相乗効果はどうなのかなどを考えるのが楽しいですね。ぜひ自分にとっての最強のキャラクターを作ってみてください。以下は開発者インタビューです。個人でなく開発チームでの回答にしたいとのことなので、「maJAJa開発チーム」とします。



――まずは自己紹介をお願いします。

maJAJa開発チーム:私たちは台湾のインディーデベロッパーmaJAJaです。台湾の台北で結成されました。メンバーは、メインプログラマーのJimbo、メインデザイナーのScofa、広報と翻訳担当のIanの3名です。

――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょう?

maJAJa開発チーム:私たちは同じゲーム会社で働いていた同僚で、ある日突然3人とも「自分のゲームを開発したい」と思い立ちました。そしてチームを作ったのです。ゲームは2017年7月から構想を練り始め、2ヶ月ほどかけて「プロトタイプ1」を開発しました。それから5ヶ月かけて「プロトタイプ2」を、2018年5月には「プロトタイプ3」を完成させました。それから開発期間に入り、現在も(早期アクセス版なので)まだ開発中です。

――本作の特徴を教えてください。

maJAJa開発チーム:本作では、プレイヤーが敵を料理して食べることができます。それによって敵の能力を獲得することができるという横スクロール型アクションゲームです。荒唐無稽なダンジョン住民の物語や、様々な習性や奇妙な姿をした魔物たちによってゲームの世界観が作られています。もっとも重要なのは、すべての魔物料理には独特の効果があるということです。フライドバナナを食べれば腕がたくましくなったり、葉子茶を飲めば頭から苗木が生えて光合成を行ったり、快楽葉巻を吸えばハッピーでぼんやりとした様子になるでしょう。

開発初期、私たちはゲームに高い価値や教育的意義を詰め込もうとしました。しかしのちに、これらの目標を主張することで、プレイヤーを満足させるゲームを作ることが難しいことに気付きました(ちなみに当初から、ゲームのコア部分に高い価値が存在したわけではありません)。大きな労力をかけて開発した「プロトタイプ2」は中止し、やり直しになりました。これは私たちにとっての大きな挫折と言えます。

――本作が影響を受けた作品はありますか?

maJAJa開発チーム:開発チームメンバーが好きな漫画「ダンジョン飯」からインスピレーションを得ました。敵を倒してその敵を食らうというのは究極の征服快感をもたらすものであり、これはアクションゲームにおける報酬としてもっとも適したものであると私たちは信じています。

――本作の日本語対応予定はありますか?

maJAJa開発チーム:はい。私たちは将来、日本語版ができることを強く望んでいます。私たちは現在、各国の翻訳者が翻訳しやすいよう、ゲームにいくつかの修正を加えています。

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

maJAJa開発チーム:本作の多くの要素は、日本のアニメや漫画からインスピレーションを得ています。「ダンジョン飯」を読んでいなかったら、本作は誕生しなかったでしょう。日本の創作者たち、そして本作への日本のゲーマーたちの支持に心から感謝いたします。

――ありがとうございました。



将来的には日本語化も予定されている本作。現在は中国語(簡体字、繁体字)以外にも英語がありますし、基本的にはアクションゲームですので、料理や武器の効果が分かればプレイ自体に問題ないかと思います。まだ早期アクセス版ながらレビューの評判通りの楽しい作品になっていますので、ぜひともプレイしてみてください。

製品情報



※本記事で用いているゲームタイトルや固有名詞の一部は、技術的な制限により、簡体字・繁体字を日本の漢字に置き換えています。

■筆者紹介:渡辺仙州 主に中国の歴史ものを書いている作家。母は台湾人。人生の大半を中国と台湾で過ごす。中国の国立大学で9年間講師を勤め、現在台湾在住。シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、ブログ「マイナーな戦略ゲーム研究所」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。Twitterはこちら
《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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