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『白き鋼鉄のX』、そして『ぎゃる☆がん』の未来―インティ・クリエイツ會津卓也社長インタビュー【BitSummit 7 Spirits】

「BitSummit 7 Spirits」の開催に合わせ、インティ・クリエイツの會津卓也社長に『白き鋼鉄のX(イクス)THE OUT OF GUNVOLT』と『ぎゃる☆がん』シリーズに関するインタビューを行いました。

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『白き鋼鉄のX』、そして『ぎゃる☆がん』の未来―インティ・クリエイツ會津卓也社長インタビュー【BitSummit 7 Spirits】
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6月1日・2日に京都・みやこめっせで開催された「BitSummit 7 Spirits」では、インティ・クリエイツが『蒼き雷霆(アームドブルー)ガンヴォルト』シリーズの外伝として発表した『白き鋼鉄のX(イクス)THE OUT OF GUNVOLT』が出展されました。6月1日に開催されたメインステージイベントでは本作がニンテンドースイッチだけでなく、PS4とPC(Steam)で同時発売されることも発表されています。


Game*Spark編集部は本イベントに合わせ、インティ・クリエイツの會津卓也社長のインタビューを行いました。ここでは『白き鋼鉄のX(イクス)』に加え、同社のもう一つの代表作になる『ぎゃる☆がん』シリーズについてもお聞きしてました。

『白き鋼鉄のX』PS4対応はシリーズ未体験の人に向けて


――まずは、『白き鋼鉄のX』についてお聞かせください。本作のセールスポイントやコンセプトはどのようなものでしょうか。

會津氏もともと3DSとニンテンドースイッチで発売されていた『ガンヴォルト』と『ガンヴォルト爪(ソウ)』のスピンアウト作品になっていて、二作目の『ガンヴォルト爪』にダブル主人公ということで登場していたアキュラを、今回はメインキャラクターに据えています。

もともと、インティ・クリエイツのゲームは現行機よりちょっと非力なハードで出ていましたが、今回は現行の据え置きハードのマシンパワーを使って作っています。そのため、今までのゲームより派手だったり処理負荷がかかるようなものも目指し、現世代機向けのドット絵のゲームとしては最高峰のゲームを作ろう、というのをコンセプトにしています。

――基本的には『ガンヴォルト爪』のアキュラのプレイ感覚をベースにしたゲームになっている、と。

會津氏そうですね、操作感覚はほぼアキュラがベースになってますけれども、やはり新作ですから“X(エクス)ウエポン”というボスから取れる武器は新しくなってますし、新しい攻撃手段、新しいカスタマイズといった要素も追加されています。

――現世代機となると、解像度は最低でも720p(ニンテンドースイッチ・携帯/テーブルモード)になると思うのですが、その点では開発に苦労されましたか。

會津氏『ガンヴォルト ストライカーパック』のスイッチ版を作るときにHD化したりといろいろ経験はあったので、本作だから苦労したということは特にありません。でもできることが増えた分、あれもやりたいこれもやりたいといろいろアイデアがあったら、どれも入れられちゃうわけですよ。どのアイデアが『ガンヴォルト』ファンもしくは新規プレイヤーに最も楽しんでいただけるのか……と絞り込んでいくのにはだいぶ苦労しました。

――PS4向けの発売は本作が初ということですが、シリーズに初めて触れるユーザーに向けてどのように配慮されましたか。

會津氏インティ・クリエイツのガンヴォルトチームって小さな会社の小さなチームなので、マルチプラットフォームで作ることはなかなか難しかったです。現状でも難しいですけれども、昨年出しました『Bloodstained: Curse of the Moon』でエンジンがマルチプラットフォームに対応したということが大きくて、従来に比べると比較的少ない労力で他のプラットフォームに持っていけるようになりました。

新シリーズから対応するっていうところがやっぱり大きいですね。例えば今回のタイトルが『ガンヴォルト3』だったとしたら『1』も『爪』もPS4に移植してさらに『3』も……と規模が大きくなって、大変な労力が必要になるのです。しかし、新シリーズとして始めるのであれば、本作から入っても楽しめるお話にして、新しいお客さんに向けても販売していける。そう言った経緯で、PS4に対応することになりました。

――となると、本編の方をPS4向けに出すかはまだ未確定ということですね。

會津氏本編のシリーズディレクターである津田(祥寿氏)が現在何も作ってないんですよね(笑)。本編が出るのにはまだまだ時間がかかりそうです。だけど、その間に他作品を他機種へ移植することが可能であれば、『1』や『爪』を遊んでもらってから『3』にスムーズに入れるようにできます。そうなれば、マルチプラットフォーム対応になる可能性はあるんですが、『3』がいつどういう形で出せるか全く見通しが立っていないので、今後の成り行きで決める形になると思います。

『ぎゃる☆がん2』のVR正式対応の理由、そして今後の展開は!?



――で、『ぎゃる☆がん』の話なんですが、実は(編集部から)重要な質問事項が与えられていまして……(笑)。

會津氏『ぎゃる☆がん』についてですね、どうぞ!

――まずはPC版『ぎゃる☆がん2』について。本作には実は「VR化のオプション機能が残っていた」ということで、編集部で問い合わせたところ「エンジンの仕様が残ってしまったので修正・削除する」と返答がありました。その際、「VR化はやりません」といった旨の返答がありました。

會津氏そうですね。

――その後、正式にVR化のオプションDLCが発売されましたが、この経緯について詳しく教えていただけますか?

會津氏どこまで話していいのかが難しいんですけども、『ぎゃる☆がん2』はUnreal Engine 4で作ってます。その前に、我々はUE4で『ぎゃる☆がんVR』というゲームを作っていました。『ぎゃる☆がん2』と『ぎゃる☆がんVR』は一部のソースを使いまわしてますけども、基本的には別のコンテンツになっています。ただエンジンの部分はUE4で一緒ですし、『ぎゃる☆がん』の基本的な処理ルーチンというのは一緒なわけです。そしてUE4はVRに対応してるので、VRに対応するオプションを入れてしまうとVR環境下で動いてしまうんですよ。

――なるほど。そういう機能はたしかにありますね。

會津氏ただ、『ぎゃる☆がんVR』で作ったコンテンツ体験と『ぎゃる☆がん2』のコンテンツ体験は違いがあって、『ぎゃる☆がん2』のコンテンツに関してはVRにしたときに正常に動かない、気持ち悪くなると言ったところもたくさん入っているのです。VRオプションで遊んだことがある方なら分かるかもしれませんが、「このままVR対応製品としてゲームとして販売するのはどうなんでしょう……」というような部分もたくさん残ってるんです。

そういうわけで、『ぎゃる☆がん2』のVRオプションの件は意図していなかったことですし、「VRにするつもりはない」という形で発表させていただきました。「VRにするつもりはない」とした一番の理由は、「VRゲームとして破綻させないために、どれだけ作業コストが必要になるか」という検証を一切していなかったためです。それまではVRに対応する意向はなかったので。

美少女ガンSTG『ぎゃる☆がん2』VR化方法見つかるも…実は意図しない仕様だった―修正対応へ
https://www.gamespark.jp/article/2018/07/24/82488.html


會津氏なので、あのときはそういう回答をして、実際にVRのオプションを切ったりとかいろいろ対処したんですけれども、ユーザー側でパッチとかModを当てて、VRオプションで遊び続ける方々も出てきたわけです。これはメーカーとしては確実に非推奨なんです。我々としては、「遊ぶと酔ってしまう」などの問題があるVRオプションをプレイし続けるユーザーに、このまま同じものを提供するのが良くないと思ってたんですよね。

そのまま放置しておいても、意図しない動作をさせるパッチで遊び続けられるでしょう。だったらちゃんと正式にVR対応して、我々の意図したゲーム性で遊んでもらおうと思ったのです。パブリッシャーは弊社ではないので、コスト全部持ち出しですけど。

――(苦笑)。

會津氏で、VRパッチができたときに東京ゲームショウで販売元のPQubeさんとお会いして、「メーカーとして意図していない環境でお客さんが遊び続ける状態をなくすため、こういうパッチを作りましたよ」って話をしたらそのパッチをリリースしましょうっていうことになったんですね。

――このパッチによってVRでも破綻なく遊べるようになった、ということで。

會津氏そうですね。もともとVRで遊んでもらうことを考えず作っていたところもあるし、パッチを販売するかどうかも決定していないタイミングで開発していたのです。そのため、コストをなるべく抑えたりもしていたので、破綻している部分を手当てしたようなものになっていますが。

『ぎゃる☆がんVR』くらいVRゲームとして面白いよ、と言えるほど完全ではないと思うんですけども、少なくとも遊んでいて気持ち悪くなるということはないようにしたつもりですし、VRゲームとしては破綻しないものになってると思います。ただ、VR独自の要素については……例えば『ぎゃる☆がんVR』であれば、自分が動けば目線の高さや位置や方向が勝手に変えられるっていうところを利用して、スマートフォンとかで写真を撮るものとか。

――ありましたね、パンチラ実績(笑)。

會津氏VRならではの要素っていうのが『ぎゃる☆がんVR』には入っているんですけども、『ぎゃる☆がん2』のVRパッチにはそういった要素はありません。あくまで『ぎゃる☆がん2』というコンテンツをVRで遊べますというパッチであり、“VRゲーム化するものではない”ということですね。

――なるほど、分かりました。ちなみにスイッチ版『ぎゃる☆がん2』ですが、例のゴーグルを使ったVR化を考えてますか?

會津氏何かのゴーグルでVRにできるというものが出てきたので、なんとなく心は動くんですけど、基本的には今の『ぎゃる☆がん2』のスイッチ版に手を入れて対応するということは考えてないです。

――『ぎゃる☆がん』の今後についてお聞かせください。昨今では、一部のメーカーがCEROやESRBなどのレーティング機関とは別に(性的な表現に関して)独自のレーティング基準を設け始めています。「この内容ではあのハード向けに出せない」という話が出る会社もあるようです。

會津氏もし『ぎゃる☆がん』の続編を作るとしたら、まずは普通に企画を各プラットフォームホルダーさんに提出して、審査を受けます。それでNGだと言われればもう出せないというだけの話なので、「出してもいいですよ」と言われたプラットフォームホルダーさんで発売することになるのかなと思います。

もし環境が変わったらそれはそれで、「コンソールハードでは出せない」って話になるのかなと思うんですけれども(笑)。『ぎゃる☆がん』のどこが一番面白い部分なのか、どの要素が皆さんに喜ばれているのかをよく研究して、面白い要素を削らないで各プラットフォームの規制に沿った内容まで落とし込んで作れると言うことであれば、可能性はあると思います。

皆さんに面白いと言っていただけるような要素を削ってまで『ぎゃる☆がん』をコンソールで出すのは、私としては違うかなと思っています。『ぎゃる☆がん』というゲームの中で表現したいことに、プラットフォームホルダーさんが「その表現はうちではできませんよ」と言う可能性がある。ただそれだけの話です。「だから規制に沿うことができないプラットフォームホルダーさんのハードでは出さない」という話になるのか、そのような規制に沿うように変更して「これって『ぎゃる☆がん』として面白いのか?」と考えることになるのか……そこは現状、実際に動いてないので分からないですね。

――企画が動くまでちょっと……というところですね。

會津氏そうですね。実際に動いてみて、各プラットフォームホルダーさんに企画を提出して、これで御社のハードで発売できますか?と確認しながらやっていくしかない。それで『ぎゃる☆がん』の面白いところ、皆さんに好かれているところが全部取り除かれちゃうようになったら、無理してそのプラットフォームで出す必要ないのかなと。

例えば、SteamだったりPC向けだけにリリースするとか。第三・第四のゲームハードが出てきて、そこで出せるってこともあるかもしれませんし(笑)。次の作品をまだ作ってもいない現状では、まだなんとも言えないところです。作ろうとしたときにどういう障壁があるか、そのタイミングでよく協議をして、面白くないものにならないように作っていくのが大事かなと思います。

――難しい質問に回答ありがとうございます。最後に『白き鋼鉄のX』の発売を待っている読者にメッセージをお願いします!

會津氏本作はガンヴォルトシリーズのスピンアウト作品ではあるものの、単体で非常に楽しめるシナリオになっていますし、2Dドット絵のアクションゲームとしては本当に時間もかけて、スタッフの意気込みも高く作っております。 “極限”というキャッチコピーに負けない、非常に楽しい内容、素晴らしい最高の作品になってると思いますので、ぜひ発売日を楽しみにお待ち下さい。そして、ぜひ予約していただければと思います。

――ちなみに、予約するとなにかもらえるのですか?

會津氏 各店舗さんの店舗特典などがあります。あと初回出荷分(DL版は早期購入特典)にはDLC衣装が付いてきますので、ぜひ初回出荷分で買っていただけるといいかなと思います。

――本日はありがとうございました。


『白き鋼鉄のX(イクス)THE OUT OF GUNVOLT』は9月26日発売予定、ダウンロード版が1815円(税別)、“電子の謡精(サイバーディーヴァ)”ヴォーカルCD同梱のパッケージ版は3818円(税別)となっています。

インティ・クリエイツ 會津卓也社長
《岩井省吾》

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