日本にもいたゲーマーおばあちゃん!御年89歳の「ゲーマーグランマ」に訊く―年を取ってもゲームは楽しいですか? | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

日本にもいたゲーマーおばあちゃん!御年89歳の「ゲーマーグランマ」に訊く―年を取ってもゲームは楽しいですか?

『Days Gone』や『GTAオンライン』などの実況動画を公開し、最近、にわかに注目をあつめる日本のゲーマーおばあちゃん「ゲーマーグランマ」。YouTubeチャンネルの登録者数が2万人を超える彼女は何者なのでしょうか……。

連載・特集 インタビュー
日本にもいたゲーマーおばあちゃん!御年89歳の「ゲーマーグランマ」に訊く―年を取ってもゲームは楽しいですか?
  • 日本にもいたゲーマーおばあちゃん!御年89歳の「ゲーマーグランマ」に訊く―年を取ってもゲームは楽しいですか?
  • 日本にもいたゲーマーおばあちゃん!御年89歳の「ゲーマーグランマ」に訊く―年を取ってもゲームは楽しいですか?
  • 日本にもいたゲーマーおばあちゃん!御年89歳の「ゲーマーグランマ」に訊く―年を取ってもゲームは楽しいですか?
  • 日本にもいたゲーマーおばあちゃん!御年89歳の「ゲーマーグランマ」に訊く―年を取ってもゲームは楽しいですか?

未曾有の高齢化社会に突入する日本。我々ハードコアゲーマーも遠くない未来、その“高齢者”の仲間入りを果たすことになります。Game*Spark読者の平均年齢は年々下がっているのですが、実は40~50代の読者も少なくありません。加齢による体力・動体視力の衰えなど、これまでと同じ感覚でゲーマーとしての生活ができるのか少し不安になることもありますよね。

海外では「ゲーマーおばあちゃん」として老後も楽しくゲームをプレイし、しかも配信までしてしまう我々の先達も多数いらっしゃいます。例えば先日弊誌でもご紹介したShirley Curryさんは御年83歳。彼女は『The Elder Scrolls V: Skyrim』の配信で注目を集め、なんと最新作『The Elder Scrolls VI』にNPC出演することも決定しています。

そして日本にも「ゲーマーおばあちゃん」として密かに注目を集める御年89歳の女性がいるのをご存知でしょうか?彼女の名前は森浜子さんGamer GrandmaというYouTubeチャンネルをもち、最近では『Days Gone』や『GTAオンライン』など日本においてはコアゲーマー好みともいえるタイトルのプレイ動画を投稿しています。チャンネルの開設は4年前ですが、ここ最近は投稿頻度も増えており、インタビュー時点では2万人以上のチャンネル登録があるYouTuberです。

人気の動画は『グランド・セフト・オートV』のプレイ動画


そんな彼女はなぜゲームの配信をはじめたのか?これまでのゲーム遍歴、そしてこれからの夢などメールで回答いただきました。



――はじめにゲーマーグランマさんについて教えてください。

ゲーマーグランマはじめまして、ゲーマーグランマこと森浜子と申します。1930年(昭和5年)生まれの89歳、出身は東京・浅草です。ゲーム以外の趣味は水泳でしたが、80歳のときにやめました。そのときは全日本マスターズにも出て2位になったこともありましたよ。あとは編み物もよくやりましたね。

――ありがとうございます。もっとお若いと思っていました……!初めてゲームに触れたのはいつ頃なのでしょうか。

ゲーマーグランマファミリーコンピュータ(1983年発売)が最初だと思っていたのですが、よくよく調べてみたら、カセットビジョン(1981年発売)でした。なので、かれこれゲーム歴は38年になりますね。

――弊誌の読者もかなりのコアゲーマー揃いですが、それでも平均ゲームプレイ年数は20数年なので、足元にも及びませんね……。80年代のゲームではどのような作品が印象に残っていますか。

ゲーマーグランマファミコンでは、初めてプレイしたのが『F1レース』で、『ゼルダの伝説』や『ドラゴンクエスト』などをよくプレイしました。80年代の終わりはPCエンジンをよく遊んでいて、『邪聖剣ネクロマンサー』や『カトちゃんケンちゃん』など思い出深いものがいっぱいです。

――なつかしいタイトルばかりですね。その後もゲームはずっとプレイされていたのでしょうか。


ゲーマーグランマそうですね。90年代に入ってからはスーパーファミコン、プレイステーションとやりました。特に『バイオハザード』を初めてプレイした時は、怖さはもちろん、ストーリーやグラフィックにも大変驚いたのを今でも覚えています。他には『ファイナルファンタジー』もやりましたし、NINTENDO64では『ゼルダの伝説 時のオカリナ』をやり込みましたね。

――なるほど……。その後もゲームは家庭用ハードが中心だったのですか。

ゲーマーグランマいえ、その後はPCでもプレイするようになって。とにかく『The Elder Scrolls V: Skyrim』にはびっくりしましたね。『バイオハザード』と同じような驚きを味わいました。他にも『バトルフィールド』を中心にFPSもプレイするようになったのですが、現在はPS4を中心に遊んでいて、動画もPS4でプレイしながら撮影しています。

――ありがとうございます。素朴な疑問なのですが、なぜYouTubeでゲームの実況動画をアップロードしようと思ったのでしょうか。

ゲーマーグランマ単純に一人でやっててももったいないかなと思いましてね。私自身がYouTubeでよくゲームの実況動画を見ていましたし、アップロードしたらゲームの楽しさをもっと多くの人と共有できるのではないかと思ったからです。おかげ様で多くの視聴者の方にも楽しんでいただけているようで少しびっくりしています。まさに夢のようですね。

――編集はご自身でされているんですか?

ゲーマーグランマいえ、編集は他の方に頼んでいます。アップするゲームの選定は、ネットを見ながら人気の作品をプレイしてみたり、視聴者の反応が大きそうな作品に挑戦したりしていますね。

――なるほど。ネットやYouTubeでの人気などからタイトルを選んでいるからこそなのかもしれませんが、弊誌ではなじみ深くても、日本ではコアゲーマーが好きとされる作品も多くプレイされていますよね。最近だと『Days Gone』がちょうどそんな作品だと思うのですが、このタイトルをプレイして、どこに面白さを感じましたか。


ゲーマーグランマ『Days Gone』はまるで映画を見ているような感覚になりましたね。最近のゲームのグラフィックは本当にすごいです。自分がその世界に入ったように感じますし、本当にこの年まで生きててよかったと思います。

――今楽しみにしているタイトルがあれば教えてください。

ゲーマーグランマもしかしたら読者の方と同じかもしれませんが、やはり『グランド・セフト・オート』の新作がやりたいですね。あとは個人的に好きなアクションゲームの新作や本格的なRPGをプレイしたいです。『スカイリム』には本当に驚いたので、先日発表されていた『The Elder Scrolls VI』はなんとしても遊びたいと思います。ほかにはレトロゲームもまたやってみたいのですが、今は時間がないので……。

――まさにゲーマーの悩みですね……。それでは、これまでの人生で最も人に勧めたいゲームタイトルを教えてください。

ゲーマーグランマ大人向けだったら間違いなく『グランド・セフト・オートV』です。とにかくゲームの全てが面白いし、ミッションだけなら意外と易しいので、多くの人が楽しめるはずです。個人的には、大人向けな現実味のあるストーリーがとても気に入っています。

――まだまだ20~30代の読者が中心のGame*Sparkですが、今後みな高齢ゲーマーになっていきます。最後に、そんな読者に向けて、年を重ねてからのゲームの楽しみ方をおしえてください。

ゲーマーグランマはじめに申し上げておきますと、年を取ってもゲームを続けるのは最高です。若いうちは忙しくて、なかなかゲームをプレイする時間がとれないかもしれませんが、早めに始めておくと年を取ってからでも全然問題なくプレイできるはず。とにかく、若いうちからゲームはやっておきなさいというのが私の一番のアドバイスです。おしゃれやスポーツが趣味だと、続かなくなるときが来るんですね。でも、ゲームは気楽だからいい。

プレイするゲームは自分で様々な情報を収集して選ぶことが大事です。私はみなさんに比べればゲームを楽しめる時間がもう限られているので、これからの人は楽しみがいっぱいあって羨ましいですね。

そしてこれは持論なのですが、ゲームをやればボケないです。ゲームをプレイしようと思うと、機器の使い方やゲームの内容そのものを勉強しますし、メモをとるようになったことも良かったと思っています。普通に年を取るとそういうことやらなくなりますから。あと、耳が遠くなってもゲームはできますよ。何も心配することはありません。

ただ、年を取ったら他人とみんなでやるゲームよりは、シングルプレイのゲームを選ぶことをオススメします。さすがに若者と一緒に戦場に放り出されても足を引っ張っちゃうので……。でも、これからゲームをする高齢者が増えたら、シニア専用サーバーで気兼ねなくプレイできる時代もきそうですね。

――貴重なお話をありがとうございました。『グランド・セフト・オート6』や『The Elder Scrolls VI』のプレイ動画も楽しみにしています。




「年を取ってもゲームは最高」というゲーマーグランマさんのコメントには、多くのゲーマーたちが勇気づけられるのではないでしょうか?どうしても加齢というとネガティブなイメージをもちますが、こうして濃密なゲーマーライフを送る先達の言葉はそうしたイメージをポジティブなものに変えてくれます。

冒頭でも述べたように、2020年以降の日本にはそれなりに、というか相当に厳しい現実を突きつけられることになるわけですが、それでも我々は生きていかなければなりません。どうせ生きるなら楽しくゲームをしていたいですし、うつむいて日々を耐え忍ぶよりはみんなで楽しくゲームしているほうがずっと幸福度も高いはずです。

この日本には、今回インタビューを快諾してくれたゲーマーグランマさん以外にも多くのおじいちゃん・おばあちゃんゲーマーたちがいることでしょう。それぞれに人生があり、それぞれにゲーム遍歴があり、それぞれにこれからの夢があるはずです。そして彼らの“これまで”は私たちの“これから”であり、きっと多くのことを学べるのではないかと思っています。

……ということで、編集部ではそうしたシニアゲーマーにスポットをあてた企画を進行していきたいと考えています。まずはこうしたインタビューがメインになると思いますが、お話を聞く中でもっと斬新な企画に発展できないかと妄想を膨らませ続けています。

とはいえ、周囲にはそんな人もなかなかおらず、まずはサイト上でシニアゲーマーを募集したいと思います。我こそハードコアシニアゲーマーだ!という猛者の自薦はもちろん、私のおじいちゃん・おばあちゃんも毎晩『Remnant: From the Ashes』を遊んでんだけど……という他薦も大歓迎です。編集部総出で日本全国のシニアゲーマーのお話を聞いて回りたいと思います!

Game*Spark問い合わせページ
《宮崎 紘輔》

タンクトップおじさん 宮崎 紘輔

Game*Spark、インサイドを運営するイードのゲームメディア及びアニメメディアの事業責任者でもあるただのニンゲン。 日本の新卒一括採用システムに反旗を翻すべく、一日18時間くらいゲームをしてアニメを見るというささやかな抵抗を6年続けていたが、親には勘当されそうになるし、バイト先の社長は逮捕されるしでインサイド編集部に無気力バイトとして転がり込む。 偶然も重なって2017年にゲームメディアの統括となり、ポジションが空位になっていたGame*Sparkの編集長的ポジションに就くも、ちょっとしたハプニングもあって2022年7月をもって編集長の席を譲る。 夢はイードのゲームメディア群を日本のゲーム業界で一目置かれる存在にすること、ゲームやアニメを自分達で出すこと(ウィザードリィでちょっと実現)、日本武道館でライブすること、グラストンベリーのヘッドライナーになること……など。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top