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【特集】18年ぶりの再訪……PS2名作ACT『侍』と新作『侍道外伝 KATANAKAMI』を徹底比較

18年ぶりの「六骨峠」を画像で徹底比較。見れば見るほど初代への愛が溢れた『侍道』シリーズです。

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【特集】18年ぶりの再訪……PS2名作ACT『侍』と新作『侍道外伝 KATANAKAMI』を徹底比較
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スパイク・チュンソフトより、2020年2月20日発売になったアクション『侍道外伝 KATANAKAMI』(以下『KATANAKAMI』)。この作品はPS2向けにリリースされたシリーズ1作目『侍~SAMURAI~』(以下『侍』)の設定を基本としたスピンオフとして開発されました。

初代『侍』の発売は2002年2月7日のこと。本稿では、18年ぶりの舞台となる「六骨峠」に登場するキャラクターやマップ、アイテムなどを『KATANAKAMI』と『侍』の両作品で比較していきます。

『KATANAKAMI』のルーツとなる初代『侍』とは


『侍』の舞台は1877年(明治10年)、西南戦争が起こり、世の中から侍という存在が消えようとしていた時代。土地の武家「黒生家」と、士族集団「赤玉党」、騒動に巻き込まれる「宿場町」が存在している「六骨峠」にふと流れてきた主人公がさまざまな選択をしながら紡いでいく2日間を描いた作品です。


物語は、宿場町の看板娘「すず」がヤクザに襲われてる場面から始まります。その場に出くわした主人公、つまりプレイヤーは、彼女を助けるもよし、無視するもよし、喧嘩を売っておきながらいきなり謝ってボコボコにされるのもよしと、さまざまな選択肢を与えられます。なんなら抜刀しながら駆け寄る危険人物となってもストーリーは進行します。主人公が所属する勢力を毎日変えたってまったく問題がない、とても自由なゲームなのです。


自由すぎる選択肢が魅力

「護衛対象の赤ん坊を武器として投げつける」「自分で荒らした店の看板娘にねぎらいの言葉をかけて鬼と罵られる」などふざけたプレイスタイルの侍になることも、ひたすらにかっこいい侍の中の侍を目指すことも自由自在。極端な例を言うと「すずが攫われるのをスルーしてそのまま峠を去る」ただの通りすがりの旅人プレイも可能です。


自由に進みすぎればこんな最期に。

チャンバラアクションとしての質も高く、多数に囲まれているときでも時代劇のように「1vs1」として戦えるようになるなど、とにかく演出面のかっこよさが際立つ作品です。「消えゆく侍」の強さと儚さ、そして寂しさをどこかコミカルな世界で描いている、そんな『侍道』シリーズの第1作目です。

お久しぶりです! ドナドナ、坪八、チェルシーたちとの再会


『侍』ではそれぞれの勢力が問題を抱えていて、そこに政府という外部の大きな力が絡んでくる時代の変革が描かれていきます。各勢力の争いは絶えず、ふらっと現れた主人公の「侍」としての技量を求め、個性的なキャラクター達がさまざまに絡んでくる作品です。宿場町であれば町を守るための用心棒として、赤玉党であれば敵勢力打倒のための戦力としてなど、各勢力とそこに所属しているキャラクターとの関係は大きく変動していきます。

一方で『KATANAKAMI』の主人公は、六骨峠に強く関わる存在ではありません。初代『侍』から「ドナドナ」や「チェルシー」など多くのキャラクターが登場しますが、主人公にとって「贔屓にしてる勢力のお偉いさん」くらいの関係ですね。それでも勢力との関係が良くなると特別な仕事として個人依頼をくれるなど、重要な存在であるのは間違いはありません。


比較画像は1枚めに『侍』、2枚めに『KATANAKAMI』の順で統一しています。

鍛冶屋の堂島は、久しぶりにもかかわらずまったく変わらない印象でした(娘の「七海」がいること以外)。実際に『侍』を起動し、画像で見比べてみても大きく変わってないように思えます。では他の勢力のキャラクターはどうでしょうか。

宿場町(ドナドナ/すず)





すずさんの顔は少しシュッとした印象を受けます。

黒生家(坪八/知床/チンピラ)







坪八と知床は驚くほど変わりません。少しチンピラが男前になった?

赤玉党(吉兆/チェルシー/赤玉党員)







基本的に変わった様子がありません。『KATANAKAMI』のチェルシーはイラストな分だけ少しセクシーですが、おおむね一緒ですね。



なお『KATANAKAMI』で登場しない六骨峠の人物も何人か存在しています。『KATANAKAMI』の世界観が『侍』の少し前の時間軸ではないかとも思える部分がいくつかあるため、まだこの峠に来ていなかったりちょうど臨月に近かったりで、登場させなかったキャラがいるのではないか、と推察しています。

あの場所は今!? 『KATANAKAMI』で見える各勢力の拠点を比較


『侍』の舞台である「六骨峠」には「高炉」や「神社」など多くのエリアがあり、それぞれの場所で起こるイベントの種類が豊富なことも大きな魅力でした。『KATANAKAMI』の物語は「一本松」と「辞界」でのストーリーなので、主人公は他の場所に行くことができません。

しかし、毎日見ることができる新聞には各勢力の本拠地の写真が載っており、どこかで見た建物も確認できます。というわけで一本松の比較と合わせ、『侍』で各勢力の本拠地に直接乗りこんできました。

一本松







『KATANAKAMI』に比べて屋根がきれいになってるのは、借金返済後にリフォームでもしたからでしょうか。ちなみに『侍』では堂島宅のフスマが閉まっているため、七海の部屋はあるかどうか確認できません。

宿場町



外した板戸や店内の瓶まで完璧に「あまぐり」ですね。

黒生家





屋敷のフォルムと屋敷内の見事な屏風絵、どちらも完璧な再現度です。

赤玉党





『侍』では室内は固定視点になるため角度が異なりますが、下の絨毯や上の格子など間違いなく同じ場所です。

こうして比べてみると、しっかりと初代の風景が再現されているのが良くわかります。

『侍』名物の高炉。ここでは百人斬りチャレンジができます。

まだまだ徹底比較!刀も食べ物も『侍』イズムだ


ここまでキャラクターとスポットを比較してきましたが、驚くほど『侍』らしさをしっかりと引き継いでいることがよくわかりました。この項目では更に、アイテムや刀なども比較していきます。

食べ物(大根/でっかいきのこ)





でっかいきのこのサイズ感がどちらも同じくらいですね。大根は見た目がクリアになったせいか綺麗に埋まってるように見えます。

刀&技(初期装備刀)





『侍道』シリーズでは全作通して、主人公の初期装備刀は「中庸刀」「無銘刀」「中流刀」「中道刀」という特別な銘のない名前です(『サムライウエスタン』のみ「虎河豚」と言う銘付き)。『KATANAKAMI』でも初期刀の名前は「平庸刀」と言う名前。そして使える技は、ほぼ共通した特徴を持つ技ばかりなので、こちらもシリーズのお馴染み的存在だと言えます。

『KATANAKAMI』でとても好印象だったのは音関係。『侍』でのフィールド曲だった「常永遠なる風」「残照」が時間帯に合わせて流れるなど、音楽までしっかりと初代の雰囲気を盛り上げてくれています。おなじみの音楽が流れているなか、チンピラの「アァン!?」「オォ!」などの声が流れているこの場所が『侍』の舞台以外のどこだというのでしょうか。


細かい部分ですが、刀を片手に走る所作が初代そのままでちょっと感動します。

どっちも遊んでほしい! 『KATANAKAMI』と『侍』は面白い!



ということで18年ぶりに六骨峠に帰ってきた『侍道外伝 KATANAKAMI』は、シリーズとしても9年ぶりとなる新規タイトル。ジャンルを従来の3Dアクションからハックアンドスラッシュと変えて登場した新しい『侍道』です。借金の返済日以外は大きく制限のない世界観なので、気楽にプレイできるダンジョン探索ゲームとしても魅力的です。



今回紹介したもうひとつのタイトル『侍~SAMURAI~』は、2002年2月7日にPS2向けに始めて発売されました。2003年1月16日には内容が拡張された『侍~完全版~』が登場。PS2本体やソフトは今でも比較的手に入りやすいため、遊びたい人は探してみてください。ただ、PS2のゲームなのでハードウェア/ソフトウェアの状態やプレイ環境には注意が必要です。

テレビで遊ぶ場合は「コンポジット端子」や「D端子」が付いている機器ならば、純正のケーブルで気軽に遊べます。ただ、端子がついていなかったりパソコン用のディスプレイで遊ぶことを考えるようになると、今はHDMI以上が標準となっているものが多くなるため、PS2用の変換コネクタが必要となってきます。コネクタ自体は通販や家電量販店で簡単に手に入ります。

また、キャプチャボードを使用することで、PC内でモニタを占有せずに遊ぶことも可能です。ただこちらは多少知識が必要になるため、導入する場合は事前にチェックすることをおすすめします。



ここまでさまざまな比較をしてきましたが、調べれば調べるほど『侍道外伝 KATANAKAMI』と言う作品に『侍道』シリーズの強い遺伝子が引き継がれていることを感じられました。もちろんシリーズを遊んでいない方でもまったく問題なくプレイ可能で、むしろ懐かしい要素はあくまでファンサービスくらいの立ち位置だと考えて問題ありません。


ダンジョン探索和風アクションとしても非常に質が高い『侍道外伝 KATANAKAMI』は、刀の蒐集やサイドクエストなどのコレクション要素も多く、長く遊べる作品になっています。現在、PC(Steam)/PS4/ニンテンドースイッチで配信中です。

初代からの人気キャラ「先生」も『KATANAKAMI』に出演します。
《Mr.Katoh》

酒と雑学をこよなく愛するゲーマー Mr.Katoh

サイドクエストに手を染めて本編がなかなか進まない系。ゲーマー幼少時から親の蔵書の影響でオカルト・都市伝説系に強い興味を持つほか、大学で民俗学を学ぶ。ライター活動以前にはリカーショップ店長経験があり、酒にも詳しい。好きなゲームジャンルはサバイバル、経営シミュレーション、育成シミュレーション、野球ゲームなど。日々のニュース記事だけでなく、ゲームのレビューや趣味や経歴を活かした特集記事なども掲載中。

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