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伝説的作品の18年越しリメイクは魅力そのまま遊びやすく!『マフィア コンプリート・エディション』インプレッション

2002年に発売されたシリーズ第1作のフルリメイク作品のインプレッションをお届けします。

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伝説的作品の18年越しリメイクは魅力そのまま遊びやすく!『マフィア コンプリート・エディション』インプレッション
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2KとHangar 13から2020年9月25日にリリースされる『マフィア コンプリート・エディション』。『マフィア』シリーズは、1900年代のアメリカを舞台に展開される重厚なマフィアたちのストーリーと、その時代の文化にこだわり抜いた世界観で評価されているシリーズ作品です。

海外では2002年に発売されたシリーズ第1作『Mafia:The City of Lost Heaven』のリメイク作品となる本作。オリジナルストーリーを再現しつつも展開を補強するべく拡張したシナリオが追加され、各種インターフェイスなども現代的に強化。グラフィックも大幅に向上し、より美しく、より遊びやすくなっています。

Game*Spark編集部は発表前に2Kよりアーリーレビューコードの提供を受け,
プレビューの機会を得ました。本稿では、発売が迫る『マフィア コンプリート・エディション』のインプレッションをお届け。プレビュー用ビルドのため、発売後の製品とは一部異なる可能性があることをご了承ください。


『マフィア コンプリート・エディション』とは



1930年代の禁酒法時代のアメリカにある架空都市「ロスト・ヘヴン」を舞台に、平凡なタクシー運転手だったトーマス・アンジェロ(トミー)がマフィアの世界に入り、のし上がっていく物語が描かれます。トミーはどこか冷めているようでお人好し、それでいて暴力自体には強い嫌悪感を示さない性格の主人公。映画的な演出などを盛り込んでいる本作、非常に重厚で魅力的に彼を中心としたストーリーが展開していきます。

ストーリーは章ごとの目的を達成していく形式で、基本的には目的地まで車で移動し戦闘などをこなすオーソドックスなスタイル。ミッション中もある程度自由に移動することも可能で、コミックやタバコカードなどのアイテムを集める、新しい車を見つけて乗ることでガレージに登録するなどのコレクション要素も用意されています。

ロスト・ヘヴンの街は建物や街に住んでいる人々の衣装、車のデザインに至るまで当時のアメリカの雰囲気にこだわり徹底的に再現。運転シーンの多いゲームということもあってか、車に関しては2002年のオリジナル版の時点でゲームの項目に「カー・サイクロペディア」というカーモデル閲覧モードが用意されているほどのこだわりっぷりです。

禁酒法時代のため「リキュール」の文字が消されている看板。

物語は主人公のトミーと刑事ノーマンが出会うシーンから始まります。ノーマンに対して妻と娘を守って欲しいと頼むトミーが、これまでの出来事を話して聞かせる形で本作のストーリーは進行していく形式です。そうしてゲームの舞台は1930年のロスト・ヘヴンへと移っていきます……。



マフィアの世界へようこそ!カーチェイスから始まる物語



夜の街でタクシー運転手の仕事をしているトミー。仕事も一段落して落ち着いたころ、付近で事故が起こり、銃を持った2人組が「車を出して追ってくる奴らを振り切れ」と脅してくるイベントシーンからゲームスタートです。追ってくる連中はタクシーに平気で銃を撃ち込んでくる危険な連中。オリジナル版でも同様ですが、本作はいきなり少しハードなドライブが最初のミッション。

追いかけてくる車はマップの工事現場などを利用して振り切ることが可能です。ある程度ミッションを進めることで追跡は終わり、目的地としてロスト・ヘヴンのマフィアのサリエリ経営の「サリエリのバー」まで行くように指示を受けることとなります。追われていた2人はサリエリ・ファミリーの「サム」「ポーリー」で、追っていたのは敵対マフィアのモレロ・ファミリーだったのです。



トミーは車の修理代を受け取り、元の生活に戻るのですがモレロ・ファミリーに目をつけられてしまいます。その後、報復のためにサリエリ・ファミリーの力を借りたことでトミーは逃れられないマフィアの道を歩むことになるのです。かくしてトミーは暴力や陰謀、裏切りが渦巻く危険なマフィアの世界に足を踏み入れることになるのでした……。

その後はサリエリの指示の下、ときにポーリーやサムと協力しながら集金や暴力沙汰などさまざまなミッションに挑むこととなります。ファミリーの生活で結果を出し、のし上がり、そして「ある決断」をすることになるトミーのストーリーはまさしく一本の映画を見ているような重厚感があります。

旧作再現の難易度設定も!



本作の特徴的な部分に警察のチェックの厳しさがあります。例えば車を運転していてもパトカーが見ている前でスピード違反や危険運転をすればマークされますし、歩いているときも武器を所持しているのがバレると簡単に逮捕されてしまいます。そのため、移動中はなるべく安全運転で目立たないようにする必要があります。

警察のチェックの厳しさは「イージー」「ノーマル」「ハード」の難易度にあわせ変化。本作のもう一つの難易度「クラシック」では敵の強さや交通法規がさらに厳しいオリジナル版準拠のゲームプレイも可能です。また、車の運転シーンが多い本作らしく「ゲームと関係ない部分でのドライブシーンをスキップする」設定もできるなど、プレイヤーの好みに合ったゲームルールに変更できます。


ちょっとした壁によじ登ることなどもできるため、行動範囲やミッション攻略のパターンが広がっているのも特徴。戦闘も全体的に難易度が高めですが、障害物に隠れる、忍び足からのステルスキルなどで対処可能です。敵マフィアは基本的に数が多く、しかも数発銃弾を当てないと倒せないため、初期の弾薬だけでは足りなくなってしまいます。ヘッドショットを狙ったり、死んだ敵から弾薬や銃を奪ったりすることもゲーム攻略に必須です。ただし、ミッション中のチェックポイントも細かく設定されているため、何度やられてもすぐに再開できるのも嬉しいポイントです。


ちなみに警察に追われたまま目的地につくとゲームオーバーになることも。
マフィアの本拠地に警察を連れてきただけなのに。

魅力はそのまま、わかりやすく、より遊びやすく!



2002年のオリジナル版を忠実に再現しながら要素を拡張したという本作。マップなどのユーザーインターフェイスの大幅な改良や現代的な操作感覚など、非常に遊びやすくなっている印象を受けます。また、ミッションの目的が非常にわかりやすくなっているのが特徴的です。

冒頭のミッションもオリジナル版では「工事現場で対処する」という要素はなく、追手の車(こちらより確実にスピードが早い)のをなんとか倒すという、下手するとここで何度かゲームオーバーになる難易度の高いものでした。リメイク版ではミッションに余裕を与え、ストーリー的な会話シーンを楽しみやすくしている印象を受けます。

また、序盤にポーリーと敵対ギャングの酒場まで行って車を壊すというミッションがあるのですが、オリジナル版ではヒントはあるもののほとんど1人でこなすものでした。リメイク版ではポーリーが役割を持ち、オリジナル版にはなかった、チュートリアル要素を含むものに変更されています。

オリジナル版ではこんな場所に隠れることはありませんでした。
バットをもって裏口から乱入するストロングスタイル。


冒頭のドライブミッションを含め、基本的に敵の数や戦闘シーンが増えているリメイク版は難易度は少し下げつつもやりごたえのあるゲームとして調整されている印象です。一部イベントでは現代との表現の差なのでしょうか、ちょっとだけ結末が変わっているシーンもあります。

集金ミッションで店の中に入れるようになったのがなんとなく嬉しい。

18年の歳月でどう変わった?キャラなどを徹底比較!



2002年のオリジナル版は、当時としても決して他のゲームに見劣りするグラフィックではありませんでした。イベントシーンの映像表現は映画を思わせるカットなどを多用し、キャラクターの「動き」を印象深く見せるための技術を感じるものです。18年越しのフルリメイクでは、やはり当時表現しきれなかったであろう部分をはっきりと、そしてより美しく描いている印象です。

ここでは、オリジナル版と『マフィア コンプリート・エディション』のキャラや街並みを比較してみたいと思います。

<トミー>


オリジナル版


リメイク版
以下もオリジナル版→リメイク版の順番の比較画像となります

<ポーリー>



<サム>



<サリエリ>


余談ではありますがトミーとサリエリは明確なモデルが存在します。
そのためか顔立ちの印象は大きく変わらないようです。

<マップ画面>


オリジナル版のマップは手書きのメモがいい味を出しています。
わかりやすさではリメイク版が圧倒的に上です。

<街並み>



<橋




<燃える車>



<バットで車を殴る>



全体的に雰囲気はそのままに美しく生まれ変わっているのがわかると思います。



ここまで紹介してきた『マフィア コンプリート・エディション』。新旧両作を遊んだ筆者の印象として、まさしく「前作を忠実にパワーアップさせた」という表現がぴったりに感じます。旧作はそのストーリー性や表現が素晴らしい反面、今遊ぶとなると少し独特な操作感や、当時の技術的な限界で難易度が上がる場面がありました。本作ではアクション要素の追加などでゲームとして遊びやすくしつつ、世界観を崩さないことに成功していると思います。

「サリエリのバー」から始まり「サリエリのバー」で終わるミッション、ノーマンとトミーの会話で紡がれるミッション間のストーリー、映画のような雰囲気を感じさせるカットシーンなど高く評価されるゲームのシナリオ部分の魅力は、ほぼそのままです。今回のプレビュー版では遊べなかったのですが、街を自由に走ってミッションをこなしてお金を稼ぐ「フリーライド」モードや車を細かく閲覧できる「カー・サイクロペディア」もあるため、ゲーム本編以外のやりこみや楽しみ方も用意されています。

こちらはオリジナル版の「カー・サイクロペディア」です。
力の入れ方がすごい。

禁酒法時代を背景に「マフィア」というアウトローな存在を書ききっている本作。ゲームとしての面白さももちろん、映画「ゴッドファーザー」などが好きな人にもおすすめの作品です!


『マフィア コンプリート・エディション』はPC(Steam)/PS4/Xbox One向けに2020年9月25日リリース(Steam版は現地時間のため9月26日)。Epic Gamesストア版は後日リリースとなります。また、本作を含めたシリーズセット『マフィア トリロジー・パック』も販売中。シリーズはすべて世界がつながっており、本作の登場人物が次回作で登場することもあるため3作まとめて遊ぶとより世界観に浸れるでしょう。
《Mr.Katoh》

酒と雑学をこよなく愛するゲーマー Mr.Katoh

サイドクエストに手を染めて本編がなかなか進まない系。ゲーマー幼少時から親の蔵書の影響でオカルト・都市伝説系に強い興味を持つほか、大学で民俗学を学ぶ。ライター活動以前にはリカーショップ店長経験があり、酒にも詳しい。好きなゲームジャンルはサバイバル、経営シミュレーション、育成シミュレーション、野球ゲームなど。日々のニュース記事だけでなく、ゲームのレビューや趣味や経歴を活かした特集記事なども掲載中。

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