
人は除夜の鐘で108の煩悩を洗い流しますが、除夜の鐘でもトイレの汚れは落ちません。では、ゲーム内トイレの汚れはどう落とす!? 今年もまた「トイレ・オブ・ザ・イヤー(TOTY)」の時期がやってきました。
「トイレ・オブ・ザ・イヤー」はGame*Sparkにて毎年実施されているアワードです。その一年の間にリリースされたタイトルを対象に“最も優れたゲーム内トイレ”を受賞しようという賞レースですが、なんと今年で10年目!TGAの1年後輩です。
ちなみに最近流行りのAIにTOTYのことを質問してみたら(ハルシネーションを起こして誤作動した結果)どうやらマレーシア政府主催のイベントだったようです。知らんかった。歴史も権威もある賞と言えますね。

昨年はstggc先生が描く「じゃんげま」コラボという熱すぎる展開があったのですが、今回は原点回帰をして「スパくん弄り」がテーマです。TGA先輩も2024年は派手なことはやらなかったですしね。そしてこの「TGA先輩」という偉大なる賞に距離を詰めていく呼び方が編集段階で消されていないかも要チェックです。
※編集部注:良かったね!消されなかったですよ!
また、2025年にはTOTYならぬ「トイレ・オブ・ザ・マンス(TOTM)」も実施していましたが、こちらは誠に申し訳ないことに水に流されることになりました。改めて、応募してくださった方に多大な感謝を申し上げます。しかし、そんなTOTMではTGAにて最多の『Clair Obscur: Expedition 33』がまさかの受賞を逃すという事態に発展していました!
これにはちょっと審査員たち(筆者)もざわついています。『Clair Obscur: Expedition 33』の受賞歴にTOTYを添えたかったのに、その前段階で落としてしまっていたとは……!

『Clair Obscur: Expedition 33』がマンスを受賞しなかった理由は“紙がないこと”。海外でこういうトイレに出会ったら本当に困りますよね。筆者は昨年海外取材に行ったとき、公衆トイレが「事前に尻を拭く紙を入口で確保して、各々個室に入る」という謎システムだったため、地獄でした。トイレに紙を置いておくのは重要です。

また今回のTOTYでは、『Clair Obscur: Expedition 33』とTGAで競ったタイトル『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』も受賞を逃します。こちらは「DHVマゼラン」のトイレがあまり見えなかったことが理由。格納されている姿は見えるのですが!でもサムの筋肉美が良く映えるのが「いいね!」って感じです。鍛えられた筋肉には男女問わずリスペクトが発生します。肩に国道作ってんのかい!


それではノーマン・リーダスの裸を堪能したあたりで、早速TOTY2025の受賞作品を紹介していきましょう。
◆BEST POSSIBILITY TOILET
『スプリット・フィクション』

簡易トイレがぶん投げられています。ついにトイレも空を飛ぶ時代へ。
審査委員のひとりがなぜかこれを見て思い出したのは、「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」での冷蔵庫シーンとのこと。鉛製の冷蔵庫に隠れることで、吹っ飛ばされつつも核爆弾から生き延びたあのシュールな展開は、『Fallout 4』でも小ネタとして扱われていましたね。

審査途中でのスパくんの言葉を借りるなら「公衆便所にもその可能性を拡張せしめる“ナラティブ”が欲しいスパ」とのこと。しかし今回、スパくんというキャラを調子に乗らせるなと命じられているので、この言葉に対する返事は誰からもありませんでした。スパ虐1。
◆BEST BORDERLESS TOILET
『プリッとプリズナー』

子どもも(一部の)大人も大好きなうんこに着眼したタイトル。
今年、“排泄”そのものにフォーカスした作品としてTOTY審査委員会から大いに期待をかけられていた一作、『プリッとプリズナー』。しかしファミリー向けということもあって「我々が選出することで“子どもが好きなうんち”を逆に汚してしまうんじゃないのか?」という領海侵犯的な懸念もありました。しかし、うんこが好きな気持ちに大人も子どもも違いは無いのです。いや違いはあるか。外で「うんちあった!」って笑ってるサラリーマンを見てしまったら、先に社会の闇を見出してしまいます。
気を取り直して、『プリッとプリズナー』はうんちが主題のゲームとあってトイレの種類も様々ですし、なんならトイレじゃない所にも排泄できます。年代を超え、さらにはトイレのふちを超えて遊べるという思いを込めての「BEST BORDERLESS TOILET」受賞と相成りました。

そしてスパくんは果たして動物なのか機械なのか、子供なのか大人なのか正直わかりません。筆者は去年、ほっぺたについている花びら(?)が「Game*Spark」の「*」だという答えに辿り着いたのですが、色々調べたら違うような気もしてきました。気になるけど編集部に聞くほどの疑問でもないのは確かです!どうでもいいですしね。スパ虐2。
※編集部注:我々も知りません。
◆BEST RORSCHACH TOILET
『The Outer World2』

もう初見で汚れが気になるっ!!!
これはもう初見のインパクトで、審査委員会に衝撃を与えました。盛大にミスったのを掃除しようとしてさらにミスったようなきったねぇトイレで、最高です。右下に落ちているブラシが何とかしようとした感ありますね。途中で諦めて帰ったのでしょうか。
筆者は審査委員のひとりから問われた「これ、何に見えます?」という言葉が忘れられません。糞か、泥か、ゲロか。「これが何に見えるか」で、もしかしたらロールシャッハテストのようにあなたの心の暗闇がわかるのかもしれませんね。ということで「BEST RORSCHACH TOILET」を受賞です。勘の良い人はお気づきでしょうが、各賞の部門名はアドリブとライブ感で決定されています。

ロールシャッハと同じように、スパくんは見る人によってその姿を変えていきます。初期イラストに物理形態、3Dモデルに可愛いイラストまで……って、見る人じゃなくてスパくんのバリュエーションの話でした。みんなはどのスパくんに“歪んだ愛”を持っていますか? スパ虐3。
◆BEST BELLIGERENT TOILET
『Neighbors: Suburban Warfare』

他人の家のトイレを壊すのは許されざる宣戦布告です。
続いてはTOTMを受賞した『Neighbors: Suburban Warfare』のトイレが登場です。こちらは“トイレも壊せる”との要素が高得点を稼いで、マンスから引き続きの受賞となりました!ゲームの世界では日夜様々な破壊が行われていて、きっとその中にトイレも含まれていることでしょう。しかし“ご近所大戦争”となれば話は別です。他人の家のトイレを意図的に破壊することはもはや人道的行為ではありません。立派な戦争足りえます。
もちろん家のどこが壊されても泣きますけど、トイレを使えなくするという行為は「お前はその辺で漏らしてろ!」と言っているに等しいわけですね!TOTY審査会議はビデオ通話を通じてトイレ内で実施されているので、便器の守りは万全です。ちなみに便座に長時間座っていると痔になるので気をつけましょう。理屈はわからないけど、体感はしています。
スパくんだけビデオ通話の背景が公衆便所だったのは黙っておきましょう。スパくんに優しさを持ったから-1判定でスパ虐2。
◆BEST ALTERNATIVE SPACE TOILET
『ゴブリン・ノーム・ホーン』

もう一歩前へ、どころかもう一階下におりてきて……。
こちらは漫画家の川尻こだま氏が手掛けたゲーム『ゴブリン・ノーム・ホーン』。小便器のみですが、「絶対に小便器に小便を当てない」という強い意志が垣間見えます。これは純粋に、凄い鋭い視点だな!と感心したのが選出理由。トイレを空間としてとらえてしまう知性の無さがいい感じです。空間そのものをアートにすることを「オルタナティブ スペース」と呼ぶならば、これはまさしく「オルタナティブ トイレット」ですね。

公衆便所で筆者が嫌なのって、なんだか床がべたついている時です。足裏に粘りを感じた瞬間のうわって瞬間が嫌なんです。でも現実では嫌だけど、ゲームでは一転してテンションが上がる要素でもあります。「アセットをとりあえず置いた」みたいなトイレ描写は結構悲しいもの。TOTY審査委員会としては、全てのトイレに個性を出すことを推奨しています。
◆BEST UNKNOWN TOILET
『Abiotic Factor』

未来的である、そしてポータル要素もある。まさしく未知なるトイレです!
“未来の世界においてどのようなトイレが存在しているか”を見るのは地味に楽しい要素です。でもこれは異次元に通じているとのことで、かなり気になる。調べてみたらアイテムで「クソ」もあるようですしね!スパくんみたい!スパ虐3。

的を得ているかわからない視点で見てみると、やっぱりアセット流用で済まされないのがトイレを始めとした生活用品だとおもうのです。少なからずSF作品ではクリエイティビティも発揮されるようで、斬新なトイレであったり“あえて”形は変わらないとされていたり。知らんけどそういう深読みも可能でしょう!

そして2025年のTOTYに選ばれた栄えあるゲームはこちら。2025年ゲーム業界を席巻した“最高の便器”の名誉は、どのゲームに輝いたのでしょうか!
◆『Clover Pit』

壊れ具合が良い味出してる!
『Clover Pit』は独房の中でスロットマシンを回すゲームです。往々にして閉じ込められる系のビジュアルでトイレが描写されていることは少ないですが、本作ではトイレもしっかりと描かれています。もちろん汚い!これにはスパくんも「このトイレはたまらないスパ!」と思っているはずでしょう。きっとスパくん家のトイレに似てるはず!スパ虐4。

独房という状況を描写するために必須というケースで、“本来は必須ではないトイレ描写に力が入っている”という加点は無いですが、壊れているし汚いしと、TOTYに相応しいビジュアルでしょう。大便と小便が選択可能というのも高得点ですね。しかしもし、ご自宅のトイレがこのような状況に陥ってしまったら、せめて便座カバーをご用意ください。
今年は大量の便器がリリースされた一年でした。正直に言って、かなり熱くなった年と言えるでしょう。受賞を逃した一部作品には『ボーダーランズ4』『La Galerie des Toilettes』などが存在しています。
『ボーダーランズ4』はトイレにアイテムボックスの役割もありますが、シリーズ恒例のためTOTYにおいては新規性に欠けました。『La Galerie des Toilettes』は、トイレに着眼したゲームとあって悩みましたが、トイレって実はデュシャンの「泉」に端を欲したアート的なシンボルとなっています。シュルレアリスムやダダイズムによって現代アート性を獲得したら減点要素です。

トイレは日常でなければならない。その点において、日常でありつつも新たな描写をもたらしてくれた『Clover Pit』のトイレは高得点です。もちろん牢獄にいるということは非日常ですが、トイレがあることにより発生する“非日常に日常を押し付けてくる”感覚がたまりませんね!
あらためて、2025年の「トイレ・オブ・ザ・イヤー」に輝いた作品は『Clover Pit』となります!

ちなみに、編集者の歪んだ愛を受けて生まれたスパ虐カウンターは「4」となりました。このカウンターは4のままコメント欄にお譲りするので、読者参加型でスパ虐カウンターを増加させていってください。
もちろん、年の瀬まで応募いただいたすべてのトイレには目を通させてもらっています。本年もご協力ありがとうございました。それでは皆様よいお年を!来年も便意を催した際はぜひともトイレをご使用ください!
■スクリーンショット&情報提供者(順不同):
『Neighbors: Suburban Warfare 』公式X さま
Rまむ さま
まりあ さま
吉田輝和 さま
ゲーミング歌人 さま
鹿王 さま














