気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Gluten Free Games開発、PC向けに11月11日にリリースされた恐竜格闘アクション『King of Bones』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、ハイスピードでスキル重視な戦闘システムが特徴の恐竜格闘アクション。ダッシュや回避、頭突きに踏みつけなどさまざまなアクションで攻撃ができるほか、トリケラトプスやラプトル、そしてマンモスまで、30種類の異なる特徴を持った恐竜(?)が選択可能です。記事執筆時点では日本語未対応。
『King of Bones』は、920円(1月6日までは25%オフの690円)で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Chris私の名前はChrisで、Gluten Free Games唯一の開発者です。今一番好きなゲームを挙げるとしたら、おそらく『PEAK』ですね。とにかく友だちと一緒に遊べるゲームが好きです。ソロでのゲーム開発は本当にとてつもない時間がかかるので、少しでも自由な時間ができたら、友だちと一緒に過ごしたいと思っているのです。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Chris『King of Bones』が興味深いものに仕上がっている理由は、戦闘における物理演算にあります。Unreal Engineの比較的新しいツールを使うことで、キャラクターを操作しながらリアルタイムで物理演算をシミュレートでき、それによってとてもユニークな表現が可能になりました。
このアイデアの出発点は、私自身の反省でもあり、また動物シミュレーションというジャンル全体に対する問題意識でもあります。このジャンルでは、戦闘要素が後回しにされていることが多いと常に感じていました。そこで、「もし戦闘しかなかったとしたら、それでも面白いゲームを作れるだろうか?」という挑戦を自分に課したのです。結果として、かなり上手く実現できたと思っています。
また、ちょうどUnityの「Runtime Fee騒動(訳注:2023年にUnityが発表した、Unity製ゲームのインストール数や収益に応じて発生する追加料金の仕組み。のちに撤回)」の直後でもあり、それをきっかけにUnity を離れてUnreal Engineを学び直すことにしました。長年信頼していた会社に裏切られたように感じ、当時は正直かなり怒りを抱えていましたね。だからこそ、普段よりも少し暴力的でゴア表現のある作品を作りたいと思ったのです。それは、自分自身の心の傷への癒やしにもなりました。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Chris恐竜ゲームというものは、どれもがやはり元祖、映画「ジュラシック・パーク」から影響を受けていると思います!90年代キッズの私にとって、このシリーズは本当に大好きな作品ですし、『King of Bones』の中にも間違いなくいくつかオマージュを入れています。
ゲーム性の面、特にゴア表現や四肢欠損の表現については『Half Sword』から大きな影響を受けました。この作品は、システムやゲームデザインにおいてとても挑戦的で、斬新かつ恐れ知らずな姿勢が本当に素晴らしいと感じました。その影響はかなり分かりやすく出ているようで、実際にレビューやコメントで「恐竜版Half Sword」と呼ばれることが何度もありました。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Chrisアンキロサウルスの尻尾による鞭のような攻撃をテストしていた時、カルノタウルスの頭が吹き飛び、そのままマップの外まで飛んでいった瞬間がありました。あれは本当に笑ってしまいましたし、同時にめちゃくちゃ驚きましたね。まさかあんな挙動が起きるとは思っていなかったので…。
こういった瞬間が、私はゲーム開発で本当に大好きです。開発者の立場だと、ゲームが「どう動くべきか」はほとんど常に把握しています。しかし、そんな中で自分の作ったゲームから予想外の驚きや興奮を味わえる瞬間が生まれると、それはとても特別な体験になるのです。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Chrisフィードバックはどれもとても好評で、プレイヤーの皆さんはこのゲームのわかりやすいアクション性を本当に気に入ってくれていると感じています。Discordには非常に協力的なコミュニティがあり、今の形に本作を導くうえで本当に助けられました。
早期アクセスの期間は4か月間でしたが、開始当初の本作は今とは比べものにならないほど未完成な状態でした。ソロ開発ということもあり、自分でゆっくりとプレイする時間はあまり取れません。だからこそ、実際に何十時間もプレイしてくれている人たちからのフィードバックには、他の開発者以上に頼ってしまっています。
プレイヤーコミュニティこそ何が一番良いのかを一番よく理解していると思っていますので、私は彼らの声を受け取り、できる限り反映させ、ゲームとして形にしていくだけです。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Chris『King of Bones』については、パフォーマンスの改善や細部の調整以外、今のところ大きな計画はあまりありません。数年前にUnityを離れた時、自分にとってとても大切で、開発途中だったゲーム『The WILDS』も手放すことになりました。
そのため、現在の主な目標は、Unreal Engineをしっかり習得し、再び広大なオープンワールドRPGを作れるレベルに到達すること、そしてUnityで作っていたゲームを作り直すことです。とはいえ、『King of Bones』をオープンワールド化したいとも思っているんですよね…。
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?
Chris現時点で予定はありません。というのも、Unreal Engineで多言語対応を実装する方法をまだ理解していないからです。ただ、いずれ必ずできるようになるとは思っています。
それと実は、1年以上前から妻と一緒に日本語を勉強しています。なので、いつかは自分自身で翻訳できるくらい日本語が分かるようになれたらいいなと思っています!
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Chrisもちろんです。YouTubeでもTwitchでも、その他どんなプラットフォームでも誰でも自由にプレイし、配信・収益化してもらって構いません!
個人的に、広告というものをあまり信じていません(日常生活ですでに十分すぎるほど目にしていますしね)。ですので、口コミやコンテンツクリエイターの皆さんの力で『King of Bones』が新しいプレイヤーに広まっていくことを頼りにしています。このゲームを遊んでくれるすべての方に、心から感謝しています。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Chrisヨロシクオネガイシマス!『King of Bones』を手に取ってくださるすべての方々、本当にありがとうございます!ゲーム開発者として生きていけること、そして自分が作ったものを誰かに楽しんでもらえることは、まさに夢のようです。日本という国と日本文化はとても尊敬しており、読み書きや会話にもう少し自信が持てるようになったら、ぜひ日本を訪れてみたいと思っています。
そして、ゲーム開発を目指している皆さんへ。どうか夢を追いかけることを恐れないでください!一生懸命努力し、ベストを尽くせば、あなた自身のユニークな視点や才能が、きっと大きな強みになります。
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に900を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。








