普段、絶対やらないゲームってありません?でも、やったら面白いかもしれませんよね?
ゲームとの出会いは、いつも「面白そう!」という興味や関心から始まります。そして、実際にプレイしてみると予想通り面白かったり、逆に期待はずれだったりします。ただ、自分が全く興味がないゲーム……そもそも自分の視野に入らないゲームというのは、出会うことすら出来ません。
そこで、筆者と最も趣味が合わないGame*Spark編集部のArkblade氏に、Steamで配信されているオススメのPCゲームをいくつか教えてもらい、その中から自分が一番プレイしないであろうゲームをプレイしようと考えました。
Arkblade氏と筆者は、趣味が合わない、そりが合わない、酒の席では会話すら噛み合わないの三拍子。きっと筆者が出会わなかった名作を推してくれるはず!
趣味が合わない奴が推すゲームの中からどれを選ぶか……
Arkblade氏が軽いジャブとして最初に推してきたのはEgosoftが手掛ける『X4: Foundations』でした。
本作は、宇宙船を乗り回して未知なる宙域を探検したり、傭兵として戦争に参加したり、資源を拾って売ったりできる、自由度が高いSFスペースシミュレーターです。
実際のところ、2行だけでは説明できないほどのボリュームとコンテンツ量がありそうな時間泥棒なゲームですね!しかも宇宙ステーションが作れるって?すげーな!面白そう!
って、「面白そう」って言っている時点で興味持っちゃってるので駄目ですね……。
2本目の推しゲーは、びっくりソフトウェアが手がける『Graze Counter』です。
本作は、弾幕系縦スクロールシューティング……筆者が最も苦手とするジャンルです。しかし敵弾や敵機本体に自機を掠らせると、点数倍率の増加や強力なカウンター攻撃が狙えるシステムが搭載されており、弾幕を避けていく行為そのものが戦略的なメリットになるのは面白いところ。……というか、本人もレビューで書いてました。
確かに、これは筆者が普段プレイしないジャンルですし、候補のひとつとして入れておきましょう。でも、キャラが可愛いので興味あるかも……。
3本目の推しゲーは、Yuzusoftが手掛ける『サノバウィッチ』の全年齢版です。
18歳未満はアクセス禁止の公式サイトには、「他人の気持ちを感じ取れる主人公が、自分の意志に関係なく発情してしまうヒロインに出会ったことで、魔女にまつわる様々な事件に巻き込まれていく」というあらすじが綴られていました。
で、公式サイトの「ダウンロード」の項目には、何やら……何かの修正パッチが!何かの不具合を修正するものかもしれないし、当てないと駄目だよなぁ……。
というか、Arkblade氏は筆者がこういうジャンルに興味がないと思っているのは心外です。なんだろう、人をむっつりスケベみたいに扱うのやめて貰っていいですか?
最後の推しゲーは、Winged Pixelが手掛ける『Heroes of a Broken Land』です。全く知らないゲームを出してきやがった……!
どうやら、本作はダンジョンRPGとターン制ストラテジーが融合した作品で、日本語化Modは一切ないようです。RPGは好きなジャンルなのですが、自動生成のダンジョンを探検するものは苦手なんですよ。代わり映えしない背景がストレスに感じることがあります。あとストラテジーもここ数年ご無沙汰です。
それに筆者は英語力が皆無。リリース当初から日本語に対応している洋ゲーが多い昨今、普段はスルー対象といっていいでしょう。
それではこれをプレイします!……が、どうなることやら。
プロローグの英文は雰囲気で読むものじゃないな
まずはゲームと同時にブラウザを起動してGoogle翻訳を積極的に使っていこうと思います。
前述した通り、ゲームのタイトルは『Heroes of a Broken Land』。意味は「壊れた土地の英雄」ってところでしょうか?
タイトルのビジュアルを見る限り、世界は複数に分かれているようですね。これを一つの世界にしていくのがゲームの目的なのかな……全くわかりません。
ゲームを始める前にワールドのサイズと難易度を設定する必要があるみたいです。
ワールドのサイズを指定するのはなんだか『マインクラフト』みたいですね。ターン制ストラテジーの要素があるとのことで、ワールドのサイズが大きければ大きいほど長く楽しめるということでしょうか。
プロローグが始まりました。英文は読めませんが、絵で理解しようと思います。
星を守るように囲む魔法使いのような人々……さながら世界を守っていた七英雄のような存在なのでしょうか?あ、数えてみたら6人しかいませんでした。
で、服を脱いだら青くなっちゃったと……。
そしたらなんだか星が大爆発……って、んんん?ドユコト?
プロローグの英文を翻訳エンジンに打ち込んでみると、この星は、魔法の源であるクリスタルハートによって守られていたようで、それをコントロールしていたのが魔法使い達。彼らはクリスタルハートと融合し、不滅の存在として世界の平和を保っていたけれど、クリスタルハートは死すべき魂の罪と欲望の影響を受けて弱まり、ついに世界は破壊されてしまった……らしいです。
プレイヤーは、破壊されてバラバラに分裂した世界のひとつを冒険するみたいですね。
メインキャラよ。愛せなくて本当にすまない……。
プロローグが終わると、様々なボーナスを付与してくれる6人の魔法使いからひとりを選ぶ必要があるようです。
筆者は「この『プラトーン』みたいなポーズの魔法使いがいいんじゃないかな?英文の中にXPって書いてあるから経験値増加の効果かも!」とテキトーに選びました。
次は初期のパーティメンバーの設定です。
元々、本作はガチガチの洋ゲーですし、キャラクターデザインが日本人の好みとかけ離れていることは覚悟しています。これまで筆者は様々な洋ゲーをプレイしてきましたし、どんなバタ臭いメインキャラクターが登場したって愛してみせますよ!
……えっ……。
……えっ?
どうすんだ……これ。
初期メンバーの4人の能力値はサイコロを振ることで変更できます。ただ、振る回数は8回までなので妥協も必要みたいでした。
振られた能力値から戦士・盗賊・僧侶・魔法使いといったクラスを選ぶことになります。最初はオールラウンドに全クラスで固めたパーティーにしました。
パーティーメンバーの設定を終えると本拠地の画面です。プラトーン像(勝手に命名)がインパクトありますね。
ここに鍛冶屋や魔法屋などの施設を建てて機能を充実させて、パーティーメンバーを強化していくことになります。
そこで早速、本拠地にAdventurers Guildという施設を建ててみました。すると、各パーティーメンバーの顔グラフィックを自由に変更できるようになったのです!
外部の画像ファイル(png)を使用すれば洋ゲーに登場するごついモヒカンおじさんだって、当サイトに出没するキュートなモヒカンおじさんに変更できます!
宝探しの楽しさに英語力は関係なかった。しかし……
本拠地から飛び出すとワールドマップの画面に移行します。ここからマップに出現するモンスターを討伐したり、突発的に起きるイベントを進めたり、お宝満載のダンジョンを攻略することになるのです。
パーティーは複数の作成が可能。つまり、Aというパーティーにダンジョン攻略の遠征をさせておいて、Bというパーティーにはマップ上に点在するモンスターを討伐してもらい、Cというパーティーには未開のエリアを偵察してもらうなどの動かし方ができます。
この戦略性、筆者が好きなセガのシミュレーションRPG『ドラゴンフォース』と似てなくもないような……いや、あっちはバタ臭くないけど。
早速ダンジョンに入ってみました。
ダンジョンには、ドアを開閉するレバーやトラップ、ワープポイントなど、多くのギミックが置かれており、それらを作動させながらダンジョンの隅々まで探索していくことになるようです。
肝心のバトルシステムは、ビックリするくらいシンプルなものでした。
基本行動は「たたかう」「スキル」「アイテム」「待機」のみ。それすら面倒な場合はバトルをオートにすることも可能です。
本作におけるダンジョン探索の醍醐味はバトルではなく、宝探し。ダンジョンの仕掛けを弄りながら、やたらとある宝箱を開けていくのがたまらなく楽しかったです。
ゴミみたいなアイテムが出た時はがっかりしましたが、強い武器や防具が出た時にはテンションが上がりました。
マップ画面もしっかり用意されているので、迷子になることもありません。
筆者は代わり映えしない景色のダンジョンを探索するのが苦手でしたが、この機会に改めてダンジョンRPGをプレイしてみると、本作のダンジョンはやたらと宝があるため、苦手意識はどこかに去ってしまいました。
さて、ここまでの要素において英語力は必要ありませんでした。最悪、ローマ数字とZombieやFireなどの英単語さえわかれば雰囲気で進められます。
ただ、前述した通りワールドマップでは、主人公達の旅を面白くしてくれるランダムイベントが発生するのですが……
そう、英語なんです。イベントのストーリーは英文で展開されるのです。
たぶん文法からして高校生レベルの英文なんじゃないかなーと思いますが、筆者は学校で学んだことは全て忘れてしまいました。二次方程式とか因数分解とかまだできる人いるの?すごくない?
この文章をいちいちGoogle翻訳に打ち込むのはかなり面倒……っておや?
これらの英文……マウスで選択できることに気づきました。
そこで、すべての英文を選択してCtrl+Cを押して……Google翻訳にCtrl+Vを押すと……
翻訳できたぁ!
この時気づいたのですが、本作に登場する説明文は大体選択できるのでコピー&ペーストが可能です。
これでスキルの効果の詳細がわかるようになりましたし、ランダムイベントのストーリーもほぼ理解できるようになりました。
プレイ前の『Heroes of a Broken Land』は、「キャラがバタ臭いし、代わり映えしない背景のダンジョンを延々と攻略するって苦手なんだよなぁ」という印象でした。しかし、実際にプレイするとその印象は見事に覆されました。
ダンジョンRPGとターンベース型ストラテジーの要素が融合した本作は、一見すると複雑そうに思えますが、実際のところシンプルに作られているため、英語が理解できなくても基本的な部分はなんとなくプレイできました。『ソリティア』のようにシンプルながら延々とやってしまう中毒性がありましたね。そして、英語の文章が出てきてもほぼコピペできるので、翻訳エンジンがあれば英語力がゼロでも全く問題ありません。
キャラクターデザインが非常にバタ臭いので人によっては合わないかもしれませんが、パーティーメンバーの顔グラフィックを好きな画像に変更できる機能があるので、これで美少女やイケメン、吉田おじさんなどの愛着が湧くようなものにすれば問題ないはずです。
いずれにしても、この企画を通じて自分の視野に入らなかったゲームと出会うことが出来たのは良い機会でした。ただ、本企画はあくまで試験的に行われたものです。これが連載になるかどうかは、読者の皆さんの反応や閲覧数などを考慮して判断しようと思います。
本稿や今後の企画の方向性にご意見があればぜひコメント欄やGame*Spark公式ディスコードサーバーでお知らせください。