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「ガストブランドの集大成とも言える作品」―『BLUE REFLECTION TIE/帝』細井総合P&土屋開発Pが語る制作秘話

デートを実装するうえでの苦労話や、誰もが経験した「あの頃」を具現化するためのお話を伺いました。

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夏、青を体現する空、ジリジリと照りつける日差し、学校にそよぐ風、揺れるカーテン。夏という季節の趣に彩られた、美しくも儚い少女たちの物語。最新作『BLUE REFLECTION TIE/帝』はシリーズの世界観を引き継ぎつつ、バトルのブラッシュアップや演出をパワーアップさせたシリーズ最新作です。

今回、『BLUE REFLECTION TIE/帝』細井順三総合プロデューサーと、土屋暁開発プロデューサーにインタビューを敢行。前作から大きく変わったバトルや、こだわり抜いたキャラクター表現について伺いました。


前作とは「全く別の作品」

――まず、『BLUE REFLECTION TIE/帝』はプロジェクトの中でどのような立ち位置にあるのでしょうか?

土屋今回の『BLUE REFLECTION TIE/帝』は、『BLUE REFLECTION』が持つ、3つのプロジェクトの「コンシューマー/PC」のタイトルになります。既にオンエアーが終了しているTVアニメ『BLUE REFLECTION RAY/澪』と、まだタイトルしか発表していませんがスマートフォン/PC向けゲーム『BLUE REFLECTION SUN/燦』、そして今回の『BLUE REFLECTION TIE/帝』。これらのシリーズプロジェクトが並行して進行しています。それぞれの物語は独立し、完結しています。1つでも十分楽しめますが、複数触れることで相互関係が理解できるだけでなく、妄想も膨らみ、130%楽しんでいただけます。

その中でも『BLUE REFLECTION TIE/帝』は『BLUE REFLECTION』の集大成といったところです。原点である『BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣』からはじまり、ここに帰結するために存在していたような世界になっています。もちろん本作からスタートしていただいて、物語を楽しんでいただくこともできますし、「この子可愛いな」と思ったら、他の作品で登場していることもあるので、そちらでより一層、世界観を充足していただければなと考えています。

――本作をシリーズの入り口にして良いのですね。

土屋全然問題ありません。他タイトルに登場するキャラクターもたくさん本作に登場していますが、この作品を入り口にしていただいて構いません。アニメを見ずに本作をプレイしても、新キャラとして捉えることができますし、逆に本作で気になったキャラクターがいれば、アニメを見ていただければ、過去のエピソードなど、キャラクターの深い部分を知れるようになっています。

――本作は、前作『BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣』のフィードバックも踏まえて開発されているかと思います。前作のユーザーからの評価や手応えは如何でしたか?

細井世界観やキャラクターを中心に、物語や世界設定は高い評価をいただきました。しかし、ゲーム側の進行制御が強かったという点は、反省すべき点だったと思っています。

――ルートや攻略の糸口をつかむ選択肢が少なかったということでしょうか?

細井そうですね、基本的にはゲーム側が定めたルートをなぞっていくような設計になっていました。また、物語のブレイクポイントも、ただクエストがあるだけといった、一部で単調な繰り返しになってしまったのではないかと思っています。ゲームプレイとしての目新しさがプレイ時間に比例して下がっていってしまったのが大きな反省点です。

――今回のタイトルに含まれる「TIE/帝」という言葉に込めた意図は? また、前作の続編という立ち位置ながらナンバリングを振らなかった理由も合わせて教えてください。

土屋「完全に別のゲームだから」です。例えば「2」としてしまうと、前作を前提としているイメージが定着してしまいます。スマートフォンやアニメを含め、シーケンシャルにつながったものでもありません。かといって全然別のものというわけでもない。立ち位置を明確に表現できるようなワードを模索して、このタイトルになりました。「TIE/帝」という言葉から想像できるイメージは色々あると思いますが、ゲームプレイを通して、自分なりに感じてもらえると嬉しいと思います。これはアニメである「RAY/澪」も同様です。

ターンを重ねるとスピード感が増すバトルシステム

――ここからはバトルについて伺います。体験版で触れたバトルは、前作よりもスピーディに感じられました。今回のバトルのコンセプトや、前作から進化した点を教えてください。

細井前作はターン制RPGの中にリアルタイムコマンドを含むものでしたが、今作はリアルタイムをベースとしつつも、戦術や戦略をしっかりと考えられるような、ターン制RPGの良いところを継承しております。リアルタイムの特徴である手に汗握るスリリングなバトルになっていますが、スキル選択時には時間が止まり、ゆっくり考えることができます。一方で、スキル選択直後にスキルの発動を待つことなく、別キャラクターのスキル選択に遷移することができます。自分でDPSを制御するほか、あえてキャラクターを止めておいて敵の強攻撃を防ぐといった戦い方も可能です。つまり、ユーザーさんが慣れれば慣れるほど、自分の戦い方をできるシステムになっています。

――開発の中でこのバトルシステムに落ち着くまでに、どのような経緯がありましたか?

細井ガストブランドでは、RPGを多く制作していく中で、それぞれのタイトルにバトルコンセプトを持っています。例えば、『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』であれば、世界のトレンドであるアクションゲームの良さをターン制バトルに最大限詰め込もう、というコンセプトでした。また、TGS2021で発表した『ソフィーのアトリエ2 ~不思議な夢の錬金術士~』は、ターン制バトルを現代技術でブラッシュアップする、というものでした。そのうえで『BLUE REFLECTION TIE/帝』は、1作目のバトルの好評だった部分とリアルタイム性を活かす。つまり、“ライザ”が持つアクション性と“ソフィー2”が持つターン制の間を行こうというのは、最初から決まっていました。

――バトル面で、達成感を味わってもらうために工夫した点などはありますか?

細井コンボをつなげていくという、わかりやすいシステムをユーザーさんの主目的として貰うことです。敵の強攻撃を受けるとコンボが切れますが、それをリアルタイムシステムで途切れないように立ち回ることもできます。あえてキャラクターの行動をスタックさせておけるのはそのためです。ターンを重ねていく中でリアルタイムのスピードは加速していき、加速するほどコンボが重ねやすくなり、プラス効果があるシステムです。そういう面でストレスが感じにくいバトル設計にしているつもりです。

――バトルといえば、リフレクターに変身する場面もありますが、ビジュアル面でより味わって欲しい部分はありますか?

細井やはり岸田メルさんのキャラクターが可憐に戦っているという点は、演出をこだわり抜いているので、楽しんでいただけると思います。それぞれのキャラクターの変身後は特徴を持っているので、すべてのスキルを見ていただきたいです。

岸田メル「女の子という存在そのものを具現化したい」

――ブルーリフレクションプロジェクトは、ストーリーにも注力されているかと思いますが、今作のストーリー制作の中で、企画時点から持っていた大枠の道筋や、コンセプトなどはありましたか?

土屋最初は「誰もが持っているひと夏の思い出」からスタートしました。『BLUE REFLECTION TIE/帝』をプレイした方が、昔経験した学生時代の夏休みの思い出に浸ってもらえるようなものが良いというところからスタートしました。そういったエモーショナルな思い出を振り返り、心があったかくなり、自分に重ねて楽しめるような作品を制作するというのがベースにありました。その中で、夏をしっかり表現するだけでなく、「友達だけで今まで行ったことのない場所に行ってみる」や「自転車で遠い場所まで行ってワクワクドキドキする」とか、中学校や高校時代をリフレインといいますか、思い出をもう一度思い起こして共感して欲しいという思いでシナリオを制作しました。

また、メインキャラクターが魅力的であることがファンに望まれていることだと思っていましたので、ココロトープ含めて心情面は深いところまで掘り下げています。メインストーリーをはじめ、デートや学校開発で発生するイベントは、彼女たちの思い出だったり、特性や性格をフィーチャーしていたりと、内面的な部分を大切に設計しました。

――本作ではどのようにキャラクターを造形していったのでしょうか。

土屋キャラクターデザインに関しては、「少女たちが未知の世界を冒険していく」という作品コンセプトをベースにしつつ、岸田メルさんのビジュアル先行で進めていました。岸田さん自身が「こういう子たちで冒険をして欲しい」というキャラクターをデザインしました。その段階で「この子はこのような性格だから、こういうイベントが欲しい」といったキャラクターバランスも希望をいただき、シナリオライターと開発の中で検討して、ゲームとして面白くなるように肉付けしました。

――岸田メルさんは本シリーズに深く関わっていますが、特に本作で岸田さんが描きたかったものはなんでしょうか?

細井「女の子という存在そのものを具現化したい」というのが、本作のキャラクターデザインだけでなく岸田さんの制作には多分な影響があると認識しています。それをしっかりとゲームに落とし込んで体現したいというのが大きな点です。その中で必要な要素を付け加えていったのが本作ですね。

――では岸田さんのこだわりをゲームに落とし込むために特にこだわった点や工夫した点は?

土屋今回一番力を入れたのが、ゲーム中のすべての要素が、一人一人の少女のアイデンテティを具現化して作られているという点です。その代表がココロトープです。ヒロインごとに全く異なるココロトープが存在し、その中のオブジェクトや、その配置には、彼女が持つ過去の物語や、今の性格につながるものを含んでいます。また、彼女の転機となる物語や、人生で重要な物語をメインシナリオの一部として起用しています。

バトルの中でも、普通のRPGであれば装備品が変わったりだとか、キャラクターコンフィグレーションなどがありますが、今作の場合はそのような要素は残しつつも「この子がこの武器を使っている理由」や「リフレクターに変身したらなぜこの風貌なのか」、例えば春日詩帆は鎖がついていたり、星崎愛央は大きな鎌を装備していたり、こうした要素も彼女たちの内面を表しています。彼女たちの要素が集まって本作の世界は形作られています。

――なるほど、ゲーム要素が先行してキャラクターが形作られるのではなく、キャラクターありきでその要素をゲームに落とし込んでいるのですね。

土屋そうですね、どちらが優先というのはとても難しい問題で、ゲーム性や自由度を犠牲にしてはいけません。設定とゲーム性のすり合わせは開発内でも紆余曲折あり、ガチバトルをしながら開発をしていました(笑)。

――ゲーム性とキャラクター性のすり合わせで葛藤した部分はどのようなものがありましたか?

土屋設定レベルであれば、宮内伶那は新体操をコンセプトとし、フラフープを武器に戦うというのが、世界観設定側の希望としてありました。実際の開発では、そのような特殊なデザインはシンプルにリソースが増えるので、予算を積んでリソースを増やすか、それが無理なら全武器のバリエーションを少しずつ減らすかしかありません。その為、「これは入れられません!」「それじゃ、このキャラクター性はどう表現するつもりなんだ!」といった開発内バトルがしょっちゅう展開されました。ココロトープもそうです。RPGのダンジョンは、アセットを上手く使い回すのが制作における定石ですし、本作でも「使い回しのせめぎ合い」にはとても苦労しました。ココロトープは彼女たちそれぞれの心を表したものだから、使い回しの世界では興ざめしてしまいます。限られた予算の中で、どうやったらそれを表現できるのか。延々と時間をかけて煮詰めていました。

オブジェクトすべてに意味がある「ココロトープ」

――ココロトープのお話がでてきましたが、ココロトープのビジュアル的にどのように描かれているのでしょうか。

土屋心象世界という、普通の世界ではないというのが特徴です。彼女たちそれぞれの生い立ちや育った環境と同じで、心にあるものは全く異なります。それらは理路整然としているものではありません。いうなれば、人間が見る夢。起きる前は素晴らしい世界だったり、最高の行動だと思っている夢は多々ありますが、いざ起床後に振り返ってみると、「なんじゃそりゃ!?」と自分ツッコミしてしまうことってありません? つまり、「夢の中にいる時は普通なのに、起きて現実から見てみると明らかにヘン…」そんな世界を表現してみたかったのです。また、オブジェクトの配置にも意味があります。例えば、白井日菜子のココロトープでは、平均台のような細い木の棒を渡っていく橋のような場所があるんですが、実はその棒は、バレエバー(手すり)だったりします。つまり、それら(バレエの象徴物)を“乗り越えて”次のエリアへ行く、という事自体が、彼女の人生の中にあった印象的な物事のひとつとして描かれているわけです。

――ゲーム的には、ココロトープと学校生活(ストーリー)を交互に繰り返していくというようなイメージで良いのでしょうか?

土屋そうですね。ココロトープというのは、通常のRPGでいうところのフィールドやダンジョンです。アイテムの入手や敵を倒して経験値を得るなど、学校生活と交互にすすめることでストーリーが進行していきます。

――学校生活ではどのようなことが体験できるのでしょうか?

土屋システム的には工作・デート・学校開発がメインになってきます。工作は世界観的にも納得いただける形になっています。隔絶された無人島をイメージしてください、ご飯のために材料を集めたり、火を起こしたり、そのようなことをこの世界を舞台にプレイいただけます。ココロトープという『安全地帯の外側』から、学校という『安全地帯』の生活をより良くできるものを運んできて作る、というイメージです。そのためにあるのが、工作です。「アトリエ」シリーズの調合と同じようなものではありますが、その主旨はまるで違います。「アトリエ」の調合では組み合わせによるゲーム性、戦略性といった要素がメインになりますが、本作では「 “誰と”工作するか」「工作の結果どんな出来事が起こったか」が重要で、特に、一緒に工作したキャラクターに即した特性がつくなど、キャラクターにフォーカスされているのが特徴です。

「二人で並んで歩く」表現の難しさ

――学校生活で体験できる「デート」に関しては、少女二人が並んでいるだけで尊いですよね。

土屋そうですね(笑)。それだけでもエモいと思いますが、是非デートしている時の雰囲気も楽しんでいただきたいです。また、デートによって絆が深まるというゲーム要素も含まれています。デート中にしか発生しないイベントもたくさん用意されていますし、「何かをする」という具体的な目的があってデートすることもあります。そういった場合は、そのミッションをクリアすることで、2人にとっての重要なイベントを見ることができます。デートは「お楽しみ要素」という色合いが強いですが、ヒロインの人となりや意外な一面が沢山見られるという点においては、実は本作のメインコンテンツとも言えるかもしれません。

――手もつなげるというのは驚きでした。

土屋仲が良くなると手をつなぎます。これを表現する為だけに、システムの一部を改造したりもしています(笑)。

――技術的に難しかったのでしょうか?

土屋やはり二人並んで歩いていると、狭い場所やオブジェクトの端っこで、自然な仕草を保つことが難しくなります。一人が壁に突っかかって足踏みし続けたりとか、よくありますよね。それが嫌で。けど、どうしても手を繋いで歩かせたかったんですよ。

――確かに、3Dゲームで手をつないで歩くというのはあまり見られないですね。

土屋そうなんです。一般的なRPGではパーティで連なって複数人で歩くというのはあります。一人がオブジェクトにつっかえても、あとから走ってくることで対処していますが、デートではそういうことが許されません。やはり本作はキャラクターに注力しているので、リアリティを持った形で表現できるように力を入れて作りました。

――学校開発はゲームにどのような影響を与えるのでしょうか。

土屋学校開発は、メインシナリオと深く繋がっている要素ですね。彼女たちが昔体験した思い出のエピソード集のようなもので、この世界の謎を紐解く上でも重要な要素のひとつです。例えば、ヒロインの誰かがどうしても思い出せない過去があるとき、その過去の一幕と関係のあるオブジェクトを作ることで、「そういえば私、昔こういうことがあったんだ…」と思い出して記憶がつながり、物語が進行したりします。
あと、学校開発は「文化祭のようなノリ」を表現したくて今のような設計にした、というのもあって。文化祭って、学校行事の中でもかなりエモい部類に入る行事ですよね。普段学校では絶対やらないことをやるイベントで、それだけでも学校が全く違う雰囲気に包まれるのに、更にみんなで協力して出し物を作るとか、その日だけはまるで世界が変わるんですよ。そんな思い出ありません? その体験を、本作で彼女たちを通じて追体験して欲しいと。そんな思いから生まれた要素でもあるんです。


――最後に、ファンへ向けてメッセージをお願いします。

土屋既に体験版を配信しておりますが、プレイされた皆様からはポジティブな言葉を沢山いただいており、本当にありがたい限りです。本作はシナリオや絵の魅せ方も含め、ガストブランドの最新作として最高のタイトル、ガストブランドの集大成とも言える作品だと思っています。ユーザーさんの心が暖まるように、細かい部分までこだわって作っていますので、興味を持っていただいたら、まずは是非! 無料体験版を是非プレイしていただきたいです! 体験版には本編で使えるクリア特典もありますので、プレイして損はありません。よろしくお願いします!

細井ガストブランドとして様々なRPGを作成していますが、その中でも本作はキャラクター表現や、色味、雰囲気に特にこだわった作品になっています。前作でいただいたユーザーさんのご意見を真摯に受け止め、改修・改善しています。ゲームとしての完成度は高く、『BLUE REFLECTION』の集大成となっていますので、是非遊んでください。

――ありがとうございました。

《Okano》

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