Steamウィンターセール到来!……いや早い。オータムセールといいセール間のスパンが年々短い気がしてなりません。
ともあれ筆者は普段、主にプレイレポを中心に執筆をやらせてもらっており、今年一年どれくらい遊んだのだろうね~なんてざっと数えたところその数100本前後……多くない?
そこで今回はその中からウィンターセール対象かつ個人的なおすすめ作品を8本紹介したいと思います。年末年始の企画記事、どうぞよろしくお付き合いくださいませ。
タイトルリスト
『Hardspace: Shipbreaker』
『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』
『My Lovely Daughter』
『Police Simulator: Patrol Officers』
『SuchArt: Genius Artist Simulator』
『The Artful Escape』
『Unmetal』
『Next Space Rebels』
借金返済!宇宙船解体FPS『Hardspace: Shipbreaker』で働くのだ馬車馬のように……【プレイレポ】
記事はこちら。本作は人類の宇宙進出が当たり前になった世界で、借金返済のために工具を握って宇宙船解体に勤しむFPSスタイルのゲーム。様々な船の構造を把握して、工具で順番に部材やパーツをバラしていく地道な作業……で、あるにもかかわらずどこか穏やかな心地良さを感じるプレイ体験でした。
とはいえ宇宙空間での作業故、もちろん危険とも隣り合わせです。うっかりリアクターを傷つければドカン一発であの世行き。我々人類は古今東西のタイトルにおいて隙あらば宇宙でドンパチやってきた訳ですが、本作のように地道に作業して金を稼ぐタイプはとても珍しいかもしれません。
早期アクセスゲームですが高い完成度を誇る本作……先日大型アップデートが行われて新しいタイプの宇宙船も登場したので、是非解体してみてください。
世界観最高のダークファンタジーメトロイドヴァニア『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』―この世界に救いはないんですか……?【爆速プレイレポ】
記事はこちら。死の呪いによって全てが滅び、いまや異形のみが跋扈するかつての王国が舞台のアクションADV。各エリアが縦横に連なりひとつの巨大なマップを構成する本作。憎悪と闇にまみれた地獄みたいな世界なので、コントラストでより際立つ主人公リリィの可憐さ清廉さが最高ですね(歪んだものの見方)。
リリィは基本的な移動や回復は行えるものの、彼女自身に戦闘力はありません。その代わりに亡霊(?)たちを仲間として使役するのですが……そこに絡むストーリーが重い……。
最初の黒衣の騎士を除いて、使役する亡霊はもともとボス敵などの形で相対するため、まずは彼らを倒さなければならず、トリッキーかつ強力な攻撃が多いため、歯ごたえのあるバトルが楽しめます。
ちなみにボスの連戦モード実装など大型アップデートが行われたので、より戦いを求めるプレイヤーは挑戦してみると良いかもしれませんね。
もうやめてくれ……狂気の錬金術シム『マイ・ラブリー・ドーター -My Lovely Daughter-』は娘のために手段を選ばない男の物語だった【Steam版も日本語対応開始】
記事はこちら。記憶喪失の男が娘を蘇らせようと、ホムンクルスを作っては殺して材料にする錬金術シムである本作。2018年にPC(Windows/Mac/Linux)向けにリリースされたのが、2021年に日本語対応ならびにニンテンドースイッチ版もリリースされました。
ホムンクルスを作っては魂の素材として娘(の亡骸)に捧げるのが主な流れ。情緒豊かに育てたホムンクルスはより上質な素材になるので、贈り物をしたり、近隣の村で仕事させてから処分すると良いでしょう……って、狂ってんのか。
このようにゲームシステムの根幹はシンプルな管理シミュレーションではあるものの、そもそものシナリオがホムンクルスの殺害で起承転結する流れと、そのエグい処理描写の数々で鉛を飲み込んだような重さに胸が苦しくなります。
現在はシリーズ新作(?)である『My Lovely Wife』の制作も進行中とのことで、次はいったいどんな重いプレイ体験なのかいまから気になります。
冤罪上等、無差別逮捕―警察パトロールシム『Police Simulator: Patrol Officers』で平和を守ろうとしたハズだった【爆速プレイレポ】
記事はこちら。本作は街を守るお巡りさんシミュレーション。オープンワールドの街を歩き、時にはパトカーを使って巡回しながら犯罪等に立ち向かいます。
街の治安は低空飛行。ポイ捨てや駐車違反は可愛いもので、そこら辺の通行人に声をかければ偽造IDや違法薬物所持発覚のオンパレードです。しかし、だからといって諸々の手続きを省略して法を執行すれば誤認逮捕連発からのクビまっしぐら。
責任とタイムプレッシャーに背中を炙られながらも、現場の状況から適切な判断を下して慎重に処理する必要があります。本作の楽しい部分はまさにそこで、被疑者との問答の中で見え隠れする「サイン」に鋭く目を光らせて捕まえる一連の流れですね。
まあ筆者は「態度が反抗的だから」という理由で留置所にぶち込んでいましたが……(バッジはく奪)。なお来年1月にはアップデートにより追加マップが導入されるようです。さてさて今度は一体どんな癖のある犯罪者たちが現れるのか。
全てが自由なおもちゃ箱!絵画シム『SuchArt: Genius Artist Simulator』で銀河に轟く芸術家になる【爆レポ】
記事はこちら。今からおよそ100年後の未来、DNA検査で「芸術の才能」を見出された主人公が静止軌道衛星上にある国際宇宙都市で、アーティストとして活動をしていくシミュレーションゲーム。
FPSスタイルで画材を手に取り、キャンバスに無限のアイディアを叩きつける自由なプレイ体験が楽しめます。なんせキャンバスどころか、作業部屋自体にペンキを塗りつけてアートにするもよし、お手伝いロボをバーナーで炙るもよしとなんでもできるのです。
型に嵌らないということで「out of the box」という考え方がありますが、本作ほどそれを体現したゲームは他にないでしょう。なお完成した作品は、ゲーム内のVR展示場に飾られ、NPC達が見学にやってきたりするのが面白いですね。
アップデートにより道具類の追加などが行われているので、プレイレポ執筆当時とはいろいろと細部が異なるかもしれませんが、おすすめのタイトルです。
ギターを鳴らせ!銀河を揺らせ!ミュージックADV『The Artful Escape』でめくるめく多次元宇宙ツアー【爆レポ】
記事はこちら。最高のゲームをプレイしちまった……というのが筆者の感想。本作は、周囲の期待と自身の本心に挟まれ苦しんでいたギター青年が、ひょんなことから参加した銀河をまたにかけるツアーを通じて、何にもとらわれない最強の自分を掴み取っていくミュージックアクションADV。
会話、移動、ジャムセッションという流れで進むシナリオはどこまでも爽やかで、特に演奏中、相手と掛け合うように曲のテンションがどんどん上がっていくのがたまらない。ゲームクリア後の余韻の良さは、エンタメ作品ひっくるめてベスト3には入ると思います(個人の意見です!)。なお、筆者の考える“余韻の良さ”ベスト1はアニメ「ガン×ソード」最終回の締め(個人の感想です!!)。
いずれにしても、本ゲームで、ストーリー含めた全体を体験して得られる感動は、文章ではなかなか伝わりづらいかもしれませんが、大袈裟でもなんでもありません。最初から最後までプレイが楽しくて仕方ありませんでした。
そしてBGMに使われている楽曲が粒揃いなのも素晴らしい!サウンドトラックについてはバッチリ配信中なのでゲームと一緒にぜひぜひ。
メタル……じゃない!2DステルスADV『UnMetal』が心を掴んで離さんぞ!【爆レポ】
記事はこちら。本作は無実の罪で捕まった主人公ジェシー・フォックスが、とりあえず何でも殴って軍の極秘基地から脱出するステルス2Dアクション。
もうタイトルからして隠す気がありませんが、終始パロディたっぷりで痛快に進むシナリオはセンスの良いユーモアに溢れており、それでいてゲーム自体もよく作りこまれているので遊びごたえがあるのが特徴です。
回想を追う形で進行するストーリーは、時々表示される選択肢によっては、ギャグみたいな急展開になったりもするので飽きが来ません。歯ごたえのあるプレイが楽しめる難易度設定や収集要素など、プレイ周回を重ねるほどより味を楽しめる作りなのもグッド。
また日本語翻訳が大変良い仕事をしているので、ジョークがわかりやすく面白いので安心です。
動画投稿者よ…宇宙を目指せ!ロケット工作シム『Next Space Rebels』は偉大な宇宙開発に至る足跡だった【爆速プレイレポ】
記事はこちら。本作は、打ち上げ動画投稿をアップし始めたアマチュアロケット愛好家の主人公が、制作を通じていっぱしの宇宙開発者になっていくシミュレーション。段階的でとてもわかりやすく、さらに多少の無茶も許してくれる懐が深いロケット制作システムが非常に良く作られています。
またゲーム内で、どこかで見たことのある動画投稿サイトへの投稿やネットにおける人々と交流していると、どこか「リアル」な手触りとして感じて、一瞬ゲームであることを忘れてしまうようなプレイ体験が心を掴みます。
小さな一歩を進めていくうちに、徐々に大きなプロジェクトへと成長していく「流れ」を楽しめるのも本作最大の魅力と言えましょう。
おわりに
1年を通して多くのタイトルに触れてきました。今回の記事で紹介できなかったものもまだまだいっぱいあります。それらについては、またどこかの機会で取り上げることができたら良いな……。ともあれ来年も引き続き多くの作品に触れながら、その魅力を少しでもお伝えすることができたら幸いです。