今後の『ウィザードリィ』は?―過去から現在までの関係者3名に占う迷宮の行方 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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今後の『ウィザードリィ』は?―過去から現在までの関係者3名に占う迷宮の行方

有名ダンジョンRPG『ウィザードリィ』の、『五つの試練』&「ルネサンス」期から『VA(仮)』までの関係者3名による座談会。果たしてどうなる2022年の迷宮事情。

連載・特集 インタビュー
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『ウィザードリィ外伝 五つの試練』

2021年12月17日にSteamにて早期アクセスが開始された『ウィザードリィ外伝 五つの試練』。同作の開始スプラッシュスクリーンで表示される権利表記が2006年のものと変わっていたことに気づいたユーザーもいるのではないでしょうか?

2020年の10月末に『ウィザードリィ』の商標と、一部作品に関わる各種権利を、ゲームポットや、その後に権利を所持していたGMOインターネットより取得したのは『きららファンタジア』の開発や、『ダービースタリオン マスターズ』の開発運営で知られるドリコムです。また、同社は『ウィザードリィ』シリーズの完全新作タイトル『ウィザードリィVA(仮)』を2022年内に展開すべく、開発を進めています。

Steam版『五つの試練』のスプラッシュスクリーン

そこで本記事では、ドリコムの『ウィザードリィ』版権担当者である村山秀幸氏、『ウィザードリィ外伝 五つの試練』の開発者である徳永剛氏、ゲームポットとGMOインターネットでシリーズに深く関わってきたゲームクリエイターの谷内義人氏の3名を迎えて、新たな展開を見せそうな、今後の同作についてを占っていきます。


――今日はお集まりいただきありがとうございます。まず一番初めに参加者の皆様の、今までどういった『ウィザードリィ』に関わってこられてきて、現在どういったことをされているのかについてお聞かせ願えればと思います。

有限会社59 徳永剛(以下徳永)元々シリーズのファンであった自分は、アスキー時代に、PC版の『6』、いわゆる『BCF』からユーザーサポートに携わり、そこから開発へと移って、ゲームボーイの『外伝2』、『外伝3』、スーパーファミコンの『外伝4』、プレイステーションの『ディンギル』と関わってきました。そこでアスキーを退社しまして、その後PC版『戦闘の監獄』、そして今回のものも含む『五つの試練』と続けております。

『ウィザードリィ外伝 五つの試練』

――基本的に『戦闘の監獄』以降は今の基準でいえばインディーデベロッパーとして活動されている感じですね。

徳永はい、そうです。

谷内義人(以下谷内)僕はプレイヤーとしては実は『Wiz』はそんなに昔からプレイしているわけではなくて。最初にゲーマーに人気だった時期には、たまたまコンピュータRPGがまだそこまで流行ってなかったアメリカのど田舎にいたもので…。大きなものとしては仕事での関わりになるのですよね。

『JUNKMETAL』

僕は前前前職で『JUNKMETAL』っていうPCのオンラインゲーム(編注:極初期のMMOFPS作品。日本産でも、あったんです)をやっていたんですけども。それがサービス終了になって、しばらくモヤモヤっとしていたところ、同作の開発プロデューサーだった五井さん(編注:『プロジェクト シルフィード』などのプロデューサーでもある五井智久氏のこと)に、スクエニ出て「『JUNKMETAL』の精神的後継作、やるぜ」って誘われまして。

――『GIGANTOMAKHIA(ギガントマキア)』ですね。αだけで終わっちゃいましたが……!!

『GIGANTOMAKHIA』
『GIGANTOMAKHIA』

谷内「谷内、お前も来い」と。「俺は開発側の方やるから、お前は運営側の方入れ」ってゲームポットを紹介してもらったんですよ。で、ゲームポットに行ったら、なんとそこに『ウィザードリィ』があったっていう。

――この時点では、今回ドリコムさんの継承された権利がアエリアさんからゲームポットへと移ってきた段階ですね。

谷内当時は、岩原さん(編注:後述のゲームポット時代の『ウィザードリィ』シリーズの展開計画においての総合プロデューサー、岩原ケイシ氏のこと)が「『ウィザードリィ』大好きだし、俺がやるぜ」って言ってプロジェクトを牽引していて。僕は別のプロジェクトを見つつ、その新規プロジェクト全体を管轄するマネージャーのような立場でシリーズには関わっていました。

――現在は谷内氏はインディーデベロッパーとして活動されているのですよね。

谷内そうですね。ゲームポットの方も色々あって、2017年頃には名前もなくなってしまって。事業自体はGMOさんの方で引き継いでやっていて、その中に僕もいたんですが2020年に退社しました。その後に、身の振り方を考えた時に『ウィザードリィ』シリーズの1つとして出させていただいた『ウィザードリィ スキーマ』でやり残していた個人的な思いが気にかかりまして。

まあ「魂の浄化」みたいな意味合いも含めて「(精神的な後継作を)やるか」と。個人で開発を進めていて、ちょうど2021年末にようやく表に出たというような。そういう状況ですね。

『Finding Hermit Nilda』

――ブラウザ/モバイル向け作品の『Finding Hermit Nilda』(以下『Nilda』)ですね。この間正式サービスも始まりましたね。

株式会社ドリコム 村山秀幸(以下村山)僕の方は、個人でどうこうというよりは会社としてのお話となります。ドリコムとしては、昨年に『ウィザードリィ』のライセンスを継承させていただきました。そして『ウィザードリィVA(仮)』という作品をドリコム内で開発しております。

IPとしても先人が繋いできた、そのバトンを継承して、『ウィザードリィVA(仮)』を皮切りにこれからも、続いてきたタイトルを、ときには「RPGの始祖」とも呼ばれるような素晴らしいシリーズを、後世に残していければなと考えております。

『ウィザードリィVA(仮)』

僕のドリコム内での立場としては、本来の肩書きとしては「マーケティングデザイン部部長」なのですが、『ウィザードリィ』というIPに関しては、長期的に愛されるIPとして育てていくべき責任者として「Wizardryライセンス責任者」としてやってまいります。

――全員、『ウィザードリィ』との関わりが違う形ですが、シリーズのどんなところに惹かれていますか。

徳永初めに触ったものが衝撃的で、シリーズを好きなあまりアスキーに入社して、それからもう四半世紀を優に超えた開発者人生もずっと『ウィザードリィ』シリーズと共にあるという状態ですから、簡素なものから豪勢になったシリーズの変遷もみてきて、大半は好意的に受け止めていました。ただ、それでも自分が好きなものはシンプルなRPGとしての『ウィザードリィ』で、それが自分が関わってきたものの作りに繋がっています。

谷内プレイヤーとしては割と大人になってからなんですよね、シリーズに触ったのが。なので、ビジュアル的な表現で衝撃を受けることはなくて。きっとかつて多くのプレイヤーに与えた衝撃にはそこも寄与していたと思うのですが、それは自分にはなくて。ただ本当に衝撃的だったのが、いきなり最初の部屋で死んだりして、「どうすんだよこれ」っていう(笑)設計思想でしたね。一般的なJRPGではその考えはご法度ですからね。「どうすりゃいいのこれ」って言われたらダメっていう。

――海外の有名TRPGであるところの『ダンジョンズ&ドラゴンズ』が広く知られているか否かでの国内外でのお約束の有無というのも大きいですよね。

谷内そうなんですよ。お約束が違うんですよね。一度解ってしまえば実のところルールや進捗方法自体は本当に同じようなジャンルのゲームをプレイしてるんだけど、最初に受け取る感覚は全然別物っていう。そういう感触はすごく印象としては残ってますね。

村山自分も正直、『ドラクエ』や『FF』のほうが馴染み深いゲーマーだったので、同シリーズに触れて感じたのは「不便を楽しむゲーム」なのかなという印象でした。

――不便を楽しむ。いい言葉ですね。

村山なんかこう、チーム内のキャラのアライメントがいつの間にか合わなくなっていたりとか、突然罠や呪文一発でほぼ全滅みたいな状態になったりだとか。あとは、宝箱を開けても鑑定しないことにはなんだかわからないことだったりだとか。ある意味、思想として「不便なところを不便なまま楽しむ」というのが『ウィザードリィ』シリーズなんだろうなと感じましたね。

第一印象は「怖っ」だったんですけどね(笑)普通のRPGは大抵何処かポップなのに、キャラクター然り、地下の迷宮観といいなんかハードだという。だから正直、最初に見た時は「怖っ」と思いましたね。

あなたにとっての『ウィザードリィ』って?

――これからのシリーズについて考えていることはありますか?

徳永『五つの試練』を作ったのには、「ユーザーが考えた『ウィザードリィ』」をやってみたいというのが前からあって。自分がずっとワクワクしているのはそこですね。もう自分が作るというよりは、ユーザーから「こういうのが自分にとっての最高の『ウィザードリィ』なんだ」と提示してもらいたいなという。そういう物語をぜひプレイさせて欲しいなと。

Steam版『ウィザードリィ外伝 五つの試練』でもこの15年間のユーザーシナリオが現時点で楽しめる

――その目論見はうまく成功した感じで、15年間『五つの試練』はユーザーから愛されてきましたよね。シナリオの方も基本的にはどのシナリオも独自のものであって、例えば無限に潜れるようなローグライク風のものもあったりとか。本当にもう、こんな可能性もあるんだなと、今回触って感じさせていただきました。

徳永もしそういうところから、また進歩していけるのであれば、シリーズはもっと面白くなるんじゃないかなとは思っています。

――ユーザーの思い描いた「僕の、私の考えた『ウィザードリィ』」というのが、作り手にとっても新しい道を拓けたらなということですね。今回、エディタの方がローンチでは配信できない状況にありますので、そのあたりは改めてエディタのローンチ後に楽しんでいただければ、というところでしょうか。

徳永そうですね。

谷内ユーザーさんに問いかけてみたことがあるんですよ。「あなたにとっての『ウィザードリィ』ってなに?」って。そうしたら皆さん色々と答えてくれて。ちなみに、僕にとっては「面倒くさい親友」っていう表現をしたんですけど。

――「面倒くさい親友」ですか。

谷内親友なんですよ、間違いなく。けど色んな意味で付き合いが大変だという。でも、親友。

この時に頂いた意見で多かったのは「地元の今はもう行かなくなった定食屋」。地元のラーメン屋とか飲み屋とかも。なんか「昔懐かしい原点になるような場所」みたいな雰囲気の答えをされている方が結構いらっしゃったなと思いますね。

僕の周りではゲームをラーメンに例える人が結構多くて、その中でもなるほどなと思ったのは「シンプルな醤油ラーメン」と。

――余計なものが入っていない、シンプル・イズ・ベストという醤油ラーメンですね。本当に思い入れがある、全員に対してそれぞれの思い入れがあるというのが『ウィザードリィ』シリーズなのでしょうかね。

谷内そうなのでしょうね。コンテンツそのものもそうだし、コンテンツに関わる人とか、コンテンツが好きな人とか、周り皆そんな感じという印象ですね。強烈な体験が色々残っているんだと思うんですよね。関わった人、皆。

村山本当にいろんな方の思いや仕事の詰まった「宝物」なのかなと。

――宝物。そうですね。新しく受け継ぐ方からしたら、たとえあちこち綻びが見えていたとしても、ものすごく大切なものを渡されたのはわかりますし。

村山そうですね。世界遺産の管理人になったみたいな気分ですね。

――世界遺産。言い得て妙ですね。

村山多分、ゲーム業界でのある意味、世界遺産のようなものなんだろうなと思ってます。

――世界遺産の中には管理する人がいなくなったり、管理しようにも様々な事情で管理できず消えてしまったものもたくさんありますからね。そうならないことを期待しております。

村山さっき谷内さんからお言葉をいただいた「今はもう行かなくなった老舗」を潰さないように、より人気のあるラーメン屋さんにできればいいなあと思っています。

――それこそ、テレビの「古いラーメン屋さんをリフォームやリノベーションしましょう」番組のような大プロジェクトという感じもありますけれども。それらに関しての具体的なプラン等は進まれている感じでしょうか。

村山まさに設計図を一生懸命書いているところですね。『ウィザードリィVA(仮)』は順調に開発の方が進んでいます。「今年中ぐらいには皆様に遊んでいただけるのではないかなあ」と、開発プロデューサーの金山が申しておりました。

――以前に『VA(仮)』の画面が出てきたときはモックアップ的な形だったと思うのですけども、あれからもう開発の進捗の方もだいぶガッチリと進んで。正式な『ウィザードリィVA(仮)』が裏ではもう形になりつつあるという感じなのでしょうか。

村山そうですね。はい、着々とできております。

「ルネサンス」ってなんだったんだろう

――久しぶりの完全新作『ウィザードリィ』ということで注目もあると思いますので、そういう部分もひっくるめて期待させていただきたいと思います。名前は『ウィザードリィ』でも、ゲームごとに全然違いますからね。例えば『7』なんか、NPCが重要なクエストアイテムを持っていってしまって「ゲームをどうやって進めたらいいんだ」となるのは笑い話として聞く話ですけども。

谷内とはいえ、シリーズには、周辺を取り巻く色々特殊な状況がありますからね。結果として『6』以降は「別のもの」でなければならなかったという。

事情は多少違いますが、実は『ウィザードリィ オンライン』も近いです。『ウィザードリィ』という名前自体はもちろん使っていたのですが。あのタイトルに関して、もう少しいうと当時のゲームポット時代の展開計画であった「ウィザードリィルネサンス」を「ルネサンス」という名前にしたのにはそういう意味が込められています。

『ウィザードリィ オンライン』

なので、『ウィザードリィ オンライン』などは、スピリチュアルな意味で『ウィザードリィ』とは何かというところを当時の岩原さんなりに噛み砕いて、それを反映したものであって、過去作品からの血脈を色濃く受け継いだ延長線上にあるものという思想では作られていなかったのです。

――当時ルネサンスって何だろうと思っていたユーザーさんも結構多いと思うんですけれども。

谷内やっぱり権利関係があんまりクリアじゃなかった中で、シリーズをどうしていくかというとこに対しての一つの取り組み、方向性だったということなんですよね。

『ウィザードリィ オンライン』当時のイベントブースの様子

――ゲームポットさん時代にシリーズが様々な方向に展開していたのもそういう部分がやはりあったのでしょうか。

谷内新しい『ウィザードリィ』というのを提唱していくことに重きをおいたのが『オンライン』ですね。「『ウィザードリィ』をどうしていこうか」というのが割と主語に来ていたんです。

一方で『スキーマ』なんかは、その延長線上ではもちろんあるのですが、また全然違う事情がありまして。実際シリーズのファンの皆さんも「なぜ、あれなんだ?」とすごく思われたと思うんですよ。

『ウィザードリィ スキーマ』

実はあの作品は、大本は別のところからでてきたシステムだったんですよね。当時のゲームポットはPCのオンラインゲーム運営としては十分良い位置にいた会社だったのですけども、時代は既にモバイルやスマホの時代に移りつつあって。結果として、そういう市場で、早く安く、そしてインパクトが出せるものってなんだと言った時に、1つの答えとしてでてきたものだったんです。(編注:わかりやすくいうと、『スキーマ』は、行動結果がテキストベースで展開するのが特徴の放置系RPGでした。『Nilda』では『スキーマ』に近い雰囲気を味わうことができます)

ただ問題点があって、どうしようもなく地味だったんです。でも、地味であるがゆえに『ウィザードリィ』的な世界観を乗っけたら受けるんじゃないかと。それが『ウィザードリィ スキーマ』の成り立ちですね。

『スキーマ』ではキャラメイクではない特殊な冒険者なども登場

――なるほど。では、当時の新しい『ウィザードリィ』として『オンライン』で気を使われたところはどんなところだったのでしょうか。

谷内その名前を使う以上、しょっぱいものは出せないぞっていうのは皆思ってましたね。でも、皆が思う『ウィザードリィ』にしては出せなかったんです。これはもちろん権利の問題もあれば、もう一つの大きな問題として、PCのMMORPGにあったお約束の文法的な部分に、シリーズならではの要素がどうしても載らなくて。

その部分をうまく回避しつつも、PCのMMORPGを『ウィザードリィ』の名前で出した時に、皆の納得感のある仕組みと世界観と触り心地。これをどう実現していくんだというところは、かなり四苦八苦していた記憶があります。

今の時代だからこその「一人称」

――その過程では、大分『ウィザードリィ』について思索を巡らせたものだと思います。実際、皆様は「何があれば『ウィザードリィ』」だと思いますか?

徳永本当に難しいですね。自分には今すぐ答えは出せないです。

谷内人によって本当に違う答えになるんだと思います。ただ、分解していくと、ゲームシステムとしての『ウィザードリィ』、プレイヤーが遊んで感じた原体験としての『ウィザードリィ』、末弥先生のイラストなどのわかりやすい本格的西洋風ファンタジーIPとしての『ウィザードリィ』とかに別れていくと思います。

ただ、僕はその中のどれでもなくて。ちょっと特殊だと思うんですけど、「存在としての『ウィザードリィ』」って言うのかな。ちょっと哲学的な領域になっていくんですけど。

シリーズの特徴としてよく、キャラクターがロストする事が挙げられていますよね。それってキャラクターの「本当の死」なんですよ。冷静に考えると「モンスターを殺しまくるってことは、お前も死ぬ可能性があることだぞ。それを忘れるなよ」というメッセージ性を、さりげなく、でもやりきって、あえて向き合うことをしたコンテンツという意味で、僕の中でひとつの柱として存在している感じなんです、『ウィザードリィ』。

――敵と味方の対称性。プレイヤーと世界の対称性をある程度持ったRPGという感じですね。よく考えるとすごい非対称ですからね、普通のRPGは大体。それでも『ウィザードリィ』シリーズですらプレイヤー有利ですけど。ところで皆様は、いわゆる「3DダンジョンRPG」についてはどう考えていらっしゃるのでしょうか。

村山難しいところではありますけど。人間、俯瞰では物事を実際は見れてなくて。そういう意味で、3DダンジョンRPGは「とことんリアル」というところなんだろうなと思いますね。とことんの一人称視点を感じられるという。

谷内僕の思う3Dって「技術と志向性」なんですよ。『ウィザードリィ』シリーズに限らず、アメリカ人とかが技術的にリアリズムを志向していく中で3Dに傾倒していったと。そして逆にそれが日本においてはシリーズが『ドラクエ』や『FF』ほどには人気が出なかった理由の一部でもあるのかなと。

――一人称3Dであることが最大の魅力であり日本では弱点の一部でもあったと。

谷内きっと時代をあまりにも先取りしすぎてしまったんですよね。いまでこそ3Dの一人称視点は比較的一般化していますが。

――今では皆『Apex Legends』や『マインクラフト』に夢中ですしね。

谷内当時の日本には他がなかったですしね。少なくとも、90年代とかのあまりマニアックじゃない層には。自分から情報を求めて海外のゲームを漁りに行くような人じゃないゲーマーにとっては『ウィザードリィ』シリーズは海外ゲーム的な思想で作られたタイトルの中でも身近に得られるオプションだったと思いますし、それだけに、人によって物凄く深い爪痕を残したのかなと思います。ただ、あくまでメインストリームではなかったと。

徳永そうですね。本当にメジャーじゃなかったですよね一人称視点。色んなところに、新しい企画として、私の好きな3Dの空間のゲームをプレゼンしてきたんですけども、当時はどこもダメでしたね。そういう時代を経て今ですけども。本当に難しかったんですね、3D空間を当時の一般ユーザーが楽しむっていうのは。

――今だとUnityであったり、Unrealであったり、そういったミドルエンジンもあって、すごい3Dのゲームは作りやすくなって皆「3Dだ」って言ってたりしますけどね。一周回って3DダンジョンRPGの類型っていうのは、作りやすいものに思われているような気もしています。

徳永うーん、そうですねえ(苦笑)。時代が変わったのかなあって感じがします。

『ウィザードリィ外伝 五つの試練』

――時代の流れの中で色々と変わっていくものがありますけれど、3DダンジョンRPG作品のメジャーな類型として、酒場で冒険者を集めて、あっちこっちダンジョンに行って、そこでクエストをこなして行くみたいなところはすごい日本人受けが良かったのだろうなとは感じました。

谷内シリーズから日本人受けしそうなところを抽出して、うまく紹介したのが『ドラクエ』ですからね。

――その方向性では特に『ドラクエ3』などが顕著ですよね。ルイーダの酒場でキャラクターを作ってパーティを組んであちこち冒険しよう、ですからね。今だと逆に一周回って、あちこちのファンタジー作品で「冒険者は酒場に集って仲間を集めて、あちこちに冒険に行くもの」みたいな謎の定義があるようにすら思えます。

谷内むしろ今だったら、3Dにしろ冒険者の扱いにしろ、そういう楽しみ方が受け入れられる土壌が広がっているんじゃないかなと思います。その意味で言うと、『五つの試練』に新しい人達がどれだけ興味を持ってくれるかというのは自分も興味のあるポイントです。

それに、それこそ『VA(仮)』も、昔からあるコンセプトを新しい技術で新しい表現にして、世の中にまた問うてやるというのをチャレンジするタイミングとして、非常にいい時代になってるんじゃないかなと感じますね。

――今の時代に、非常にシンプルなものと、ある程度複雑になった豪華なものと、2つの『ウィザードリィ』が、多少間が空いてしまいますが登場するのはすごい興味深いことだと思います。ユーザーさんの反応はすごい気になる部分でしょう。

村山今おっしゃっていただいた通りで、逆に僕ら世代って3Dゲームに結構ついて行けなかったりしたんですよね。『ドラクエ』とかも後年3Dになった際に最初は酔うというか、「目が回るな」みたいな状況になりまして……。ですが今では『原神』しかり、メタバースみたいなものでも、皆さま抵抗なく受け入れられる土壌になっているのかなって思ってますね。

徳永その点だと私の作っているのは色んな意味で古すぎるな、っていうのはあって。『VA(仮)』にはすごく期待しています。もっと進化した形の『ウィザードリィ』をプレイできるんじゃないかなと。

――逆に、古いものが今のユーザーにとってどう受け入れられて欲しいという思いはありますか?

徳永そこは「一部で楽しんで行こうよ」っていう感じですね。

――今まで15年間楽しんでくださったユーザーや、そういった物に興味があるユーザーが今回楽しんで行けるように、という感じですか。

徳永そうですね。この機に戻ってきてくれたりとか。今までを楽しんでもらってくれたユーザーの皆さまもやはり大きな存在です。

――先ほど村山さんが言っていたような、いわゆる「遺跡の管理」ですね。15年物の。

徳永そうですね。

Steam版『五つの試練』には新たに未鑑定アイテムの収集などのコマンドも加わった

――実際、『8』のエンディングの一部があの内容だったので、冒険者(ユーザー)自身が作っていく『ウィザードリィ』というのは一つの到達点でもあるのかなとは思います。エディタが無事出ることを願っています。

現代ならば“ネタバレ”も棲み分けできる?

谷内ところで、ちょっと皆さんにお聞きしたいことがあるんです。

『五つの試練』も『Nilda』もそうなんですけど、ネットで一気にネタバレされることをあまり前提としてないんですよ。されることはわかってるんですけど、まあ別にいいやみたいな。ネタバレ嫌な人はネタバレを踏まないように気をつけて遊ぶ、それができるユーザーでしょっていう前提で。

昔は情報源がなかったんで自分で色々ゲーム内を探すしかなかったし、それも含めて楽しみだったじゃないですか。けど現代では人気があるタイトルであればあるほどコンテンツの内容は瞬時に情報が出回って共有される。そういう難しい時代ですよね。

それを考えると、この時代においてはシリーズの良さの一部が無条件に消されてしまうって考えていて。そこに『VA(仮)』がどうやって立ち向かっていくかってのは、一つ興味があるところです。

具体例を言うと、ひとつはマッピングですよね。『Nilda』もマッピングをすごく楽しんでいる人が多いんですよ。でも、マッピングって時代を経て淘汰されてきた要素なんです。本来は、システム的に自動で描くのをサポートできないから自分でやってというだけだった。

でも、今の時代で改めてマップは自分で手描きで用意してね作ってね、というのを『Nilda』でやってみたら、意外と皆それを楽しんでるんですよ。「そろそろいいかな?」という感じで、描いたものをネットに出して答え合わせしてみたりとか。

ただ、それって、『五つの試練』含めて、個人制作規模のインディーのこじんまりとしたタイトルだからできることだと考えていて。大々的なサービスで「自分で描くのが楽しみですよ」としたとしても、それを担保することができないじゃないですか。瞬時に答えがネットに出てしまって、多くのユーザーはついついそれを見てしまう、目にしてしまう、という感じで。

マッピングだとこういう形ですが、他にもシリーズが持っていた「現代では昔みたいな楽しみ方は無理」みたいな部分にどう立ち向かって行くか、今お話してもらえることがあれば、ぜひ聞いてみたいなっていう。

村山僕はネット上のネタバレって、もはや一周回った状態になってると思ってます。どういう意味かと言うと、今は自分から情報を取りに行かない限り、結構入ってこなくなってるんです。

僕の友達で「鬼滅」をアニメで見るって決めていて、漫画を一切読まない派の人がいるんですよ、たくさん。ですが、なんだかんだと、みんないまだにちゃんと先の内容を知らずに楽しめているようです。僕自身も「東京リベンジャーズ」をアニメで見ることに決めて、一切ネタバレを遮断してるんですが結構いけますよ。

だからネタバレは自分から見に行かないと見えないぐらい、ネットのお作法って良くなっているのかなと僕は思っています。「俺、答え知ってるよ」ってたくさん発信する人も多いと思いますが、受ける側も意図的にそれを見に行かないとそんなに当たらないのかなあと思ってます。

――確かにゲームなんかも、例えば最近だとアトラスさんとかがよく『真・女神転生』や『ペルソナ』でされていますけども、「どこからどこまでは配信やめてくださいね」と言うと、結構ユーザーさん、従ってくださいますからね。

村山そういう風に、結構ネットがいい感じになってるから、コンテンツの情報の伝播による面白さのスポイルはあんまり心配してないです。ディープなところで頑張る人はネタバレを自ら掘って行って、それで頑張る。あえてネタバレを遮断して、いわゆるライトな部分で遊びたいという人はそれで遊べる。みたいな状況になればと思いますね。

――ネットの雰囲気はもう、ある程度メーカーさんからのお願いという形で調整できる部分はあると思って、そういうので対応されていきたいという感じですね。

村山そうですね。

――すごいハードコア、昔ながらなところに魅力のあるシリーズではあるので、同じコンテンツでもユーザーさんの楽しみ方が上と下で相当に幅が違うんだろうなというところは、『五つの試練』にしても『VA(仮)』にしてもこの先の課題の一つとしてあるのかなと思っております。頑張ってください。

「マッピング」から見る“世代感覚”

『五つの試練』より。マッピング必須の迷宮は世代を超えて楽しめるのか?

――ところでマッピングの話に戻りますが、アトラスさんの『世界樹の迷宮』なんかもマッピングがすごい特徴的なシリーズでしたけど、あれもメインストリームとなるハードが変わっちゃって、次を出そうにも大変なんだろうなあという部分もありますよね。プレイヤーとしたら3DS時代のあのシリーズぐらい気軽にマッピングできたらいいんですけどね。紙じゃなくても。

谷内マッピング、迷路が難しいって、シリーズの面白さを醸成する一つの要素だと思うんですけども、それを楽しいって思う人って今どのぐらいいるんだろうなって、素朴な疑問としてありますね。

――たとえ自分は楽しいと思っていても、ユーザーがどう思うのかっていうのが、ゲーム開発側としてはジレンマでしょうね。

谷内こういう言い方するとあれですけど、(自分たちのような)年寄りは現実に今みたいな便利なマップがない時代で育ってるんですよね。当然スマホもなければ、Googleマップもなくて。今自分がどこにいて、どっちの方向を向いていて、目的地がどこにあるみたいなのって、基本わからなかったじゃないですか。

地図を見て、たぶん今自分はこの辺にいて、多分あっちの方角で、みたいなのを色んな目印と照らし合わせながら考えて。実際に歩いてみたり、車で走ってみたりしてみて、「ここだ」って言ってそこにちゃんと着いたとか、「あれ?着かなかった」とか。着いたときは凄い楽しくて嬉しかったですよね。

けど現代では、その体験をすることがまずないんですよ。だから、きっとその楽しみがそこにあることを知らないと思うんです、若い世代は。だからそれをゲームに落とし込んだところで、そこに楽しみがあると知らないから、理解してもらえないみたいなのがあるんじゃないかと考えていて。

これはもう単純に、世の中が便利になりすぎてしまったがゆえに失われた感覚ではあるのだと思います。年寄りはその感覚を覚えているけれども、若い世代はその感覚がきっとないっていう。

感覚が、体験が共有されていないので、僕のような年寄りがゲームを作れば作るほど、「暗闇の中を手探りで右に道がある、みたいなのを一つずつ探っていくのが面白いんだよ」と言っても、それが若い人に伝わらないんじゃないかと怖いんです。

――そういう世代感覚の違いが「怖い」というのはベテランの開発者皆あるんじゃないかなと。けど、やっぱり右も左も分からないところで、自分だけの感覚を頼りに一歩一歩先に進んでいく。これっていうのは、古臭い作りでないと味わえない感動体験ではあるんですよね。

谷内多分、『五つの試練』の方はそういう楽しみを知っているユーザーさんに、思った通りの楽しみを提供するというのが使命だと思いますし、それはできると思います。一方で『VA(仮)』でその辺とどう向き合っていくかというのは、挑戦しがいがあるところですよね。『VA(仮)』が「コアなファン層よりは広めのところを狙っていく」というならですけども。

――そういうところも楽しみといえば楽しみですね。もちろん「マッピングできます/できません」が、「オプションで切り替えられます。やりたい人はやってね」でも現代的で別にいいのだと思うのですけども。

「歴史と未来」を見据えながら

――これまでシリーズに関わってきて、もしくはこれから関わっていく上にあたっての想いとか考えとか皆様にはございますでしょうか。

徳永実のところ、ゲームボーイの『外伝2』の頃に、アレで基本はもう終わっちゃったと思ってたんですよね。「ベーシックなものは、もうこれで最後だろう」と。でも、そこから更に続けることになって『外伝3』『外伝4』『ディンギル』と色んなことにチャレンジしてきました。

ただ、中にはあまりユーザー受けが良くない部分もあって、そこを『戦闘の監獄』でまたもとに戻す、という形を取ることになったので、今でも「ユーザーの心をつかむのは難しいな」と思っています。

今後については、ただ「いい意味で発展して欲しいな。シリーズの存在が残っていて欲しいな」って思いますね。

――ミームとかは残ったとしても、「『ウィザードリィ』ってどんなゲーム? 知らないんだけど」って誰に聞いても言われる未来は余り想像したくないですからね。

徳永そうですね。タイトルを言って「ああ、あのゲームだ」っていう、新たな風が欲しいです。

――『VA(仮)』が新生させてくれることに期待しましょう。もちろん、これからなにかあって、フラッグシップになるようなものが別途出てくるのでもいいかもしれませんし。

徳永そう思います。

谷内『ウィザードリィ』の一般的なイメージに忠実に、「『ウィザードリィ』シリーズってこういうゲーム性だよね」っていったものは、当時、版権がゲームポットに来る前からプロジェクトとしては動いてたものがあって。

そういったタイトルが、当時の「想い」を、「せめて日本で『ウィザードリィ』を生かし続ける」っていう使命を負って、やってくれていたのかなという風に思うんですよね。その一端の終着点が『五つの試練』の2006年版ということでもあったと思います。

そして、それらがあったからこそ、当時のゲームポットとしては『ウィザードリィ』をもっと広義に捉えた時にどういう形がありえるのかと考えて、『オンライン』だ、ルネサンスだという風に取り組むことができたと思っています。残念ながら、それが世の中にどれだけ根付いたかと言うと……IPの歴史の1ページにはなってはいるんですけども(笑)

ただそれでもIPの持つ特別感みたいなものは、ある程度バトンを引き継いで、今回ドリコムさんに渡すまでそのまま保存することができたんじゃないかなとは思っています。

IPとしての『ウィザードリィ』の最後の大規模な展開からは相当な時間が経ってしまっていますが、こうやって『五つの試練』を「新しい環境で遊べるように」と言って用意してくださった方々や、『ウィザードリィVA(仮)』を「新しい『ウィザードリィ』に挑戦するぜ」と言ってやってくれる方々がまたいたりとか。

それは、今までシリーズに今まで関わってきた身としても、いちゲームファンとしても非常に嬉しいですし、とてもありがたいなと思っていますね。

村山キーワードとしては、「歴史と未来」とを両方見据えながらやって行かなきゃいけないかなあと僕的には考えています。

このIPをまさに「老舗の食堂」だとして、既存のお客さんだけを楽しませようという考えではどんどんお客さんは減っていくと思いますので、未来を見据えて新しいお客さんにもリーチして行かなければいけないと考えています。だからといって、歴史を無視してはいけないというのはもちろんです。

そこで重要なのは「敬意」だと思っています。今までこうやって歴史を築いてくださった皆さまと、そしてそれを楽しんで支えてきたユーザーの皆さまへの敬意と。

その敬意の中には、いずれ多くの新しいお客様がシリーズを遊んでくれるようになったら、今までシリーズを愛して下さっていた皆さまが彼らに「ね、ほらこのシリーズいいでしょ?」って素直に言ってもらえるようになりたい気持ちもあります。

もちろん、そこで今までシリーズを愛して下さっていた皆様に「ほらいいでしょ?」と他人に勧めてもらえるようにするためには、ここに至るまでの歴史にもきちんと敬意を持って大切にしなきゃいけないと思っています。

そういう意味で「歴史と未来」とを両方見据えながら今後を進めていければいいかなという風に思っています。

――歴史と未来ですね。とても重要なポイントだと思います。

村山ある意味あれですよね。ここにいる皆さまを含め色々な方が携わってきた、『ウィザードリィ』そのもののIPとしての歴史自体がRPGみたいなものなのかなという気も。

『ウィザードリィ外伝 五つの試練』

――ところで昔の歴史、といえば。今までの作品の中で、すでに以前より英語版の再販が行われている『6』~『8』などの日本語展開はあり得るのでしょうか。

村山ユーザー様からの要望が熱いようであれば考えさせていただきますね。

――また、これからの話として。ドリコムさんとしてはおそらく今回の『五つの試練』は時期的にイレギュラーだったと思うのですが、今後も改めてサードパーティのデベロッパーと協力しながら、ドリコムさんが作るタイトルとは別のラインをどんどん作っていく可能性はあるのでしょうか?

村山そうできたら嬉しいですね。

――そこについてはオープンで行きたいと。

村山はい。

――色んなメーカーさんも「ライセンスしてるんだったら『ウィザードリィ』を作りたい」というところも出てくるかもしれませんからね。

村山そうですね。今日のやり取りでも三者三様の『ウィザードリィ』観を見られましたし、色んな方が考える『ウィザードリィ』があってもいいのかなという風には思います。

――最後に、今年の抱負について教えていただけますと。

村山やっぱり『ウィザードリィVA(仮)』ですよね、今年の肝は。色々と記念になるようなものが作れたらいいなと思っています。

――全貌が明らかになるのをお楽しみに、というところですね。

谷内このシリーズを、「このゲームシステムで、こういう流れで」みたいな枠に収めて固執してしまうと、どうしても広がりがなくなってしまうので、「大事なものはこれだけれども、それ以外のところは色々とできるよね」という幅広さみたいなものは、どんどん出していって欲しいなと思いますね。今後の『ウィザードリィ』シリーズに楽しみが持てます。

勿論狭義のものに固執するようなものがあってもいいと思うのですが、そうじゃないところを、『VA(仮)』を含めた今後のドリコムさんのラインナップに期待したいなと僕は思っています。

徳永私はその固執しているほうなのだと思いますが(笑)本当でしたら、もっと内容を進化させていきたい、見せ方も遊び方も違ったものを見せていきたいって意志はあります。進化したものをぜひ作らせて欲しいなとは思います。

ただ、現状では、15年間皆が愛してくださったシンプルな内容に近いものを、シナリオエディタなりを含め今後も末永く楽しめるように残していければなと。

――まだまだ相当先の話だとは思いますが、『五つの試練』が落ち着いた後にまた別の『ウィザードリィ』を作ってみたいとは?

徳永そうですね。作るとしても『五つの試練』とはまったく違ったものにはなると思いますが。ただ、もうそれが『ウィザードリィ』である必要もないかなーと。そろそろ違ったものを作りてぇ……作りたいですね(笑)

一同(笑)

――長年縛りつけられたんで、そろそろ解放されていいかなと、そういうやつですね。

徳永もうそろそろ、ちょっと……ね(笑)

――ある意味での餞別のようなものになれるといいですね今回の『五つの試練』。開放されるのはまだまだ相当先だとは思いますが(笑)ところで谷内さんは、もし、今また『ウィザードリィ』作っていいよ、と言われたならいかがでしょう?

谷内ものすごくチャレンジングですよね。今まさに、ドリコムさんも悩んでいらっしゃるところだと思います。歴史があって、でも歴史に縛られず「これから」も考えていかなきゃいけないという。『ウィザードリィ』以外でも生じる状況ですが、それでも、すごいプレッシャーだと思います。

僕は僕で、もうそういうプレッシャーのないところで自由にやりたいな、と(笑)なので、他の方の作る『ウィザードリィ』に期待しています(笑)

――もう作る側には回りたくないです、ってやつですね(笑)

一同(笑)

――けど、皆、難しい、大変だ、などと言いながらツンデレしながら作っちゃう人もいるかも知れませんし。これからもそうやって、色んなデベロッパーの方が色んな『ウィザードリィ』を色んな形で世に出して行くと思いたいですね。そんな未来に期待しながら、皆様、今回はありがとうございました。


ウィザードリィVA(仮)』は2022年内にモバイル向けにサービス開始予定。『ウィザードリィ外伝 五つの試練』はSteamにて早期アクセス実施中です。

また、今回ご協力下さった谷内氏が手掛ける『Finding Hermit Nilda』はブラウザ/モバイル向けにサービス中です。

《Arkblade》
Arkblade

関連業界のあちこちにいたりいなかったりしてる人 Arkblade

小さいころからPCゲームを遊び続けて(コンソールもやってるよ!)、あとは運と人の巡りで気がついたら、業界のあちこちにいたりいなかったりという感じの人に。この紹介が書かれた時点では、Game*Sparkに一応の軸足を置きつつも、肩書だけはあちこちで少しづつ増えていったりいかなかったり…。それはそれとしてG*Sが日本一宇宙SFゲームに強いメディアになったりしないかな。

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