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『クロノ・クロス』ならではの“仮定法過去”とは?繰り返しの対比も要注目【ゲームで英語漬け#95】

現在、過去、未来、文章にも面白い仕掛けがありました。

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『クロノ・クロス』ならではの“仮定法過去”とは?繰り返しの対比も要注目【ゲームで英語漬け#95】
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『クロノ・クロス』には個性の塊のようなキャラクター達や、改めて読むとはっとする言葉の数々がたくさん登場します。あの名台詞はどんな英訳か、キャラクターの口調はどうなっているのか、今回は序盤の蛇骨館までからピックアップします。

Reading -Arni village~Viper Manor

Leena(Home):
In 10, 20 years... when we’re all grown up and married, and have kids of our own...
When that time comes, I wonder what kind of adult we’ll be.
What kind of life will I be leading...?

10年後、20年後…成長して結婚して、子供を持って…
そのとき、わたしたちはどんな大人になってるのかな。どんな人生を送ってるのかな…

Leena(Another):
That boy...I guess I kinda liked him...
If that boy were still alive today, I wonder what would’ve become of us.

あの男の子…たぶん好きだったんだと思う…
あの子が今も生きていたら、わたしたちどうなってたのかな。

セルジュの幼なじみレナは、ホームとアナザーの違いを最初に突きつける役どころ。ホームに於ける浜辺のシーンでは“I wonder what will”で現在からの未来を想像します。アナザーの方では“If ~ were, I wonder what would ~”の仮定法過去で、過去の出来事が違っていたらと考えます。同じ文のバリエーションによって、ホームとアナザーの対比になるのです。

Luccia:
I cannot leave right now, but kom by vhen you need my help. I am villing to help you.

研究者のルチアナはドイツ語風の発音が混ざります。「W」を「V」に、「TH」を「D」に、「Come」を「Kom」に、やや語気強めをイメージすると良さそうです。

Pip:
My dweam is to sail de vast sea someday on a big huge ship.
Would you mind opening dis cage quietwy?

ツマルのユメはおっきなふねで ひろいうみをたびすること。
このおりのカギを こっそりはずしてくれない?

謎の生命体「Pip」(ツマル)は生まれたてらしく、舌っ足らずの幼子のようなしゃべり方をします。「R」「TH」の発音が出来ないので「W」「D」に置き換わっています。

Harlequin:
Je m’appelle Harle.
I am ze right-hand harlequin to Monsieur Lynx.

「ツクヨミ」は日本神話由来なので、英語名は「Harlequin」、いわゆる道化師に変更しています。名前が変わっても金属バットは振り回しません。彼女はルチアナと同様フランス語風の口調で、“Je m’appelle ~”(わたしは~です)とフランス語そのままも飛び出します。英語では「ハーレクイン」ですが、フランス語では「アルルカン」と読み、最初に名乗る「Harle」は「アルル」と呼んだ方がらしいでしょう。主人公セルジュを誘惑する「アルルの女」にも聞こえますね。

If you lie down wit’ dogs you will surely catch fleaz, non?
こんなのと一緒にいたら絶対ロクな目に遭わないよ?
原型は“If you lie down with dogs, you will get up with fleas.”(犬と一緒に寝れば起きるとノミが付いてくる)。「Dog」=悪い連中と一緒にいると悪い影響を受ける、悪いことが起きるということわざです。

Kid:I’m gonna kick yer arse so hard, you’ll kiss the moon!
Harle:You are ze one who iz going to have her derrière kicked!

てめーなんか月にキスするまでぶっ飛ばしてやる!
ぶっ飛ばされんのはあんたの方さ!

キッドの決め台詞「月までぶっ飛ばす」にスラング“Kick your ass”が加わって荒っぽさが増しています。これにツクヨミが“have her derrière kicked”(derrière = ass)とやり返すのですが、“have(get) one’s ass kicked”で「惨敗する」の意味があり、キッドと対になる存在という意味でも上手い翻訳だと思います。

Au revoir, mon Serge! See you again!
And Serge, pleaze dream of moi! Oui?

オルヴォワール、セルジュ! また会いましょ!
あたいの夢を見てね! ウフッ!
「名探偵ポアロ」でもありましたが、英作品では「Mon」「Moi」などの簡単なフランス語は誰でも知っているものとして時々登場します。

LYNX:
Now, Serge... What do you desire from this world?
Do you wish to live again?
Do you want to erase your demise from the page of history?
Listen to me... The end of the human world is nigh!
When this time comes, Serge, there shall be a deep enmity between you and the world!
This is not speculation or prediction... This is history!

さあ、セルジュよ…お前はこの世界に何を望む?
もう一度生き返りたいか?
お前の死を歴史のページから消し去りたいか?
聞くが良い…人の世の終焉は近い!
そのとき、お前と世界の間に深い憎しみが横たわるだろう!
これは予測でも予言でもない…歴史だ!

セルジュを捕まえようとする謎の男、ヤマネコ。このなかの“When this time comes,”は最初のレナの台詞“When that time comes,”に揃えてありますね。日本語でも「そのとき」で合わせていますが、ワンフレーズなのでより対比が際立ちます。レナの時は不確定の未来を想像していたのが、ヤマネコは未来は既に確定していると断言しているのです。

Now come to me, Serge!
The Assassin of Time... THE CHRONO TRIGGER!!!

私と共に来い、セルジュ!
時の刺客…クロノ・トリガーよ!

Impressive Phrase: The sea never changes, does it?

It’ll probably keep rolling in and out, in and out, long after our lifetime...
Without a single change...

きっと、わたしたちの人生が終わったずっと後も、寄せては引いて、寄せては引いて…
何一つ変わらずに…

『クロノ・クロス』を貫く軸として「海」と「生命」の繋がりがあります。海という存在は惑星の原初から数十億年も変わらず在り続け、生命の趨勢を見守ってきました。“It’s probably seen many things... Heard many things...”とレナは言いますが、海はどれほど多くのものを「見聞き」してきたのか、それに想いを馳せることが、本作の物語を読み解く鍵となるでしょう。



《Skollfang》
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