6月2日、パブリッシャー・RawFuryとブラジルのインディーゲームスタジオOTAIMONStudiosが、メカバトルRPG『Wolfstride -ウルフストライド-』の日本語版をスイッチ向けにリリースしました。この発売にあわせ、Steam版でも日本語ローカライズのアップデートが実施されています。
もともとは5月12日リリースと発表されていたものの、直前で延期が決定。約1か月の間が空いて待望のリリースを迎えました。巨大ロボが好きなゲーマーは首を長くして待ったことでしょう。そんな待望のロボット戦術RPGを、プレイレポートとしてご紹介します!
ケンカとお金は切っても切れない関係
・前進か、後退か。駆け引きと泥臭い殴り合い。
『Wolfstride-ウルフストライド-』はターン制RPGの形式で巨大メカを操って戦います。移動出来るパネルは一列だけ。ダメージ覚悟で前進か、間合いを取るため後退か、シンプルな駆け引きが行われます。パネルには攻撃ボーナスパネルも設定されており、如何にこのパネルの上に居座り続けられるかも重要です。プッシュで相手を押し除けたり、攻撃スキルで相手を殴り飛ばしたりしてボーナスパネルを維持しましょう!
攻撃・防御などのスキルはAP(アクションポイント)を消費して行う形式。攻撃系スキルには近・中・遠と距離が設定されており、相手との距離によって使い分ける必要があります。スキルの中には敵の防御を削ったり、後ろのマスに吹き飛ばす追加効果を持つものもあるので、自分のプレイスタイルに合わせてスキルを装備しましょう。強力なスキルほどAPの消費が多く、クールタイムが発生するので注意!
両腕、頭、胸部の各部位にHPが設定されていて、先に相手の胸部HPを0にした方が勝利。両腕、頭を破壊すると、部位に対応した技が出せなくなるため、相手の主力パーツを壊しつつ、自分の主力パーツを壊されないようにガードを駆使して戦う戦術も求められます。
ですが……どうせ避ける手段が少ないなら、難しいことは考えないほうが良し!戦術と書いて<ステゴロ>と読め!泥臭い殴り合いこそ、バトルの真髄です!
これも全ては一攫千金のため…バイトで修理費を稼げ!
主人公の“ドミニク・シェード”たちは弱小チームです。プロローグで大破してしまう巨大メカ「カウボーイ」の修理もままならないほど、お金がありません。
そのため、資金稼ぎとして必要になるのが街の各所で受けられるバイト(ミニゲーム)です。最初は自転車を使って荷物を届けてお金を稼ぎます。内容は道端にいる防護服に中身の分からない荷物を渡す、というもので……危険なニオイがしますが、背に腹は替えられません。
得られる報酬は雀の涙ほどですが、回数制限がないので、時間の許す限りバイトを受けられます。意外とこのミニゲームが面白くて、つい熱中してプレイ進行が止まってしまうほどでした。
ストーリーを進めると、メカのパーツショップとスキルが販売されます。ここでもお金が必要なので、やはりバイトをする必要が。
一攫千金を夢見て巨大ロボで戦ってるのに、目の前の資金不足のために奔走しないといけない……なんとも世知辛い世の中です。しかしがんばった分だけ良い装備を手に入れて、敵メカを圧倒する快感は最高の一言です。
最高<ファッキン>な仲間たち
本作で語られるのは、「GW」と呼ばれる友人が遺していった巨大ロボ「カウボーイ」で大会で優勝し、一攫千金を狙う元犯罪者3人のストーリーです。
口が悪いが小心者、常識人枠で苦労人のメカニック担当の犬「デューク」。なんだかんだで面倒見が良く、レパードの保護者のような立ち位置でもある32歳です。
お気楽陽気な性格で、アニメが大好きでロボにも喜んで乗るパイロット担当「ナイフ・レパード」。ロボに乗ってるときとオフのときの顔がまったく異なる、ギャップが面白い男です。
そしてプレイヤーが操作することになる、咥えたばことサングラスがトレードマークの元ヤクザでなんでも屋の「ドミニク・シェード」。資金繰りから修理の雑用、時には料理(ミニゲーム)まで、あらゆることをこなしてチームのマネジメントを担います。
腐れ縁の男たちが集まって、軽口やスラングを言い合いながら、バカなことをやっている。そんな姿は青春部活モノをみているような微笑ましさがあります。
スネに傷を持った男の哀愁にキュンとくる
決して男がバカ騒ぎするだけでは終わりません。過去との向き合い方を迫られるシリアスな場面も描かれます。ドミニク・シェードはいつも不敵に笑い、何事も恐れない男です。ですが、ふとしたときに見せる「弱さ」が彼の人間性と魅力を引き出してくれます。
シナリオのネタバレとなるので詳細は伏せますが、いずれもシェードの過去に関係するもの。過去の影がチラつくと、普段見せない沈んだ表情を見せてくるシェード……彼が思い返している記憶も気になりますが、このギャップある姿についつい感情移入してしまいます。
なぜ彼は過去から逃げるような行動をするのか、物語の中でどう過去と折り合いをつけていくのかが見どころです。
巨大ロボのバトルだけでなく、ストーリーにも力が入っているのが分かる『Wolfstride -ウルフストライド-』。ニンテンドースイッチ版は1,780円、Steam版は1,520円で配信中です。ぜひプレイしてみてください。決してムービーシーンはスキップしないように!
対応機種:PC(Steam)/ニンテンドースイッチ
記事におけるプレイ機種:ニンテンドースイッチ
発売日:2022年6月2日
記事執筆時の著者プレイ時間:6時間
価格:1,780円