気分は「紅の豚」!WW1の空中戦をテーマにした名作ボドゲのデジタル版『Wings of Glory』の魅力に迫る!【デジボで遊ぼ!】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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気分は「紅の豚」!WW1の空中戦をテーマにした名作ボドゲのデジタル版『Wings of Glory』の魅力に迫る!【デジボで遊ぼ!】

今回は、第一次世界大戦時の空中戦をテーマにした名作ボードゲームのデジタル版『Wings of Glory』をお届けします。

連載・特集 プレイレポート
気分は「紅の豚」!WW1の空中戦をテーマにした名作ボドゲのデジタル版『Wings of Glory』の魅力に迫る!【デジボで遊ぼ!】
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デジボで遊ぼ!」ではボードゲーム要素やカードゲーム要素、テーブルトークRPG(TRPG)要素のある魅力のデジタルボードゲームを特集。今回は、第一次世界大戦時の空中戦をテーマにした名作ボードゲームのデジタル版『Wings of Glory』をお届けします。

本作はDire Wolfによって、2022年7月22日にSteamで配信されました。元となるボードゲームは、2012年にAres Gamesから出版されました。基本ルールブックがあり、別売りの戦闘機フィギュアを追加することでいくらでも拡張できる、テーブルトークRPGのような柔軟性のあるシステムになっています。

戦闘機フィギュアをテーブル上で動かし合って対戦するというのは子供心がくすぐられますね。戦闘機マニューバの「インメルマンターン」(上昇してUターン)なども使えますので、宮崎駿監督のアニメ映画「紅の豚」などが好きな人にも楽しめるとは思います。

本作はそんなボードゲーム版を、「できるだけ忠実に」デジタル版へと移植した作品とのこと。大型ゲームなので、準備に時間の掛からないデジタル版は便利ですね。一体どんなゲームになったのか、早速プレイしていきましょう!

敵の動きを読め!

ゲームモードには「チュートリアル」「ローカルプレイ」「オンラインプレイ」の3種類があります。基本的には「読み合い」を重視した対戦ゲームなので、最終的にはAIとプレイするよりも人間相手の方が楽しめるとは思います(オンラインプレイはアカウント登録が必要)。まずはチュートリアルから始めましょう。

ゲームはフィールド内(白枠内)で、戦闘機同士のドックファイトを行います。敵に撃墜されるか、フィールドの外に出たら、その時点で敗北。実際のボードゲームだと、戦闘機フィギュアがそこそこ大きいので、それなりのテーブルの広さが必要になります。

敵機はドイツの三葉機・フォッカー Dr.I。撃墜王「レッド・バロン」ことマンフレート・フォン・リヒトホーフェンが愛用していたことでも知られます。自機はイギリスの複葉機・ソッピース キャメル。レッドバロンは最期、ソッピース キャメルの編隊に撃墜されたので、因縁の対決とも言えます。

戦闘機をどうやって動かすかと言えば、画面左に並んでいる行動カードから3枚を選びます。選んだ順に、カードに書かれた矢印通りに戦闘機が飛行。ちなみに戦闘機の機動のことを「マニューバ」と言います。

ゲームでは互いに3枚の行動カードを、対戦相手に見えないように選び、同時にオープンします。相手の側面や背面に回り込めば一方的に攻撃できますので、相手がどういう動きをするのかを読むことが重要ですね。「AI戦より対人戦の方が面白い」というのもこれが理由です。

行動カードは、戦闘機の種類によってデッキが違います。小型機は小回りの利く行動カードが入っている一方、大型機は急旋回カードが無いなど、機体によって特徴が異なります。動きで相手を攪乱するか、火力で押し切るかなど、自分のプレイスタイルに合った機体を選ぶと良いでしょう。

3枚の行動カードを選び終わると、自機と敵機が同時に動きます。敵が左へターンしたところで、こちらの射程範囲内に入りました。攻撃範囲には遠距離(黄色)と近距離(赤色)があります。画像は遠距離なので、攻撃カードデッキから1枚引き(近距離は2枚引く)、カードに書かれているダメージを相手に与えられます。

攻撃カードも、行動カード同様、機体によってデッキが違います。それと、機体の左下にある数字はHPで、0になると撃墜。互いに射程内に入った場合は、双方の攻撃を行った後に、撃墜判定をします。前述したように、背後から攻撃すれば、反撃を受けずに済みます。

敵がこちらの背後を取ろうとしています。普通にターンをしていると間に合いません。ここで、一気に方向転換する「インメルマンターン」を使います。直進後に「インメルマンターンカード」を使うことでUターンが可能です。

ちなみにインメルマンターンは、第一次世界大戦で活躍したドイツのパイロット「マックス・インメルマン」が編み出したマニューバであることから、その名が付けられました。生涯の撃墜数は15機ほどと言われており、パイロットとして初めて「プール・ル・メリット勲章」を授けられました。以後、この勲章はインメルマンの名前から「ブルー・マックス」とも呼ばれるようになります。

インメルマンターン成功!敵を射程範囲内に捉えました。攻撃カードにはダメージの他に、「特殊ダメージ」が書かれていることがあります。今回は特殊ダメージ「ジャム」。これは敵側ではなく、「自機の機関銃がジャムった状態」になったということです。「敵へのダメージが0」な上に、「次のターン、攻撃できなくなる」という、踏んだり蹴ったりのペナルティです。敵の射程内にも入っているため、この後、2ダメージを受けました。形勢逆転ならずでしたね。

ひたすら逃げ回りつつ、機会を伺って近距離からの射撃。攻撃カードで「爆破カード」を引き当てました。これは相手を一撃で倒せるという、一発逆転のクリティカル攻撃です。敵の反撃でこちらが落ちなければ、試合には勝利。果たして結果は……。

敵の反撃で撃墜されなかったため、見事勝利となりました!相手の行動を読んで回り込んだりなど、ドッグファイトの楽しさがあるゲームですね。次も頑張っていきましょう。

機体やパイロットの能力を使いこなせ!

次のステージは、イギリスの爆撃機・エアコーDH.4を使います。先程の機体と違って、左に並ぶ行動カードの種類がかなり限られていますね。45度ターンもありませんし、インメルマンターンも使えません。機体の頑丈さと、火力の高さで補っていくのが良いでしょう。大型機はパイロットが2人いるので、後方への射撃も可能になります。

敵は2機。ドイツの複葉機・フォッカー D.VIIです。自機は先程のように、敵の背後に回り込んだりといった器用なことのできる機体ではないので、正面から叩いていきましょう。敵が2機とも射程内に入った場合、どちらを撃つかを決められます。

左側の敵機を攻撃したところ、パイロットに特殊ダメージを与えました。インメルマンターンやスティープターン(45度以上のターン)後の射撃ができなくなります。しかし反撃として、方向舵への特殊ダメージを食らいました。次のターン、左旋回不可となります。

中央を突っ切り、後部機銃の射程範囲で敵を再度捉えました。左側の敵機に攻撃したところ、特殊ダメージ「発火」が発生。3ターンの間、ターン終了後に継続ダメージが入ります。RPGで言う「毒状態」ですね。この後、ゴリ押しで敵機2機の撃墜に成功しました。

本作では機体性能以外に、操縦するパイロットのスキルも戦闘に関係します。画像は「ラッキーパイロット」というスキル。1ゲームに1回だけ、敵からダメージカードを貰う時、1枚捨てて無効化できます。不利益な特殊ダメージカードを引いた時に使うと良いでしょう。他にも、ヒットした時に1ダメージ追加できる「パーフェクトエイム」(3ターン後に再使用可能)などがあります。

対戦前には、自機とパイロットを選択可能。最初から用意されている歴史的エースパイロット以外に、自分でカスタムパイロットを作ることもできます。画像の人物はドイツの撃墜王・マンフレート・フォン・リヒトホーフェン。第一次世界大戦で最高の撃墜数保持者です(公認撃墜数80機)。

機体を真っ赤に塗装していたことから、「レッド・バロン」や「ディアブロ・ルージュ(紅の悪魔)」などと呼ばれ、恐れられていました。「紅の豚」のモデルとも言われており、ガンダムの「赤い彗星」ことシャア・アズナブルのモデルとしても知られています。エース・オブ・エースの貫禄がありますね。

特殊条件の任務をこなせ!

本作では、プレイヤーは複数の戦闘機を操作することもできます。その場合、2機の行動カードをそれぞれ選択しなければなりません。分かりやすいように同機種で組んでも良いですが、互いの弱点を補うように違う機種を組み合わせても良いでしょう。多数の戦闘機が飛び交う戦場は、爽快感がありますね。

戦闘任務は、敵機の撃墜だけではありません。画像は、地上の敵拠点を攻撃する任務。敵にこちらの拠点を破壊される前に、任務を達成する必要があります。地上からの反撃もあるので、慎重に攻め込みましょう。

爆撃ポイントまで爆撃機を向かわせる任務。到達して爆撃した後、スタート地点まで引き返して、フィールド外に撤退すれば任務完了です。敵を撃墜する必要は無いので、爆撃が終わったら、さっさと離脱しましょう。

爆撃だけで無く、偵察任務もあります。内容は爆撃任務とだいたい同じで、偵察ポイントまで接近して写真を撮った後、フィールドを離脱すれば勝利です。偵察用機体は、小回りは利きますが、爆撃機に比べて耐久力と火力は低いので、慎重に近づいた方が良いでしょう。

ソロプレイでは、対戦モード以外に「チャレンジモード」も用意されています。様々な条件下でミッションをクリアしていくという内容。対戦に飽きたら、腕試しにプレイしてみるのもいいかもしれません。

パーティーゲーム感覚のドッグファイト

本作は、やはり対人戦がメインになるとは思います。相手のマニューバを読み、先回りして背後を取ったりなど、作戦が上手くいくと嬉しいですね。ボードゲームの方は、拡張として第二次世界大戦を舞台としたものや、地球に攻めてきた宇宙人相手に戦うといったものも(『Hearts of Iron』シリーズでそんなMODがありましたね)。同システムを使ったボードゲームとしては、ナポレオン時代を舞台に帆船同士が海で戦う『Sails of Glory』も販売されています。

本作では3v3までのプレイが可能です。たくさんの機体が飛び交う戦場は賑やかで良いですね。パーティゲーム感覚でプレイできるとは思います。ボードゲームの方は特に制限も無いので、みんなで機体を持ち寄って、大規模なチーム戦やサバイバルマッチを楽しむことも可能。現在、日本語サポートはありませんが、ルールさえ分かればプレイに支障は無いとは思います。第一次世界大戦時のドッグファイトや、「紅の豚」が好きな人は、本作をプレイしてみるのもいいかもしれません。

製品情報

『Wings of Glory』
開発・販売:Dire Wolf
対象OS:Windows、macOS
リリース日::2022年7月22日
通常価格:1,520円
サポート言語:英語、フランス語、イタリア語など5カ国語
ストアページ:https://store.steampowered.com/app/965620/Wings_of_Glory/

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《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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