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団結すれば「クソゲー」だって攻略できる!?ローグライトACT『いっき団結』CBTプレイレポ

「元祖クソゲー」は団結の力で「神ゲー」となりえたでしょうか?

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団結すれば「クソゲー」だって攻略できる!?ローグライトACT『いっき団結』CBTプレイレポ
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2022年内のPC(Steam)版リリースへ向けて開発中の、サンソフトによる迷作アクションゲームリメイク『いっき団結』。そのクローズドβテストが10月7日~10月9日にかけて行われました。本記事では原作『いっき』経験者の友人に誘われ本テストへの参加登録を行い、その友人以上に楽しんでしまった筆者によるプレイレポをお届けします。

そもそも『いっき』とは


いっき団結』は、1985年にアーケードおよびファミリーコンピュータ向けにリリースされた『いっき』の現代向けアレンジ作品なのですが、原作はかなり古い作品。名前は聞いていてもどういったゲームであるかは知らないという方も多いのではないでしょうか。かくいう筆者もその一人。そこでまずは原作『いっき』について軽くおさらいしておきましょう。

1985年7月、サン電子よりアーケード向けアクションシューティングとして稼働されたのが『いっき』の始まりです。時は江戸、重い年貢に耐えかねた農民の代表ごんべを操作し、悪代官の屋敷へ殴りこんで一揆を起こし、米を取り返すのがプレイヤーの目的となります。主に登場する敵はなぜか忍者やイノシシ。鎌を投げつけたり、アイテムを拾うことで竹槍攻撃などを行って突き進み、ランダムで出現する悪代官を捕まえればゲームクリアとなります。

アーケード版と同年の11月に発売されたファミリーコンピューター版で知名度を上げ、イラストレーター・タレントのみうらじゅん氏が本作を「クソゲー」「一揆は一人や二人でするものではない」と評したことでも有名です。しかしそれもまた本作の知名度と売り上げに貢献したとかしないとか。復活を広く宣伝した「サンソフト」ブランドが、実際には良作を過去に多数排出しているブランドなのにも関わらず「クソゲー」推しなのもこの影響が強いのでしょうか。

「クソゲー」との評だけあって本作はかなり難度が高かったようで、唯一の武器である鎌が投げられなくなる「幽霊」や抱き着いてきて移動を妨害する「腰元」といった妨害キャラのみならず、本来強化アイテムの立ち位置であるはずの竹槍もキャラの目の前の敵にしか攻撃が届かなくなる弱体化と言われてしまうなど突っ込みどころがたくさんあったそう。しかし「クソゲー」のレッテルが一人歩きする一方で売り上げは販売当時から好調だった様子。筆者の友人も、確かに難易度は高いが決して遊べないほどではないと評していました。

『いっき』は令和にしてついに複数人で起こす物に


そんな元祖クソゲーこと『いっき』を令和に復活させ、「(一揆は、もしくは『いっき』は)一人や二人でするものではない」という意見を真摯にとらえ最大16人でのオンライン協力プレイを実現したのが本作『いっき団結』。タイトルが示す通り団結することが重要となるゲームバランスが特徴で、プレイヤーは特徴豊かなキャラクター達から一人を操作し、他のキャラクターたちと互いの苦手を補いながら迫りくる敵を倒し、今回も代官屋敷を目指して突き進みます。

今回のテストでは8人パーティーでのプレイとなり、遊べるキャラ8種からランダムで一人一人に割り当てられる形式。そのためキャラクターのプレイ状況に偏りがある状態でのレポートとなることをご了承ください。

まずは何の情報もない状態でのプレイを試みました。友人とのプレイなのでルームマッチを選択しゲーム開始したところすぐにマッチング。伝説のクソゲー復活への多くのプレイヤーによる期待が寄せられているのを感じている間に、キャラクター選択画面へ移行し筆者には連続攻撃でダメージがあがるという用心棒が割り当てられました。

用心棒は連続攻撃でのダメージ上昇を利用して敵を倒すのが仕事

どうやらダメージを受けたときに移動速度がアップするスキルも備えている様子でこれで遊撃しながらバリバリ敵を倒すのかな?などと考えながらゲームスタート。突如8ビットのBGMが流れ出し、イナゴに襲われ飢饉となった背景が語られるや否やマップに放り出されます。

移動がいつものWASDで行えることを確認して一安心し、まずは攻撃方法やゲームの目的を察するため行動開始。すると何やらキャラクターの前方と後方に一定時間毎に斬撃のようなエフェクトが発生することにすぐ気づき、敵らしきイナゴにぶつけるとダメージ表示が発生したことでこれが攻撃だとわかりました。

記念すべき初撃。判定は見た目より広く感じました

そうこうするうちに突然開いたショップ画面に驚きながら火炎瓶を選択。どうやらこれも自動で投擲されることからこのゲームは基本操作が移動のみであると悟り次はゲームの目的を探ります。これ見よがしに画面上には味方の方向が表示されていることから、とりあえずそちらの方向へ進んで2人の味方と合流することには成功したのですが、そこまでのロスと合流後の単独行動が祟り、その後まもなく筆者は力尽きました。

力尽きると大体このように敵の包囲網が。復活機能もあるけれど包囲を潜り抜けての復活はなかなか難しい

攻略のカギはTwitter!?


流石にこれではまずいと情報収集したところサンソフトの公式Twitter上でいくつかの攻略のヒントを入手することができました。テストで使用されたマップはさんでんしβ。自社に向かって農民たちを攻め込ませるとはいい度胸だなぁ、などと思いながらマップの全体図を確認すると、プレイヤーの初期配置は縦長のマップの上下に4人ずつで分断される形となっており、中央で合流するのが第一目標であることがわかりました。これを踏まえて数回プレイを重ね、段々と見えてきた本ゲームの攻略方を紹介します。

まず、キャラクターの個性がそれぞれかなり強いことに注意が必要です、特に回復能力を持つキャラクターは分断されたチームそれぞれに1人ずつしかいないため重要なポジションを担うことになります。他にもシールドを担うキャラ、それらのキャラが補助に回るために火力を担うことになるキャラと、どのキャラが欠けても攻略は非常に難しくなると感じました。また、それぞれのキャラが回復やバフで影響を及ぼせる範囲はあまり広く無く、たがいに重なり合うぐらいのつもりで行動するのが基本となります。この点には団結というタイトルを強く意識させられました。

追加武器はそれぞれアイコン右下の資源を消費します

スキルや武器の強化、追加は倒した敵が落とすお金を拾うことで発生しその収集状況はパーティ8人で共有。一定量溜まれば全員が強化を行うことができます。この際追加の武器を使うにはフィールド上で入手できる資源アイテムが必須となっておりこちらも全員で共有のため、画面左端中央のUIでパーティー内にどの資源を使っているプレイヤーが多いのかを確認しながら選択することも重要です。

またこの追加の武器用の資源もエリアごとに有限のため、同じ場所に留まり続けていればいずれジリ貧となってしまうので、集団行動を維持しながらいかに新しいエリアへ移動し続けるかがカギとなります。道中何度か巨大イナゴやイノシシといった中ボスに襲われますがこれらを上手くいなし、中央での合流を目指しましょう。

中盤の強敵であるイノシシ。まともに取り合わず合流を優先するプレイもありだったかも

こうして幾多の苦難を乗り越え別働の4人と合流することができればクリア目前です。そこまで来ることができる強化量とプレイスキルがあれば、8人集合の相乗効果も相まってまず問題なく敵と渡り合うことができます。追加武器用の資源についてのみ頃合いを見て回収しに行くことも戦略の一つですが、あまり無理をして遠くで死んでしまわないようこちらも注意が必要です。8人団結の力をもってラスボス「鎧武者」を倒せばクリアとなります。

8人集合状態では敵がみるみる溶ける

このように集団行動の大切さを確認した後、筆者は一度だけ8人合流を果たし一揆を成し遂げることができました。友人とのプレイで2人分の意思表示ができた分筆者側の4人はかなり行動が統一されたことが成功の大きな要因であったように思えます。というのも友人がプレイを終えた後もクイックマッチでのプレイを続行したのですが、立ち回りはよくなったもののやはり意思の疎通が難しく、誰かが孤立してしまったりなかなかその場を動けずジリ貧となるといった展開を重ね結局クリアすることはできませんでした。

武器用資源が枯渇してジリ貧となったパターン。素材を取りに行く等単独行動が増えこの後全滅してしまいました

分断と合流という発想で白熱するマルチプレイ


さて、攻撃が自動で行われ経験値を一定量集めるごとに強化が得られるローグライトと聞いてピンと来た方もおられると思いますが、本ゲームはそのシステムに大ヒットインディーゲーム『Vampire Survivors』と共通する部分がかなり多く見られるフォロワー作品で、ソロでのプレイ感は同作のパクリではないかという意見を真っ向から否定することは難しいでしょう。

しかし本作は多人数でのプレイを前提とされており、始めに敢えて分断を行うことで設定される合流という目的や、合流までの過程におけるギリギリの協力、実際に合流した後に敵が溶けていく様から感じられる達成感は『Vampire Survivors』におけるそれらとはまた違ったものに思えます。

そういった意味でも、意思疎通の手段が用意されず、現状では連携のための能動的な方法がなかったことで、アイデンティティとしてのマルチ要素を生かし切れていなかった部分は残念な部分です。またキャラクター性能があまりにもピーキーで、クリアに必要なビルドがほぼ限られてしまっていたのも気にかかります。

筆者のクリア時ビルドはヒーラー「坊主」の回復特化

特に現状ではヒーラーの負担が大きく、ヒーラーがそこに特化したビルドを組んでやっと安定して戦えるといった難易度調整で、現状ではゲームクリアにはかなりの練度と協調性が必要に思えました。

団結感を出し、合流に意味を持たせる点で必要な部分でもあるのですが、原作の持つ「元祖クソゲー」としての知名度もあわせ、カジュアルなプレイヤーを集めるには少々プレイまでのハードルを上げすぎてしまった印象を受けます。マップの知識がかなり重要であるのにそれを得られる手段がゲーム内に無いなど、当時のゲームならともかく現代ではゲーム内容への説明不足感も否めず、始めてプレイするときに困惑することが多い所もこの点で悪影響となりそうです。

同様の声はCBT後の参加者アンケートにも多く届いていた様子で、今後の課題と捉え、改善にまい進するというディレクターによる声明が公式Twitterにて公開されています。特にコミュニケーション機能については「空気読みスキルというゲーム性に一瞬惹かれましたが、コミュニケーションはちゃんと実装致します」と念押しがなされており、安心できそうです。

改善できる部分は多々あるように思えますが「一人や二人でするものではない」いっきを、分断と合流という発想でマルチプレイとしてきちんと白熱出来るゲームに作り上げようという意思は強く感じられ、実際にクリア時の達成感はなかなかのものでした。製品版では懸念点が改善され、「クソゲー」ではなく「神ゲー」として自信を持ってリリースされることを期待したいと思います。

『いっき団結』は、2022年内にPC(Steam)にて配信予定です。


《焦生肉》

ゲームに関わって飯食いたい 焦生肉

ストーリー重視でゲームをプレイするけどシステムも特徴がないとイヤ!なわがままゲーマー。わがままなくせにコンプリート癖もある上つまみ食いも大好きなので積みゲーが溜まる溜まる。ゲームで飯を食うことを夢見てたらほんとにそんな機会に恵まれた。

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