ValveはSteamにて「Steam Nextフェス 2023年2月エディション」を、2023年2月14日3時まで開催中です。
何百本ものゲーム体験版や開発者によるストリーミングなど、さまざまなコンテンツが盛り沢山のイベント「このゲームが気になる!」と言う人も多いのではないでしょうか。本稿では、数多あるゲームの中から、ライターが遊んでみたい作品をピックアップ。その内容について紹介していきます。
今回はLINE Games、コーエーテクモゲームス、Motifより、PC/iOS/Android向け配信予定の海洋アドベンチャー『大航海時代 Origin』を紹介。歴史ある『大航海時代』シリーズの最新作となる本作の内容に迫っていきます。
『大航海時代 Origin』とは
『大航海時代 Origin』はシリーズ30周年記念作品として2018年に発表。「東京ゲームショウ2020」内の配信番組で映像が公開され、韓国のMotifとコーエーテクモゲームスが共同開発を行い、2022年には韓国内でサービス開始、同年に行われた「2022 大韓民国ゲーム大賞」にて4つの賞を獲得しています。
2023年1月13日には日本向けのシネマティックティザーPVおよび公式Twitterを公開。1月30日からは公式サイトなどで事前登録を開始しており、記事執筆時点(2023/2/11)で50万人を超える登録者数を記録しています。
本作の舞台となるのは16世紀、世界がまだ未知に包まれていた時代。プレイヤーは、さまざまな目的を持つ5人のキャラクターから主人公を選んで自分だけの船団を作り出し、探検航海や海戦、交易や町発展など、自由なプレイスタイルで世界中を冒険することが可能です。
シリーズでも人気の高い『大航海時代II』と、その派生作品『大航海時代 外伝』を原作としている本作。「ジョアン・フェレロ」「カタリーナ・エランツォ」「アル・ヴェザス」など『大航海時代II』に登場した主人公たちから5人のキャラクターがプレイアブルキャラクターとして登場し、国や目的が異なる物語を楽しむことが可能です。
320分の1スケールで再現された世界には8つの国家勢力があり、さまざまな地域に200を超える港が存在。それぞれの文化圏ごとの言語や交易品があったり、海を脅かす危険な海賊が待ち受けていたり、航海の旅は一筋縄ではいきません。
まずはOP曲に耳を傾けて欲しい!
本作はオンラインゲームのため、最初にプレイするサーバーの選択や自身の表示名を設定する必要があります。背景で『大航海時代II』のOP曲である「WIND AHEAD ~ウィンド・アヘッド~」が流れているのが心地よく、シリーズファンである筆者はとても興奮しました。
さて、各種設定後はいよいよゲームスタート。最初はチュートリアルとして、主人公のひとり「ジョアン・フェレロ」の祖父である「ファブリス・フェレロ」をメインとしたチュートリアルを選択できます。船の移動や海戦などの海上での基礎を学んだあとは、ゲーム本編が始まります。今回のプレイでは、やはり『大航海時代』ならポルトガルからだよね!ということで「ジョアン・フェレロ」でゲームを始めます。
ジョアンの目的は探検家として「プレスター・ジョンの国」を発見すること。最初は父・レオンが付けてくれたベテラン航海士・ロッコの教えのもとで、序盤のメインクエストとして造船や交易、自動航路などの基本を学んでいきます。このあたりはチュートリアルの続きといった感じですね。
ある程度の船や仲間航海士、装備品などが揃ったあとはクエストを進めても、自分の思うままに遊んでも問題ありません。商会(ギルド)を作って仲間とプレイすることもできるようです。
仲間を集めて世界を巡れ!
港には交易所や造船所、王宮、組合など、さまざまな施設があります。重要な施設は宿屋(酒場)です。宿屋では仲間のケアや船員募集ができるだけでなく、酒場にいる航海士たちを雇うことができるのです。航海士は家畜商や芸術学者などの職業があり、覚えているスキルが異なります。
航海士を雇う最大の理由は「言語」です。各港には公用語が設定されていて、言語がないと各種施設で会話をすることもできません。また、言語にはレベルがあり、言語レベルが高いと雇える船員数が増えたり、交易で有利になったり、さまざまなメリットがあります。突然シェイクスピアなどの偉人が雇えたりするのも面白いですね。
ゲームは基本的に各地の港を巡って交易したり、組合で依頼(クエスト)を受けて達成したり、ときには海賊などのNPCと戦いながら、各種名声やレベルを上げて行くのが目的です。船団レベルが上がれば艦隊に組み込める船の数が増えるので、交易や長期航海がやりやすくなります。
その他にも陸上探検で遺跡や遺物を見つけたり、釣りを楽しんだり、新しい船を求めてパーツや設計図を集めたりと、楽しみ方は自由。ほぼ全ての項目でヘルプが参照できるので、気軽に遊べるのは嬉しいところです。
体験版だから?お金が余りすぎる
基本プレイ無料でサービス展開を行う本作。ログインボーナスやデイリー/ウィークリー/マンスリーのクエスト、目標達成報酬など、さまざまな場面でアイテムが獲得できます。
いわゆる課金要素である「レッドジェム」は、特別な航海士の契約アイテムや作業時の時間短縮、プレイヤー名変更などに使用可能。体験版では購入するメニューがないため、詳細な購入額などはわかりませんでした。また、さまざまな便利機能に使う「ブルージェム」や、チャレンジクエスト挑戦時などに消費する「行動力」などは日々のログインや報酬で入手できます。
プレイしていて思うのは、どうしても報酬獲得が重要になってしまう点。新しい港発見や航海士獲得、交易での黒字などはまだいいのですが「特定の船を3隻入手する」「港を5回訪問する」「港に一定数投資する」などの目標は、自由な航海をしながらも、ある程度意識して毎日こなしていかなければなりません。
そして一番気になったのは、ゲーム内のお金“ドゥカート”が報酬やプレゼントで驚くほど大量にもらえるということ。これは体験版ということもあると思うのですが、プレイ中に一度もお金に困ることなく、むしろ投資や航海士収集にいくら使っても余るほどでした。もちろん“ドゥカート”だけでは入手できないものも多いのですが、少しばかり優しすぎるかな、と思ったのが正直なところです。
もちろんこういった収集・報酬要素も多いのですが、世界中の港を巡りながら世界地図を完成させていったり、まだ見ぬ遺跡などの未知の発見を求めたり、ひたすら名声を求めたりと、自由な航海は制限なく行えます。期間限定の体験版なので少し忙しくプレイしましたが、本来はのんびりと遊びながら、少しずつ目標を埋めていくものなのだと思います。
操作感としては多くのショートカットや便利なアクセスがあり、航海や街での移動は非常にわかりやすくなっています。今回はPC向けの体験版でしたが、モバイルでも航海時など、迷わず遊べそうなUIだと思います。
ここまで紹介してきた『大航海時代 Origin』体験版。航海や交易などは「大航海時代」シリーズの基本を踏襲していて、未知の海を制覇していく喜びはしっかり楽しめます。船の種類や港の数、発見物なども多く、遊べばいろいろな知識を得られるのもシリーズらしい魅力。懐かしいキャラクターやBGMなどで旧作ファンを喜ばせる要素にも満ち溢れている作品です。特にBGMは『大航海時代II』経験者なら嬉しい選曲がたくさんありますよ。
一方で、どうしてもオンラインゲームとしての要素が強いため『大航海時代IV』までのファンであれば、少し違和感を覚えるかな、と言う印象もあります。さまざまなクエストや報酬はゲームを快適にするためにあるのですが“自由な航海”という部分では、どうしても制限が入ってしまうかな、とも思います。
筆者としては、選べる主人公に「ピエトロ・コンティー」がいないのが大きな不満点です。クエスト一覧を見る限り名前は確認できますし『大航海時代 外伝』要素もあるというので、サービスが本格的に開始したら是非とも“ピエトロ様”と再会できることに期待したいところです。
『大航海時代 Origin』はPC/iOS/Android向けに配信予定。現在公式サイトでは事前登録受付中です。