本能的な恐怖がプレイヤーの精神を削り取る『Anthology of Fear』―場違いなマネキンたちが織りなす不穏な雰囲気のサイコホラーADV【プレイレポ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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本能的な恐怖がプレイヤーの精神を削り取る『Anthology of Fear』―場違いなマネキンたちが織りなす不穏な雰囲気のサイコホラーADV【プレイレポ】

失踪した兄弟を探す手がかりを求めているうちに閉じ込められた異空間。果たして無事に脱出できるのでしょうか?

連載・特集 プレイレポート
本能的な恐怖がプレイヤーの精神を削り取る『Anthology of Fear』―場違いなマネキンたちが織りなす不穏な雰囲気のサイコホラーADV【プレイレポ】
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Game*Sparkで日々紹介される注目Steamインディーゲームたち。

その中で、このゲームあのゲームの内容が知りたい、そう思う方は少なくないのではないのでしょうか?そこで本記事ではそんなゲームの中から1本をピックアップ。実際の内容をスッキリスピーディにお届けしたいと思います。こってりなプレイレポ類が見たいなら爆速プレイレポもお忘れなく。

今回取り上げるのは、「先見えぬ闇に鳴る電話!光闇の使い方とマネキンやラジオなど場違いな無機物が織りなす不穏な雰囲気」「アクションが苦手でも大丈夫!アクション要素を排したホラーとしての純粋な怖さ」などが魅力の、サイコホラーADV『Anthology of Fear』。では早速その内容と魅力のポイントを見ていきましょう。

『Anthology of Fear』とは

本作は2023年3月18日にリリースされたサイコホラーADVです。

失踪した兄弟を探して調査を続ける主人公でしたが、とある病院に手がかりがあることが判明し、自ら現地に赴くこととなりました。

しかし非常電源を復旧し、目当てである失踪に関する手がかりと思しきビデオテープを再生した瞬間に何故か意識を失ってしまいます。

そして気がついた時には意味深な看板や謎のマネキンが散在する、不思議な空間に囚われてしまっていました。

果たしてここはどこか?何が起きたのか?そしてこの空間から脱出できるのか?

ラジオやビデオ、そして正体不明のマネキンたち。ゾンビや幽霊とはまた異なる、無機物が不穏な空気を醸しだす異空間の中で、主人公はそこから脱出する方法を模索し始めたのでした。

ステキポインツその1!「先見えぬ闇に鳴る電話!光闇の使い方とマネキンやラジオなど場違いな無機物が織りなす不穏な雰囲気」

無人の廃病院の潜入から始まる本作ですが、ゾンビや幽霊といった実体を有する怪物は登場しません。当然主人公は丸腰で、塩やら護符やらハンドガンなんてものはありませんし、頼りになるのはせいぜいフラッシュライトぐらいのものです。

そんな本作の怖さの源、それは底しれぬ暗闇とノイズ混じりのラジオなどの音、そして場違いのように配置されたマネキンたちが生み出す違和感といった、根源的で本能的な恐怖がプレイヤーの精神を徐々に削り取る、そのようなホラーなのです。

暗い廊下に怪しく光る非常灯。…もう勘弁して。

特に注目したいのは光と影の使い方です。突然照明が消えるなんてのは当たり前で、薄暗い廊下の灯る赤い非常灯に蛍光灯のチラツキ。単にキャラを操作しているだけでも少しずつ不安に苛まれるのです。

もちろんホラーに付き物のジャンプスケアもあります。目の前で移動するソファにベッド、カタカタと荒ぶる戸棚に突如視界に浮かぶフラッシュバックとすり減った精神にはなかなかキツイものがあります。

そしてトドメの場違いで理解不能なシチュエーションの数々。サイコホラー好きにはたまらないかもしれませんが、筆者のような怖がりにはとにかく堪えます。

ステキポインツその2!「アクションが苦手でも大丈夫!激しいアクションを排除したホラーとしての純粋な怖さ」

本作にはアクション要素がほとんどありません。バールこそありますが、あくまで扉をこじ開ける道具で振り回す類の武器ではありません。当然体力という要素もです。プレイヤーは異空間で抗うことのできない恐怖にただ翻弄され続けることとなるのです。

蠢く謎肉。発見場所がキッチンというシチュエーションはエグいです。
血まみれのドア。ヤバそうな雰囲気全開です!

最初のうちはそれほど気にはなりませんでしたが、中盤以降からはグロテスクな要素がちらほら登場し始めます。蠢動する謎の肉塊にドアに付いた血の跡。そして腹部を切り裂かれたマネキン。こうした直球での表現と前述の作品全体に広がる不穏な空気との相乗効果もまた、本作の怖さを引き立てる非常に効果的なものとなっています。

基本的にはほぼ一本道ですが、少なからず謎解き要素があります。手がかりは道中にありますから、恐怖心を抑えつつ探索することとなるのですが、正直1度訪れたところでも安心できないような緊張感が本作には満ちています。

自分以外人一人見当たらない不気味な異空間を探索するという、まさに純然たるサイコホラーADVらしい本作。正直、堪えます。怖がりな自分が何故本作のレポを引き受けたのか、自分自身を小一時間問い詰めたい程度には怖いホラー作品だと思います。

エグいマネキン。あれ?今動かなかった?
気のせいだよね、うんうん。

動くマネキンに謎の人影、そして物体の出現と消失。個々のホラー表現を見てみれば、絶対ここには何かあるだろうと予想できるようなものも多いのですが、光陰の組み合わせと全体に広がる空気との組み合わせの妙がより一層プレイヤーの恐怖心を煽る、そのような1作です。

マネキンが勝手に動くわけ無いですよね!
ちら!ちらちら!
確実に目線を合わせてきていますが、きっとあれです、錯視錯覚です。

サイコホラーの名に違わず、意味深に置かれた場違いな小物不穏な内容のメモや看板といったものも、よく考えればゾッとするようなそんな良い引き立て役となっています。

薄暗い夜道で明滅する切れかけの街灯に、チラチラとマネキンが照らされている、そんな不気味さを楽しめるホラー好きならばきっと本作も楽しめることと思います。

  • タイトル:Anthology of Fear

  • 対応機種:PC(Steam

  • 記事におけるプレイ機種:PC

  • 発売日:2023年3月18日

  • 記事執筆時の著者プレイ時間:3時間

  • 価格:1,700円(25日までリリース記念セールにつき1,190円)




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《K.K.》

SFとオープンワールドとミリタリー系が主食です K.K.

1990年3月の京都府生まれ。ゲーム好きのパソコン好き。ついでに言えば動物も好き。心理学部卒ゆえに人の心がわかると豪語するも、他人の心にはわりと鈍感で、乙女心となるとからっきし。むしろ動物の気持ちのほうがよくわかるが、本人は「尻尾と耳がないからだ」と弁解中。 2022年から「ゲームスパーク」で執筆中。パソコン代の足しにと始めるも、賃金はほとんど課金ガチャに消えている模様。

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