エレクトロニック・アーツは、Metalheadが開発する野球ゲーム『Super Mega Baseball 4』をPC/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/ニンテンドースイッチ向けに2023年6月3日にリリースしました。
本作は、2015年に第1作め『Super Mega Baseball』を発売した人気野球ゲームシリーズの最新作。どこかコミカルな雰囲気を持つキャラクターたちと臨場感抜群の演出、シンプルながら奥深い難易度を可能にする独自のシステムなどを備え、高い評価を得ている作品です。
本稿では、大幅なパワーアップを果たした『Super Mega Baseball 4』の魅力を紹介していきます。
『Super Mega Baseball 4』とは
本作の開発を務めるMetalheadは、2021年5月にエレクトロニック・アーツに買収されていました。そのため、これまで独立したタイトルとして登場していた『Super Mega Baseball』は、シリーズ最新作で「EA SPORTS」ブランドとして登場しています。
最新作では、これまで高評価を得てきた各種ゲームプレイの手応えはそのままに、新要素や改善を加えて大幅にパワーアップ。全体的なグラフィックや演出のスケールアップ、新モード、より具体的になった選手の特性など、ゲームとしての面白さや個性が際立つ内容になっています。
そして、これまでの架空球団と選手だけだった本シリーズに、ベーブ・ルースやハンク・アーロン、ランディー・ジョンソンといったメジャーリーグのレジェンドたちが200名以上参戦。かつて野茂英雄選手とバッテリーを組み、先日のWBCでイタリア監督を務めた、日本でもお馴染みのマイク・ピアッツァなども登場します。
ゲーム内では自由にチームや選手カスタマイズも可能なので、自分だけの特別なチームを作って遊ぶことも可能。また、本作からの新機能「シャッフルドラフト」では、すべての選手をドラフト指名して新たなリーグを作成できるので、毎回異なるチーム内容で各種モードを楽しめます。
遊べるモードは一般的な対戦のほか、リーグ優勝をかけて対戦する「シーズン」、選手の育成や管理を行う「フランチャイズ」などが存在。オンライン対戦も可能なほか、最大15名が参加するオンラインリーグ「ペナントレース」などのモードも用意されています。
遊びやすく「野球」を感じさせる操作性！
『Super Mega Baseball 4』の操作は比較的オーソドックスなシステムです。バッティングは相手の投げてきたコースに合わせて2種類のスイングを使い分けるもので、守備や走塁に関しては、一般的な野球ゲームとほとんど同系統の操作システムです。
少しだけ特徴があるのが“ピッチング”です。投球時はまず投げるコースを決め、ピッチングフォーム中にそのコースにあわせてコントロールしていく方式。選手のコントロールにもよるのですが、かなり投球時にズレが発生するため、慣れないうちは狙ったコースに投げるのは難しく、棒球や逆球を投げてしまうかもしれません。
このピッチングのシステムは、最初のコース決めがキャッチャーのサイン、実際に投げるシーンがピッチャーのコントロールに分かれているイメージです。そのため、最初に決めた目標を大きく外してしまうとキャッチャーが反応できずに後逸してしまうこともあるので要注意です。
もちろん野球ゲームらしく牽制や中継、守備シフトなどの細かなテクニックもありますが、各操作はゲーム内ヘルプで確認できるほか、試合をプレイしている際に一度はチュートリアル項目として表示されます。遊びやすい操作性ですが、とても親切なヘルプもあるのでプレイ時に操作で悩むことはないと思います。
遊びやすさと手応えを両立させるEGOシステム
本シリーズの最大の特徴である「EGO」システムは、打撃・投球・走塁・守備それぞれを100段階の難易度変更を行うもの。例えば打撃であればEGOを低く設定すると、相手の投げたコースに精度の高い誘導が行われるので、タイミングを合わせてスイングすれば簡単に打てるようになります。
この「EGO」は一括で設定することも、個別に設定する事もできるため“走塁や守備は簡単にして打撃と投球を楽しみたい”など、自分の遊びたいスタイルに合わせてプレイ難易度を変えることも可能です。モードによってはプレイヤーの腕前によって「EGO」が変動する場合もあります。
また、チャンスやピンチの重要な場面では「プレッシャー」が発生し、選手に大きな影響が発生します。さらに、選手が持つそれぞれのスキル「特性」によって、バフやデバフがかかることも。プレイによる士気や体調の変化もあり、リアルタイムで変化していくような試合の雰囲気を楽しめます。
“静と動”の臨場感が素晴らしい！
個性豊かな選手たちが躍動する本作では、試合を盛り上げる各種演出も注目ポイントです。試合中は選手のコールや観客の歓声、入場テーマや効果音などがBGMとなっていて、スタジアムの臨場感を見事に表現しています。野次の種類が豊富なのも嬉しいですね。
ホームランや三振の際には派手な演出や効果音があったり、攻守交代などのタイミングで選手ごとのリアクションや交流が見られるのも好印象。スタジアムのザワザワ感と派手な演出という“静と動”の臨場感は『Super Mega Baseball』シリーズの伝統とも言える、ゲームを盛り上げる醍醐味です。
ちなみに本作からは日本語ユーザーインターフェースだけでなく、日本語音声にも対応しています。ゲーム内ではときおり「商品広告風の音声」が流れるのですが、これも日本語に対応しているので思わず笑ってしまうこともあります。
ただし、日本語音声対応はとてもありがたいのですが、審判の判定ボイスなどに少し違和感を感じることも。オプションでどの音声を変えられるかなどの細かな設定ができると嬉しいかな、と思う部分もあります。
夢のチームを育成！フランチャイズモード
本作のメインモードのひとつである「フランチャイズ」は、自分のチームの管理・育成を行いながらリーグをプレイしていくモード。プレイヤーは選手の獲得や放出、忠誠度のケアなどを行い、資金を運用しながらチームを強化していく必要があります。
リーグ中はいつでもフリーの選手を獲得したり、自軍の選手を放出することが可能。各選手には年俸が設定されていて、運営資金が余ることで選手の育成に費やすこともできるので、資金・年俸・チームのバランスを考えることも重要です。もちろん、選手の忠誠度や年齢によっては退団や引退などのイベントも発生します。特に忠誠度管理は結構難しく、試合後に発生する突発の選択イベントで大きく上下します。
突発イベントは「〇〇選手と〇〇選手が喧嘩してるけどどちらを叱る？」「試合後にどの選手を褒める？」「試合後に足りない美品を誰に補充させる？」など豊富な項目があり、忠誠度はかなり極端に変化します。忠誠度が低すぎるとシーズンオフで退団の可能性が高くなるので注意したいところです。
若い選手は育成によっては年齢の加算とともに大きく成長し、次代のスーパースターになることも。そのため、年齢と能力のバランスを考えるか、育成を考えて若い選手を中心に編成するか、あくまで実力主義にこだわるか、プレイヤーのスタイルによってチームは色々な顔を見せるのです。
ちなみにこのモードでは自軍を操作することも、CPUに任せることも可能。筆者は野球ゲームの運営モードだと基本的にプレイせずに観戦するのが好きなので、自軍が戦う姿を見ながら「このポジションが弱いな」「こいつらいっつも喧嘩してるな……」などを考えつつ、運営を楽しんでいました。
「フランチャイズ」は以前からあるモードなのですが、特性の追加を含む各種要素のパワーアップでより楽しく、いつまでも遊べるものに進化しています。レジェンド選手の登場で思わぬサプライズがあるのも嬉しい部分ですね。
ここまで紹介してきた『Super Mega Baseball 4』。シンプルな操作性と豊富なモード、プレイヤーごとに自由な難易度で楽しめる100段階の「EGO」システムなど、非常に遊びやすい要素と上達が実感できるやり込める奥深さを両立しています。
筆者はこれまでの3作をすべてプレイ済みなのですが、今作でも「野球の楽しさ」「スタジアムの臨場感」といったシリーズらしい盛り上げの上手さをしっかりと楽しめる内容です。進化した特性やチーム選手相性「チームケミストリー」などの新要素も、ゲームをより奥深いものにしています。
そして、本作の最大の変更点とも言えるレジェンド選手たちの参加。思い入れのある選手がいるなら嬉しいのはもちろん、単純にゲームとしても選手数の増加に繋がっていて「フランチャイズ」モードや「シャッフルドラフト」などで選択肢が増える結果を産んでいます。さらにスケールアップした『Super Mega Baseball』を楽しめる、ポジティブな要素でしょう。
なによりも、高評価野球ゲーム『Super Mega Baseball』シリーズが初の日本語対応、そして複数プラットフォームでの発売というのは素晴らしいニュースです。さらに、クロスプラットフォームにも対応しているので、オンライン対戦や協力プレイで遊ぶことも、ペナントレースで長く遊ぶこともできるのです。
野球好き、野球ゲーム好きなら楽しめること間違いなし！初の日本向け対応となったことが嬉しすぎるスパ！
タイトル：Super Mega Baseball 4
対応機種：PC（Steam）/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/ニンテンドースイッチ
記事におけるプレイ機種：PS5
発売日：2023年6月3日
記事執筆時の著者プレイ時間：10時間
価格：PC：8,700円/PS/Xbox/ニンテンドースイッチ：5,600円（スタンダードエディション）
