今や定番となったゲームジャンルといえば「サバイバルクラフト」ですね。2023年10月26日には、Studio Wildcardが『ARK: Survival Evolved』の新世代向けリマスター『ARK: Survival Ascended』の早期アクセスを開始するなど、新規作品だけでなく人気作品もますます盛り上がっています。
Steamでは「オープンワールドサバイバルクラフト」というタグもあり、生き残るために探索やクラフト、戦闘などを行うゲームが非常に多く登録されています。それぞれのゲームに色々な個性やこだわり、難易度の違いがあり、遊べば遊ぶほどにジャンルとしての新たな魅力も発見できます。
本稿では、そんなジャンルでも老舗の定番ゲームのひとつ『7 Days to Die』の魅力をあらためて紹介していこうと思います。
7日ごとの襲撃をいかにして生き残るか
『7 Days to Die』が発表されたのは今からおよそ10年前の2013年5月のこと。同年7月からKickstarterにてクラウドファンディングをスタートし、目標額のおよそ2.5倍の50万ドルを獲得して成功を収め、8月にはSteam Greenlightに登場(そして削除)しました。そして12月14日にはSteam早期アクセスとしてリリースされています。
本作の舞台設定は第三次世界大戦後、多くの文明が荒廃した近未来。生き残った人類は、未知のウイルスによってゾンビと化した人々の脅威により、新たな危機を迎えています。プレイヤーはアメリカ・アリゾナ州にある閉ざされた土地“Navezgane”(初期マップ)で、さまざまな脅威に立ち向かいながら生き残りを目指します。
ゲーム内で生き残るためには、探索で資源を集めて武器やアイテムをクラフトしたり、強固な拠点を建築する必要があります。しかし、この世界はいたるところにゾンビや野生生物、さらには“ゾンビ化した野生生物”といった恐るべき怪物たちが棲み着いているので注意が必要です。
さらに、ゲームのタイトルが示すように本作は「7日ごとにゾンビがプレイヤーを襲撃してくる」イベントが発生します(オプションで設定変更可能)。プレイヤーは定期的な襲撃に備えるために、武器や防衛罠などを揃えて万全の準備を整える必要があるのです。
ゲームシステムの“変化”も魅力
10年間早期アクセスを続けている本作ですが、現在のビルドは2023年8月にリリースされたA(アルファ)21が軸となっています。初期からクラフト&サバイバル&タワーディフェンスなどを組み合わせたゲームだったものの、『7 Days to Die』はこれまで幾度も機能の変更を行ってきました。
その変更とはクラフトアイテムの追加といった、いわゆるコンテンツ追加だけではありません。例えば、過去のビルドで『マインクラフト』のように材料を並べる必要があったクラフトは、今では材料と施設を揃えれば自動的に作れるようになっています。つまり、ゲームのシステムそのものが変わるのです。
その変化はかなり極端なものもあり、ビルドによっては過去のノウハウが通じないことなど当たり前。最新のA21でも「水を飲んだ後に空き瓶が出なくなる」というシステムへ変更が行われ、空き瓶に汚水を汲んできれいな水を作るという、これまでの基本的なサバイバルができなくなっています。
もちろんこういった変更こそが本作の楽しさや魅力でもあります。変わっていく環境にプレイヤーが慣れて新たな遊び方を見つけ出し、また、他のプレイヤーとも情報を共有していくのです。ワールド設定項目も豊富なので、緩いルールで気軽に遊ぶこともできますよ。
筆者も今回の記事執筆にあたり、久しぶりに古いビルドであるA10.4(SteamプロパティからA8.8までは遡り可能)をプレイしました。今から9年前の世界は殺風景な風景が広がり、ゾンビたちも容赦なくこちらを見つけてきます。個人的に懐かしかったのが「匂いの出る食べ物を持つとゾンビに感知されやすくなる」というシステム。ああ、そういえば探索時は缶詰(匂いが出ない)が大切だったなあとしみじみ思う。
生きるための探索が楽しい!
ここからは現在のビルドをプレイしてゲーム要素を紹介していきます。ゲームの開始時にはサバイバルの基本を学べるチュートリアルクエストが始まり、石や草などの採取やクラフト、アイテムの配置などを覚えることができます。このクエストの一連が終われば、最低限の武器や装備がクラフトできています。
本作の基本はなんといっても探索。マップ内には廃棄された家や施設など多くのエリアがあり、そこには食料やクラフト素材など多くのアイテムが今も残されています。運が良ければ銃器やアーマー、薬といった貴重な装備も入手可能ですが、もちろん家には「元の住人」も残っているので気をつけましょう。
ある程度アイテムを集めたら、今度は生活拠点を見つけなければなりません。拠点は「元々存在している施設に住む」か「一から拠点を作り上げる」のが基本。“建築ブロック”というアイテムは形状を変えられるので、自由な建築ができます。拠点を確保したら、収納やクラフト施設も揃えていきましょう。
ちなみに本作では、焚き火や炉などを稼働させることで特定のゾンビを呼び寄せるシステムが採用されています。そのため、拠点を確保したら防衛を考えることも重要なのです。柵を置いたり、電気回路が使えるようになったら回転刃トラップを追いたりもできますよ。
そして何より重要なのがゲーム内時間7日目の襲撃イベントです。当日になると空が赤く染まり、夜中にはゾンビの集団がプレイヤーめがけて駆け寄ってくるのです。ゾンビは家や設備を壊してくるので防衛は最重要課題。無事に生き残ったら被害やドロップ品を確認し、再び起こる襲撃に備えて再び探索・戦闘・クラフトをしていくのです。
『7 Days to Die』には報酬を獲得できるクエストはありますが、ストーリーがないため基本的に生きることが目的です。シングルプレイでも面白いですが、マルチプレイでフレンドと強固な要塞を建築したり、力を合わせて危険なエリアを探索するのも楽しいですよ。
『7 Days to Die』はゾンビだらけの極限状態下での探索や戦闘、クラフトといった「サバイバルクラフト」ジャンルの基本的な要素が詰め込まれています。そして逃れることの出来ない「7日ごとの襲撃」に対抗する拠点構築と防衛の準備が大切で、それがまさにサバイバル体験としてのゲームの楽しさを押し上げているのです。
また、ビルドごとに新たなシステムが採用されることが多い点に関しても、個人的には楽しさのひとつだと思っています。A21では水を確保しづらくなっているのですが、代わりに水を毎日供給してくれる新装置が登場したりと、早期アクセスならではの“変化”を味わえるのも『7 Days to Die』の醍醐味なのではないでしょうか?
なお、公式YouTubeチャンネルおよび公式Xでは、次期アップデートA22に関するさまざまな情報を公開しています。さらなる“変化”が楽しめそうな『7 Days to Die』に今後も注目です。