今やPC/コンソール/モバイルそれぞれのプラットフォームでサバイバルジャンルの作品は定着していて、多くのプレイヤーがさまざまな世界を舞台にサバイバルを楽しんでいます。
Game*Sparkでは【クラフトサバイバル名鑑】として、同ジャンルが好きな筆者が、定番作品を中心にクラフトサバイバルジャンルの作品の魅力を紹介・解説しています。今回紹介するのは、2025年10月28日にSteam早期アクセスをスタートしたサバイバルホラー『Outbreak Island』です。
恐るべき夜から生き残れ
『Outbreak Island』は、ポーランドのゲーム開発者Egidijus Bachur(EgisBa)氏が率いるTiny Magiciansが手がける作品。Tiny Magiciansは過去にサイクリングレースゲーム『Watch Your Ride』を発売しているほか、EgisBa氏は『Scrap Garden』などの作品にも関わっています。
EgisBa氏は2020年3月にオープンワールドサバイバル『Withstand: Survival』をSteam早期アクセスでリリースしましたが、個人で開発を続けることに限界を感じて同作はおよそ1年間でゲーム開発と販売を中止。その後、開発中止の正式アナウンスとともに、Hype Train Digitalと提携して発表された新たなプロジェクトが『Outbreak Island』です。

2021年2月に正式発表され、同年10月に「Steam Nextフェス」向けに配信した体験版が上位2%に入る人気を獲得。2022年には無料プロローグ版『Outbreak Island: Pendulum』をリリースしています(現在はダウンロード不可)。その後も開発は続き、さまざまなフィードバックを経て2025年10月28日にSteam早期アクセスでリリースされました。
本作の舞台となるのは、かつて恐ろしい秘密実験が行われていた島。プレイヤーは行方不明だった父からのメッセージを受け取った主人公として、謎の怪物が棲む島内を探索し、隠された秘密を解き明かすのが目的です。ゲームは島の探索や戦闘だけでなく、車や拠点の修理・アップグレードなども行えます。


早期アクセスは2027年初頭までを予定しており、現時点のビルドでは島の3分の1ほどのエリアを舞台に探索やクラフト、拠点構築、ストーリークエストなどのコアコンテンツを体験可能です。


父の発明が悪用され悪夢の島に
本作の物語は、主人公が科学者である父が最後に住んでいた島に到着するシーンからスタート。父は膨大なエネルギーを世界にもたらすビームを発する機械を発明したものの、その発明は盗まれて兵器として悪用されようとしまいます。しかし、結果としてその力は暴走し、島は怪物へと変貌した生物が棲む悪夢のような場所へとなってしまったのです。
主人公がたどり着いたのは島の端にある小さな船着き場。まずはチュートリアルとして近くを探索することに。その道中でマチェーテや銃などの武器と「夜になると発射されるビームの影響で電力が復旧するが危険な怪物も徘徊するようになる」という、この島で今起きている異変についてのメモなどを発見します。




その後は付近のガソリンスタンドまで移動して怪物と戦闘し、放置されているピックアップトラックを発見。いきなり移動手段が手に入るのはありがたい。車を運転して父が住んでいた家へと移動します。家は荒れ果てていたものの最低限の施設が残されていて、今後はこの家を拠点にすることになります。
本作はオートセーブがなく、島にあるベッドやテントにアクセスすることで手動セーブする必要があります。もちろんベッドでは寝て時間を経過させることも可能で、機械が使えるものの危険な夜パート(0時から6時半まで)と、比較的安全な昼パートを切り替えながら、謎に満ちた島を探索していくことになります。





クラフトは専用施設で
本作の大きな特徴として、クラフトサバイバルながら主人公が木を切ったり、岩を砕いたりといった手段を持たないことがあります。素材は基本的に施設の探索で入手するもので、例えば木材は島の各地に落ちている丸太を広い、専用の製材機で加工しなくてはならないのです。
ゲーム内では拠点に製材用の施設がなく、少し離れた製材所などのエリアまでいかなくてはなりません。もちろん製材機を稼働させるためには電力が必要で、発電機がない場所でクラフトを行うには夜を待たなくてはならないのです。そのため夜は寝るだけでなく、貴重なクラフトの時間でもあるのです。



また、拠点の近くにある車両工場ではピックアップトラックの改修も可能です。耐久力やスピードだけでなく収納能力も改造できるだけでなく、塗装も変更できます。このゲームで主人公のインベントリは「種類&重量」、チェストや車両は「個数」を参照するので、多くを収納できるチェストの存在はとても重要です。
クラフト施設が分散しているためピックアップトラックは本作の命綱とも言えます。車には丸太とオイル缶を積むスペースとアイテム収納用のボックスがあるので、探索のついでに木材加工して行こうかな……といった道草もしやすいのは大きな利点です。拠点には最低限の基本の作業台と鋳造、調理施設が用意されています。




製材や車両の改造、武器や弾薬の制作ができるクラフト施設は、さまざまなエリアに置かれています。しっかり行動範囲を広げていくことで生活の質も上がっていくので、マップを見ながらサブクエストをクリアしつつ探索を進めていきましょう。




拠点を改修して快適生活を
本作の拠点にある作業台では家の回収作業も行えます。最初はボロボロでかろうじてベッドを使えるくらいの拠点ですが、回収していくことで見た目がきれいになるだけでなく、家の中にある棚などを保管場所として使えるようになります。先述の通り、チェストは重量を無視して個数でアイテムを保管できるので非常に便利です。
また、拠点の改修メニューの中には水道の復旧や畑の設置など生活に関わるものもあります。『Outbreak Island』は飢えと渇きの減少がかなり早く、特に食糧は序盤が不足気味になるので、畑で安定した食糧を得ることで改善を見込めます。さらにゲームが進めばソーラーパネルを設置して、拠点で昼間も電気を使った作業が可能になります。



現時点のビルドではクラフト施設の増設などは不可能なため、拠点だけではすべての生産を賄うことはできません。しかし、安定した食事と水分の補充ができることは長期の探索時に安定感を増すことに繋がります。なにより、せっかくのサバイバルだし少しでも快適な場所で眠れるのは嬉しいですよね!
なお、本作は昼間でも怪物が存在していますが、夜になると強化されるだけでなく、突然主人公の近くにスポーンしてきます。幸いそこまで強くないのですが、当然ながら油断はできないので安定して休めるベッドを確保しておくのは大切です。オートセーブができないゲームということもあってか、ベッド自体はほぼすべての施設に用意されています。




各地を巡り島の秘密を探し出せ
ゲームは島での真実を探るメインクエストを進めていくのが目的です。また、島にある各施設で残されたメモを見つけることで、サブクエストも発生します。それぞれのクエストをクリアすることで「知識ポイント」を獲得可能で、拠点で消費することで主人公の基礎能力やクラフト能力向上、新しいレシピのアンロックなどが行えます。
メインクエストでは、この島で何が起きたかを調べながら各地を巡ることになります。実は島の中には武装した人間もいて、重要そうな軍事施設を警備しています。彼らの護っているものを見つけていくことで、この島で行われていた恐るべき研究の手がかりを掴んでいくことになります。




ストーリーを進めていくと、やがて極寒の地域や厳重なバンカーなど、さまざまな場所が冒険の舞台として待ち受けています。各地ではキーコードを使ってアクセスする扉などもありますが、これらも夜間の電力が通っている状況でしか起動できないものなので、自然と危険な状況で探索することになるのです。
ただし現状ではあまり敵が強くないこともあり、夜間の探索に緊張感が薄いことも否めません。とにかく主人公の銃が強く、距離減衰もないのでショットガンで遠距離から頭を撃つというのが最後まで通用してしまいます。テントがあれば遠征時も簡単にセーブや時間変更もできてしまうので、サバイバルとしての難易度は低めです。




早期アクセス段階では島の約3分の1が探索可能で、マップデザインはかなり優秀なイメージです。峡谷など上下に分かれたエリアもあり、また、車で移動できるようなルートもしっかりしているので、探索がストレスにならないのは個人的に評価したい部分です。



『Outbreak Island』は、夜にだけ電力が復旧するという設定を、危険な夜間にクラフトや重要施設の探索を行う必要があるという独自の要素として活かしています。クラフト施設がマップ内に分散していることで拠点以外も巡る必要があり、初期から入手できるピックアップトラックでの冒険を楽しいものにしています。
島で何が起きたかを巡るメインクエストもあり、日本語化されているのでサイドクエストを含めストーリーを追いかけやすいのも大きなポイント。基本的に他の施設で見つけたキーコードやアイテムを、他の施設で使う形式なので、マップを広げていくのが自然にできるだけでなく、報酬でプレイヤーの強化も行えます。



ただし、現状では敵の数が少ない、拾えるアイテムの復活が早いことで、島の脅威度が低いのは気になる点。後半ある施設でしばらく過ごしていたのですが、結果として来る前より食糧が豊富になって楽々サバイバルになってしまうことも。このどこか牧歌的な雰囲気のサバイバルも魅力ではあるのですが……。
ゲームのアップデートも積極的で、記事執筆時の最新アップデートではラジアルメニューの追加や車の収納上限拡張、雨天による水の貯蔵施設の回復など、やや不便だった部分の改善も行われています。ロードマップも公開されているので、今後のさらなるコンテンツ追加には大いに期待したいところです!














