日々たくさんのゲームがリリースされる現代。その分話題になる作品も多いわけですが、「どうしてこのゲームは人気なんだろう?」と思ったことはありませんか?
この連載では、ゲーマーから注目を浴びているゲームがなぜ人気になっているのかを分析します。記事を読んで、流行っているゲームに詳しくなっちゃいましょう。今回は、集英社ゲームズより発売された墓場文庫開発作品『都市伝説解体センター』をお届けします。
怪異か?それとも現実か?「都市伝説」の正体に迫れ!
本作は、怪異や呪物、事故物件や異界など、人々の間でまことしやかに囁かれる「都市伝説」の真実に迫るアドベンチャーゲームです。プレイヤーが操作する主人公・福来あざみは、メガネを掛けることで、その場所に渦巻く念や記憶を視ることが可能。能力を駆使しつつ、都市伝説を調査します。

基本的な流れは、3つのパートで構成されています。まずはどの都市伝説なのかを「特定」するために都市伝説調査を依頼してきた依頼者の周りを調べて証拠を収集し、調査の合間にSNSを検索して都市伝説にまつわる噂を集めます。
都市伝説は種類が豊富で、行方不明者が出るというミステリーツアーや呪いが掛けられた箱、ベッドの下から這い出て襲いかかる男など、どれもこの世のものとは思えないものばかり。その正体を突き止めて「解体」することこそが本作の気持ちいい醍醐味です。

可愛げのある主人公や、一見冷たいけど頼りになる同行者のジャスミンこと止木休美、非常にミステリアスで掴みどころのないセンター長の廻屋渉といった基本キャラに加え、心霊系配信者や胡散臭い美容食品を売るインフルエンサーなど、エピソードごとの個性的なキャラも魅力的です。
なぜヒットした?
本作は、発売よりたったの10日間で累計販売本数10万本突破するなど非常に勢いがあります。発売前のプロモーション展開が豊富で注目を集めていたことに加え、品質の高さからSNSを中心に口コミが広がっています。SNSでよく見られるのは、キャラの魅力やグラフィックスタイルについて。グラフィックは一部UIを除きほぼ全てがドット絵で構成されています。


ドット絵といっても「レトロ感」を目指しているわけではなく、カットシーンでアニメのようにリッチに描かれたり、キャラクターにたくさん動きがあったり、青系の色を基調とした少ない色数で本作特有の雰囲気を醸成していたりと、アートスタイルとして確立させています。
他にも、本作の物語には驚きの仕掛けが施されており、「語りたいけどネタバレだから言えない!!」というような感想が多くの注目を集めています。
ゲーム外のプロモーションも豊富で、少年ジャンプ+ではスピンオフコミック「都市伝説解体センター 異聞:くねくね」が掲載されたほか、「呪いの動画」をテーマとしたセンター長と電話できる企画などが展開され、話題を集めました。
今後も人気は続く?
本作について、ゲームの続編やDLCなどは今のところ発表されていませんが、ゲーム外での展開は多数予定されています。まず、岡本信彦さんがセンター長のCVを務めるオーディオドラマ、主題歌「奇々解体」のMV、LINEスタンプといった嬉しいファンアイテムの制作が決定しました。
集英社ゲームズという大手企業を母体とするパブリッシャーについていることで、非常に豊富な展開をしているのが特徴のひとつといえます。さらに、アニメ化やドラマ化などを期待する声も多く、ゲームに止まらない今後の展開にも期待です。


『都市伝説解体センター』は、PC(Steam)/PS5/ニンテンドースイッチ向けに配信中です。