『Path of Exile 2』新アプデ「Dawn of the Hunt」新クラスの魅力、既存の強すぎるビルドのナーフ確定、キャンペーンスキップ実装予定無しなどいろいろ聞いてきた | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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『Path of Exile 2』新アプデ「Dawn of the Hunt」新クラスの魅力、既存の強すぎるビルドのナーフ確定、キャンペーンスキップ実装予定無しなどいろいろ聞いてきた

ゲームディレクターのJonathan Rogers氏に、アップデートの詳細な内容や開発の意図を聞きました。

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『Path of Exile 2』新アプデ「Dawn of the Hunt」新クラスの魅力、既存の強すぎるビルドのナーフ確定、キャンペーンスキップ実装予定無しなどいろいろ聞いてきた
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Path of Exile 2』の大型アップデート「Dawn of the Hunt」が日本時間4月5日午前4時に配信されます。一般公開前にメディア向け発表会で行われたQ&Aセッションでは、ゲームディレクターのJonathan Rogers氏が様々な質問に答え、アップデートの詳細な内容や開発の意図が明らかになりました。

本記事では、その質疑応答の内容を詳しくお届けします。


―― 新クラス「ハントレス」が調教できる獣について、具体的な制限事項と、このシステムがゲームプレイにもたらす深みについて詳しく教えてください。同時に調教できる数や、スペクターとの違いは何でしょうか?

Jonathan Rogers氏(以下、Jonathan):ハントレスが一度にアクティブにできるコンパニオン(調教した獣)は厳密に1体のみです。プレイヤーはどの獣を相棒にするか、慎重に選ぶ必要があります。

このシステムの最も重要な特徴であり、他のミニオン召喚(スペクターなど)と一線を画すのは、調教対象の獣がレアモンスターだった場合、そのレアモンスターが持っていたMOD(例:ヘイストオーラ、追加ダメージ、特定の耐性など)をコンパニオンがそのまま引き継ぐ点です。これにより、プレイヤーは強力なMODを持つレアビーストを探し出し、それを捕獲するという新たな目標を持つことになります。

スペクターはあくまでベースとなるモンスターの能力しか使えないのに対し、獣の調教はレアMODというランダム性をビルドに組み込むことを可能にします。どのレアMODを持つ獣が特定のビルドとシナジーを生むのか、我々開発チームも予測しきれないような、興味深いビルドが生まれる可能性を秘めており、これがゲームプレイに加わる「ニュアンス」だと考えています。最適なレアビーストを求めて、プレイヤー間で情報交換や競争が起こることも期待しています。

―― 多くのプレイヤーがビルドに組み込んでいるマジックファインド(レアドロップ率上昇)ですが、現状の強力さから「必須装備」のようになっています。この状況を踏まえ、これらのステータスは調整されますか?

Jonathan:はい、ご指摘の通り、特に装備に付与されるアイテムレア度上昇の効果については、ゲームバランスを考慮し、大幅な調整を行います。現在の効果量は非常に高く、多くのビルドにとって最適解の一つとなり、装備選択の幅を狭めている側面があると認識しています。

今回の調整目標は、これらのマジックファインド系ステータスがビルド選択において「必須」と感じられる状況を緩和することです。具体的な数値変更の詳細は複雑な計算式に基づきますが、全体的なパワーは顕著に低下します。これにより、プレイヤーはマジックファインド以外の多様なステータスを持つ装備を、より自由に選択できるようになるはずです。ただし、完全に無意味なステータスにするつもりはありません。

―― 新規リーグで始めれば経済がリセットされるのは分かりますが、それ以外に、今回のアップデートに合わせて既存キャラクターではなく新規キャラクターでプレイを開始するメリットは何でしょうか?特にバランス変更の影響について教えてください。

Jonathan:早期アクセス期間中は、ゲームの根幹に関わるバランス調整を頻繁に行っています。「Dawn of the Hunt」アップデートも例外ではなく、多くのスキル、アイテム、そしてパッシブスキルツリー自体にも変更が加えられます。このパッシブツリーの変更に伴い、全ての既存キャラクターのパッシブポイントはリセットされます。つまり、既存キャラクターでプレイを続ける場合でも、パッシブの再振り分けが必須となります。さらに、スキルやアイテムの性能変更により、既存のビルドが以前と同じように機能しなくなる可能性も十分にあります。

そのため、開発チームとしては、今回のアップデートの変更点を最大限に体験し、意図されたバランス環境でプレイしていただくために、新しい「Dawn of the Hunt」リーグで新規キャラクターを作成することを強く推奨します。これは、開発チームがバランス調整に関する正確なフィードバックを得るためにも重要です。もちろん、既存キャラクターで新しいクラスやコンテンツを試すことは可能ですが、ゲーム全体のバランスが大きく変化していることをご理解の上でプレイしていただく必要があります。

―― ボス関連コンテンツが充実しているようですが、これは以前のボス戦への好評価が影響していますか?それとも元々計画されていたことですか?エンドゲームにおけるボスの位置づけについて教えてください。

Jonathan:プレイヤーの皆さんにもっと頻繁に、そしてより挑戦的なボス戦を体験してほしい、という思いは常に持っており、早期アクセスでの好意的なフィードバックは我々を勇気づけてくれました。今回のボスコンテンツ充実は、そのフィードバックを反映しつつ、元々の開発計画にも含まれていたものです。特に重要なのは、後述するマップ内でのリスポーンシステムの変更です。これにより、以前よりもボスをより手強く、より危険な存在としてデザインする余地が生まれました。エンドゲームにおけるボスは、単なる通過点ではなく、プレイヤーのビルドやスキルが試される重要なマイルストーンであるべきだと考えています。

また、『Path of Exile』のエンドゲームの魅力である「複数のメカニクスが絡み合い、予測不能な状況を生み出すランダム性」を『Path of Exile 2』でも実現したいと考えています。“Azumeri Wisp”がボスに憑依して特殊能力を付与したり、エッセンスの効果がボスに追加されたりすることで、同じボスであっても遭遇するたびに異なる戦術や対応が求められるようになります。こうした「組み合わせの妙」によって、エンドゲームのリプレイ性を高め、プレイヤーを飽きさせない工夫を凝らしています。

―― マップ内で遭遇する敵対NPC「Rogue Exile」について、彼らは特定の開発者をモデルにしているのですか?また、それぞれの個性やスキルのインスピレーションはどこから得ていますか?彼らのAIについても詳しく教えてください。

Jonathan:特定の開発者をモデルにしたRogue Exileはいません(笑)。彼らの個性や使用スキルは、むしろ彼らが装備している可能性のあるユニークアイテムのフレーバーやテーマから着想を得ています。例えば、特定のユニーク武器を装備しているRogue Exileは、その武器の特性を活かすようなスキル構成や立ち回りをするようにAIを設計しています。

彼らのAIは通常のモンスターとは比較にならないほど高度です。プレイヤーのようにドッジロールで攻撃を回避したり、障害物を利用して射線を切ったり、有利な位置を取るためにWASDキー操作のような複雑な移動を行ったりします。時にはプレイヤーを挑発するようなセリフを発することもあります。これらは全て、プレイヤーにあたかも人間と対戦しているかのような緊張感と駆け引きを提供するためです。

そして、彼らが装備しているユニークアイテムは、そのキャラクターモデルにも反映されており、ライフバーの下にも表示されます。もしそれが非常に価値の高いユニークであれば、プレイヤーは「絶対に倒して奪い取りたい」という強い動機を持つでしょう。

しかし、油断は禁物です。もしプレイヤー側が全滅すれば、彼らはポータルでアイテムごと逃走してしまいます。このリスクとリターンのバランスも、Rogue Exile戦の醍醐味です。

―― かつての『Path of Exile』にあったような、アイテムのMODを再抽選するカレンシーや、『Path of Exile』時代のエッセンスのようなメカニクスを『Path of Exile 2』に再導入する予定はありますか?

Jonathan:オルタレーションオーブのような、低コストで特定のMODを容易に狙えるメカニクスを『Path of Exile』と全く同じ形で再導入する予定は現在のところありません。これらのシステムは、クラフトの敷居を下げる一方で、地面にドロップするアイテムの価値を著しく低下させてしまうという副作用がありました。

『Path of Exile 2』では、アイテム発見の喜びとクラフトによる装備強化のバランスを重視しています。現在、『Path of Exile 2』のクラフトオプションは『Path of Exile』に比べて少ないですが、今後様々な新しいクラフトメカニクスを追加していく計画です。ただし、それは常にドロップアイテムの価値を損なわないように、慎重に設計・導入されることになります。

―― 「ロア騎乗」システムが、装備アイテムではなくスキルジェムとして実装された背景には、どのような設計思想があるのでしょうか?全クラスが利用できるのですか?

Jonathan:騎乗システムは、ゲーム内の全てのプレイヤーキャラクターが常に利用することを想定して設計されたものではないからです。我々はこれを、特定のプレイスタイルやクラス、特にレンジャーやハントレスといったDexterityに特化したクラス群のアイデンティティを構成する要素の一つと捉えています。

他のクラスでも、例えば遠距離攻撃スキル使用時の移動速度低下ペナルティを打ち消す目的などで、このスキルジェムを利用すること自体は可能かもしれませんが、それは主要な使い方ではありません。全てのキャラクターが騎乗可能になるわけではなく、スキルジェムという形にしたのは、それを必須の移動手段ではなく、特定のビルドやクラスが選択できる「戦術的な選択肢」の一つとして提供したかったからです。

―― マーセナリーのような他の遠距離クラスも、騎乗を効果的に活用できるのでしょうか?

Jonathan:スキル使用時に移動速度が低下するタイプの遠距離攻撃を持つクラスであれば、騎乗によってそのペナルティを無視できるという恩恵は受けられるはずです。マーセナリーもその条件に合致する可能性は高いですが、最終的な挙動については確認が必要です。

ただし、繰り返しになりますが、騎乗スキルは主にレンジャーとハントレスのために設計されたものであり、他のクラスでの利用は、あくまで特定の状況下での選択肢の一つ、という位置づけになります。

―― 今回のアップデートで追加される新しい武器タイプは槍のみでしょうか?他にヒントはありますか?剣の実装はまだですか?

Jonathan:今回の「Dawn of the Hunt」アップデートで新たに追加される武器タイプは、槍とそれに関連するオフハンド装備であるバックラー(小型盾)です。今後の計画としては、新しいクラスを『Path of Exile 2』に追加する際には、そのクラスのテーマに合った新しい武器タイプも同時に実装することを基本方針としています。

多くのプレイヤーが待ち望んでいるであろう「剣」についても、将来的には剣を主要な武器とするクラスの実装に合わせて導入される予定ですが、今回のアップデートには含まれません。

―― 早期アクセス開始から現在までの統計で、最も多くプレイされているクラスとそのアセンダンシーは何ですか?また、今後のバランス調整でこの傾向は変わるでしょうか?

Jonathan:リーダーボード上位の使用状況から判断すると、現状ではストームウィーバーとインヴォーカーが際立って多くプレイされています。ハードコアリーグにおいては、その高い防御性能からインファーナリストも人気を集めています。

しかし、これはあくまで現時点での状況です。次期アップデートでは非常に大規模なバランス調整が予定されており、多くのスキルやメカニクス、アイテムの性能が見直されます。これにより、現在のクラス間のパワーバランスや人気分布は大きく変化することが予想されます。我々も意図的にメタゲームを揺り動かそうとしています。

そして当然ながら、新クラスであるハントレスも多くのプレイヤーによって研究され、プレイされることになるでしょう。

―― 動画で紹介されていなかったような、隠しボスやシークレットモンスターは存在しますか?エンドゲームのエンカウンターの多様性について、もう少し詳しく教えてください。

Jonathan:はい、もちろんです。動画でお見せしたのは、追加されるコンテンツのごく一部にすぎません。中には、特定のマップギミックを解いたり、「コラプト」や「浄化」といった特殊なマップ状態でのみ遭遇可能だったり、あるいは特定の条件を達成しないと出現しないような、意図的に隠されたボスやレアモンスターも存在します。

また、今回追加される「Azumeri Wisp」が既存のボスに憑依して能力を変化させるなど、既存コンテンツと新コンテンツが相互作用することで生まれる予期せぬ遭遇も多数あります。単純な数だけでなく、これらの「組み合わせ」や「状況による変化」も含めると、「新しいタイプのエンカウンター」は40種類以上に及びます。エンドゲームが常に新鮮で、探索しがいのあるものになることを目指しています。

―― 『Path of Exile 2』の正式リリースまで、今後予定されている各メジャーリリース(大型アップデート)では、新しいリーグと同時に必ず新しいクラスも導入されるのでしょうか?

Jonathan:まず、正式リリースまでの各大型アップデートで、新しいアセンダンシークラスは継続的に追加していく計画です。これはビルドの多様性を広げる上で非常に重要だと考えているからです。

一方で、クラス本体の追加に関しては、毎回新しいクラスを導入することを目標とはしていますが、確約することはできません。その理由は、クラス開発は非常に大規模で複雑であり、開発期間の予測が難しいからです。過去に、ハントレスの実装を特定のアップデートに間に合わせようとした結果、アップデート全体の遅延を招きかけたという反省があります。

今後は、プレイヤーの皆さんに定期的に新しいコンテンツを提供できるよう、アップデートのリリーススケジュールを守ることをより重視する方針です。そのため、もしクラス開発が予定通りに進まなかった場合は、クラスの実装自体を次のアップデートに延期するという判断をする可能性もあります。もちろん、可能な限り新しいクラスを追加していきたいと考えていますが、確約できない点をご理解ください。

―― 新クラス「ハントレス」の、これまでの『Path of Exile』にはなかった新しいスキルやメカニクスは、新規プレイヤーと既存プレイヤーの双方にどのような影響を与えると考えますか?特に魅力的な点は何でしょう?

Jonathan:ハントレスを設計する上で最も注力し、同時に彼女の最大の魅力となっているのは、近接攻撃と遠距離攻撃をシームレスに切り替えるハイブリッドな戦闘スタイルと、それを支える独自の「パリィ」メカニクスです。

『Path of Exile 2』の非常にスピーディーな集団戦の中で、従来のタイミング入力型のパリィを機能させるのは難しいと判断しました。そこで我々が採用した解決策は、バックラーを構えている間は自動で攻撃を受け流し、その防御行動の見返りを、直後に使用する「離脱」のような追撃・回避スキルに大きなボーナスを与えるという形にすることでした。この防御からの流れるような反撃は、他のどのクラスとも異なる独特の操作感と戦術的な深みを提供します。

『Path of Exile 2』では、各クラスが明確な個性を持つことを重視しており、ハントレスもその点で非常にユニークな体験を提供できると自負しています。また、些細な点かもしれませんが、ハントレスは『Path of Exile 2』のクラスの中で最も深いコンボチェーンを持っており、熟練すればするほど奥深いアクションを楽しめる点も魅力です。

―― 開発チームが、今回の100種類以上の新サポートジェムの中で、特に「これは新しいゲームプレイ体験を生み出す」と感じた、注目すべきジェムはありますか?

Jonathan:特定のジェムを「最高」と呼ぶのは難しいですね。なぜなら、我々の目標は、全ての新しいサポートジェムが、何らかの形で新しいビルドのアイデアやプレイスタイルを刺激することだからです。プレゼンテーションで例に挙げた“Blood Crystals”は、継続ダメージをヒットダメージに変換することで、これまでDoTビルドでは活用しにくかった「ヒット時効果」系のメカニクスとの組み合わせを可能にします。“Alignment”は弓ビルドに位置取りという新たな戦略性を加えます。

このように、既存のルールやステータスの相互作用に「奇妙なひねり」を加えることで、プレイヤーがこれまで考えもしなかったようなビルドを考案し、試行錯誤するきっかけを提供することこそが、新しいサポートジェム追加の最大の狙いであり、最もエキサイティングな点だと考えています。

―― 現在のゲーム内エコノミー(経済状況、特にインフレ)は、開発チームの想定通りに機能していますか?早期アクセス終了に向けて、インフレ抑制などのために計画していることはありますか?

Jonathan:全体としては「概ね良好」に機能していると評価しています。確かに、前回のリーグでは一部のプレイヤーからインフレに対する懸念の声が寄せられました。これは、一部のビルドが想定以上に強力であり、プレイヤーが極めて効率的にマップを周回し、カレンシーを蓄積できていたことが一因だと分析しています。次期アップデートで実施される広範なバランス調整が、このような極端な状況をある程度緩和することを期待しています。

アクションRPGにおいてインフレを完全にゼロにすることは困難ですが、健全なレベルに保つ努力は続けます。トレードシステム自体に関しても、早期アクセス期間中にいくつかの実験的な変更を試みる可能性はありますが、現時点で発表できる具体的な計画はありません。

―― 今回のアップデートで多数の新しいユニークアイテムが追加されますが、それによって既存のユニークアイテムのドロップ率が下がるなどの影響はありますか?

Jonathan:いいえ、基本的には既存アイテムのドロップ率に大きな悪影響はないように設計されています。実は、『Path of Exile 2』のルートシステムを最初に設計した段階で、将来的に追加する予定の新しいベースアイテムやユニークアイテムのためのプレースホルダーをドロップテーブル内にあらかじめ組み込んでいました。これまでは、ドロップ判定でこれらのプレースホルダーが選ばれた場合、アイテムの代わりに少量のゴールドがドロップするように処理されていました。

今回のアップデートでは、これらのプレースホルダーに実際の新しい槍やユニークアイテムが割り当てられる形になります。つまり、ドロップテーブル全体のパイの中で、新しいアイテムが既存アイテムのパイを直接的に奪うのではなく、元々用意されていた空きスペースに収まる形になるため、既存アイテムの入手機会が大幅に減少することはないはずです。もちろん、全体的なドロップテーブルの微調整は行われていますが、基本的な考え方はこの通りです。

―― オーメンのドロップ率は調整されますか?

Jonathan:はい、劇的に増加します。現状では入手しにくいというフィードバックを受けて、次回のアップデートでは、基本的に全てのRitualエンカウンターで何らかのオーメンがドロップするように変更される予定です。これにより、オーメンははるかに一般的なアイテムとなり、トレード市場での価格も安定し、より多くのプレイヤーが気軽に利用できるようになることを期待しています。

―― パッチノートはいつ公開されますか?詳細なバランス変更も含まれますか?

Jonathan:まず、アップデートの主要な新機能や変更点を網羅した第一弾のパッチノートを、ライブストリームの終了直後に公開します。しかしながら、今回のアップデートは内容が非常に膨大で、パッチノートの記述量も小説に匹敵するほどになっており、全ての詳細、特に細かいバランス調整の数値などをライブストリーム終了までに完璧に記述・校正することが物理的に困難です。

そのため、第二弾として、補足情報やより詳細なバランス変更リストなどを、少し時間を置いて公開する形になる可能性があります。まずは主要な変更点を把握していただき、追って詳細を確認していただければと思います。

―― HeistやHarvestのような、『Path of Exile』で人気だったリーグメカニクスは、将来的に『Path of Exile 2』にも導入される予定はありますか?どのような形で導入されますか?

Jonathan:一部の古いリーグメカニクスについては、『Path of Exile 2』に再導入することを計画しています。ただし、全てのメカニクスが対象となるわけではありません。また、単に『Path of Exile』から移植するのではなく、『Path of Exile 2』のゲームシステムやバランスに合わせて再設計・再構築し、より面白く、ゲームにうまく統合された形で提供したいと考えています。

例えば、Harvestを導入するとしても、『Path of Exile』で問題視された強力すぎるクラフトオプションなどは見直されることになるでしょう。これらの追加は一度に行われるのではなく、今後のアップデートで段階的に行われる予定です。『Path of Exile 2』独自の新しいリーグコンテンツと並行して、過去の人気コンテンツも楽しめるようにしていきたいと考えています。

―― 『Path of Exile 2』のリーグ期間も、『Path of Exile』と同じく約3ヶ月になりますか?早期アクセス期間中も同様ですか?

Jonathan:はい、基本的な方針としては『Path of Exile』と同様に、約3ヶ月を1リーグ期間とし、定期的に新しいコンテンツと経済のリセットを提供していくことを目標としています。

―― ゲーム内オークションハウスを導入する計画はありますか?もし導入する場合、どのような形を想定していますか?『Path of Exile』のようなトレードサイト依存からの脱却は目指しますか?

Jonathan:オークションハウスの導入については、開発チーム内でも様々な議論があり、実験的に導入してみること自体には興味を持っています。しかし、現時点で具体的な導入計画を発表できる段階ではありません。もし将来的に『Path of Exile 2』に何らかの形の取引システムを導入するとしても、多くのプレイヤーが想像するような、他のMMORPGに見られるような完全自由市場型のオークションハウスとは異なる、『Path of Exile』独自のシステムになる可能性が高いです。

『Path of Exile』におけるトレードは、アイテムを見つける喜びと表裏一体であり、過度に効率化されすぎるとその喜びを損なうと考えています。そのため、利便性とゲーム体験のバランスを慎重に考慮した上で、最適な形を模索していくことになります。外部サイトへの依存度を下げること自体は検討課題の一つですが、完全な代替となるかはまだ分かりません。

―― エンドゲームにおいて、エナジーシールド(ES)ベースの防御がライフベースに比べて支配的すぎると感じられます。パッシブツリーにライフ関連ノードを追加する予定はありますか?ES以外の防御メカニクスの立ち位置はどうなりますか?

Jonathan:パッシブツリーに単純にライフ関連のノードを追加するという方向での調整は予定していません。ライフとESのバランスは常に注意深く見ていますが、ライフノードを増やすだけでは根本的な解決にならないと考えています。しかし、エナジーシールド自体の性能や関連メカニクスについては、次期アップデートでいくつかの調整が行われます。

また、アーマー、回避、ブロックといった他の防御メカニクスへの変更と合わせて、現状ほどESが生存において圧倒的に優位、という状況ではなくなるようにバランスを取ることを目指しています。多様な防御手段がそれぞれの役割を持ち、プレイヤーがビルドに合わせて選択できる環境が理想です。

―― ウォリアーのシールドブロック性能の改善について、もう少し具体的な情報を教えていただけますか?ハントレスのパリィからどのような影響を受けましたか?

Jonathan:申し訳ありませんが、現時点で詳細をお話しすることはできません。これは、ハントレスの“パリィ”メカニクスが非常に良い感触だったことを受けて、先週になって「ウォリアーのシールドブロックももっと面白くできるのではないか?」と検討し始めたばかりで、まだ具体的な設計や実装には至っていない、あくまで実験段階のアイデアだからです。

最近、開発チーム内でウォリアー、特に片手武器+盾スタイルを改めてプレイテストした際に、現在のハントレスと比較してやや単調に感じられたのがきっかけでした。ハントレスのパリィが持つ「防御から攻撃への転換」というダイナミズムを参考に、単なるダメージ軽減ではない、より積極的で面白いメカニクスにできないかと考えています。

そのため、改善自体には非常に前向きであり、近いうちに何らかの調整を行いたいと考えていますが、まだ確定情報としてお伝えできる段階ではありません。

―― 残りのキャンペーン(Act 4以降)の開発状況と、エンドゲームへのキャンペーンスキップ機能に関する方針に変化はありましたか?

Jonathan:Act 4以降のキャンペーン開発は継続して進めていますが、今回の「Dawn of the Hunt」アップデートでのリリースはありません。

キャンペーンスキップ機能については、これを実装する予定は一切ありません。これは我々の設計思想の根幹に関わる部分です。キャンペーンは単なるチュートリアルではなく、物語を体験し、キャラクターを成長させ、ゲームシステムを段階的に学んでいくための重要なプロセスであると考えています。これをスキップ可能にすることは、ゲーム全体の体験を損ない、長期的なプレイヤーの定着にも悪影響を及ぼすと考えています。

―― 現在のキャンペーン構造(ノーマル3章+クルーエル3章でエンドゲームへ)に、将来的にAct 4が追加されると、構造全体にどのような影響がありますか?たとえばノーマル4章+クルーエル2章というような形になるのでしょうか?具体的な実装方法のアイデアはありますか?

Jonathan:それは複雑であり、正直に言って簡単な解決策はありません。現在の「3章 × 難易度2種」という構造に、後からAct 4を追加することは、レベル帯の調整、クエストの流れ、難易度曲線など、多くの点で奇妙なことや調整の難しさを引き起こします。開発チームもこの構造的な課題は十分に認識しています。

一時、全ての新しい章(Act 4~6)を早期アクセス開始時にまとめて実装することも検討しましたが、開発期間やテストの観点からそれは現実的ではありませんでした。

我々は、たとえ少し変則的な実装になったとしても、早期アクセス期間中に段階的に新しい章をリリースし、プレイヤーにテストしてもらい、フィードバックを得ることが重要だと考えています。

―― “Smith of Kitava”の胴防具をパッシブツリーで「クラフト」するユニークなシステムについて、具体的なビルド例や、通常の装備よりも特に有用になる状況などを教えてください。ポイント配分のトレードオフについても詳しくお願いします。

Jonathan:このシステムの真価は、最終的に各ノードに設定されるMODの数値パワーによりますが、基本的なコンセプトは2つあります。1つは、通常の胴防具では決して得られないような特殊なMOD(例:特定条件下での強力なバフなど)を付与できること。もう1つは、通常の胴防具でも得られるMOD(例:属性耐性など)を、はるかに高い数値(プレゼンでは例として単一ノードで75%の火炎耐性が挙げられました)で獲得できることです。

プレイヤーはアセンダンシーポイントの全てをこのアーマークラフト関連のノードに投資することもできます。そうすれば、他の強力なアセンダンシー能力(武器強化や召喚など)を完全に犠牲にする代わりに、他の追随を許さないほどの極めて強力な防御性能を持つ、まさに「自分だけの究極の鎧」を作り出すことが可能です。例えば、全ての耐性ノード、ライフノード、物理ダメージ軽減ノードなどを最大限に取得すれば、非常に頑丈なキャラクターが完成するでしょう。

逆に、ポイントの一部だけをアーマーに割り振り、残りを武器強化や召喚などの他の能力に使うこともできます。例えば、主要な耐性だけをいくつか取得し、残りのポイントで攻撃的な能力を伸ばす、といったバランス型の構築も可能です。どの程度のポイントを防御に投資しどの程度のポイントを攻撃や他のユーティリティに割り振るか、そのトレードオフこそがこのアセンダンシーのビルド構築の面白さであり、プレイヤーの個性が反映される部分です。

―― プレゼンテーションで「意味のあるゲームプレイ」という言葉が強調されていましたが、これは特にエンドゲームの戦闘体験において、現状の、いわゆる「クリアスピードメタ」に対してどのような変化をもたらすことを意図していますか?具体的なボス戦の調整方針についても教えてください。

Jonathan:ご指摘の通り、これは現在のエンドゲームにおける「クリアスピードメタ」、つまり効率を最優先し、コンテンツ(特にボス)が一瞬で終わってしまうような状況に対する我々の考え方を反映したものです。

現状、一部のビルドやメカニクスはあまりにも強力すぎるため、エンドゲームの特に挑戦的であるべきピナクルボスなどでさえも、プレイヤーが十分な準備や学習をする前に、いとも簡単に攻略できてしまう状況を生み出しています。これは、本来あるべき「挑戦し、困難を乗り越え、達成感を得る」というアクションRPGの醍醐味を損なっていると考えています。

そのため、今回のアップデートでは、いくつかのナーフを含むバランス調整を行っています。ただし、我々の目標は、プレイヤーが最終的に圧倒的なパワーを手に入れること自体を否定することではありません。重要なのは、そのパワーに至るまでの過程であり、キャラクタービルドの最適化です。

ピナクルボスに初めて挑戦する時は、それが記憶に残るような「ハードな戦い」であるべきです。その後、プレイヤーがキャラクターを強化し、ボスの動きを学び、戦略を練り上げた結果として、最終的にそのボスを14秒で倒せるようになるのは、素晴らしい達成体験です。問題なのは、最初の挑戦からそのような結果が容易に達成できてしまうことです。

今回のバランス調整は、特にボスエンカウンターにおいて、このような「意味のある挑戦」と、それを乗り越えた際の「達成感」をプレイヤーに再び感じてもらうことを目指しています。特定のステータスを過剰に積み重ねることで容易にバランスを崩せていたいくつかのケースについても見直しを行っています。ボスの体力や攻撃力だけでなく、ボスの行動パターンや、プレイヤーに対応を強いるようなメカニクスの調整も含まれます。

―― アセンダンシーポイントを獲得する3番目の方法を追加する計画はありますか?それとも現在の2つの方法(試練)に限定されますか?

Jonathan:はい、アセンダンシーポイントを獲得するための3番目の方法を追加する計画はあります。試練、そしてエンドゲーム導入時のドリヤニのクエスト(今回のアップデートで改修)に続く、新たな入手手段を予定しています。

しかし、その実装は、キャンペーンのAct 4がゲームに追加された後になる予定です。したがって、今回の「Dawn of the Hunt」アップデートには含まれません。

―― アセンダンシークラスの切り替えは可能になる予定はありますか?

Jonathan:現時点では、異なるアセンダンシークラス間でのリスペックは許可されていません。我々は、アセンダンシークラスの選択を、そのキャラクターの核となるアイデンティティの重要な一部であると考えており、安易に変更できるべきではないという立場です。もし、これがプレイヤーにとって非常に大きな問題点となるようであれば、将来的に再検討する可能性はゼロではありませんが、現在の計画および基本的な方針としては、アセンダンシークラスのリスペックは不可能です。


ライター:いーさん,編集:TAKAJO

ライター/絶滅危惧種アメリカ在住ライター兼YouTuber いーさん

YouTubeやりつつ様々な媒体で執筆中

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編集/いつも腹ペコです TAKAJO

Game*Spark編集部員。『Crusader Kings III』と『Mount & Blade II: Bannerlord』に生活リズムを狂わされ続けています。好きな映画は「ダイ・ハード」、好きなアメコミヒーローは「ナイトウィング」です。

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