
人気農場ゲーム『Stardew Valley』に人気RPG『バルダーズ・ゲート3』のキャラクターたちを登場させる「Baldur's Village」というModを巡って、権利者を巻き込んだ騒動が起こっていたことを海外メディアPCGamerが報じています。
一時は権利者削除申請が通るものの、「削除申請は間違いだった」と権利者が述べ削除撤回へ

今回問題を巻き起こしたのは、「Baldur's Village」と呼ばれる2025年3月8日に公開された『Stardew Valley』向けのModです。このModを導入することで、『バルダーズ・ゲート3』に登場する20人以上のキャラクターや、さまざまな場所が『Stardew Valley』に追加されます。
このModに対して、『バルダーズ・ゲート3』を開発したLarian Studiosの共同設立者であるSwen Vincke氏は「愛に満ちた、素晴らしい仕事だ!」と大絶賛の太鼓判を押しました。
しかしながら、『バルダーズ・ゲート』シリーズの原案である『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の権利所有者であるウィザーズ・オブ・ザ・コースト(以下、WotC)はこのModの存在を快く思わなかったようで、「自社の財産の不適切利用」としてこのModに対する削除申請を出しました。これを受けてか、2025年4月1日午前12時現在、NexusModsの該当Modのページは「調整中」という表示になっています。
このWotCの削除申請に対して、多くのゲーマーから批判の声が挙がりました。海外メディアPCGamerの記事によれば2023年のオープンゲームライセンス(OGL)に対する悪評などが相まって、WotCはD&Dファンからの温かい支持を受けていないとしており、Nexus Modsも「今回の削除申請はWotCの権利関係の見落としによる濫用で、削除申請をすぐに撤回するだろう」と述べたとしています。
また、先述したLarian Studiosの共同創設者Swen Vincke氏は「他のゲームであなたのキャラクターを取り上げた高品質Modはあなたの作品が共感を呼んでいる証拠で、口コミのユニークな形です。これはあなたの財産を侵害する商業的なベンチャーのように扱うべきではありません」と、今回のWotCの措置をX上で非難しました。
その後のPCGamerの記事によると、WotCからPCGamerに対して「Baldur's VillageへのDMCA削除命令は誤って発行されました。申し訳ありません。現在、ファンと『Stardew Valley』コミュニティがこの素晴らしいModを引き続き楽しめるよう、修正作業を進めています」というコメントが寄せられ、WotC側がMod削除に乗り出したことが誤りであったことを認めました。
PCGamerは今回の騒動を「WotCの大失敗」としており、過去のライセンス問題などに触れつつ「今回の大失敗も、驚くべきではないのかもしれない」と記事を締めくくっています。
※コメントを投稿する際は「利用規約」を必ずご確認ください