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プレイアブルキャラなんと30人、遊び方だって無限大!タワーディフェンス『Tower Dominion』の手堅くシブい超ボリュームに、開発からの熱いラブレターを感じたプレイレポ

非常に優秀なタワーディフェンスである本作。何十時間でも付き合えるほどの奥深さとポテンシャルの高さを秘めていました。

連載・特集 プレイレポート

Parallel 45 Gamesは、Steamにて5月8日よりタワーディフェンスストラテジー『Tower Dominion』をリリースしました。

デモ版が配信されてからこっち、ユーザーからのさまざまなフィードバックを取り入れ、いよいよ製品版リリースとなった本タイトル。記事執筆時点において、すでに500近いレビューが集まり「非常に好評」という評価の作品です。実際にプレイしてみたところ、バラエティ豊かなヒーローに、戦略性の問われる建設やアップグレード、常に選択を迫られるリソースの割り振りと、タワーディフェンスに必要な要素がギュッと濃縮された一本でした。

次はもっと上手く戦える! 再プレイ必至の絶妙なバランス

本作は見下ろし型のオーソドックスなタワーディフェンスゲームです。襲い来る敵からヘッドクォーター(本部)を守るために、道沿いにさまざまな兵器や建物を置いて、複数回のウェーブを乗り切ることを目的としています。

ゲーム自体はシンプルであり、一見するとキャッチーな要素はありませんが、その作り込みはたしかなものでした。

さっそくプレイしていきましょう。一番簡単な難易度では、25回のウェーブを乗り切る必要があります。

まずは道路の敷設から。ボードゲームの「カルカソンヌ」のように、くの字や十字の道が描かれたタイルをつなげて、ゲームエリアを広くする必要があります。外へ伸びた道から敵が沸いてくるので、本部との位置関係に気を付けつつ、曲がり角や遠回りな路地を作っていきましょう。

次に建設フェイズです。先ほど上手いこと作り上げた曲がり角の真ん中に全方位に攻撃できる櫓や砲台を設置し、ゆっくりと歩いてくる敵をハチの巣にしてしまいましょう。本作は特に手動スキルはなく、ほぼすべてオートで攻撃してくれます(それでもメチャ忙しいですが……)。

建築物はさまざまあり、どれもこれも一長一短です。前方180度にフルオート射撃してくれるバンカーや、遠方にだけ大火力の砲撃をしてくれるアークキャノンなど、どれもこれもわかりやすく、そしてかっこいいです。

主に敵のウェーブをひとつクリアすると、この建築物とドクトリン(教理・原則の意味で、本作では恒久的なバフ全般を指している)を報酬として選択することができます。

建設(とその後のアップデート)には3種類のリソースを使います。

ひとつめは、サプライ(供給物資)。赤い箱で、もっとも必要な資源です。まあ、気にせずともそのうち溜まっていくものです。

ふたつめは、リーコン(索敵)。緑の探知機の見た目をしており、調査や発見にまつわるアップデートをしていくと入手できます。また、タイルの再抽選にも使えます。

みっつめは、テック(技術)。青い電子基板です。これは相当レアな資源なので、使いどころに気を付けたいですね。

とはいえ、余らせても何にもならないので、逐一使用して全体の戦力を着実に底上げしていきましょう。

基本的にこれらのリソースが潤沢に余ることはなく、適当に割り振っていてもウェーブを乗り切ることはできません。空を飛ぶ敵に難儀しているようなら、それらを撃ち落とす建物に資源を投入したり、シールドを持つ敵に押し切られるようだったら、シールドを積極的に割るアップデートを取っていったりしなければなりません。非常に当たり前に聞こえることを書いているかもしれませんが、これがなかなかシビアで、初めのうちはあっさり負けてしまうこともあるでしょう。

エリア及びルート作成、資源管理、配置、そして報酬選択からアップデートまで、何から何まで自分でやらなければならないという意味では、どんなタワーディフェンスよりもユニークなつくりをしているのかもしれません。ひとつでも噛み合わなくなると、敵は湯水のごとくその割れ目から雪崩れ込んできます。逆に言えば、それぞれの要素をしっかり追っていければ、凶悪なボスキャラの軍勢も掌の上で転がすことができるでしょう!

何やかんやあって25回のウェーブをクリアできた時の達成感はなかなかのものです。

遊びの要素はまだまだあってボリュームたっぷり!

しかしながら本作はそれだけでは終わりません。マップは他にも、「IRON DRAGOONS」「LIONS OF RAVELSKI」「PARGAN ASSAULT GROUP」といった3つあり、それぞれに10人のヒーローがいて、つまり計30人のプレイアブルキャラクターが用意されています。つまり、単純計算で最低30回は遊べちゃうわけです。スゴいボリューム!

これらのヒーローはそれぞれにパッシブスキルを2つ持っており、これらもまた考慮に入れる必要があります。説明だけ聞いていると「ちょっと頭に入りきらない……」という感じになってきたかもしれませんが、これが意外と何とかなるもので、何回もやっているとヒーローとのシナジーや建物同士のリンクなどがわかってきて、ゲームへの解像度が上がっていきます。

と、ここまで本作を褒め倒してきましたが、ひとつだけ難点があります。それは記事執筆時点において、まだ日本語化されていないこと!

英文自体はそこまで長くなく、ゲームによく出てくるような単語ばかりなので、そこまで英語力は必要ないかと思いますが、翻訳ツールを使いながら遊ぶのが無難かもしれません。

また、英語力に自信があるという方は、本作のDLCとして攻略ガイドが用意されています。116ページもの大ボリュームのガイドなので、ゲームに詰まったときに読んでみてください。

『Tower Dominion』には決してコクのある設定やストーリーがあるわけでもなく、誰の目にも止まるわかりやすい要素も見当たりませんでしたが……しかし!コアなタワーディフェンスファンへ向けた特大のラブレターであることは間違いなく、何十時間でも付き合えるほどの奥深さとポテンシャルの高さを秘めていると感じました。

読者の皆さまの中で、本作に興味を持たれた方は、この無限大の組み合わせがある夢の戦場に足を運んでみてください。ちなみに筆者はバリケードの前に群がるザコどもを「SLOVEK HOWITZER」で一気に粉砕するのが大好きです!

  • タイトル:『Tower Dominion』

  • 対応機種:Windows PC(Steam)

  • 記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam)

  • 発売日:2025年5月8日

  • 著者プレイ時間:10時間

  • 価格:1,950円(2025年5月22日まで1,755円のセール中)
    ※製品情報は記事執筆時点のもの

いくらでも遊べちゃうタワーディフェンスの力作が現れたスパ!

ライター:各務都心,編集:麦秋

ライター/ 各務都心

マーダーミステリー『探偵シド・アップダイク』シリーズを制作しているシナリオライター。思い出の一本は『風のクロノア door to phantomile』。

編集/お空の人。 麦秋

普段は仕事であちこち渡り歩いては飛んでます。自分が提供するものが誰かのお役に立てれば幸い。皆さんのこくまろなキャラに並べるよう頑張ります。

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