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【吉田輝和の絵日記】ケモノ少年少女がかわいくてかわいそう!プレイヤーのSAN値が限界になる復讐三部作の完結編『戦場のフーガ3』はやっぱり最高だった

遂に三部作が完結!吉田おじさんイチオシタイトルの最終作の出来栄えやいかに?

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今回は、サイバーコネクトツーが贈る『戦場のフーガ3』のPC版をプレイ!本作は、“戦争×復讐×ケモノ”をテーマに描かれるシミュレーションRPGシリーズの最終章。三作目にして、ついに完結を迎えます。

過酷な戦争に巻き込まれたケモノの少年少女たちが、謎の巨大戦車タラニスに乗り込み、敵国に奪われたものを取り戻すため、戦いに身を投じる物語が展開されていきます。

可愛いキャラクターデザインから考えられないほどハードなストーリーで、過去作をプレイしていたときはSAN値がガリガリと削られていました。おそらく、というか本作も確実にどぎつい展開が待っているでしょう。心の準備をしておかねば……!



以降は極力ネタバレに配慮していますが、1と2のストーリーなどにも触れるので閲覧の際にはご注意ください。

ケモノ少年たちの平和が三度脅かされる……!

辺境の村で暮らすマルトたちの平和は、軍事国家ベルマン帝国の侵攻によって脅かされていた。大人たちは捕虜となり、残された子どもたちは謎の巨大戦車タラニスを見つけ、捕らわれた家族を助けるためにタラニスに乗り込む。

戦火の中で成長したマルトたちは、出会いや別れを繰り返し、ついに家族を取り戻すのだった。

しかし平和なときは長くは続かなかった。ベルマン帝国との戦いから一年、マルトたちと共に戦った戦車タラニスは調査中に謎の暴走を起こし、子どもたちの半数を乗せたままどこかへ走り去ってしまう。

残された子どもたちはタラニスのライバル機であるタラスクスに乗り込み、その後を追う。タラニスの子どもたちは何者かに操られており、マルトは仲間たちとの闘いを強いられるのだった。大事なものを失って復讐に囚われるマルトだったが、黒幕との戦いに勝利し、真の平和を勝ち取る。

「平和な世界を作っていこう」、その決意を胸にタラニスと別れを告げるのだった。

……と、これが第一作、第二作のあらすじだ。続編が出るとまた平和が脅かされるのはストーリーの展開上仕方のないことなんだけど、1と2にガッツリハマった僕は、ケモノ少年たちがいかに戦ったかを知っているだけに心が痛かった。人の心がないのか!サイバーコネクトツー!!

ちなみにタラニスには、敵を一掃する強力な兵器ソウルキャノンが備わっていて、発動の代償としていずれかの子どもたちの命が奪われるのだ。ストーリーの流れで使われるのではなく、戦闘中に負けそうになったときに発動可能になり、使うか使わないかはプレイヤーの判断に委ねられる鬼畜な仕様……!

2では、窮地に陥った際にはAIが子どもたちの中から勝手に犠牲を選び、強制的にソウルキャノン発射のカウントダウンを行う邪悪仕様に進化している。3ではこんな辛い思いはしたくないと思ったけど、タラニスは雲海に放棄したので安心……なわけがないんだろうな。ここからがいよいよ3のストーリーの始まりだ。

ようやく平和を手にした子どもたちだったが、ある夜、マルトのもとに謎の通信が届く。声に導かれて進むと、そこには雲海に放棄したはずのタラニスと、マルトの兄の姿があった。

兄には何か目的があるようで、彼とその仲間たちによってマルトは連れ去られてしまう。

大切なものを取り戻すため、子どもたちが立ち上がる

マルトの失踪後、終戦条約を一方的に破棄したベルマン帝国によりマルトたちが暮らすガスコは脅威にさらされていた。マルトがベルマン帝国に囚われたことを知った子どもたちは、またしても戦いに身を投じるのであった。満身創痍の子どもたちの姿からは、ここに至るまでにどれだけ大きな犠牲を払ったかが伝わってくる。

いよいよマルトを助け出せる!といった局面で、子どもたちはさらなる絶望を味わうことになる。肉体的にも精神的にも限界を迎えた子どもたちは、自らの意思でメガソウルキャノンを発動させ、ベルマン兵たちを道連れにしていくのだ。

メガソウルキャノンは、ソウルキャノンを遥かに凌ぐ破壊力を持つが、その代償に子どもたち全員の命を要求する。代われるものなら代わってあげたいし、回避できるならしたかったけど、ストーリーの流れで発動しているので止めようが無いのだ。

そんな絶望的で最悪の未来だったが、時の巻き戻しが発生する。

巻き戻った時系列は、マルトの失踪から数日後。子どもたちはタラニスに乗り込み、ベルマン帝国の反乱組織と協力をし、マルト奪還のための戦いに身を投じる。今度はあの絶望の未来を変えられるのだろうか。

前作と同じく、スゴロクのようなマップを1マスずつ進んでいく。バトルマスでの敵との戦いや、回復マスやアイテムマスを経て、最奥のボスと戦うことになる。

敵には属性があり、弱点を突くことで手番を遅らせたり、大ダメージを与えたりできるぞ。

連続で弱点攻撃を成功させるとダメージが増加する弱点コンボや、戦闘メンバー以外が手助けしてくれる「アシストシステム」など、今作から加わった新たなバトル要素も盛りだくさんだ。

ソウルキャノンもより邪悪に進化している。バトル中にHPが一定以下になるなどすると、戦況を察した子どもが覚悟を決め、自らソウルキャノン発動の犠牲になろうとするのだ。

これまでの「犠牲となるメンバーを選ぶ」システムも邪悪だったけど、子どもたちが自主的に犠牲になろうとするのもかなりの鬼畜度合いだ。残りHPの管理が前作以上に大事になっているぞ。こまめに戦車を回復せねば!

インターミッションのマスでは、タラニス内で子どもたち同士の交流や装備のアップグレード、ほかにも料理や釣りなどが行える。

タラニス内でも新しいシステムが追加されており、タラニスの機能を拡張するスキルマネージャーや、特別なショップでの買い物ができるようになっている。

キャラクター同士の親愛レベルが上昇すると、バトル時のサポート効果が上昇し、より有利に戦えるようになる。レベルに応じて会話イベントも発生するので、子どもたちの絆が深まっていくのが実感できるな。

でも、仲良くなればなるほど、ソウルキャノンで仲間を失ったときの心のダメージが跳ね上がる。いっそのこと、仲良くならなければ辛い思いをしなくてすむかもしれない……。

そうそう、僕が本作に登場するキャラクターで一番好きなのはニアだ。マルトたち十歳前後の子どもたちの中にお姉さんキャラがいると、なんだかドキッとしてしまう。

ニアのことをお姉さんとか言っちゃっているけど、僕の方が倍ほど年上なんだよな……。それはそれとして、年上キャラ(※主人公目線)ってやっぱり魅力的なんだよな~。


『戦場のフーガ』はシリーズを通して絵日記でもお届けしていたので、とうとう完結したか~と感慨深いですね。

第一作目をプレイしたときは「こんなかわいそうな物語があるのかよ……」とマルトたちに感情移入しまくっていましたが、二作目、三作目とさらなるかわいそうな物語が展開していて、僕のSAN値はガリガリ削られていました。

本作には物語を体験するのに特化した「ファストモード」があり、通常バトルのエンカウントをスキップしたり、イベントバトルでも一撃で倒せる兵器が搭載されていたりと、実質的な無敵モードとなっています。こういった超イージーモードのようなシステムは賛否あるとは思いますが、本シリーズは複数のエンディングがあり、2周目、3周目と繰り返し楽しめる作りになっているので、腕に自信のあるプレイヤーにとっても周回時に重宝する機能だと思います。

もちろん、ソウルキャノンを使いたくなる絶妙なバトル難易度も本作の魅力ではあると思いますが「ケモノ好きだけど難しいのはちょっと……」と敬遠していた同好の士にも勧めやすくなったのはありがたいですね。

サイバーコネクトツーは『戦場のフーガ』シリーズが初の自社パブリッシングタイトルですが、見事に三部作を走りきってくれていました。作品ごとにしっかり完結してるし、2や3には過去作のあらすじ動画も収録されているので、シリーズが初めての方も、ちょっと間があいて久しぶりの方も楽しめます。

冒頭の第一作と第二作のあらすじは、ネタバレを極力防いで書いているので、この絵日記を読んでシリーズが気になった方でも安心して第一作目からプレイしてもらいたいです!


『戦場のフーガ3』は、PC(Steam/Epic Games Store)/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/ニンテンドースイッチ向けに2025年5月29日に発売予定です。


ライター:吉田 輝和,編集:宮崎 紘輔

ライター/おじさんの絵を描くおじさん 吉田 輝和

20年近く趣味でおじさんの絵(自画像)を描いていたら、いつの間にかおじさんの絵を描く仕事をするようになったおじさん。「吸血鬼すぐ死ぬ」や「からかい上手の高木さん」など数多くの漫画に、自分でも知らない内にモブとして登場している。 現在はGame*Sparkや他メディアでおじさんの絵やゲームの絵日記を連載中。お仕事の依頼は吉田輝和ツイッターからどうぞ。

編集/タンクトップおじさん 宮崎 紘輔

Game*Spark、インサイドを運営するイードのゲームメディア及びアニメメディアの事業責任者でもあるただのニンゲン。 日本の新卒一括採用システムに反旗を翻すべく、一日18時間くらいゲームをしてアニメを見るというささやかな抵抗を6年続けていたが、親には勘当されそうになるし、バイト先の社長は逮捕されるしでインサイド編集部に無気力バイトとして転がり込む。 偶然も重なって2017年にゲームメディアの統括となり、ポジションが空位になっていたGame*Sparkの編集長的ポジションに就くも、ちょっとしたハプニングもあって2022年7月をもって編集長の席を譲る。 夢はイードのゲームメディア群を日本のゲーム業界で一目置かれる存在にすること、ゲームやアニメを自分達で出すこと(ウィザードリィでちょっと実現)、日本武道館でライブすること、グラストンベリーのヘッドライナーになること……など。

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  • スパくんのお友達 2025-05-27 6:17:15
    復讐がテーマで国同士の戦争ともなればこうなるか・・・でも1作目が出るまで結構グダったのに3部作を走り切ったのはお見事。欲を言えば1と2にもスキップモードが欲しかった。
    戦闘はともかく遺跡探査が全然楽しくなかったので。
    5 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2025-05-27 3:26:08
    人の心がないサイバーコネクトツー!
    11 Good
    返信

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