
アメリカ時間6月6日、Summer Game Fest 2025が開催され、IO Interactiveが『HITMAN World of Assassination』と「007」のコラボとして、マッツ・ミケルセン氏が「007/カジノ・ロワイヤル」のヴィラン「ル・シッフル」を再演するという驚きの発表がありました。

その夜、筆者が参加したイベントでサプライズトークショーが開かれ、ミケルセン氏が目の前に座るという想定していない大事件が発生しましたので、ミケルセン氏が語った内容を写真を添えてレポートします。
マッツ・ミケルセン(Mads Mikkelsen)とは?

デンマーク出身の俳優で、そのカリスマ性と幅広い役柄から“北欧の至宝”とも呼ばれています。キャリアの初期は母国デンマークで映画「プッシャー」シリーズなどに出演し、国内での名声を確立しました。
国際的なブレイクのきっかけは2006年の映画「007/カジノ・ロワイヤル」で演じた悪役ル・シッフルで、この役で世界的な知名度を獲得しました。 ゲーム分野では2008年にゲーム版「007/慰めの報酬」でもル・シッフルの声を務め、2019年には小島秀夫監督の『デス・ストランディング』でクリフォード・アンガーを演じています。
そして今回、3度目のル・シッフル役を演じます。
『HITMAN』の中の人とは顔なじみ
『HITMAN』シリーズの主人公“エージェント47”を演じるデイヴィッド・ベイトソン氏とミケルセン氏は、1999年に公開されたショート映画で共演したことがあり、三角関係を描くストーリーで、当時ミケルセン氏がベイトソン氏とその妻を殺害するという内容でした。

ミケルセン: そう、あれが僕の初めての仕事だったけど、デイヴィッドの妻と寝て彼を殺したんだ。だからこのゲーム(『HITMAN』)で何が起こるかな。
ベイトソン:50/50ってことで引き分けにしよう(笑)。そうだったな、君が私を殺したんだ。(小声で)クソ野郎。
なお、ミケルセン氏はエージェント47を演じているのがベイトソン氏とはこの日まで知らなかったそうで、トークショー前にゲーム映像の説明を受け、そこでエージェント47を見て初めて気がついたそう。
――映画版とゲーム版でル・シッフルを演じる違いは?

ミケルセン:スタジオもなくセットもなく、衣装を着ていないので、それが違う点だね。これはもちろん架空の世界だ。レコーディングはスペインで1人で行い、(開発の)皆はデンマークにいたよ。ゲームのことは息子がずっとプレイしているので知ってたんだ。
当時、自分がどうフィットするかは分からなかったけど、たくさんのメモをもらってね。そして皆が各シーンを提案してくれたから、結局、すべてのセリフを5つの異なるバージョンで演じて、それをいじれるようにすればいいということに気づいたんだ。それが私のアプローチだった。なぜなら、(ゲーム内の)シナリオ分岐が多くて、30分ごとに各シナリオについて説明されるとなると、2ヶ月間そこに立ちっぱなしになるからね。だから、ただ飛び込んでいったよ。
だから、もちろん(映画とゲームで)アプローチは違うんだ。ル・シッフルに戻ってこられて本当によかったよ。
映画版を演じたときもそうだったし、映画も大好きだけど、脚本を読んだときはいつもものすごく怒っていたんだ。だって、ボンド映画だよ。私は元体操選手でスタントが得意なのに、映画でやった最もクレイジーなスタントは、2枚のエースを畳むことだけ。ああ、もう勘弁してくれと。だから、このキャラクターがもう少し自由に動けるようになったのが本当に嬉しいよ。

ベイトソン:エージェント47とジェームズ・ボンドへの拷問シーンがちょっと違うところが気に入ったよ。
ミケルセン:ボンドは私の金を奪ったんだ、自業自得だよ。
――ル・シッフルの声をまた演じられるのは楽しかったですか?

ミケルセン:それは超楽しかったよ。もちろん(映画もゲームも)両方とも楽しかったね。ル・シッフルを再演できて楽しかったよ。いくつかの理由で、彼がゲームでは若く見えるのに声が少し錆びているのは、どうやら私の演技ミスだったようだ(笑)。ホント、超楽しかったよ。
映画業界ではキャラクターに再訪する機会はめったにない。劇場ではあるかもしれないが、映画業界では終わったらそれまで。あれから何年経った?18年か。18年前にあのキャラクターを演じたんだ。ル・シッフルはかっこよかった。また彼に会えて嬉しいよ。
――ル・シッフルとエージェント47が対決したらどうなると思いますか?

ミケルセン:もちろん、ル・シッフルは通常、手下や汚れ仕事をさせる人間を抱えているから、暗殺者という点では明らかにエージェント47が上だけど、ル・シッフルの得意分野で対峙するとなると、エージェント47にとっては少し大変な戦いになると思うね。
――ミケルセン氏自身が『HITMAN』をプレイするとしたら、正面から行きますか?それともステルスで行きますか?

ミケルセン:つまり私が私のキャラクターを暗殺に行くならってこと?私に答えられないけど、誰が私を殺すのを本当に楽しみにしているか知ってるかい? 私の息子だよ!
私のキャラクターを倒す方法はたくさんあるからね。息子が「またやらなきゃ」という顔をするのが待ち遠しいよ。きっと楽しいだろう。ヒットマンとして私を殺害するんだから、私としては奇妙な自殺プロセスになるだろうね。ダウンロードしてプレイして流れに任せるよ(笑)。
――『デス・ストランディング』と『HITMAN』の演技アプローチの違いについて教えてください。

ミケルセン:セットがないという点では同じ世界に属しているけど、『デス・ストランディング』はもっと肉体的なものだったよ。緑色のタイツを着て顔に点々をつけ、カメラを頭に付けてね。幸い、私だけではなかったけど。 そして『HITMAN』は撮影の数ヶ月前に企画説明があり、話し合い、スタジオに行って声の収録をしたんだ。だから確かに違いはあった。

けど、どちらも共通していたのは何が起こっているのか全く分からなかったということさ(笑)。
予想はしていたけど、今日見たものは本当に衝撃的で楽しかったよ。映画ではその渦中にいるわけだけど、ゲームでは外側にいて、後で完成品を見ることになるからね。だから皆のように、私も指を組んで祈るような気持ちだったよ。

『HITMAN World of Assasination』は、PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/ニンテンドースイッチ/PC向けに発売中。ニンテンドースイッチ2版も発売したばかりで、今年中にiOSでも配信される予定です。
マッツ・ミケルセン氏が扮するル・シッフルが登場する「Celebrity Elusive Target」は、日本時間6月7日から7月7日まで『HITMAN World of Assasination』を所有していれば無料でプレイが可能です。
¥5,658
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
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