初代『Fallout』開発者の1人であるティム・ケイン氏は、古いゲームの開発資料が失われつつあるとゲーム保存の現状を語る動画を公開しました。企業が持つ所有権を軽視すべきではないとしつつ、保存する責任を果たすべきだと主張しています。
所有権を主張するのであれば、保存する責任も負わなければないと主張

ティム氏は4月に公開した動画で、Interplayを辞める際に自身が持っていた初代『Fallout』の開発資料を全て破棄するように命じられたものの、数年後に同社が保存していた資料が紛失してしまったと連絡されたことを明かしています。最終的にはパッケージ版のコードが回収されたものの、開発資料はほどんど残っていないと報告しました。
今回の動画では、長年にわたる同氏のゲーム保存の取り組みを改めて語っています。初代『Fallout』で破棄を命じられた際に何故バックアップを取らなかったのかという疑問に対して、訴訟の脅威にさらされているなら破棄すべきであると、企業のもつ所有権を軽視しない姿勢を見せました。
企業のゲーム開発における漏洩対策には理解を示しつつも、所有権を主張するのであれば保存する責任も負わなければないとコメント。権限は持つのに責任を取らないことが繰り返されると腹が立つと、開発資料の消失を招く企業の対応を強く非難しています。
ゲームの開発資料は背景を知る貴重な情報源であると同時に、移植などの際にも大きな役割を果たします。重要な機密情報であるため企業では厳密な管理が求められますが、ゲームの保存という観点では消失しないように維持する努力も求められています。







