気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Rogue Duck Interactive開発、PC/Mac/Linux向けに6月23日にリリースされた仕分け作業員シミュレーション『仕分け作業員シミュレーター』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作はその名の通り、倉庫内の仕分け作業員のシミュレーションゲーム。荷物の仕分け・梱包・発送業務の全般が体験可能。収益を活用した設備投資で作業効率を向上させ、増え続ける注文と複雑化する業務に対応し、物流マネジメントの究極スキルを身につけます。日本語にも対応済み。
『仕分け作業員シミュレーター』は、1,200円で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Harun こんにちは!米国を拠点とするゲーム開発&パブリッシング会社、Rogue Duck Interactiveで働く開発者の一人、Harun Zirekです。
私が最も好きなゲームの一つが『Lies of P』です。その雰囲気、暗く奥深いストーリーテリング、そして挑戦的なゲームプレイが、何度も繰り返しプレイしたくなる理由です。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Harun 本作は、プレイヤーを忙しない倉庫の現場に誘い、箱にテープを貼ったり、小切手をスキャンしたり、壊れやすい商品を仕分けたり、時間とプレッシャーと戦ったりしながら作業を進めるゲームです。しかし、これは単なる仕事ではなく、ミス連発のコメディなのです。すべての作業は実践的でありつつやや混沌としており、ミニゲームや予期せぬ展開が盛りだくさんです。
本作のアイデアは、私たちの一つ前のゲームである『Lost But Found』の後に生まれました。この作品は、プレイヤーが遺失物管理事務所を運営すると言う内容です。プレイヤーの多くが「平凡な仕事に奇妙なひねり」というコンセプトに強く共感してくれたため、本作ではそのコンセプトをさらに発展させました。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Harun もちろんです。私たちは、一つ前の作品『Lost But Found』や、『Papers, Please』のようなお役所仕事をゲーム化したような、昔のゲームから直接的な影響を受けています。また、『メイド イン ワリオ』の影響も、慌ただしいミニゲームや高速な意思決定を通じて滲み出ていると言えるでしょう。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Harun 本作のテストプレイ中、テープの音に不具合が発生し、1シフト分ずっと途切れることなく流れ続けたと言うことがありました。これには少しイラつきましたが、プレッシャー下で本作がどれだけ面白く、緊張感に満ちたものになるかを気づかせてくれました。また、私たちはラベルプリンターの音の調整に異常なほど多くの時間を費やしました。完璧な音でなければならないと考えた結果、今ではなぜか不思議なほどにちゃんとした音になっています。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Harun プレイヤーの皆さんは、本作を「最もストレスが溜まるリラックスゲーム」や「ワンオペの『Overcooked』」と呼ぶことがよくありますが、正直なところ、それは褒め言葉のように感じています。あるプレイヤーは、本作が昔働いていた配送センターを思い出させると言っていましたが、泣くのではなく笑ってしまうような感覚だったそうです。このような感情的なつながりは本当に驚きで、非常にモチベーションを高めてくれます。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Harun 私たちは既に、QoL向上パッチとバグ修正を順次実施しています。プレイヤーたちからは、より多様なコンテンツ、奇抜な顧客、新しいアイテムの種類、そして混沌にさらなる深みを求められています。そのため、緊張感を維持しつつもゲームプレイの新鮮さを保つコンテンツアップデートを計画しています。既にいくつかのサプライズが進行中ですよ。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Harun はい!配信、録画、そして収益化を自由に楽しんでください。私たちは、プレイヤーが独自の方法でシフトに対応する姿を見るのが大好きです。テープとあなたの精神、どちらが先に限界を迎えるのか、その瞬間を楽しみにしています。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Harun 日本の皆様、こんにちは!『仕分け作業員シミュレーター』へようこそ!
倉庫生活の混沌とした、笑える、そして不思議な満足感に満ちた世界を楽しんでいただければ幸いです。プレイしていただき、本当にありがとうございます。次回のシフトでの皆様の活躍を楽しみにしています。がんばって!
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に700を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。








