「スケーターやサーファーがボードと一体になった時の境地が味わえる」海外レビューハイスコア『Sword of the Sea』

最初から最後まで美しい体験が味わえる『Sword of the Sea』はPS5屈指の傑作である。Giant Squidの3作目となる本作は心に残る映像とレスポンスの良いゲームプレイを備えているため、クリア後もすぐさま“ニューゲーム+”に突入して作品中のあらゆるものを目にしたくなるはずだ。この探索ゲームの傑作を見逃してはならない。

Giant Squidは『Sword of the Sea』で大きな飛躍を遂げた。ゲームプレイ、音楽、アートを融合し、同スタジオの最高傑作だと感じられる作品を創り上げたのである。本作はプレイ時間が短い方かもしれないが、至高の“ホバーソーディング”と素晴らしいデザインを通じて、好きなだけ遊べる独創的なスケートパークを提供してくれた。最高にイカした作品だ。

『Sword of the Sea』のある場面は私の涙を誘った。その内容を明かすことはできない。これから本作をプレイしようという人には、この特別な瞬間を一切の予備知識なしに体験して欲しいと切に願うからだ。クリアまで3時間強という短い旅ではあったが、なんとも馬鹿みたいに楽しい3時間だった。

スケーターやサーファーが語る、すべてが上手くかみ合い、ボードと一体になった時に到達するという境地。それこそが『Sword of the Sea』でしばしば味わう高揚感なのである。

『Sword of the Sea』は浮遊する剣に乗った魔法剣士が時速170マイルで砂丘を疾走するがごときテンポで展開し、プレイヤーに目を離す暇を与えない。

途中に些細な問題はあるものの、『Sword of the Sea』は全体としてストレスなく楽しめる作品だ。本作には『風ノ旅ビト』の雄大さ、『The Pathless』のアクション性、『ABZÛ』の平穏がすべて存在している。『Sword of the Sea』のリリースは2012年に始まった4作品からなる長旅の終わりを告げるものであり、その旅は爽快感と静寂感が一体となった壮大なクライマックスを迎えた。

少々意外かもしれないが、実のところ『Sword of the Sea』のプレイ感はスケートボードゲーム風ではない。その種の作品としてはトリックシステムが単純すぎるのだ。むしろ、3Dの『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』に似ていると言える。