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日本ファルコムが歩んだ歴史に「二枚看板」あり─『英雄伝説』=『軌跡』シリーズ…じゃないの?令和7年に振り返るベテラン企業の過去

国産RPGの老舗メーカーである日本ファルコム。特に知られている2つの代表作から、同社の歩みを振り返ってみましょう。

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日本ファルコムが歩んだ歴史に「二枚看板」あり─『英雄伝説』=『軌跡』シリーズ…じゃないの?令和7年に振り返るベテラン企業の過去
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プロジェクトEGG版『イース(PC-8801mkIISR)』(日本ファルコム 公式サイトより)

RPGを中心に魅力的なゲームを開発・販売している「日本ファルコム」は、ゲーム業界では珍しい無借金経営を続けていることでも知られています。

規模を無闇に拡大する選択は取らず、堅実なゲーム開発を40年以上も維持し続けてきた姿勢と手腕は、見事というほかありません。また、意外な裏話を持つ代表作などもあり、経営理念以外にも関心をそそられる点がいくつもあります。

そんな日本ファルコムの代表作をもとに、同社の歩みを振り返ってみましょう。

◆『英雄伝説』ってひとつのシリーズだけじゃないの?

日本ファルコムと聞けば、『英雄伝説』シリーズを思い出す人も多いはず。特に近年なら、『軌跡』シリーズを直接連想するケースがポピュラーでしょう。しかし、『軌跡』シリーズと『英雄伝説』シリーズは、実のところ完全にイコールの関係ではありません。

『英雄伝説』シリーズは単独のシリーズを指す言葉ではなく、3つのシリーズを総称した呼び名なのです。まず「英雄伝説」という単語が出てくる作品を辿っていくと、1989年発売の『ドラゴンスレイヤー英雄伝説』へと辿り着きます。

この作品と続編の『ドラゴンスレイヤー英雄伝説II』をまとめ、舞台となる世界の名前から「イセルハーサ」シリーズと呼ばれています。(※なお、この2作品に他作品を加えた「ドラゴンスレイヤー」シリーズというカテゴリー分けもあります。)

Windows版『英雄伝説 白き魔女』(日本ファルコム 公式サイトより)

そして、1994年に発売した『英雄伝説III 白き魔女』は、タイトルにもある通り『英雄伝説』の流れに属する作品ですが、「イセルハーサ」シリーズとは異なる世界を描いています。

『英雄伝説III 白き魔女』の世界は、大地の割れ目「ガガーブ」で分断されており、『英雄伝説IV 朱紅い雫』(1996年発売)と『英雄伝説V 海の檻歌』(1999年)も同一の世界観で展開。作品を象徴する舞台の名称から、この3作品は後に「ガガーブトリロジー」と呼ばれるようになりました。

Windows版『英雄伝説 空の軌跡 FC』(公式サイトより)

『英雄伝説』シリーズはこうした歩みを経て、2004年発売の『英雄伝説VI 空の軌跡』を生み出します。これが、現在まで続く『軌跡』シリーズの始まりです。『軌跡』シリーズも『英雄伝説』に属しているのは間違いありませんが、「イセルハーサ」シリーズと「ガガーブトリロジー」と合わせ、3つのシリーズを内包しています。

他社の例で申し訳ありませんが、「ロト三部作」や「天空」シリーズなどが連なる『ドラゴンクエスト』シリーズを一例として考えると、総称としての『英雄伝説』と内包された3シリーズの関係性が理解しやすいかもしれません。

◆かつては「PC向け」が主軸だった日本ファルコム

(日本ファルコム 公式サイトより)

『英雄伝説』において、『軌跡』シリーズはもっとも新しいシリーズ作ですが、1作目が2004年に発売されたため、現時点ですでに20年を超えています。20年もの歴史を持ち、今も最新作がリリースされているRPGシリーズはかなり珍しく、日本ファルコムの看板に相応しい名シリーズと言えるでしょう。

当時と今では開発環境も異なりますが、実は販売形態にも大きな違いがありました。日本ファルコムは、さきほど取り上げた「イセルハーサ」シリーズはもちろん、『軌跡』シリーズの序盤を飾った『空の軌跡』3作品も含め、全てWindows向けにリリースしています。創業から長い間ずっと、PCに主軸を置いたゲーム作りを続けていました。

完全にPC向けのみだったわけではありませんが、後から移植するといったケースが多く、かつての日本ファルコムはPC向けをメインに据えていたのです。

『英雄伝説 零の軌跡』(日本ファルコム 公式サイトより)

その傾向が変わり始めたのは、PlayStation Portableへの進出がきっかけだったと思われます。『空の軌跡』シリーズ3作品のPSP版が好評を博し、その成功を踏まえて『英雄伝説 零の軌跡』と『英雄伝説 碧の軌跡』がPSP向けに登場しました。

そして、2013年発売の『英雄伝説 閃の軌跡』がPS3と PS Vitaの2機種で同時リリースされ、家庭用据え置き機にも本格参戦。ここから、PS4にニンテンドースイッチ、PS5といった現行機への展開に繋がっていきました。



ライター:臥待 弦(ふしまち ゆずる),編集:八羽汰わちは


ライター/楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦(ふしまち ゆずる)

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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編集/多趣味オタク 八羽汰わちは

はちわたわちは(回文)Game*Spark編集部員、デスク担当。特技はヒトカラ12時間。

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