日本ファルコムが歩んだ歴史に「二枚看板」あり─『英雄伝説』=『軌跡』シリーズ…じゃないの?令和7年に振り返るベテラン企業の過去 2ページ目 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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日本ファルコムが歩んだ歴史に「二枚看板」あり─『英雄伝説』=『軌跡』シリーズ…じゃないの?令和7年に振り返るベテラン企業の過去

国産RPGの老舗メーカーである日本ファルコム。特に知られている2つの代表作から、同社の歩みを振り返ってみましょう。

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日本ファルコムが歩んだ歴史に「二枚看板」あり─『英雄伝説』=『軌跡』シリーズ…じゃないの?令和7年に振り返るベテラン企業の過去
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◆20年超えの『軌跡』シリーズよりも長い、日本ファルコムの“もうひとつ”の代表作

20年以上続く現役シリーズをひとつ持っているだけでも大したことですが、そんな『軌跡』シリーズをも超える作品を日本ファルコムはもうひとつ抱えています。それは、アクションRPGの『イース』シリーズです。

シリーズ名と同名の1作目(後にナンバリングがついて『イースI』表記に)が発売されたのは、1987年のこと。『英雄伝説』シリーズの幕開けとなった『ドラゴンスレイヤー英雄伝説』より、2年も前に登場しています。

『イースV 失われた砂の都ケフィン』(日本ファルコム 公式サイトより)

『イース』シリーズも当初はPCメインに展開しましたが、『イースV 失われた砂の都ケフィン』(1995年発売)は、例外的にスーパーファミコンソフトとして登場。しかし、次作の『イースVI -ナピシュテムの匣-』(2003年発売)では再びPC向けに戻り、番外編の『イース・オリジン』(2006年発売)も同じくPC向けでした。

しかし、『イース』シリーズの展開はここから大きな変化を迎えます。まず、続編の『Ys SEVEN(イースVII)』が、2009年にPSPソフトとして登場。ここから、『イース』シリーズも主軸を家庭用向けに移します。

ただしこのタイミングで、『イース』シリーズ自体に一度空白期間が生じました。『イースVII』は3Dアクションに切り替わった最初のシリーズ作でもあり、これまでにないアクション感やバトルのテンポが好評を博します。そのため続編を望む人も多かったものの、シリーズの新作は約7年間も出ずじまいでした。

この空白期間を経て、2016年に待望のナンバリング作品『イースVIII -Lacrimosa of DANA-』が登場。まずはPS Vita向けに、そして翌年にはPS4に向けてリリースされ、家庭用向けの『イース』シリーズが本格的に再始動を開始しました。

『イースVIII』では広大な無人島を舞台に、まさに冒険と呼べる3Dアクションを提供。また物語も、時代を超えた壮大な展開が待っており、プレイヤーの心に印象深い結末を残しました。

そして2019年に発売された『イースIX -Monstrum NOX-』では、一転してひとつの街を舞台とするシティアドベンチャーなアクションRPGを提案し、新たな冒険に刺激的なエッセンスを加えます。また、垂直な壁を駆け登る「ヘヴンズラン」など、行動の幅を広げる「異能アクション」の心地良さも印象的でした。

そして、現時点のナンバリング最新作となる『イースX -NORDICS-』が2023年に発売。敵に攻撃を当てた手応え、撃破した時の爽快感、レアな宝物を獲得した際の特徴的なSEなど、初代から『X』までその魅力は変わらず、そしてバトルシステムは正当進化を遂げていきます。


38年もの歴史を紡ぐアクションRPGシリーズは、古参の部類と言ってもいいほどです。しかも『イース』シリーズの主人公は、番外編の『イース・オリジン』を除き、常に「アドル・クリスティン」が務めています。

ナンバリングと作中の時系列はリンクしていないため、10代後半から20代まで作品によって年齢はバラバラながら、アドルが主人公という点は一切変わりません。主人公が交代しないアクションRPGシリーズとして、他に類を見ないほどの歴史を刻んできました。

多彩なシリーズを擁する『英雄伝説』と、唯一無二の歴史を持つアクションRPG『イース』シリーズ。この二枚看板が、日本ファルコムを長く支え続けてきたのです。


両シリーズはこれまでも大いに活躍しましたが、この令和7年にも新たな動きを見せています。まず『イース』シリーズは、ナンバリング最新作に追加要素を加えたニンテンドースイッチ2ソフト『イースX -Proud NORDICS-』を、2025年7月31日にリリースしました。

また『英雄伝説』からは、原点『空の軌跡FC』をフルリメイクした『空の軌跡 the 1st』が2025年9月19日に発売。従来のターン制バトルだけでなく、アクションRPGさながらの操作感とテンポで楽しめるクイックバトルを追加し、当時の名作が装いも新たに生まれ変わります。

日本ファルコムは今も、一歩ずつ着実に、そして確かな進化を刻み続けてきました。だからこそ、『英雄伝説』や『イース』の今後にも安心感を抱きながら、これまで以上の期待を寄せることができます。その信頼感こそが、日本ファルコムの最大の魅力と言えるでしょう。

またこちらは余談になりますが、2025年9月3日にはエディアが日本ファルコムとのライセンス契約の締結を発表。いずれもPCエンジン版の『イース』(I・IIやIII、IV)・『ドラゴンスレイヤー英雄伝説』(1作目と2作目)・『風の伝説ザナドゥ』(1作目と2作目)が対象で、現行機向けの移植開発を目指すとのこと。


開発はエディア側が行うとはいえ、どの作品もシリーズファンの心をくすぐるものばかり。これらの作品は別の機会で掘り下げるとして、日本ファルコムの作品は昔も今も見逃せません!


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ライター:臥待 弦(ふしまち ゆずる),編集:八羽汰わちは


ライター/楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦(ふしまち ゆずる)

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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編集/多趣味オタク 八羽汰わちは

はちわたわちは(回文)Game*Spark編集部員、デスク担当。特技はヒトカラ12時間。

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