10月も終わりが近づき、いよいよ今年も残りわずかとなってきました。今年も数多くの新作ゲームが登場し、筆者もさまざまなタイトルをプレイしてきました。振り返ってみると、例年以上に遊ぶゲームが多かった一年だったように感じます。
そんな中、前作『The Outer Worlds』から実に6年ぶりとなる新作『The Outer Worlds 2』が、10月30日に発売されます(プレミアムエディション購入者は10月25日から先行プレイが可能です)。古くは『Fallout: New Vegas』や『Pillars of Eternity』などで知られ、今年は『Grounded 2』と『Avowed』もリリースされるなど、かなり精力的に作品を世に送り出しているObsidian Entertainmentの最新作ということで、注目している方も多いのではないでしょうか。
本記事では、マイクロソフトよりキーを提供いただき、一足早く筆者が『The Outer Worlds 2』を実際にプレイし、一周クリアまで体験した内容をもとにレビューをお届けします。ネタバレには配慮して執筆しますが、何も知らないで遊んでも充分楽しい作品だと思いますので、気になる方はクリア後に読まれることをおすすめしますよ!
ストーリーと世界観

まず最初にお伝えしておきたいのは、本作『The Outer Worlds 2』は前作『The Outer Worlds』と世界観こそ共有していますが、ストーリー的なつながりはほとんどなく、前作をプレイしていなくてもまったく問題なく楽しめる新作だという点です。レビュー執筆にあたり、改めて『The Outer Worlds』をプレイし直してみましたが、その必要はあまり感じませんでした。
今作では、主人公は「地球議会」に所属するエージェントとして、ある事態への対処を任務として行動します。前作と比べて物語の方向性がより明確で、自分が何を目的に動いているのかがはっきりと理解できる、シンプルでわかりやすいストーリー前提になっています。が、それはストーリーそれ自体がシンプルでわかりやすい、ということを意味してはいません。

発売前のタイトルということもあり、ストーリーの詳細な内容には触れません。が、筆者が感じた本作の最大の魅力は、やはりその物語と世界観にあります。展開は常に予想を裏切り、次に何が起こるのか読めないスリリングさがあり、複数の勢力が入り乱れることで状況は次第に複雑さを増していきます。思わず唸るような意外性のある展開も多く、政治劇的な側面やミステリー要素も織り交ぜられており、知的な好奇心を強く刺激するストーリーが楽しめます。
……と、そう聞くとシリアスすぎる内容を想像する方もいるかもしれませんが、そこは『The Outer Worlds』シリーズ。作品全体にはどこか不謹慎さを帯びた風刺的なユーモアが通底しており、決して暗くなりすぎることはありません。

訪れる惑星やステーション、登場する各勢力もそれぞれに強い個性と魅力を持っています。アール・ヌーヴォーやアール・デコ調の意匠を取り入れた建築物や広告デザインはどれも美しく、「圧巻」という言葉がふさわしい仕上がり。前作『The Outer Worlds』から本作の間に、似た方向性の作品として『Starfield』が登場しましたが、両者のアプローチは明確に異なります。
『Starfield』が多くの星を探索し「宇宙の広大さ」を実感させるつくりだったのに対し、本作は重要なポイントや見どころをぎゅっと凝縮し、「宇宙の不思議さ」をテンポよく、そしてダイナミックに味わえる構成となっています。また、ストーリーの進行によっては結末が大きく変化するような分岐もきちんと用意されており、プレイヤー自身が物語に直接関与しているという実感をしっかりと味わうことができます。

細部に至るまで、「SFらしさ」にあふれた設定やキャラクター造形、思想、小物の数々が詰め込まれた本作は、まさに“宇宙SFの玉手箱”といった印象です。用語や固有名詞などがバンバン登場するためちょっと混乱させられる、ということはありましたが、それもまた「SFっぽさ」というものでしょう。
厳密な科学考証はさておき、独特な設定や個性的なロケーションや少し風変わりなシチュエーションが好きな人であれば、きっと満足できる濃密なSF体験となるでしょう。筆者は寄り道をしつつもレビュー執筆のためにやや急ぎ足で進めましたが、それでもクリアまでに30時間ほどかかりました。しっかり遊び込めばさらに時間がかかるでしょうし、前述のようにストーリー分岐も存在するため、周回プレイも可能と考えるとかなりのボリューム感のある作品となっています。
ゲームプレイ

本作のゲームプレイで筆者が特に気に入ったのは、探索要素の充実ぶりです。前述のとおり多彩なロケーションが登場する本作ですが、なかでもメインストーリーで訪れることになる“ダンジョン”的な構造物はどれも広大で、さまざまな仕掛けや謎解きが盛り込まれている点が印象的でした。こうした“ダンジョン”の数は決して多くはないものの、ひとつひとつの完成度が非常に高く、攻略し終えるたびに心地よい疲労感を覚えるほどの満足度があります。
本作は惑星やステーションごとにマップが異なり、一部の建造物へ入る際にはロードを挟むため、厳密には「完全なオープンワールド」ではありません。ただ、実際のプレイ感としては一般的なオープンワールドRPGに非常に近く、その感覚のまま遊んでもまったく問題ないと思われます。

また、会話で相手を説得したり、情報を引き出したりするような要素も用意されており、これが非常に面白く仕上がっています。ユーモアの効いた選択肢も多く、会話のバリエーションが豊富なため、プレイ中に飽きることがありません。
これはダンジョン攻略にも共通して言えることですが、プレイヤーのスキルレベルによって取れる行動の幅が広がるのも本作の大きな特徴です。状況ごとに異なるスキルが求められるため、特定の育成方針が完全に行き詰まることは少ない一方で、それぞれのスキルが活躍する場面は限られており、筆者のプレイではダンジョン攻略も会話シーンも「なかなかうまくいかない」という歯がゆさがありました。
開始直後はどのスキルが有用なのか見極めづらいため、多くのプレイヤーが似たようなジレンマを感じるかもしれません。このあたりはプレイヤーの好みによって評価が分かれそうな部分です。スキルレベルが足りない場合はゴリ押ししたり、かなり精密に探索しないと状況が進まない場合も多く、筆者は何度か「詰まる」ような体験もしました。

ゲームプレイを語るうえで欠かせないのが、戦闘をはじめとするアクション要素です。本作の戦闘は基本的に非常にスタンダードなFPSスタイルで構成されており、特筆すべき独自性はあまり見られません。一般的なFPSとして問題なく楽しめる作りではありますが、目新しさや独創的な仕掛けといった点は控えめです。
なお、筆者のプレイ時点(発売前パッチ)では、戦闘中に特殊演出が発生すると視点が不自然な方向へズレ、敵を見失ってしまうバグが頻繁に起こりました。今後のアップデートで修正される可能性が高いと思われます。
武器の種類は豊富で、味方のスキルも自由にビルドできるため、戦略を練れば戦闘を有利に進めることも可能です。ただし、筆者が実際にプレイした印象では、結局のところ「とにかく撃って倒す」といったシンプルな戦闘に落ち着きがちでした。そのせいか敵の耐久力はかなり高く感じられ、常に弾薬が不足気味になる場面が多かったです。戦闘の頻度や敵の数自体も(あくまで直感的にですが)他の似たジャンルのゲームより多く感じられました。もうちょっと戦闘少なくても良くない!?と感じました。

また、一部のマップにはアスレチック的な要素も盛り込まれており、足場を飛び移りながら落下しないよう慎重に進むといった、いわばプラットフォーマー的なゲームプレイも存在します。まったく予想していなかったためやや難しく感じられ、行ける場所と行けない場所の見分けもつきづらい部分がありました。さらに、多少の強引な操作で突破できてしまうケースも多かったため、「非常に楽しい」とまでは言えませんでしたが、このあたりは完全に筆者の好みの問題だと思います。
本作はストーリーや会話、さらにマップのバリエーションや攻略要素に重きを置いた作品であり、戦闘はあくまでスタンダードな位置づけにとどめられています。こうした構成はおそらく、開発側が意図的に設計したバランスなのでしょう。
その他、総評

本作には個性豊かで魅力的な仲間キャラクターが多数登場し、それも大きな魅力のひとつとなっています。とくに序盤から行動をともにする「ナイルズ」は、プレイヤーにとって強く印象に残る存在になるでしょう。その他の仲間たちもそれぞれ異なる背景や信念を持ち、陣営や思惑も実に多様です。個別クエストも非常に興味深く、キャラクターの深みを感じさせる内容でした。(ちなみに筆者は一人だけ仲間キャラクターを発見できないままクリアしてしまいました。どこにいたんだ!?)
不満点を挙げるとすれば、発売前のバージョン特有のものや、すぐに修正されるであろう軽微なものも含めて、未訳の文章が混じるなどのバグに遭遇する機会はそこそこありました。クエストギバーが屋根の上に登ってしまいクエスト完了を報告できないという、進行不能になりかねない状況にも遭遇しましたが、なんとか強引に解決できました。とはいえ、弁護するわけではありませんが、同系統のオープンワールド系海外RPGと比べて特別バグが多いという印象はなく、むしろ初期バージョンとしてはかなり安定しているほうだと感じます。

マップ構造についても少し気になる点がありました。本作のマップには断崖絶壁や渡れない川、顕著な高低差などが多く配置されており、目的地に一直線で向かえない場面が頻繁にあります。おそらくプレイヤーの移動経路をある程度制御し、ストーリーをスキップしてしまうような事態を防ぐ意図があるのだと思いますが、実際にプレイしていると進行が煩わしく感じられる場面も少なくありませんでした。

総評として、本作はストーリーの完成度が高く、サイドクエストを含むボリュームも十分で、物語や設定を重視するSFファンには強くおすすめできる良作です。戦闘やアクション重視のゲームを好むプレイヤーには合わない部分もあるかもしれませんが、魅力的なロケーション、個性的なキャラクター、そして先の読めない物語展開が見事に噛み合い、最後まで惹きつけられる内容になっています。筆者自身も本作を非常に気に入り、さまざまな面で前作から着実に進化を遂げていると感じました。
不満点としては、些細なバグや、ところどころで感じる小さなフラストレーションは確かに存在します。ですが、それらは筆者の好みの部分も大きく、決して本作の魅力を損なうほどのものではありません。むしろ、それを補って余りある物語の重厚さ、個性的なキャラクターたち、そして独特のユーモアがしっかりと光っています。
もし少しでも興味を持ったなら、前作を遊んでいなくてもぜひ触れてみてほしい作品です。Xbox Game Passにも対応しているので、気軽に遊べますよ!
Game*Spark レビュー『The Outer Worlds 2』PC(Steam/Battle.net/Microsoft Store)/PS5/Xbox Series X|S2025年10月30日
楽しく、ボリュームも充分、SFファンにはおすすめできる
GOOD
- 魅力的なストーリー、世界観
- 広いダンジョンと探索要素の充実
- 魅力的なキャラクターとユーモラスな会話
BAD
- ビルドによっては「うまくいかない」と感じられる時間が長い
- アクション要素には向き不向きがある
- 行動が制限されてると感じられるマップ構造
- 些細なバグ













